JPS6236195A - ホスファチジル基転位方法 - Google Patents

ホスファチジル基転位方法

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JPS6236195A
JPS6236195A JP17424685A JP17424685A JPS6236195A JP S6236195 A JPS6236195 A JP S6236195A JP 17424685 A JP17424685 A JP 17424685A JP 17424685 A JP17424685 A JP 17424685A JP S6236195 A JPS6236195 A JP S6236195A
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alcohol
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理 山田
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 +a+産業上の利用分野 本発明は、リン脂質とアルコール類を、ホスホリパーゼ
Dおよび特定量の水の存在下に反応させることを特徴と
するホスファチジル基転位方法に関するものであり、こ
の転位反応を利用することによって混合リン脂質の濃縮
および新規なリン脂質誘導体を製造することができる。
(bl従来の技術 リン脂質は、各種生体から単離、濃縮することができ、
また化学的合成法によっても製造は可能であり、産業的
には両方法から製造した製品が利用されている。しかし
ながら、前者の方法(生体からの濃縮)ではかなりの高
濃度まで精製することは可能であるが、単一成分を得よ
うとすれば溶剤法、カラムクロマト法などを用いなけれ
ばならず、このために製造コスト・アップとなり、また
後者の方法(化学的合成法)では単一成分を製造するこ
とは可能であっても、合成時の熱履歴のために結合脂肪
酸およびリン酸エステルが劣化2着色し、その精製では
煩雑かつ、経済的に不利な工程を採用せざるを得ないの
が現状である。
リン脂質を酵素的に変換する試みは従来から研究が行わ
れている。たとえば、レシチンとエタノールをホスホリ
パーゼDの存在下に反応させると、リン脂質のリン酸−
アルコール部のエステル結合が加水分解されると同時に
ホスファチジル基転移反応により、ホスファチジルエタ
ノールを生成することが報告されている(R,M、 D
awson、 Biochem。
J、、 102.205(1967) 、 S、F、 
Yang、 J、Biol、Chem、。
拡、 477(1967)など)。また、英国特許第L
581.810号には、グリ七ロリン脂質と水酸基。
ハロゲン、アミノ基、その他の置換基で置換あるいは非
置換の直鎖もしくは分枝のアルキル基を有する1級アル
コールとを、キャベツ由来のホスホリパーゼDを作用さ
せてアルコール転移反応させる場合、C1未満の1級ア
ルコールでのみ該反応が起き、C5を越える該アルコー
ルでは主生成物は対応するホスファチジン酸であると記
載されている。
更に、これらの他に、微生物由来のホスホリパーゼDは
、リン脂質と2級アルコール(特開昭59−18778
6)、スフィンゴリン脂質と1級アルコール。
2級アルコールおよびフェノール配糖体(特開昭59−
187787)との反応でホスファチジル基転移反応を
起こすことが示されている。
(0)発明が解決しようとする問題点 しかしなから、かかる従来の反応系では例えば1%リン
脂質乳化液(0,1m1) 、 0.4M酢酸緩衝液(
0,1m1) 、 0.1 M塩化カルシウム水溶液(
0゜05m1)、蒸留水(0,1m1) 、  10%
アルコール溶液(0,1ml)およびホスホリパーゼD
水溶液(0、1ml)の如き反応組成で反応せしめるも
のであり、反応系に共存する水分量は概略80%以上で
あり、したがって基質(リン脂質およびアルコール)重
量の約40倍以上の水を共存させている。
これは反応効率の面からみて、必ずしも満足すべきもの
ではない。
一方、ホスホリパーゼDは古(からキャベツ。
ホウレンソウ、ニンジン、ダイコンなどの高等植物、菌
体(Streptomyces chromofusc
us)、ラット脳ミクロソームなどに含まれることが知
られており、これらがホスファチジル基転位反応を起こ
すことも知られている(たとえば、Hanahan D
、J、+J、 Biol、 Chew、、 172.1
9H1948)、 Imamura、 S、。
J、 Biochem、、 85 .79(1979)
