JPS6236247Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、避雷装置に関するものであり、特
に、放圧板に非直線抵抗体を圧接させてなる碍子
形の避雷装置に関するものである。

碍子形の避雷装置は、短絡電流による内圧上昇
で碍管が破壊するのを防止する目的で、上、下に
放圧板を備えており、従来、この種の避雷装置と
して第１図に示すものがあつた。図において、碍
管１の上、下にセメン付けされたフランジ２ａ，
２ｂにボルト３によつて放圧板４ａ，４ｂがそれ
ぞれ固定され、この放圧板４ａ，４ｂに、絶縁物
でなる絶縁座５ａ，５ｂに支えられているプレー
ト６ａ，６ｂで圧縮されたバネ７ａ，７ｂを介し
て非直線抵抗体８ａ，８ｂが圧接されている。１
０は内部組立体であり、その上端とプレート６ａ
との間に縮設されたコイルバネ９によつてプレー
ト６ｂに圧着保持されている。

以上の構造でなる避雷装置の組立順序について
述べると、まず、下部の放圧板４ｂに非直線抵抗
体８ｂを載せ、ついで、絶縁座５ｂ、プレート６
ｂ、バネ７ｂ等があらかじめ取付けられている内
部組立体１０を載せる。つぎに碍管１をクレーン
によつて放圧板４ｂ上に定置し、ボルト３で固定
したのち、バネ９を内部組立体１０の上端に載
せ、ついで、絶縁座５ａ、バネ７ａが取付けられ
たプレート６ａを載せ、さらに非直線抵抗体８
ａ、放圧板４ａを順次重ねたのちボルト３で締
着、固定するのである。

以上のように、従来のものにおいては、その組
立ての終了時まで、非直線抵抗体８ａ，８ｂおよ
び内部組立体１０が固定できず、碍管をクレーン
で吊り上げる必要があつた。このように組立てに
際して個々の部品が固定されないので、作業単位
ごとに各部品が所定の位置、所定の姿勢をとるよ
うに調整する必要があり、きわめて非能率的であ
つた。また、重い碍管１を運搬し、さらに下部の
ボルト３は下方から締めるので、非直線抵抗体８
ｂの放圧板４ｂ上の位置確認が困難であり、組立
てに多くの工数を要するなど、多くの欠点があつ
た。

この考案は、以上のような従来の欠点を除去し
ようとするもので、放圧板と非直線抵抗体、プレ
ート、バネ、絶縁座でなる部分を、避雷装置全体
の組立てに先行して部分組立てができる構造と
し、組立ての合理化、簡素化を具現した避雷装置
を提供することを目的とするものである。

以下、この考案を第２図の実施例について説明
する。第１図と同一符号で示した部分は同一また
は相当部分であり、説明を省略する。

図において、放圧板４ａ，４ｂに断面形状がテ
ーパ状の円環溝１１を形成し、一方、プレート６
ａ，６ｂにそれぞれ一端が固着された絶縁座５
ａ，５ｂの他端部には、円環溝１１に係合する突
条１２を形成する。

以上の構成により、放圧板４ａ，４ｂにそれぞ
れ非直線抵抗体８ａ，８ｂ、バネ７ａ，７ｂおよ
び絶縁座５ａ，５ｂを備えたプレート６ａ，６ｂ
が組立てられ、バネ７ａ，７ｂを圧縮した状態で
絶縁座５ａ，５ｂの突条１２を放圧板４ａ，４ｂ
の円環溝１１に係入保持することにより、これら
各部品による部分組立てを完成することができ
る。

第３Ａ図、第３Ｂ図は、上記において、放圧板
４ａ，４ｂと絶縁座５ａ，５ｂとの結合手順を示
すもので、放圧板４ａ，４ｂに円環溝１１の一部
を半円形に切り欠いた３つの切欠き１３を形成し
ておき、３個の絶縁座５ａ，５ｂを第３Ａ図に示
すように切欠き１３にバネ７ａ，７ｂに抗して係
入し、ついで、円環溝１１に突条１２を係接した
状態で、第３Ｂ図に示すように絶縁座５ａを円周
方向に移動することによつて、上記の部分組立て
が完成する。

つぎに、上記の部分組立を用いた避雷装置の望
ましい組立順序について述べる。

まず、放圧板４ａと４ｂに関する前記の部分組
立てを完了しておき、碍管１が横倒しの状態のま
まで放圧板４ｂについての部分組立をボルト３で
装着する。このように非直線抵抗体８ｂの締付作
業が従来より容易にできる。つぎに碍管１を起立
させ、碍管１内に内部組立体１０を吊りおろす。

内部組立体１０の重量は碍管１の数分の一であ
り、取扱い、移動、吊りおろし等の作業は、従来
のように碍管を取扱うのに比べてはるかに容易で
あり、能率的である。そうして最後にバネ９、放
圧板４ａについての部分組立を載せ、ボルト３で
固定することにより組立てが完了する。

なお、以上の実施例では、放圧板に円環溝１
１、絶縁座に突条１２を形成したが、これを逆に
して、放圧板に円環突条を、絶縁座に条溝を形成
しても同様の効果が得られる。

以上のように、この考案は、各組立作業ごとに
各部品の位置を調整する要がなく、能率的、合理
的な組立ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の装置の正断面図、第２図はこの
考案の一実施例の正断面図、第３Ａ図、第３Ｂ図
は同じく部分組立を説明するための概略平面図で
ある。 １……碍管、２ａ，２ｂ……フランジ、４ａ，
４ｂ……放圧板、５ａ，５ｂ……絶縁座、６ａ，
６ｂ……プレート、７ａ，７ｂ……バネ、８ａ，
８ｂ……非直線抵抗体、９……バネ、１０……内
部組立体、１１……円環溝、１２……突条、１３
……切欠き。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 碍管の上、下端にそれぞれ結合した放圧板に
   非直線抵抗体を圧接保持した避雷装置におい
   て、前記非直線抵抗体に当接するプレートに固
   着され外端に突条（条溝）を有する絶縁座と、
   前記突条（条溝）が係合する円環溝（円環突
   条）が形成された放圧板を備えたことを特徴と
   する避雷装置。 (2) 突条および円環溝の断面がテーパ状をなす実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の避雷装置。 (3) 放圧板の円環溝に絶縁座を導入する複数の切
   欠きを形成した実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の避雷装置。