JPH0310748B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はエアジエツトルーム、ウオータジエツ
トルーム等の無杼織機におけるドラムプール式緯
糸測長装置の測長量調節機構に関するものであ
る。

一般に、ドラムプール式緯糸測長装置において
は、糸供給ボビンから巻き戻された貯留ドラムの
まわりを公転する導糸管によつて該貯留ドラム外
周に１回の緯入れに必要な長さだけ巻き取り、こ
れを緯入れごとに巻き戻して経糸開口内へと導く
ようになつている。前記貯留ドラムに巻き取られ
る緯糸の長さは、前記導糸管の公転数あるいは該
ドラム外周において出没可能に配設した測長ピン
の出没タイミングによつても調節することができ
るが、これらは構造が複雑化し調整も面倒である
ことから、前記貯留ドラムの外周に数本の調節杆
を配設してこれらを半径方向に位置調節可能に装
着することにより、貯留ドラムの巻き取り径を変
更する緯糸測長量調節装置が提案されている。

ところが、前述した測長量調節装置は、数本の
調節杆をそれぞれ位置調節しなければならないの
で、操作が煩わしいとう欠陥があつた。

本発明は上記従来装置に存する欠陥を解消する
ために成されたものであつて、その目的は貯留ド
ラムに対し弧状に形成した調節部材を緯糸の巻き
取り長さを調節する方向への位置調節可能に装着
するとともに、該調節部材に対し補助調節部材を
スライド可能に嵌装することにより、調節部材の
個数を少なくして測長量の調節操作を容易に行な
うことができ、又ドラムに対する緯糸の巻き付け
巻き戻しを円滑に行なうことができるドラムプー
ル式緯糸測長装置の測長量調節機構を提供するこ
にある。

以下、本発明を具体化した一実施例を第１図〜
第４図について説明すると、図面中１は機台側部
に位置するフレーム、２は同フレーム１に対しベ
アリング３を介して回転可能にかつ緯入れ方向
（第１図の右方）に支承した回転支持軸であつて、
その後端部にはプーリ４がキーにより嵌合止着さ
れ、織成動作と同期して回転されるタイミングベ
ルト５により積極回転されるようになつている。

６は前記フレーム１に対し前記支持軸２及びベ
アリング３を支承るように嵌入してボルト７によ
り固定した第一太陽歯車、８は支持軸２の中間部
に一対（図では一方のみを図示する）のベアリン
グ９を介して支持された第二太陽歯車であつて、
両歯車６，８には支持軸２が回転されても前記第
二太陽歯車８を静止状態に保持し得る遊星歯車機
構（図示しない）が装着されている。

１０は前記第二太陽歯車８の前端面に固着され
て静止位置に保持される横円筒状をなす貯留ドラ
ムであつて、その後上部側外周縁には測定斜面１
０ａが前側ほど小径となる斜状に一体形成され、
該斜面１０ａを除いた外周縁には後記調節板１
５，１６装着用の取付フランジ１０ｂが一体形成
されでいる。１１は前記支持軸２の中空部２ａに
連通するように支持軸２に対し斜状に挿入固定し
た導糸管であつて、支持軸２が回転されると、前
記貯留ドラム１０のまわりを公転して支持軸２の
後方に位置した糸供給ボビン１２から中空部２ａ
及び導糸管１１を通過してくる緯糸を貯留ドラム
１０上に巻き取るようになつている。

１３は前記貯留ドラム１０の上部において垂直
にかつ支持軸２の回転運動を利用することによ
り、織成動作と同期して出没可能に装着した測長
制御ピンであつて、１回の緯入れに必要な長さの
緯糸を測長するようになつている。１４は同じく
貯留ドラム１０に対し前記測長制御ピン１３の前
方に位置するように装着した巻き戻し制御ピンで
あつて、緯入れ時にドラム１０内へ没入して緯糸
の巻き戻しを許容するようになつている。

１５，１６はその一端部を取付フランジ１０ｂ
の両側上端部に対し、第２図に示すようにピン１
７により縮径・拡径方向の回動可能に支持した円
弧状をなす左右一対の第一、第二調節板であつ
て、両調節板１５，１６の後端外周部には前記測
長斜面１０ａと同様に測長斜面１５ａ，１６ａが
一体形成されている。１８は前記両調節板１５，
１６の下端部後面に突設した締付ボルトであつ
て、前記取付フランジ１０ｂに形成された円弧状
をなす一対のガイド孔１０ｃ，１０ｄに沿つて案
内されるようにしており、両ボルト１８にはナツ
ト１９が螺合され両調節板１５，１６を取付フラ
ンジ１０ｂに締付固定し得るようにしている。２
０，２１は前記第一、第二調節板１５，１６の下
端部に対し、該調節板１５，１６に沿つてスライ
ド可能に嵌合した補助調節板であつて、前記ナツ
ト１９による調節板１５，１６の締付時に取付フ
ランジ１０ｂと調節板１５，１６の底面との間で
挾着固定され、さらに前記測長斜面１５ａと同様
に測長斜面２０ａ，２１ａが一体に形成されてい
る。

次に、前記のように構成したドラムプール式緯
糸測長装置についてその作用を説明する。

導糸管１１が第２図の矢印方向へ公転される
と、緯糸Ｗは最初貯留ドラム１０の測長斜面１０
ａから突出している測長制御ピン１３により掛止
されて巻き取られる。一定量の緯糸が巻き取られ
ている間には巻き戻し制御ピン１４が没入して既
に巻き取られていた緯糸を巻き戻しながら緯入れ
装置により緯入れが行なわれる。