など)。またアスパラガス、ニンジン、トウダイグサ、
綿実、コムギ。
オオムギなどについても同様の反応が推論されている(
V、E、 Vaskovsky、 J、 Chroma
togr、、 261 +324 (1983)など)
。しかしながら、米ヌカ中のホスホリパーゼDについて
はホスファチジル基転移反応を起こすことは知られてお
らず、さらに大豆。
ナタネ、ヒマワリ、ゴマ由来のホスホリパーゼDについ
てはその存在が全く知られていないか、もしくは知られ
ていても該転移反応について明らかになっていない。
本発明の目的は、リン脂質のホスファチジル基転位反応
を効率よく進行させる方法を提供することにあり、また
従来、かかる転位反応を起こすことが知られていないホ
スホリパーゼDを用いて上記反応を行わしめることにあ
る。而して本発明の方法による反応を利用すれば、従来
、生体中から複雑な抽出、濃縮工程を経て精製していた
リン脂質たとえばホスファチジルコリン、ホスファチジ
ルエタノールアミンなどを常温付近、常圧、中性付近の
温和な反応条件下で効率よく高純度、高品質な状態で製
造でき、またリン脂質の新規なアルコール誘導体を得る
こともでき、さらにこれら高純度リン脂質およびリン脂
質誘4体を化学的合成法に比べて簡易かつ経済的に製造
することができる。
(d1問題点を解決するための手段 本発明者らは、鋭意研究の結果、ある特定水分の存在下
に前記の反応を行うと、上記の目的が達成されることを
見い出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたもので、リ
ン脂質と1級水酸基を存するアルコール類とをホスホリ
パーゼDおよびリン脂質とアルコール類の合計重量と等
量またはそれ以下の水の存在下に反応させることを特徴
とするホスファチジル基転位方法である。
本発明に用いるリン脂質は、例えば下記式(I)および
/または(n)で示されるものである。
ただし、該式(1)および(II)において、R3およ
びR2は同一であっても異なっていてもよく、Hである
かまたは炭素数が8〜24の飽和あるいはC0OH,−
CHzCH□N(CH3)!、 −CH2GHzNH(
CH3)。
CHz−C)I (OH) −CHI (OH)のいず
れかまた混合基である。該リン脂質の例としてレシチン
、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールア
ミン。
ホスファチジル−N−メチルエタノールアミン。
ホスファチジル−N、N−ジメチルエタノールアミン、
ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸。
ホスファチジルグリセロールなどがあげられ、これらの
構成脂肪酸としてはカプロン酸、カプリル酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸。
パルミトオレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸。
リノール酸、α−およびT−リルン酸、ベヘン酸、エル
シン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、
アラキドン酸、テトラコサテトラエン酸などが例示でき
、またこれらの脂肪酸で置換されていない遊離水酸基の
状態でもよい。これらの脂肪酸のうち、エイコサペンタ
エンf1).r−リルン酸、アラキドン酸などのいわゆ
る血栓溶解、血小板凝集などの生理活性を有する脂肪酸
はとくに重要である。さらにこれらの塩基部分(式(1
)および(Il)のA)および脂肪酸部分は各々単一で
も混合していてもかまわない。
これらのリン脂質は、天然物から抽出、濃縮されたもの
であっても、また合成品であっても良い。
次に本発明る用いるアルコール類は、1級水酸基を有す
るものであって、例えば水酸基、アミノ基、モノ・ジも
しくはトリアルキルアミノ基、カルボキシル基、アセチ
ル基またはハロゲン基のうちの1種もしくは2種以上の
置換基で置換されているかまたは置換されていない、直
鎖状または側鎖状の、1級水酸基を少なくとも1個以上
有するアルコールでり、本発明ではこれらを単独または
混合して使用しても何らさしつかえない。該アルコール
類としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロ
パツール、■−ブタノール、l−オクタツール、1−ノ
ナノール、1−デカノール。
1−ドデカノール、1−ヘキサデカノール、2−エチル
ヘキサノール、1.2−プロパンジオール。
