JPS6235296Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は玉ねぎのような柔らかい苗を植付ける
ための苗移植機に於いて、特に傾斜地の植付けに
最適な苗移植機に関するものである。

苗植付け作業に於いて、平地または進行方向に
対して傾斜している地形の場合、従来知られてい
る苗移植機により自動的に苗を圃場に植付けるこ
とができる。しかしながら、進行に対して左また
は右に傾斜している地形の場合、従来の苗移植機
では、機体が傾斜側（下方側）に流れてしまい適
確な作業ができず、能率的でなかつた。また、苗
は傾斜側に向いてしまつて、引力の方向に植付け
ることができずに、苗の活着、生育が悪く問題が
あつた。

このため、第７図のように傾斜側に位置する苗
移植機ａの後車輪ｂを機械的に下げる方法が採用
されている技術が存在する。この後車輪ｂのみを
傾斜地形に合わせて調節できる苗移植機では、１
条植えの場合は、苗を引力の向きに合わせて植付
けることができるが、第７図のように傾斜角度が
強いと、植付自体ができないことがあり、また、
苗は引力の向きに合わせて植付けることができ
ず、前記の欠点は依然として解消できないもので
ある。

本考案のこのような欠点を解消した傾斜地の植
付けに最適な苗移植機を提供せんとするものであ
る。

以下本考案の実施例を図面を参照しながら説明
する。

１は苗移植機の機体、２は機体１の先端部に立
設した正面逆Ｕ字状の支持枠、３は支持枠２に取
付けた昇降装置で、この昇降装置３は例えば、油
圧シリンダ４で構成され、そのピストンロツド５
の先端部は支持枠２の上端部に於いて、調節自在
に螺着してあり、油圧シリンダ４の下端部には、
横杆５を取付けてあり、横杆５の両端部は支持枠
２の内側に接合させてある。そして、従来知られ
ている構成は、この昇降装置３の下端部または横
杆５の中央部に苗植装置６を取付け、圃場に合わ
せて苗植装置６を上下方向に昇降調節できるよう
にしてある。

しかして、本考案にあつては、前記昇降装置３
または横杆５の中央部に次に説明する平行調節装
置７を取付けることにより、苗植装置６が傾斜す
る地面と平行を保つように、しかも苗植装置６は
引力の向きに対して、直角を保つて、苗が引力の
向きに直角に植付けられるようにしてある。

つまり、横長形状の取付杆８の中央部にブラケ
ツト９を設け、このブラケツト９と両端部のブラ
ケツト１０，１０間に例えばターンバツクルのよ
うな伸縮調節可能な調節部材１１，１１を夫々配
設すると共に、ブラケツト９と一端部のブラケツ
ト１０ａ間に油圧または空圧のシリンダ１２を配
設してある。なお、このシリンダ１２は他端部側
に設けることも可能である。また、取付杆８の両
端部には、前記苗植装置６を装着させる取付具１
３，１３を枢支してある。この取付具１３の構成
は任意であり、例えば、図示のような角状部材で
あつてもよく、何れにしても、取付杆８の傾動に
対し、この取付具１３は常に引力の向きと平行を
保つように構成してある。

このような構成の平行調節装置７をそのブラケ
ツト９を介して昇降装置３の下端部または横杆５
の中央部に枢支し、取付具１３，１３に苗植装置
６をボルト、ナツト等を介して取付ける。この苗
植装置６は従来周知のもので、テープ巻戻部１
４、苗保持テープ１５、苗植付部１６、畦立具１
７、鎮圧輪１８等から構成されている。

さらに、後部の後車輪１９，１９には、傾斜す
る地形に合わせ、後車輪１９，１９を別々に上下
させる昇降装置２０，２０を設けてある。次に昇
降装置２０，２０の構成を説明すると、前記機体
１の機枠２１の後端部に連杆２２を取付け、この
連杆２２の両端部に夫々設けたスプロケツト２
３，２４間にチエーン２５を掛渡す。また、一方
のスプロケツト２４に後車輪１９を取付け、この
スプロケツト２４近くの連杆２２と機枠２１の後
端部のブラケツト２６間に油圧または空圧のシリ
ンダ２７を配設してある。図中２８はハンドル、
２９は座席を示す。

以上の平行調節装置７と後車輪の昇降装置２
０，２０を有する苗移植機にあつては、通常の平
地に於ける作業の場合は、これら装置７，２０を
操作せず苗植付けが可能である。

しかし、傾斜地の作業の場合は、傾斜地の地形
に合わせて、傾斜側の昇降装置２０により、後車
輪１９を下降させ、苗移植機の傾斜側への流れを
防止できる。さらに平行調節装置７のシリンダ１
２を駆動して、そのピストンロツド１２ａを伸縮
を調節することにより、取付杆８をそのブラケツ
ト９を支点として、傾動させて、地形と平行にす
る。取付具１３，１３は取付杆８の傾動状態と
は、無関係に引力の向きと平行を保つ構成であれ
ば、苗植装置６も引力の向きと平行を保つことに
なる。従つて、苗植装置６により、苗を引力の向
きに合わせて植付けることができ、苗の活着、生
育は良好なものとなる。

このように本考案の苗植装置６は簡易な構成の
平行調節装置７により、作業する傾斜地の地形に
関係なく、引力の向きと平行を保つて作業できる
ために、苗を引力の向きに合わせて植付けること
ができ、多条植えの苗移植機には最適であり、し
かも後車輪１９，１９の昇降装置により、前記地
形に合わせて上下方向に後車輪１９，１９を昇降
できるために、傾斜側への苗移植機の流れを簡単
に防止できるものである。また、苗植装置６の僅
かな調節は、左右の調節具１１，１１で操作でき
る利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を取付けた全体の側面図、第２
図は同概略正面図、第３図は平行調節装置の分解
斜視図、第４図は後車輪の昇降装置の側面図、第
５図、第６図は本考案の作用説明図、第７図、第
８図は従来例の作用説明図である。 １……機枠、２……支持枠、３……昇降装置、
６……苗植装置、７……平行調節装置、８……取
付杆、１１……調節具、１２……シリンダ、１３
……取付具、１９……後車輪、２０……昇降装
置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付杆８の中央部と両端部間に夫々ターンバツ
   クルのような伸縮可能な調節具１１，１１を配設
   すると共に、少なくともこの中央部と一端部間に
   シリンダ１２を配設し、さらに２組以上の苗植装
   置６を装着しうる取付具１３，１３をその中央部
   を取付杆８の両端部に遊動的に枢支した平行調節
   装置７を機体１の先端部の支持枠２に設けた昇降
   装置３に連動するように取付け、機枠２１の後端
   部に後車輪１９，１９を個別に昇降させる昇降装
   置２０，２０を設けてなる苗移植機。