JPS6234792Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は携帯時に胴と鞘が当接するととも
に、口金が胴内に没入していることを特徴とする
ノツク式シヤープペンシル。

従来のノツク式シヤープペンシルは、芯を繰り
出すために常にノブが鞘の後端より突出している
構成となつており、しかも先の尖つた口金は胴の
先端に一体的にねじ止めされているものがほとん
どであつた。したがつてノブが突出していること
により、ポケツト等に携帯した場合にノブが押さ
れたりして芯が繰り出されると衣服を汚したり破
いたりする恐れがあり、一方先の尖つた口金が胴
の先端に一体的にねじ止めされていることによ
り、口金の先端の尖つた部分で携帯時に衣服を破
いたり怪我をしたりといつたことや、又落したり
して口金の先端を破損して使用不可能にしたりと
いつた欠点があつた。しかもノブおよび口金が外
部に露出しているために外観を大変損ねるといつ
た種々の欠点を有していた。そこでこれらの問題
を改善したものとして当社出願の実開昭55−
136587号があるが、これは胴と鞘を回動すること
により口金およびノブを出没させるものであり、
構成が非常に複雑でしかも生産性も大変悪く高価
になるものであつた。しかも口金およびノブを出
没させるために鞘を回動するという操作が大変煩
わしいものであつた。

そこで本願考案者が鋭意検討した結果、胴と鞘
を伸縮させることにより口金を出没させて、上記
した従来の欠点をすべて解消したノツク式シヤー
プペンシルを提供することを目的としたものであ
る。

この考案の構成を図面にもとづいて説明する
と、第１図において、チヤツク１の頭部１Ａに締
リング２を外嵌し、該締リング２が連結具３の凹
溝３Ａに遊嵌されている。チヤツク１の後部に
は、適宜の位置に外鍔４Ａよりなる係合部を有し
た芯タンク４が固着され、芯タンク４の外段４Ｂ
と連結具３の内段３Ｂとの間にチヤツクスプリン
グ５を設けることによりチヤツク１は後方に弾発
されて、チヤツク１の頭部１Ａが締リング２に押
し付けられて閉じられ、芯６を保持して構成され
ている。連結具３の前部には芯ホルダー７を内蔵
した口金８が螺合され、芯タンク４の後部には消
しゴム９が嵌合されてノツク式シヤープペンシル
体が構成されている。胴１０の前部には先金１１
が螺着され、先金１１の後端と連結具３の外鍔３
Ｃとの間にリターンスプリング１２を設けて、連
結具３の突起３Ｄが胴１０のカム段１０Ａの谷部
１０Ｂに当接されている。胴１０のカム段１０Ａ
は第２図の展開図に示すように円周180度にわた
つて左後方傾斜面に構成されている。連結具３の
キー３Ｅは内鞘１３のキー溝１３Ａに挿入され、
内鞘１３の突起１３Ｂは胴１０のガイド溝１０Ｃ
の前端に位置して挿入されている。胴１０のガイ
ド溝１０Ｃは第２図に示すように前部は円周180
度にわたつてカム段１０Ａより急に傾斜された左
前方傾斜溝１０Ｄで構成され、後部は前後に伸び
た直線溝１０Ｅで構成されている。該内鞘１３の
内面には内溝１３Ｃよりなる係合部が設けられる
とともに、内鞘１３の外面に設けられた外鍔１３
Ｄに鞘１４の内溝１４Ａが嵌合されて、内鞘１３
と鞘１４は回転自在に構成され、同径に構成され
た胴１０の後端と鞘１４の前端が互いに当接さ
れ、胴１０の内面に鞘１４の支持部１４Ｂが嵌合
され、さらに芯タンク４の後部が鞘１４により被
包されてノツク式シヤープペンシルが構成されて
いる。

