JPS6235584B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、給湯用の熱交換器を介入させた給湯
回路と、循環ポンプと暖房用の熱交換器とを介在
させた暖房回路とを備える給湯暖房器における凍
結防止装置に関する。 第１図は従来公知の給湯暖房器の１例を示し、
このもので給湯回路１は、バーナ２ａを熱源とす
る給湯用熱交換器２の流入側の給水タンク３と流
出側の貯湯タンク４とを備え、常時は両タンク
３，４間に熱交換器２と戻し管５とを介して水が
加熱循環されて、貯湯タンク４内の水温が設定温
度に保持されるように構成されている。暖房回路
６は、循環ポンプ７の流入側にシスターン８と、
その流出側のバーナ９ａを熱源とする暖房用熱交
換器９との間に断続自在に介入させて貯湯タンク
４内の湯を熱源とする副熱交換器１０とを備え、
普通暖房時は外部の放熱器１１との間にシスター
ン８、循環ポンプ７、熱交換器９を介して温水を
循環させ、強暖房時は循環ポンプ７から副熱交換
器１０と熱交換器９とを介して２段階の加熱を与
えながら温水を循環させるようにした。 そしてこのものではバーナ消火時、暖房回路６
においては、放熱器１１をバイパスするバイパス
弁１２を開弁させた状態で循環ポンプ７によりシ
スターン８→循環ポンプ７→熱交換器９→シスタ
ーン８の系路で内部流体を循環させることによ
り、又給湯回路１においては、給水タンク３内に
ヒータａを入れたり該タンク３の流入側の給水管
３ａにテープヒータｂを巻いて夫々凍結を防止し
ているが、凍結防止のため循環ポンプ７とヒータ
ａ，ｂとを作動させるのでは、経費面でも又省エ
ネルギー面でも問題がある。 本発明は、暖房回路の凍結防止のために駆動す
る循環ポンプのモータ部の発熱に着目し、この熱
を給湯回路の凍結防止に利用して上記の不都合を
解消することをその目的とするもので、以下本発
明の実施例を第２図乃至第４図に付説明する。 第２図示の給湯暖房器の基本構成は上記従来式
のものと特に異らず、従来式のものと同一の部材
は同一の符号で表わした。ここで循環ポンプ７と
しては、キヤンド型或いは機械シール型何れのポ
ンプも用いることが出来るが、図示のものはキヤ
ンド型ポンプを用いた例を示している。キヤンド
型ポンプは、第３図に明示する如くインペラ部１
３とモータ部１４とが一体的に組付けられ、モー
タ部１４のロータ収容室１５がインペラ部１３に
連通されてモータ部１４の液冷が与えられる構成
となつており、かくて該ポンプを循環ポンプ７と
して用いれば、暖房回路６内に循環される内部流
体はモータ部１４の熱を吸収して温度が上昇す
る。即ち該収容室１５をモータ部の熱の吸熱部に
構成した。 実験によれば、内部流体を水、シスターン８の
容量を3.5、循環ポンプ７を160Wのキヤンド型
ポンプとし、−10℃の雰囲気中で水温は３時間で
４℃から30℃に上昇した。 そこで図示するものでは、特に第４図に示すご
とく該暖房回路６の一部を給湯回路１の給水タン
ク３内に挿入させると共に該給水タンク３に連な
る給水管３ａに巻回させて、該モータの熱を放出
させる放熱部１６とした。尚、放熱部１６を常時
暖房回路６に接続しておくと、暖房作動時に該放
熱部１６での放熱ロスを生ずるため、該放熱部１
６は凍結防止時にのみ暖房回路６に接続されるよ
うにすることが好ましく、そのため手段として副
熱交換器１０の断続切換手段と併わせて暖房回路
６、放熱部１６、副熱交換器１０の接続部に５個
の切換弁Ｖ１，Ｖ２……Ｖ５を設け、これらを普
通暖房時、強暖房時、凍結防止時とで下表の如く
開閉制御するようにした。

【表】 次いで図示の実施例の作動を説明するに、普通
暖房時は、シスターン８→循環ポンプ７→切換弁
Ｖ２，Ｖ４，Ｖ５→暖房用熱交換器９→放熱器１
１→シスターン８の系路で内部流体が循環され、
バーナ９ａの作動による熱交換器９での加熱で放