織布の幅を変更する際には、緯入れされる緯糸
の長さを変える必要があるが、第一、第二調節板
１５，１６が第２図実線位置にあるとき、緯糸の
測長量を短くするには、ナツト１９を緩めてから
第一（第二）調節板１５（１６）をピン１７を中
心に同図Ｐ矢印方向へ回動しながら、補助調節板
２０（２１）を第一（第二）調節板１５（１６）
に沿つて同図Ｑ矢印方向へスライドさせ、第一調
節板１５と補助調節板２０の全体の長さ及び第二
調節板１６と補助調節板２１の全体の長さをそれ
ぞれ短かくしていき、調節板２０，２１の間隔を
一定に保持する。そして、各調節板１５，１６，
２０，２１を第２図二点鎖線で示す位置まで移動
させたら、ナツト１９により各調節板を締付固定
する。

なお、緯糸の測長量を長くするときには、前述
した短くするときの操作と逆の操作を行なえばよ
い。

さて、本発明実施例においては、貯留ドラム１
０の取付フランジ１０ｂに対し、円弧状をなす第
一、第二調節板１５，１６をピン１７により回動
可能に支持するとともに、各調節板１５，１６に
補助調節板２０，２１をスライド可能に嵌合した
ので、わずか２つの調節板１５，１６を回動調節
するのみで緯糸の測長量の調節を非常に迅速に行
なうことができる。又、この調節時において調節
板１５，１６の先端部の間隔が変化しても、この
間隔を補助調節板２０，２１によつて常に一定に
保持して各調節板に巻装された緯糸を全体として
ほぼ円弧状に保つことができ、従つて緯糸が第
一、第二調節板１５，１６の先端部を真直ぐに走
るのと比較して、巻き取り巻き戻し時に作用する
抵抗が少なくなり、ひいては緯入れミスを防ぐこ
とができる。

なお、本発明は次のような実施例で具体化する
こともできる。

(1) 第５図に示すように前記補助調節板２０，２
１の底面に対し締付ボルト１８を取付けるよう
にすること。この場合には取付フランジ１０ｂ
のガイド孔１０ｃ，１０ｄの形状を変える必要
がある。

(2) 第一、第二調節板１５，１６のピン１７を前
記締付ボルト１８、ナツト１９及びガイド孔１
０ｃ，１０ｄ等と同様の構造によりドラム１０
の半径方向あるいは周方向の位置調節可能に装
着すること。又、この実施例において両補助調
節板２０，２１の先端部を回動可能に連節する
こと。

(3) 第二調節板１６、補助調節板２１を省略し
て、第一調節板１５及び補助調節板２０の長さ
を延長すること。又、調節板と補助調節板を３
対又は４対設けること。

(4) 図示しないが、調節板の中間部に締付ボルト
を取付け、この調節板の両端部に対しそれぞれ
補助調節板を嵌装すること。

(5) 第６図及び第７図に示すように、円弧状をな
す支持杆２２に対し測長ピン２３を複数本立設
し、前記支持杆２２には同じく円弧状をなす補
助支持筒２４を該支持杆２２に沿つて往復動可
能に嵌合し、該補助支持筒２４にも測長ピン２
５を複数本立設すること。

以上詳述したように本発明は、貯留ドラムの外
周に対し弧状をなす調節部材を緯糸の巻き取り長
さを変更する方向への位置調節可能に装着すると
ともに、前記調節部材には調節部材の長手方向に
沿つて位置調節し得る補助調節部材を装着したこ
とにより、織布の幅に応じて緯糸の測長量を変え
たい場合、従来の調節杆を数本使用した調節機構
と比較して調節操作を迅速に行なうことができる
とともに、緯糸の巻き戻しを円滑に行なうことが
できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の測長量調節機構を具体化した
一実施例を示す中央部縦断面図、第２図は貯留ド
ラムの正面図、第３図は調節板の取付状態を示す
斜視図、第４図は同じく調節板の取付状態を示す
横断面図、第５図は同じく調節板の別の取付状態
を示す横断面図、第６図は本発明の別例を示す正
面図、第７図は第６図のＡ−Ａ線拡大断面図であ
る。 貯留ドラム……１０、取付フランジ……１０
ｂ、ガイド孔……１０ｃ，１０ｄ、第一（第二）
調節板……１５（１６）、ピン……１７、締付ボ
ルト……１８、ナツト……１９、補助調節板……
２０，２１。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転の阻止された緯糸貯留ドラムと、該貯留
   ドラムのまわりを公転して糸供給ボビンから緯糸
   を貯留ドラムに巻き取るようにした導糸管とを備
   え、前記貯留ドラムにコイル状に巻き取られた緯
   糸を巻き戻して緯入れを行なうようにした無杼織
   機において、前記貯留ドラムの外周に対し弧状を
   なす調節部材を緯糸の巻き取り長さを変更する方
   向への位置調節可能に装着するとともに、前記調
   節部材には該調節部材の長手方向に沿つて位置調
   節し得る補助調節部材を装着したことを特徴とす
   るドラムプール式緯糸測長装置の測長量調節機
   構。 ２ 前記貯留ドラムの外周縁には取付フランジが
   設けられ、該取付フランジに対し第一、第二調節
   板の一端部がそれぞれピンにより回動可能に支持
   され、第一、第二調節板の他端部にはそれぞれ補
   助調節板がスライド可能に嵌合され、さらに前記
   第一、第二調節板又は補助調節板には、前記取付
   フランジに設けたガイド孔に沿つて移動し、かつ
   ナツトと協働して各調節板を取付フランジへ固定
   し得る締付ボルトが取付けられている特許請求の
   範囲第１項記載のドラムプール式緯糸測長装置の
   測長量調節機構。