JPS5844236Y2 - 仮設建物用サッシ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工事現場などで工事が完了するまで建造してお
き、工事完了後は取りこわして次の工事現場に搬送して
使用する仮設建物に使用する仮設建物用サツシに関する
もので、建造・取りこわしが容易であり、丈夫でしかも
パネル状を威していることを特徴とするものである。

一般に比較的長期間作業を継続して行なう必要がある、
ビルディングの建設や土木工事などにおいてはその工事
現場に作業具の休憩所や作業事務所や道具置場などの用
途で仮設建物を建造する場合が非常に多い。

このような仮設建物は工事などを完了するまで一時的に
建造使用するものであるから、安価で、建造及び取りこ
わしが容易で、再使用可能なように丈夫で、しかもその
建造場所の広さなどに対応してその大きさや間取りなど
を変更できることが要求される。

このような要求を満たす仮設建物には一般に窓を極力少
なくして壁パネルを多くする構造が採用されるため、内
部は薄暗く風通しも悪いので居心地の良いものが少ない
のが現状であり、仮に窓を多くしたものであっても窓枠
や窓框は木製であって気密性が悪く隙間風が侵入して来
たりする他、雨仕舞も完全でないので雨の日には雨水が
窓の部分から浸み込んでくるなどの好ましくない現象が
発生し、更に窓枠が木製であるとその窓枠を建物に固定
する作業及び取りこわし作業が面倒で耐久性も劣る欠点
があった。

このような欠点の中の耐久性を向上せしめるために、実
開昭４９−１４２４３７号にはリップ溝形状のパイルの
対向する開口部に左右の短枠を挿入して保持させる金属
製の仮設建物用サツシが開示されている。

しかしながら、この仮設建物用サツシは上梓及び下枠に
おける上下のパネルと接触する部分が非常に少ないため
に木ネジによって上梓、下枠とパネルとを固定する作業
を必要とするためその建造・取りこわしが容易でなく、
また上梓及び下枠はフランジ部分が一枚構造であるため
に剛性が劣っているため反復使用し得るための要件を満
たしておらず、更に上梓には室内側の上方にまた下枠に
は室内側の下方にそれぞれリブが突設されているために
サツシの上に更にサツシを段積みにして段窓を形成させ
ることもできないなど種々の欠点が゛あった。

本考案はかかる従来の仮設建物用の窓における欠点を除
去し、窓を一枚のパネル状とすると共にそのパネル形状
を窓部以外のパネルと近似した外形状とすることにより
ネジやボルトや釘などを使用せずに左右に直立させたリ
ップ溝形鋼間に上方より落とし込むだけで気密性と水密
性とを保持した状態に建造し得ると共に強度が優れてい
るので長期間にわたって反復使用が可能な仮設建物用サ
ツシに関するものである。

すなわち、本考案は障子装着部の上方に中空部が形成さ
れ更にその上面長手方向にはその上方に載置されるパネ
ルの下面長手方向に形成された凹条部に嵌め込まれる突
条部が設けられた仮設建物窓枠用上枠と障子装着部の下
方に中空部が形成され更にその下面長手方向には下方の
パネルの上面長手方向に形成されていて上方のパネルの
下面長手方向に形成された凹条部に嵌め込める突条部が
嵌め込めると共に仮設建物窓枠用上枠の上面長手方向に
設けられた突条部も嵌め込める凹条部が設けられた仮設
建物窓枠用下枠と、上記仮設建物用の上梓及び下枠とを
連結し直立したリップ溝形鋼のリップ間に嵌め込まれる
突条部と該リップ溝形鋼のリップ表面に当接せしめられ
る弾性パツキンとが設けられた仮設建物窓枠用の左右の
短枠と、上記上枠と下枠と左右の短枠とより成る窓枠内
に装着されているガラスが装着された障子とより戊り、
リップ溝形鋼のリップ間に落とし込むだけで゛建造し得
るパネル状を威していることを特徴とする仮設建物用サ
ツシを提供するものである。

以下、図面により本考案に係る仮設建物用サツシの１実
施例について詳細に説明する。

第１図は本考案に係る仮設建物用サツシの１実施例の縦
断面図、第２図は同横断面図である。

図面中、Ａは仮設建物用窓枠であり、仮設建物窓枠用上
枠１（以下、上梓と言う）と、仮設建物窓枠用下枠２（
以下、下枠と言う）と、仮設建物窓枠用の左右の短枠３
及び４（以下、左右の短枠と言う）とより或っていて、
これらの枠１と３．１と４．３と２．４と２とはそれぞ
れ固定されて一体を或している。