1.3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリ
ン、ジグリセリン、モメステアリン。ホスファチジルグ
リセロール、■=ニアミノ−2−ブロパツールよび塩酸
塩、コリンおよび塩化コリン、エタノールアミンおよび
エタノールアミン塩酸塩、セリン、セリンエチルエステ
ル、N−メチルエタノールアミン、N、N−ジメチルエ
タノールアミンなどがあげられるが、本発明はこれらに
よって限定されるものではない。
また、これらのアルコール類は天然物9合成品のいずれ
でも使用することができる。
本発明においては上記のリン脂質とアルコール類を、ホ
スホリパーゼDの存在下で反応させるが、該ホスホリパ
ーゼDは植物由来のものが好ましい。前述のように植物
系ホスホリパーゼDとしてキャベツ、アスパラガス、ニ
ンジン、綿実、コムギおよびオオムギなどについてはリ
ン脂質のホスファチジル基転移作用があること、もしく
は該ホスファチジル基転移作用の結果と思われる現象が
確認されている。本発明では、これらのホスホリパーゼ
Dを使うことができるが、本発明者らはさらに、従来、
ホスホリパーゼDの存在が全く知られていなかったか、
もしくは存在することは知られていてもそのホスファチ
ジル基転移作用が明らかでなかった植物体からホスホリ
パーゼDを単離し、その作用を確認したのであり、本発
明ではかかるホスホリパーゼDを使用することができる
このような植物としてはコメ、大豆、ナタネ、ヒマワリ
2.およびゴマをあげることができ、これらの根、茎1
葉などの植物生体2種子またはそれらを物理的処理ない
しは有機溶媒などの化学薬品で処理した残渣(たとえば
種子を粉砕し、ヘキサンで脱脂処理した残渣)などから
該ホスホリパーゼDを採取することができる。該ホスホ
リパーゼDを採取するには植物体あるいはそれらの残渣
を水抽出し、その水溶液に対して通常の酵素の単離。
精製方法が利用でき、例えば食塩、硫安などによる塩析
、エタノール、アセトンなどの有機溶媒による沈澱、透
析、イオン交換あるいは吸着クロマトグラフィー、ゲル
濾過、吸着剤などによる処理方法が使用できる。かくし
て得られる酵素は、必要に応じて糖質、蛋白質、各種塩
類などの安定化剤を添加し、減圧濃縮もしくは乾燥、凍
結乾燥などの処理により液状または固形状となることが
できる。
さらに、本発明ではかかるホスホリパーゼDを使用する
反応系において該ホスホリパーゼDを固定化物となした
形態で利用できる。一般に、酵素はpHおよび安定性改
良、活性維持、再使用などを目的として固定化すること
があるが、固定化用担体としてはセルロース、デキスト
ラン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリビニル
アルコール、イオン交換樹脂、磁性体、活性炭、アルミ
ナ、光架橋性樹脂、アルギン酸塩、各種ゲル化剤などが
使用される。本発明では、これらの固定化担体に該ホス
ホリパーゼDを吸着、イオン結合。
共有結合あるいは包括させて粒状、膜状もしくはシート
状の固定化ホスホリパーゼDとなし、使用することがで
きる。
本発明で、リン脂質とアルコール類とを前述のホスホリ
パーゼDにより反応させる場合に、水分量を反応基質す
なわちリン脂質およびアルコール重量と等量もしくはそ
れ以下の水分量、好ましくはせ反応基質のうちリン脂質
重量と重量もしくはそれ以下の水分量に限定することが
特徴であり、これによりホスファチジル基転移反応を効
率よく進行させることを可能ならしめた。上述の含有量
を越える水分量が反応系に共存する場合、反応生成物は
加水分解物を含み、あるいは加水分解物が主成分となり
、本発明の目的とする高純度なリン脂質またはその誘導
体は得られない。
本発明の方法により、リン脂質とアルコール類とを反応
させるには次のようにする。すなわち、リン脂質の1種
または2種以上の組成物を適当なガラスまたはステンレ
ス製容器に採り、これを使用したリン脂質のモル等量〜
約100モル倍量程度のアルコール類またはアルコール
類と非水性溶媒の混合溶媒に溶解させる。非水性溶媒と
しては、いわゆる不活性有機溶媒であるn−へブタン、
n−ヘキサン、ベンゼン、キシレン、アセトン、ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、酢酸エチルなどを例と
してあげることができる。ついでホスホリパーゼDの賦
活剤して公知の添加剤たとえばドデシル硫酸ソーダ、コ
ール酸、デオキシコール酸もしくはそれらの塩、塩化カ
ルシウム、陰イオン界面活性剤など、また酵素の安定性
を維持するための緩衝剤たとえば酢酸、リン酸、クエン
酸。
塩酸などを水溶液として添加し、さらに対リン脂質0.
