JPS6235758B2 - - Google Patents

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JPS6235758B2
JPS6235758B2 JP10658784A JP10658784A JPS6235758B2 JP S6235758 B2 JPS6235758 B2 JP S6235758B2 JP 10658784 A JP10658784 A JP 10658784A JP 10658784 A JP10658784 A JP 10658784A JP S6235758 B2 JPS6235758 B2 JP S6235758B2
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JP
Japan
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acetyl
amino acids
reaction
amino acid
coa
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Application number
JP10658784A
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English (en)
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JPS60251892A (ja
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Kenji Soda
Hidehiko Tanaka
Kunio Sugawara
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は酵素により、高収率で高光学純度のD
―N―アセチルアミノ酸を製造する方法に関する
ものである。
D―N―アセチルアミノ酸は従来、化学的に合
成されている。即ち、その一つの方法は、D―ア
ミノ酸を無水酢酸と反応する事によつて得られる
ものである。しかし原料のD―アミノ酸を純度よ
く得る事は、経済的に困難である。なぜなら通
常、アミノ酸は化学的な合成による場合はDL一
体として得られ、醗酵法等の生物化学的方法によ
る場合はL一体しか得られないからである。又、
他の方法としては合成法により得られたDL―ア
ミノ酸を原料として、化学的にアセチル化する方
法があり、この場合にはDL―N―アセチルアミ
ノ酸が得られる。しかしながらこのDL―N―ア
セチルアミノ酸よりD体を効率よく分離すること
は極めて困難である。
いずれにしてもD―N―アセチルアミノ酸の効
率的な製法はまだ知られていない。
本発明者等はこのような状況下にあつて上記の
問題点を解決する新規なD―N―アセチルアミノ
酸を製造する方法に関し、鋭意研究した結果、本
発明に到つたものである。本発明者等は酵素反応
が高選択的に進行する事に着目し、酵素反応によ
り原料としてL―アミノ酸と共存するD―アミノ
酸を使用し、この中のD―アミノ酸を選択的にD
―N―アセチルアミノ酸に交換する方法を見いだ
し本発明を完成した。
即ち、本発明はD―アミノ酸アセチルトランス
フエラーゼ(以下、D―AAAという)ホスホト
ランスアセチラーゼ(以下、PTAという)及び
CoAの存在下DLアミノ酸等のL―アミノ酸と共
存するD―アミノ酸を選択的に消費しアセチル源
としてアセチリン酸を消費して、D―N―アセチ
ルアミノ酸を得ることを特徴とするD―N―アセ
チルアミノ酸の製法である。
以下、本発明の方法を詳細に説明する。
本発明においてL―アミノ酸と共存するD―ア
ミノ酸は(1)式に示すように、D―AAAの存在
下、補酵素アセチルCoAを消費して選択的にN―
アセチル化され、D―N―アセチルアミノ酸に変
換する。
しかし、反応(1)では、補酵素アセチルCoAがD
―アミノ酸と等モル消費される。アセチルCoAは
極めて高価なものであるため、その消費は実用化
する上に大きな障害となるが、本発明においては
(2)式に示す様にPTAの存在下、安価なアセチル
リン酸を供給し、CoAをアセチルCoAに変換する
事によりこの問題を解決した。
つまり、反応(1)と(2)を同一系内で行わせる事に
より全体としては、次式(3)に示される反応とな
る。
即ち、反応の開始時に反応系へ原料物質とし
て、D―アミノ酸及びアセチルリン酸を入れ、さ
らに補酵素CoAを加え、D―AAA及びPTMを添
加する事によつて系内では、反応(3)が進行する事
となる。
ここで、アセチルCoAは系内で消費、生成をく
り返して反応に関与する。従つて、アセチルCoA
そのものは系外から供給する必要はないが、反応
開始時等にあらかじめ添加しておいてもよい。
本発明に使用するD―AAAはパン酵母から見
出された(Zemk,M.H,etal,Biochem
342,54−65(1965))が本発明者等が検討した結
果、Saccharomyces属酵母に広く分布する事が明
らかとなつた。
このD―AAAは菌株が異つてもその性質には
差異なく、補酵素としてのアセチルCoAとともに
前述の反応(1)を促進する。即ち、本酵素はD―ア
ミノ酸ヘアセチルCoAからアセチル基を転位させ
る反応に関与するが、基質特異性が低くフエニル
アラニン、バリン、グリシン、メチオニン等各種
のアミノ酸に作用する。
本発明のPTAはClostridium Kluyveriから単
離されている(H.R.K lotysh,Meth.Enymol.
12,381〜386(1969))が、その他Clostridium属
などの細菌に広く分布する事が明らかとなつてお
り、市販品もある。
このPTAは反応(2)に特異的に関与するため、