この仮設建物用窓枠Ａの上枠１は、第１図に示す如く障
子装着部の上方に中空部が形成されているために強度面
において優れており、更にその上面長手方向にはその上
方に載置されるパネルＰの下面長手方向に形成された凹
条部に嵌め込まれる突条部１ａが設けられている。

この上枠１に設けられる突条部１ａの形状は図示した形
状に限定されるものではなく、任意の形状が採用できる
が運搬時などに破損し難い形状が好ましい。

仮設建物用窓枠Ａの下枠２は、第２図に示す如く障子装
着部の下方に中空部が形成されているために強度面にお
いて優れており、更にその下面長手方向には仮設建物用
窓枠Ａがその上方に載置される下方のパネルＰの上面長
手方向に形成されていて上方のパネルＰの下面長手方向
に形成された凹条部に嵌め込める突条部が嵌め込めると
共に上枠１の上面長手方向に設けられた突条部１ａも嵌
め込める凹条部２ａが設けられている。

これらの突条部１ａ及び凹条部２ａは仮設建物用窓枠Ａ
とパネルＰとを確実に連結すると共にパネルＰと仮設建
物用窓枠Ａとの隙間より浸入して来る空気や雨水が室内
側に入り込まないように遮断するものであるから仮設建
物用窓枠Ａの上枠１及び下枠２の長手方向全長にわたっ
て設けられていることが好ましい。

またパネルＰと仮設建物用窓枠Ａとの接合面で突条部を
凹条部に嵌め込む際に必要に応じてその間にパツキンな
どを装着して気密性と水密性とをより向上せしめること
も可能である。

なお、仮設建物用窓枠Ａの上方に載置されるパネルＰの
下面長手方向に形成される凹条部は、仮設建物用窓枠Ａ
かその下方に載置されない場合に仮設建物用窓枠Ａがそ
の上方に載置される筈であったパネルＰの上面長手方向
に形成されている突条部に嵌め込まれるように第１図に
示す如くその位置が対応せしめられている。

そのため上枠１の上面長手方向に形成されている突条部
１ａと下枠２の下面長手方向に形成されている凹条部２
ａともその位置が対応せしめられているので、仮設建物
用窓枠Ａの上に更に仮設建物用窓枠Ａを積み重ねて段窓
とすることもできる。

また仮設建物用窓枠Ａの左右の短枠３と４との外面には
仮設建物用窓枠Ａをその両側部で保持するためリップ溝
形鋼のウェブ同志を固定せしめて直立せしめられた鉄骨
Ｆのリップ間に嵌め込まれる突条部３ａ及び４ａと、リ
ップ表面に当接せしめられる弾性パツキン３ｂ及び４ｂ
とが設けられている。

この弾性パツキン３ｂ及び４ｂは、仮設建物用窓枠Ａの
短枠３及び４にそれぞれ固定せしめられていればよいの
で固定方法は図示した実施例の如く凹陥部に嵌め込む方
法や、接着剤による固定方法や、ネジ止めなど任意の方
法が採用できる。

Ｂは仮設建物用窓枠Ａ内に装着された障子であり、窓框
５と窓框５内に装着されたガラス６とより構成されてい
る。

この障子Ｂは仮設建物用窓枠Ａ内に固定される形式のも
のではなく、仮設建物の建造時及び取りこわし時にガラ
ス６が割れないように仮設建物用窓枠Ａから取り外せる
形式のものが好ましく、また従来の仮設建物の欠点であ
る窓が少ないことを改善する意味からも開口部を完全に
ガラス６とすることができて開放して空気流通孔ともな
し得る引き窓形式のものが好ましい。

また、これらの仮設建物用窓枠Ａと障子Ｂの窓框５とを
構成する素材は、各枠材の製作が容易で組立及び取りこ
わし時に人手によって簡単に運搬し得る軽量である条件
並ひに中空部を簡単に形成できる条件を満たすアルミ材
であることが好ましい。