1〜10重量%の酵素を粉末状9粒状もしくは水溶液と
して加える。
反応系に必要な水は、以上のような賦活剤、緩衝剤など
の水溶液の水分として通常供給される。
従って、これらの水分量は本発明に規定する量、すなわ
ち反応基質のリン脂質およびアルコールの合計重量と等
量またはそれ以下となるよう、予め計算しておくことが
必要である。
次いで振とうあるいはホモミキサーなどの適当な攪拌機
で内容物を均一に乳化状態となし、pH4〜8好ましく
はpH5〜7.5.20〜50℃好ましくは35〜45
℃で、約1時間〜24時間反応を行わしめる。
なお、本反応を固定化ホスホリパーゼDを充填したカラ
ム方式で行わしめる場合は、ガラスまたはステンレス円
筒管に該固定化リパーゼを詰め、前述の組成物で乳化状
態とした反応液を液循環ポンプなどを介して連続的にカ
ラムの一方から滴下、もしくは微加圧下に流入せしめ、
反応を行わせる。
ホスファチジル基転移反応により目的の高純度リン脂質
またはリン脂質誘導体が生成する反応過程は、例えばT
LC(71)層クロマトグラフィー)。
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)なとの分析方
法により経過を把握でき、これにより反応時間をコント
ロールすることもできる。反応終了後、70〜80℃に
短時間加熱処理するが、酵素活性阻害剤、例えばEDT
A水溶液を加えて酵素活性を失わせ、そのまま、もしく
は必要に応じて溶剤抽出し、さらにシリカゲルあるいは
アルミナなどの吸着カラムクロマトグラフィー、溶剤分
別。
沈澱などの精製処理を施して目的物を得ることができる
(e)実施例 実施例1 攪拌機および冷却管つき西ソロフラスコ(500ml)
にシミリストイルホスファチジルコリン(米国シグマ社
製)10gを採り、ジエチルエーテル50m1で溶解し
た。さらにN−メチルエタノールアミン塩酸塩5gを添
加し、5mM塩化カルシウムを含む0.5Mリン酸緩衝
液(pH7,0)5mlを加えた。
一方、米胚芽に精製水5倍容量を加え、4℃でホモゲナ
イズし、10,0OOX gで20分間遠心分離した上
澄液に4℃冷却下、1.5倍容量のアセトンを添加し、
沈澱物としてホスホリパーゼDを得た。
この1gを2mlの水溶液とし、上記混合物を攪拌しな
がら滴下して、乳化状態にした。40℃で攪拌しながら
、10時間反応させ、反応物の一部をクロロホルム/メ
タノール/酢酸を展開溶媒としたTLCCFffi層ク
ロマトグラフィー)分析を行ったところ、シミリストイ
ルホスファチジルコリンのスポットが消失し、シミリス
トイルホスファチジル−N−メチルエタノールアミンが
生成していること、また相当するホスファチジン酸が生
成していないことを確認した。なお、本反応物はジエチ
ルエーテル層を回収し、水洗後、溶剤留去した。上記と
同様の条件でTLC分析を行ったところ、純度98%以
上のほぼ純粋なジミリストイルホフスファチジルーN−
メチルエタノールアミンが得られた。
実施例2 ガラス製三角フラスコ(1))中で濃縮ホスファチジル
コリンPC−To (日清製油(株)製;リン脂質組成
:ホスファチジルコリン7o%、ホスファチジルエタノ
ールアミン10%、リゾホスファチジルコリン2%;脂
肪酸組成:パルミチン酸16%、ステアリン酸5%、オ
レイン酸9%、リノール酸65%、リルン酸5%)10
0gGn−ヘキサン/ジエチルエーテル(=1:1)3
00mlに溶解させ、エタノールアミン塩酸塩60g、
5mM塩化カルシウムおよび4mMドデシル硫酸ナトリ
ウムを含む、0.3 M )リス−塩酸緩衝液(pH7
,5)100mlを添加した。一方、文献(高橋ら、東
京農業大学農学集報、28(N13)、262(198
4))の方法に準じて生米ヌカより採取、精製したホス
ホリパーゼD3.5gを粉末のまま、上記混合物中に攪
拌しながら加え、乳化状態となし、37℃でゆるやかに
振とうしながら5時間反応させた。反応物の溶媒層を回
収し、数回水洗後、溶剤を留去した後、実施例1と同様
にTLC分析を行ったところ、ホスファチジルコリンお
よびホスファチジン酸が検出されず、主成分はホスファ
チジルエタノールアミンであった。
これにより、混合リン脂質を単一組成の高純度リン脂質
に変換できることを確認した。
実施例3 実施例2と同様の条件で、卵黄レシチン(リン脂質組成
:ホスファチジルコリン70%、リゾホスファチジルコ
リン5%、ホスファチジルエタノールアミン15%、リ
ゾホスファチジルエタノールアミン3%、ホスファチジ
ルイノシトール1%。
スフィンゴミエリン2%;脂肪酸組成:パルミチン酸2
0%、ステアリン酸5%、オレイン酸14%、リノール
ll 55 %、  リルン酸6%)とコリンとを反応