熱器１１からの放熱暖房作動が営まれる。 尚、この際給湯用熱交換器２のバーナ２ａが消
火されていて給湯回路１での凍結を生ずる虞れの
あるときは、切換弁Ｖ２，Ｖ４を閉じ切換弁Ｖ
１，Ｖ５を開いて、循環ポンプ７と熱交換器９と
の間に放熱部１６を介入させた状態で内部流体を
循環させ、該パイプ１６を介しての熱交換で給湯
回路１内の水を加温し凍結を防止する。強暖房時
は、シスターン８→循環ポンプ７→切換弁V₂，
V₃→副熱交換器１０→暖房用熱交換器９→放熱
器１１→シスターン８の系路で内部流体を循環さ
せ、副熱交換器１０で内部流体を予熱してこれに
暖房用熱交換器９における高温度への加熱が与え
られるようにする。 尚、この場合貯湯タンク４内は給湯用熱交換器
２のバーナ２ａを作動させて所定の高温度に保持
する。 バーナ２ａ，９ａを消火した凍結防止時は、バ
イパス弁１２を開弁させ、シスターン８→循環ポ
ンプ７→切換弁Ｖ１→放熱部１６→切換弁Ｖ５→
暖房用熱交換器９→バイパス弁１２→シスターン
８の系路で内部流体を循環させる。 これによれば暖房回路６の凍結が内部流体の循
環で防止されると共に、該内部流体が循環ポンプ
７のモータ部１４の熱を吸収して上記の如く温度
上昇し、この熱が給湯回路１の給水管３ａや給水
タンク３に放熱部１６を介して伝熱され、かくて
給水管３ａや給水タンク３内の水は保温された状
態となり凍結から保護される。実験によれば、−
10℃の雰囲気中で給水管３ａや給水タンク３内の
水温は５〜10℃の範囲に保持された。 尚、暖房回路６の内部流体を循環し始める際、
暖房用熱交換器９のバーナ９ａを短時間作動させ
て予め流体温度を上げておけば一層効果的であ
り、又貯湯タンク４内の湯温が低下してその凍結
を生ずる虞れのあるときは、切換弁Ｖ３，Ｖ４を
開弁して、副熱交換器１０にも内部流体を流すよ
うにする。 以上、循環ポンプ７としてキヤンド型ポンプを
用い、モータ部１４の熱を暖房回路６の内部流体
と、放熱部１６とを介して間接的に給湯回路１に
伝熱し得るように伝熱手段を構成した実施例につ
いて説明したが、これに限るものではなく例えば
循環ポンプ７として機械シール型のものを用いる
場合は、モータ部のケーシングが高温に加熱され
るから、このケーシングを給水タンク３等に熱交
換可能に接触配置して、モータ部から給湯回路１
への直接的な伝熱が得られるようにしても良い。 尚、上記した従来式のヒータａ，ｂを凍結防止
の補助熱源として残しても良く、この場合当然の
ことながらヒータａ，ｂの消費電力は著しく減少
される。 この様に本発明によるときは、該暖房回路に該
循環ポンプのモータ部の熱を吸熱する吸熱部と放
熱部とを設け、該放熱部を給湯回路の給水タンク
並びに給水管に熱交換自在に配置しための給湯回
路の凍結防止のために消費エネルギーを減少し
て、上記した従来式のものにおける不都合を確実
に解消し得る効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の系統線図、第２図は本発明装
置の１例の系統線図、第３図は循環ポンプの半部
截断側面図、第４図は伝熱手段の構成を説明する
斜視図である。 １……給湯回路、２……給湯用熱交換器、６…
…暖房回路、７……循環ポンプ、９……暖房用熱
交換器、１６……放熱部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 給湯用の熱交換器を介入させた給湯回路と、
   循環ポンプと暖房用の熱交換器とを介入させた暖
   房回路とを備える給湯暖房器であつて、該暖房回
   路の凍結を該循環ポンプによる内部流体の循環で
   防止するようにしたものに於いて、該暖房回路に
   該循環ポンプのモータ部の熱を吸熱する吸熱部と
   これを放熱する放熱部とを設け、該放熱部を給湯
   回路の給水タンク並びに給水管に熱交換自在に配
   置して成る給湯暖房器における凍結防止装置。