このような構造の本考案に係る仮設建物用サツシは、仮
設建物用窓枠Ａ内に障子Ｂが装着されているパネル状を
戊しているので、仮設建物を建造すべき場所に直立せし
められたリップ溝形鋼より成る鉄骨Ｆのリップ間にパネ
ルＰを落とし込み、次に本考案に係る仮設建物用サツシ
を鉄骨Ｆのリップ間に仮設建物用窓枠Ａの左右の短枠３
，４に設けた突条部３ａ、４ａが嵌め込まれる状態に落
とし込むと、仮設建物用窓枠Ａの下枠２に設けられた凹
条部２ａは先に落とし込まれたパネルＰの上面の突条部
を丁度その中に嵌め込んだ状態となり、側面は鉄骨Ｆの
リップ間で保持され且つリップの表面と仮設建物用窓枠
Ａの左右の短枠３及び４との間はそれぞれ短枠３及び４
に設けられた弾性パツキン３ ｂ 、４ ｂによって密
封される。

そこで次に鉄骨Ｆのリップ間にパネルＰを落とし込むと
、パネルＰの下面に設けられた凹条部が仮設建物用窓枠
Ａの上枠１の上面の突条部１ａを丁度その中に嵌め込ん
だ状態となって簡単に気密性と水蜜性とを備えた窓が形
成されることになるのであり、また本考案に係る仮設建
物用サツシを設置しない場合はパネルＰをリップ溝形鋼
より成る鉄骨Ｆのリップ間に順次落とし込めばよい。

以上詳述した如く本考案に係る仮設建物用サツシは、仮
設建物用窓枠Ａと障子Ｂとは気密性と水密性とを備えた
パネル状を威していて、仮設建物用窓枠Ａの上面に突条
部が、下面に凹条部が、両側面に突条部と弾性パツキン
とが設けられた簡単な構造であって、鉄骨を構成するリ
ップ溝形鋼のリップ間に仮設建物用窓枠Ａの両側面に設
けた突条部を嵌め込んだ状態で落とし込むだけで直ちに
その周囲を気密性と水密性とを備えた状態に保持せしめ
得る効果を有しているのであり、このようにその保持が
確実であるのでボルトやネジや釘などを一切用いること
なく保持せしめ得るので建造が容易であると共に取りこ
わしも本考案に係る仮設建物用サツシを順次引き抜くこ
とにより容易に行ない得る利点を有している他、従来の
仮設建物用サツシにおいては全〈実施されていなかった
仮設建物用窓枠の上梓と下枠とに中空部を設けであるた
めその剛性が高いので強度面において優れているから何
度でも使用可能であるなど種々の利点を有していて仮設
建物に簡単に窓を多く形成することを可能とすると共に
下段の仮設建物用サツシ上に直ちに上段の仮設建物用サ
ツシを落とし込んで段窓にして窓を更に多くすることも
できるもので、その実用的価値は非常に大きなものがあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る仮設建物用サツシの１実施例の縦
断面図、第２図は同横断面図である。 Ａ・・・・・・仮設建物用窓枠、１・・・・・・仮設建
物窓枠用上枠、１ａ・・・・・・突条部、２・・・・・
・仮設建物窓枠用下枠、２ａ・・・・・・凹条部、３・
・・・・・仮設建物窓枠用の短枠、３ａ。 ４ａ・・・・・・突条部、３ｂ、４ｂ・・・・・・弾性
パツキン、Ｂ・・・・・・障子、５・・・・・・窓框、
６・・・・・・ガラス、Ｆ・・・・・・リップ溝形鋼よ
り成る鉄骨、Ｐ・・・・・・パネル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 障子装着部の上方に中空部が形成され更にその上面
   長手方向にはその上方に載置されるパネルの下面長手方
   向に形成された凹条部に嵌め込まれる突条部が設けられ
   た仮設建物窓枠用上枠と、障子装着部の下方に中空部が
   形成され更にその下面長手方向には下方のパネルの上面
   長手方向に形成されていて上方のパネルの下面長手方向
   に形成された凹条部に嵌め込める突条部が嵌め込めると
   共に仮設建物窓枠用上枠の上面長手方向に設けられた突
   条部も嵌め込める凹条部が設けられた仮設建物窓枠用下
   枠と、上記仮設建物用の上梓及び下枠とを連結し直立し
   たリップ溝形鋼のリップ間に嵌め込まれる突条部と該リ
   ップ溝形鋼のリップ表面に当接せしめられる弾性パツキ
   ンとが設けられた仮設建物窓枠用の左右の短枠と、上記
   上枠と下枠と左右の短枠とより成る窓枠内に装着されて
   いるガラスが装着された障子とより成り、リップ溝形鋼
   のリップ間に落とし込むだけで建造し得るパネル状を威
   していることを特徴とする仮設建物用サツシ。 ２ 窓枠及び障子の框材がアルミ材より戒る実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の仮設建物用サツシ。