させ、分析したところ、原料リン脂質中のエタノールア
ミン結合リン脂質は検出されなかった。
実施例4 糸状菌カニンガメラエレガンス(Cunningham
ellaelegans、 NRRL 137B)を培
養し、菌体から溶剤抽出してγ−リルン酸(C1lI3
  C6)を主成分とするリン脂質を得た。このリン脂
質組成はホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコ
リン。
ホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジル
エタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、スフ
ィンゴミエリンであり、構成脂肪酸組成は上記T−リル
ン酸を主成分とし、リノール酸、オレイン酸、ステアリ
ン酸、パルミチン酸などであった。かかるリン脂質10
gに塩化コリン5g、ジエチルエーテル50m1,5m
M塩化カルシウムおよび1%Triton X  10
0を含む0゜5 M ) IJ スー塩酸緩衝液(pH
7,0)5ml、粒状活性炭(和光純薬(株)製)10
gに水溶液中で実施例2で得た米ヌカ由来ホスホリパー
ゼD4gを吸着させた固定化物5gを加え、冷却下にホ
モミキサーで乳化させた。この混合物を三角フラスコに
とり、ゆるやかに振とうを続け、40℃で15時間反応
させた0反応物のTLC分析結果より原料中のエタノー
ルアミン結合リン脂質は検出されなかった。
実施例5 1.2−シリルオイルホスファチジルコリン(合成品、
純度98%)50g、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル(試薬、和光純薬(株)製)20g、10mM
塩化カルシウムおよび20mMデオキシコール酸ソーダ
を含む0.4 M酢酸緩衝液(p H6,0) 50 
g、大豆種子から硫安分画。
透析したホスホリパーゼD2gを用いて、実施例2と同
様の方法で10時間反応を行った。反応物組成をTLC
分析でチェックしたところ、遊離したコリン、未反応の
原料および上記リン脂質とアルコールの転移反応による
新規エステル化物が検出された。
実施例6 ナタネ種子から実施例1に示したアセトン沈澱法により
、ホスホリパーゼDを含む粗酵素を得た。
これの2gを用い、実施例5と同様の反応を行い、反応
物のTLC分析により原料として用いたリン脂質とアル
コールの転移反応による新規エステル化物(実施例5と
同一)が生成していることを確認した。
実施例7 ブタ肝臓より抽出した脂質から文献(M、R。
5ahasrabudhe、 J、 A+s、 Oil
 Chew、 Soc、+42+ 862(1965)
およびHazlewood、G、P and Daws
on+ R,M、C,IJ、 Gen、 Microb
iol、、 89.163(1975))の方法に準拠
してリン脂質を単離した。該リン脂質組成は、ホスファ
チジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾ
ホスファチジルエタノールアミン。
ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリンなど
であり、また構成脂肪酸組成は、アラキドン酸(CZ。
14  C6)を主成分とし、リノール酸。
オレイン酸、パルミチン酸などであった。
一方、ヒマワリ種子を粉砕し、n−ヘキサンでm脂した
後1mM塩化カルシウムを含む10mMトリス塩酸緩衝
液(pH7,0)を加えてホモゲナイズした。遠心分離
した上澄液を常法により硫安塩析し、溶解後、さらに上
記緩衝液で透析処理し、ホスホリパーゼD水溶液を得た
。これを凍結乾燥して粉末状とした。
上記リン脂質30g、セリン(東京化成(株)製、純度
98%以上)30g、ジエチルエーテル50m1,5m
M塩化カルシウムおよび15mMコール酸ソーダを含む
0.3 M )リス塩酸緩衝液(pH7,0)15ml
、上記ヒマワリ由来のホスホリパーゼD3.5gを用い
て実施例2と同様の方法で7時間反応を行った。反応物
組成をTLC分析によりチェックしたところ、コリン結
合およびエタノールアミン結合したリン脂質が存在せず
、主成分は、セリン結合リン脂質であった。また、該セ
リン結合リン脂質の脂肪酸組成を常法によりGLC分析
したところ、原料中の脂肪酸組成とほぼ同じであった。
(f)発明の効果 本発明は、天然もしくは合成のリン脂質と1級水酸基を
有するアルコール類とを、例えばコメ。
大豆、ナタネ、ヒマワリ、ゴマなどの植物を起源とする
ホスホリパーゼDの存在下、特定の反応条件すなわち反
応系中の水分量を規定してホスファチジル基転移反応を
