JPS6235762Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、建築物の外壁となるカーテンウオ
ール等における防水目地に関するものである。

従来、カーテンウオール等における接合目地
は、一般に室内側と室外側の二箇所にシーリング
材を取付け、水密性、気密性は主として室外側の
シーリング材に期待する構造を実施している。と
ころで、前記従来の構造の場合室外側のシーリン
グ材は風雨、日光にさらされ、また目地の伸縮に
よる影響を受けて風化、劣化を生ずることが多
く、延いては雨水の侵入することが多い。そこ
で、等圧理論の応用すなわち室内外のシーリング
材間を室外側の大気と連通させることにより、雨
水の侵入を防止しようとする考え方ないしは構造
が提案されつつある。この考案も等圧理論に基づ
いて案出したもので、施工、製作が容易な防水目
地を提供することを目的としている。

以下、この考案を図示する実施例によつて説明
する。

鉄筋コンクリート構造のプレキヤストパネル
１，１の接合部間の室内側には、それぞれプレキ
ヤストパネル１，１対向部にその基部を埋設した
環状ガスケツト２，２からなるシール材がプレキ
ヤストパネル１の上下方向に連続して突合せ状に
介装されている。また、プレキヤストパネル１，
１の接合部間の室外側には、伸縮性目地棒３がプ
レキヤストパネル１の上下方向に沿つて介装され
ている。

伸縮性目地棒３は合成樹脂等を素材とし、断面
略円形の棒状に形成されている。また、伸縮性目
地棒３の中心部には材軸方向に連続する中空部４
が形成されている。また、伸縮性目地棒３の周壁
には材軸方向に連続する螺旋状溝条部５が複数本
形成されている。このように形成された伸縮性目
地棒３はその弾性的性質によりプレキヤストパネ
ル１，１の接合部間に挾持されている。なお、実
施例では伸縮性目地棒３はプレキヤストパネル
１，１の接合部対向面にプレキヤストパネル１の
上下方向に連続して形成された凹部６，６間に挾
持されている。

第３図〜第５図は伸縮性目地棒３の変形例を示
したものである。

第３図は伸縮性目地棒３の周壁に形成された螺
旋状溝条部５開口端にリツプ７を伸縮性目地棒３
の材軸方向に連続して形成し、プレキヤストパネ
ル１，１の接合部間に介装された後の伸縮性目地
棒３の安定性を高めたものである。

第４図は伸縮性目地棒３の中心部に形成された
中空部４をなくして螺旋状溝条部５の内径を大き
く形成し、かつ螺旋状溝条部５開口端にリツプ
７，７を伸縮性目地棒３の材軸方向に連続して形
成したものである。

第５図は伸縮性目地棒３を断面略円形の筒状に
形成し、かつその周壁に一本の螺旋状溝条部５が
伸縮性目地棒３の周壁を凹ませて形成されたもの
である。

この考案は以上の構成からなり、プレキヤスト
パネル接合部間の室内側にシール材が介装され、
かつ室外側に伸縮性目地棒が介装されて防水目地
が二重になつているから風雨の侵入を確実に阻止
することができるし、内側のシール材は風劣が避
けられる。さらに、室内側シール材と伸縮性目地
棒間の空間部は伸縮性目地棒の周壁に形成された
螺旋状溝条部を介して外気に連通され、外気と等
圧になつているから等圧理論により、さらに雨水
の侵入を防止することができる。また、空間部と
外気とを連通する通気孔は伸縮性目地棒周壁に材
軸方向に連続して形成された螺旋状溝条部である
から、暴風時の雨の吹き込みを防止することがで
きる。螺旋状溝条部に雨水が付着した場合には、
雨水は溝条部に添つて、伸縮性目地棒３の最下部
まで流下し、外部へ排出され、環状ガスケツト２
をぬらすことがない。また、伸縮性目地棒は押出
成形方式等によつて容易に成形することができる
し、量産化が可能である。また、伸縮性目地棒は
伸縮性であるので、目地間隔に寸法誤差があつて
も自由に伸縮してその寸法誤差を吸収しかつ施工
も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案の実施例を示す
ものであり、第１図は目地部横断面図、第２図は
伸縮性目地棒の斜視図、第３図、第４図および第
５図は伸縮性目地棒の変形例を示す断面図であ
る。 １……プレキヤストパネル、２……環状ガスケ
ツト、３……伸縮性目地棒、４……中空部、５…
…螺旋状溝条部、６……凹部、７……リツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレキヤストパネルの接合部間の室内側にシー
   ル材が介装され、かつ室外側には周壁に螺旋状溝
   条部を有する伸縮性目地棒が介装されていること
   を特徴とする防水目地。