他の酵素と共存させても、他の反応に影響するこ
とはない。
本発明に使用するこれらの酵素は、精製したも
のを用いる必要は特になく粗酵素で充分である
が、ホスフアターゼの様なアセチルリン酸分解活
性をもつ酵素が除かれている事が好しい。また酵
素は生物から抽出したものをそのまま、あるいは
従来知られている方法により固定化したもの等、
いずれも使用することができる。
本発明の反応の最適条件は使用する酵素により
異るがPH5〜9、温度25〜40℃の範囲で反応を実
施することができる。なお好しくは、PH7.5〜
8.5、温度30〜37℃で実施される。反応後、イオ
ン交換樹脂により、生成したD―N―アセチルア
ミノ酸と未反応のL―アミノ酸およびD―アミノ
酸は容易に分離する事が出来る。分離された未反
応のL―アミノ酸はラセマーゼを用いるか、ある
いは化学的な方法によりDL―アミノ酸とする事
が可能である。なお、反応液に直接ラセマーゼを
添加することにより原料中のL―アミノ酸をラセ
ミ化すると同時に反応を進行することもできる。
この様な操作により原料アミノ酸中に含まれるL
―アミノ酸も本発明の方法によりD―N―アセチ
ルアミノ酸へ転換する事が可能となる。
以上述べたように、本発明により、例えば化学
合成で安価に得られるDL―アミノ酸から選択的
にD―N―アセチルアミノ酸を高収率、高純度で
合成することができる。又、本発明に用いる酵素
は基質特異性が低いので汎用のプロセスとして各
種のアミノ酸に利用できる。
又、本発明においては、L―アミノ酸は未反応
で残るのでDL―アミノ酸をL―アミノ酸と、D
―N―アセチルアミノ酸へ光学分割する方法とし
ても利用できる。
なお、本発明で得られるD―N―アセチルアミ
ノ酸は更にD―アミノ酸アシラーゼを作用させる
事により、容易にD―アミノ酸に変換させる事も
可能である。
実施例 1 DL―メチオニンを原料として用いた。反応液
はトリス―塩酸緩衝液(PH8.4)1中に20μmol
のDL―メチオニン、25μmolのアセチルリン
酸、0.05μmolのCoAを溶解し、その1mlをと
り、ラセマーゼ、D―アミノ酸アセチルトランス
フエラーゼおよび、ホスホトランスアセチラーゼ
を各2unit加えて、30℃、2時間反応させた。反
応液を分析した結果、収率99%でD―N―アセチ
ルメチオニンを得た。本反応の条件では、非酵素
的にDL―メチオニンがアセチルリン酸によりア
セチル化している事が認められたが、L―アミノ
アシラーゼを添加することにより光学純度100%
のD―N―アセチルメチオニンを得た。
実施例 2 トリス―塩酸緩衝液(PH8.4)中にDL―アルギ
ニン、20μmol、アセチルリン酸、25μmol、
CoA0.25μmolを溶解し、さらにラセマーゼ
2unit、ホスホトランスアセチラーゼ2unit、D―
アミノ酸アセチルトランスフエラーゼ1unitを加
え、全量1mlとし30℃、2時間反応させた。反応
液を分析した結果、収率80%でD―N―アセチル
アルギニンを得た。
実施例 3 実施例2と同様の条件とし、DL―アルギニン
の代りにL―アルギニン20μmolを用いて行つた
反応では、2時間後のD―N―アセチルアルギニ
ンの収率は75%であつた。
実施例 4 DL―α―アミノ―n―酪酸20μmol、アセチ
ルリン酸30μmol、CoA0.25μmolをトリス―塩
酸緩衝液(PH8.4)1ml中に溶解し、粗製のラセ
マーゼ2unit、ホスホトランスアセチラーゼ
3unit、D―アミノ酸アセチルトランスフエラー
ゼ0.75unitを加えて、30℃、2時間反応させた。
その結果、D―N―アセチルアミノ―n―酪酸の
収率は、反応1時間では55%、2時間では75%で
あつた。
実施例 5 実施例4と同様の条件とし、アセチリン酸を25
μmolとし、D―アミノ酸アセチルトランスフエ
ラーゼを0.5unitを用いた反応では2時間後の収
率は65%であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 D―アミノ酸アセチルトランスフエラーゼ、
    ホスホトランスアセチラーゼ及び補酵素CoAの存
    在下、L−アミノ酸と共存するD−アミノ酸を選
    択的に消費し、アセチル源としてアセチルリン酸
    を消費して、D―N―アセチルアミノ酸を得るこ
    とを特徴とするD―N―アセチルアミノ酸の製
    法。
JP10658784A 1984-05-28 1984-05-28 D−n−アセチルアミノ酸の製法 Granted JPS60251892A (ja)

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JP10658784A JPS60251892A (ja) 1984-05-28 1984-05-28 D−n−アセチルアミノ酸の製法

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JP10658784A JPS60251892A (ja) 1984-05-28 1984-05-28 D−n−アセチルアミノ酸の製法

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JPS60251892A JPS60251892A (ja) 1985-12-12
JPS6235758B2 true JPS6235758B2 (ja) 1987-08-04

Family

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JP5157180B2 (ja) * 2006-01-27 2013-03-06 味の素株式会社 L−アミノ酸の製造法

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