JPS6236434Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、組立棚における天板又は地板の取付
装置の構造に関する。

金属板製の組立棚における天板又は地板をボル
ト、ビス等を使用せずに棚の隅柱に取付ける場
合、Ｔ字状の係止体の左右両水平腕を天板又は地
板の隅角部側面板内面に接当させた状態で前記Ｔ
字状の係止体の垂直脚の外側面に突設した係止爪
を断面Ｌ字状等の隅柱に穿設された係止溝孔に嵌
め込み係止するようにしたものがあつた（実公昭
53−53541号公報）。しかし前記隅柱に穿設された
係止溝孔は中間棚板の取付高さ位置を変更できる
ように隅柱の上下方向に沿つて一定ピツチで設け
られているもので、棚の外側からみて係止溝孔が
露出しており、したがつて垂直脚における前記係
止爪を前記係止溝孔に嵌め込むことはそのまま係
止爪が外側に露出することになり外観が悪くな
る。また、組立時、天板又は地板の隅部側面板を
Ｔ字状係止体と隅柱の内側面とで挟んだ状態で係
止するもの（実公昭50−6903号公報、実公昭50−
39781号公報）もあるが、これ等はいずれも係止
するまでは係止体と天板又は地板との取付状態が
不確実となる欠点があつた。

本考案では、上記の従来技術を改良したもので
あつて、断面Ｌ字状隅柱の隅角部に内側に向つて
膨出成形し、かつ上下方向に開口する平面視Ｌ字
状の片鞘状係止部を設け、Ｔ字状係止体の垂直脚
に前記係止部に落し込み係止できる下向き係止爪
を設ける一方、前記Ｔ字状係止体の左右両水平腕
を天板又は地板の側面板内側に係止できるように
して、隅柱の外観を良くする一方、組立、分解も
迅速にできると共に強固に取付けられるようにし
たものである。

次に本考案を図示実施例に基いて説明すると１
は平面視矩形状の天板２及び地板３の各隅部をＴ
字状係止体４を介して各隅柱６に各々着脱自在に
するようにした金属板製組立棚である。

各隅柱６には、断面Ｌ字状の基部６′の左右両
端部をＬ字状等に内向きに折曲させてそれぞれ内
側板部７，７を設け、この両内側板部７，７には
それぞれコ字状の係止溝８を適宜ピツチＰで切欠
形成する。

また、前記各隅柱６の断面Ｌ字状基部６′の上
端部及び下端部には、前記天板２及び地板３取付
箇所に対応する箇所に、基部６′の隅角部におい
て上下に適宜間隔l₁隔てて２本の水平切線を施し
た後その間を基部の内側面方向に膨出成形してな
る上下方向に開口する片鞘状係止部９，９を上下
に適宜寸法l₂隔てて一対設ける。

他方、前記Ｔ字状係止体４の垂直脚１０は前記
隅柱６の左右両内側板部７，７間の隙間から前記
基部６′内面に接当できるように断面Ｌ字状に形
成し、この垂直脚の上下方向中途部及び下端に
は、前記基部６′における上下対の片鞘状係止部
９，９に落し込み嵌合係止できるようにした上下
一対の下向き爪１１，１１を寸法l₂隔てて設け
る。このとき、上部下向き爪１１は垂直脚１０の
隅角部を凹字状に切り抜いた抜窓１２内の上端に
形成される。

また、前記垂直脚１０の上端には、そこから側
断面コ字状の連結部１３を介して互に直角方向に
延びる左右一対の水平腕１４，１４を一体的に形
成し、この両水平腕１４，１４の外側面を前記天
板２、地板３の垂直側面板１５，１５内面に沿う
ように構成する。

各水平腕１４には少なくとも一つの窓１６を穿
設し、この窓１６内に後述する天板２又は地板３
に対する取付用舌片１７を、その自由端が垂直脚
１０方向に向うよう横向きに突出させ、各舌片１
７を自由端に向つて狭巾になるようテーパー状に
形成する。また１８は前記水平腕１４に穿設され
た係止用溝孔である。

前記天板２及び地板３は各各平面視矩形状で、
その周囲を下向きに折り曲げて前記係止体４の両
水平腕１４，１４が嵌り得る高さの側面板１５に
形成し、隅角部は前記両水平腕１４，１４の連結
角部が外方に突出できるように切欠いてある。ま
た前記一方の側面板１５の隅部には係止体の水平
腕１４における前記舌片１７が嵌り得る片鞘状係
止部１９，１９をテーパー状に内側に向つて膨出
成形してあり、他方の側面板１５には内側に切起
した係止爪２０，２０が設けられている。

なお、第２図で示す実施例のように、前記係止
体４の左右両水平腕１４，１４に横向き舌片１７
と係止用溝孔１８とを左右対称形状に形成してあ
るのは、各係止体１４を天板２等における四隅の
いずれにおいても使用できるよう互換性を持たせ
るためである。