つぎにこの考案の作用を説明すると、第１図に
おいて、鞘１４を軸方向の後方に引張ると、内鞘
１３の突起１３Ｂが胴１０のガイド溝１０Ｃの左
前方傾斜溝１０Ｄにそつて右に回転しながら後退
し、胴１０の内面より鞘１４の支持部１４Ｂが外
れる。内鞘１３のキー溝１３Ａには連結具３のキ
ー３Ｅが挿入されているために連結具３も右に回
転させられる。すると連結具３の突起３Ｄが胴１
０のカム段１０Ａにそつてリターンスプリング１
２の弾発力に抗して前進する。そして内鞘１３の
突起１３Ｂが180度右に回転して胴１０のガイド
溝１０Ｃの直線溝１０Ｅに至ると、連結具３も
180度右に回転して連結具３の突起３Ｄが胴１０
のカム段１０Ａの山部１０Ｆに至り、口金８が先
金１１の先端より突出する。さらに鞘１４を後方
に引張ると、内鞘１３の突起１３Ｂが胴１０の直
線溝１０Ｅにそつて鞘１４とともに後退し、内鞘
１３の内溝１３Ｃが芯タンク４の外鍔４Ａに、チ
ヤツクスプリング５の弾発力より強い力で係合さ
れて第３図に示した筆記状態となる。この状態で
筆記を行ない芯６を繰り出そうとした場合には、
鞘１４をノツクすることにより鞘１４とともに内
鞘１３・芯タンク４およびチヤツク１が前進して
芯６が繰り出される。ついで筆記が終了し携帯し
ようとした場合には、鞘１４を前方に押圧する
と、胴１０の直線溝１０Ｅを内鞘１３の突起１３
Ｂが摺動して鞘１４とともに内鞘１３・芯タンク
４およびチヤツク１が前進し、口金８の内段８Ａ
にチヤツク１の前端が当接される。さらに鞘１４
を前進させると内鞘１３の内溝１３Ｃが芯タンク
４の外鍔４Ａより外れて前進するとともに、チヤ
ツクスプリング５の弾発力によりチヤツク１およ
び芯タンク４が後退されチヤツク１が締リング２
に当接される。そして内鞘１３の突起１３Ｂが胴
１０の左前方傾斜溝１０Ｄに至ると、内鞘１３は
左に回転しながら前進し、連結具３もともに左に
回転する。したがつて連結具３の左回転にともな
つて連結具３の突起３Ｄが胴１０のカム段１０Ａ
にそつて後退する。そして内鞘１３が180度左に
回転すると、胴１０の後端と鞘１４の前端が当接
されるとともに胴１０の内面に鞘１４の支持部１
４Ｂが嵌合され、同時に連結具３も180度左に回
転され連結具３の突起３Ｄが胴１０のカム段１０
Ａの谷部１０Ｂに位置して口金８が先金１１の先
端より没入し、第１図の携帯状態に復帰する。

なお胴のカム部は第４図に示した様に、胴１１
０に左後方傾斜溝からなるカム溝１１０Ｇを構成
したり、芯タンクと内鞘の係合部は、第５図に示
したように、芯タンク１０４の係合部を凹溝１０
４Ｃで構成するとともに内鞘１１３の係合部を内
鍔１１３Ｅで構成したり、第６図に示したよう
に、芯タンク２０４の凹溝２０４Ｃに断面Ｃ形の
係合具１５を設けるとともに内鞘２１３の内面に
内溝２１３Ｃを設けて係合部を構成したり、胴に
鞘を嵌合して支持するかわりに胴に鞘を螺合して
支持したり、内鞘と鞘を一体に構成しても、この
考案の効果を何ら損なうものではない。