効率よく生じせしめる方法であり、これにより塩基部分
が、混合物であるリン脂質の特定成分を容易に高純度に
することができ、従来、天然物から抽出、濃縮などの複
雑な工程を経ていたものが大幅に縮小され、この経済で
きメリットは大きい。また化学的合成法に比べても熱履
歴が少なく、簡易な反応であるため、副反応をほぼ完全
に抑制することができ、品質的に優れた目的物を安定し
て経済的に得ることができる。また、本発明の方法によ
れば、新規なリン脂質誘導体を上記と同様のメリットを
に以って製造することもできる。さらに、本発明の方法
を用いれば従来キャベツなどのホスホリパーゼDでは不
可能であった炭素数の長いアルコール類に対してもホス
ファチジル基転移反応が起きる可能性を示している。
さらに本発明では、ホスホリパーゼDを固定化物となし
、カラム方式、膜方式あるいはその他の方法によりバイ
オリアクターとして目的物を連続生産することができる
生成物である高純度リン脂質および新規リン脂質は、食
品、医薬品、化粧品、農薬をはじめ多く竜業分野におい
て、界面活性剤、リポソーム基剤。
治療剤、乳化剤、殺虫剤などのほか、医薬分野での生理
活性物質のキャリヤーあるいは保護機能を目的とし、ま
た生理活性のある高度不飽和脂肪酸などを薬理活性を試
験しやすい形態に容易に変化できるなどの有用な利用法
が期待できる。
特許出願人  日清製油株式会社 手続補正書(自発) 1、事件の表示 昭和60年特許願第174246号 2、発明の名称 ホスファチジル基転位方法 3、補正をする者 事件との関係  特許出願人 郵便番号  221 住  所  神奈川県横浜市神奈用区千若町1−3名 
 称  日清製油株式会社 研究断電   話   0
45  (461)01814、補正の対象 明細書の発明の詳細な説明の欄 5、補正の内容 (1)明細書第14頁2行「せ反応基質のうちリン脂質
重量と重量もしくは」を「該反応基質のうちリン脂質重
量と等量もしくは」と訂正する。
(2)同第24頁10行「この経済でき」を「この経済
的」と訂正する。
(3)同第24真下から5行「メリットをに以って」を
「メリットに以って」と訂正する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)リン脂質と1級水酸基を有するアルコール類とを
    、ホスホリパーゼDおよび上記リン脂質と上記アルコー
    ル類の合計重量と等量またはそれ以下の水の存在下に反
    応させることを特徴とするホスファチジル基転位方法。
  2. (2)リン脂質が下記の一般式( I )および/または
    (II)で表されるものである特許請求の範囲第(1)項
    記載の方法。 ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) ▲数式、化学式、表等があります▼(II) (但し、R_1およびR_2は、同一または異なるもの
    であって、Hまたは炭素数が8〜24の飽和または不飽
    和脂肪酸残基であり、Aは−Hまたは−(CH_2)_
    2N^+(CH_3)_3、−(CH_2)_2N^+
    H_3、−CH_2CH(NH_2)COOH、−CH
    _2CH_2N(CH_3)_2、−CH_2CH_2
    NH(CH_3)、−CH_2−CH(OH)−CH_
    2(OH)のいずれかまたは混合基である)
  3. (3)一般式( I )および(II)のR_1およびR_
    2のいずれか一方または両方がエイコサペンタエン酸、
    γ−リノレン酸、アラキドン酸のいずれかの脂肪酸残基
    である特許請求の範囲第(2)項記載の方法。
  4. (4)アルコール類が、水酸基、アミノ基、モノ・ジも
    しくはトリアルキルアミノ基、カルボキシル基、アセチ
    ル基、またはハロゲン基の1種もしくは2種以上の置換
    基で置換されているかまたは置換されていない、直鎖状
    または側鎖状の、1級水酸基を少なくとも1個以上有す
    るアルコールである特許請求の範囲第(1)項記載の方
    法。
  5. (5)ホスホリパーゼDが植物を起源とする特許請求の
    範囲第(1)記載の方法。
  6. (6)植物がコメ、大豆、ナタネ、ヒマワリ、ゴマであ
    る特許請求の範囲(5)項記載の方法。
  7. (7)ホスホリパーゼDが固定化物である特許請求の範
    囲(1)項記載の方法。
  8. (8)固定化ホスホリパーゼDを充填したカラムを用い
    る特許請求の範囲第(7)項記載の方法。
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