また、第７図に示す取付金具２１はこれを介し
て中間棚板５を各隅柱６における左右両係止溝
８，８に取付けるためのもので、各取付金具２１
は隅柱６の左右内側板部７，７に接当しうる断面
Ｌ字状で、その外側面に左右一対の下向き係止爪
２２，２２を切起し成形し、この両下向き係止爪
２２，２２を前記隅柱６における左右両係止溝
８，８に落し込み係止させる一方、内側面に左右
一対の上向き係止爪２３，２３を折曲形成させ、
この両上向き係止爪２３，２３に中間棚板５の下
面溝孔２４に差し込んで中間棚板を支持するよう
に構成する。

この構成により、例えば天板２を隅柱６に取付
けるには、まず天板２の片鞘状係止部１９，１９
を備えた側面板１５内面に前記係止体４の一方の
水平腕１４を沿わせて該水平腕１４の窓１６，１
６内に前記片鞘状係止部１９，１９を嵌め、次い
で該水平腕１４を天板２隅角部方向に水平方向に
引き出せば、前記各片鞘状係止部１９内に横向き
舌片１７が嵌り込み、他方の水平腕１４における
係止用溝孔１８，１８には前記天板の他方側面板
１５から突出する係止爪２０，２０が嵌り込むか
ら、この係止爪２０，２０を折曲させることで、
係止体４を天板２に強固に取付けられる。このと
き前記係止用溝孔１８及び係止爪２０を天板２上
面に対し傾斜するように形成すれば、係止体４の
天板２に対する上下方向のガタ付きを無くするこ
とができる。

次いで、前記係止体４の垂直脚１０を隅柱６の
内側から基部６′に近づけ、該基部６′の上下対の
片鞘状係止部９，９に前記垂直脚の下向き爪１
１，１１を落し込み係止すれば良い。

なお、Ｔ字状係止体４における下向き係止爪１
１を垂直脚１０の上下中途部における抜窓１２内
に形成した場合には、垂直脚１０のＬ字状外側面
全体が隅柱のＬ字状基部６′内側面に左右及び上
下にガタ付くことなくきつちりと接当できるから
この一つの下向き爪だけで所定の位置決め並びに
係止取付けを達成することができる。

以上要するに本考案に従えば、Ｔ字状係止体の
断面Ｌ字状垂直脚上端には前記天板又は地板の垂
直側面板内面に沿うように左右一対の水平腕を延
出し該両水平腕の少なくとも一方にはその水平腕
を前記天板又は地板の垂直側面板内面に沿つてそ
の隅角部方向に移動させるとき当該垂直側面板内
側に係止できる舌片を設け、他方の水平腕にはこ
れに接当する天板又は地板の垂直側面板の内面か
ら内向き突出する係止爪が貫通係止できる係止溝
孔を穿設することで、その両水平腕が平面視矩形
状の天板又は地板の垂直側面板内側に対し水平方
向に着脱自在に係止でき、係止体と天板又は地板
とを前もつて強固に取付けできる。そして、組立
棚の隅柱の断面Ｌ字状の基部には、そのＬ字状隅
角部に基部の内側に向つて膨出成形され且つ上下
方向に開口する片鞘状の係止部を形成する一方、
前記係止体の垂直脚には、前記各隅柱基部におけ
る片鞘状係止部に落し込み係止できる下向き係止
爪を設けたから、これによつて極めて簡単に組立
て、分解でき、取付状態も強固である。さらに隅
柱外側面には係止体における係止爪が突出するよ
うに露出することがなく、隅柱における片鞘状係
止部を係止体の下向き係止爪で塞ぐようになり、
隅柱の外観も優れたものとなる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は組立棚
の斜視図、第２図は各部品の斜視図、第３図は第
１図の−線拡大断面図、第４図は第３図の
−線断面図、第５図は第１図の−線拡大断
面図、第６図は第５図の−線断面図、第７図
は取付金具の斜視図である。 １……組立棚、２……天板、３……地板、４…
…Ｔ字状係止体、６……隅柱、６′……基部、
９，９……片鞘状係止部、１０……垂直部、１
４，１４……水平腕、１１，１１……下向き係止
爪、１７，１７……舌片、１９，１９……片鞘状
係止部、２０，２０……係止爪、１８，１８……
係止溝孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 組立棚の隅柱における断面Ｌ字状基部内側面に
   平面視矩形状の天板又は地板をＴ字状係止体を介
   して着脱自在に装着するにあたり、前記Ｔ字状係
   止体の断面Ｌ字状垂直脚上端には前記天板又は地
   板の垂直側面板内面に沿うように左右一対の水平
   腕を延出し、該両水平腕の少なくとも一方にはそ
   の水平腕を前記天板又は地板の垂直側面板内面に
   沿つてその隅角部方向に移動させるとき当該垂直
   側面板内側に係止できる舌片を設け、他方の水平
   腕にはこれに接当する天板又は地板の垂直側面板
   の内面から内向き突出する係止爪が貫通係止でき
   る係止溝孔を穿設する一方、前記隅柱の基部隅角
   部には、基部内側に向つて膨出成形され且つ上下
   方向に開口する片鞘状の係止部を形成し、前記Ｔ
   字状係止体の垂直脚には前記片鞘状係止部に落し
   込み係止できる下向き係止爪を設けてなる組立棚
   における天板又は地板の取付装置。