以上のような構成と作用を有するこの考案は、
胴と鞘を伸縮させるだけで口金が出没し、携帯時
全長が短かくなるので大変携帯しやすく、筆記時
には長くなるので大変筆記しやすく、しかも携帯
時の外観がこすぶる向上するといつた従来のノツ
ク式シヤープペンシルに比べて実用上画期的な効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のノツク式シヤープペンシル
の携帯状態を示す縦断面図、第２図は第１図のノ
ツク式シヤープペンシルの胴を示す展開図、第３
図は第１図のノツク式シヤープペンシルの筆記状
態を示す縦断面図、第４図・第５図および第６図
はそれぞれこの考案の他の実施態様を示す主要部
縦断面図である。 １……チヤツク、１Ａ……チヤツク１の頭部、
２……締リング、３……連結具、３Ａ……連結具
３の凹溝、３Ｂ……連結具３の内段、３Ｃ……連
結具３の外鍔、３Ｄ……連結具３の突起、４・１
０４・２０４……芯タンク、４Ａ……芯タンク４
の外鍔、４Ｂ……芯タンク４の外段、１０４Ｃ・
２０４Ｃ……芯タク１０４・２０４の凹溝、５…
…チヤツクスプリング、６……芯、７……芯ホル
ダー、８……口金、８Ａ……口金８の内段、９…
…消しゴム、１０・１１０……胴、１０Ａ……胴
１０のカム段、１０Ｂ……胴１０の谷部、１０Ｃ
……胴１０のガイド溝、１０Ｄ……胴１０の左前
方傾斜溝、１０Ｅ……胴１０の直線溝、１０Ｆ…
…胴胴１０の山部、１１０Ｇ……胴１１０のカム
溝、１１……先金、１２……リターンスプリン
グ、１３・１１３・２１３……内鞘、１３Ａ……
内鞘１３のキー溝、１３Ｂ……内鞘１３の突起、
１３Ｃ・２１３Ｃ……内鞘１３・２１３の内溝、
１３Ｄ……内鞘１３の外鍔、１１３Ｅ……内鞘１
１３の内鍔、１４……鞘、１４Ａ……鞘１４の内
溝、１４Ｂ……鞘１４の支持部、１５……係合
具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 胴に、傾斜したカム部と該カム部と逆に傾斜
   したガイド溝を設け、カム部には連結具の突起
   を当接するとともに、ガイド溝には鞘に設けら
   れた内鞘の突起を挿入し、該内鞘は連結具に対
   して軸方向の前後には摺動自在でかつ回転不可
   能に構成し、連結具には芯ホルダーを内蔵した
   口金を取り付け、さらに連結具内に軸方向に摺
   動自在な締リングを遊嵌し、該締リングを頭部
   に外嵌したチヤツクの後部に芯タンクを固着
   し、連結具と芯タンクとの間にチヤツクスプリ
   ングを張架することによりチヤツクの頭部を締
   リングに当接させて芯を強く保持し、芯タンク
   と内鞘とは互いに係合可能な係合部を構成し、
   該係合部の係合力はチヤツクスプリングの弾発
   力より強く構成したことを特徴とするノツク式
   シヤープペンシル。 ２ 胴１０のカム部をカム段１０Ａにより構成す
   るとともに、リターンスプリング１２により連
   結具３を後方に弾発させて、連結具３の突起３
   Ｄを胴１０のカム段１０Ａに当接したことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   ノツク式シヤープペンシル。 ３ 胴１１０のカム部をカム溝１１０Ｇにより構
   成するとともに、該カム溝１１０Ｇに連結具の
   突起を挿入したことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のノツク式シヤープペン
   シル。 ４ 連結具３のキー３Ｅを、内鞘１３のキー溝１
   ３Ａに挿入して構成したことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のノツク式シヤ
   ープペンシル。 ５ 芯タンク４の外鍔４Ａを内鞘１３の内溝１３
   Ｃに係合したことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のノツク式シヤープペンシ
   ル。 ６ 芯タンク１０４の凹溝１０４Ｃに内鞘１１３
   の内鍔１１３Ｅを係合したことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のノツク式シ
   ヤープペンシル。 ７ 芯タンク２０４の凹溝２０４Ｃに断面Ｃ形の
   係合具１５を設け、該係合具１５を内鞘２１３
   の内溝２１３Ｃに係合したことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のノツク式シ
   ヤープペンシル。