JPS623478Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば高圧送電線用の鉄塔の建設等
の際、クレーンを支持する支柱タワー等の一方の
支柱と、立設済の鉄塔側柱等の他方の支柱との間
に掛け渡される作業者移動用の渡橋に関するもの
である。

送電線鉄塔の建設においては、支柱タワーを順
次上方にせり上げながら鉄塔側柱を組み上げてい
く工法がとられるが、この場合、支柱タワーの四
隅と鉄塔の四主柱との間には間隔をおいて多くの
ワイヤロープが張り渡され、鉄塔が完成されるま
で、その張力により倒壊を防止することが行われ
る。そして、支柱タワーと鉄塔主柱との間の作業
者の移動は、支柱タワーを降り、再び鉄塔主柱を
登ることによつて行われ、多大な労力を要すると
共に危険を伴うものである。

本考案は、支柱タワーと鉄塔主柱のような２つ
の主柱間に張り渡されるワイヤロープを利用し、
これを支線として両主柱間に架設することができ
る、作業者移動用の渡橋に関するものであり、容
易に架設、取外し可能で、作業者を安全に移動さ
せることができることを特徴とするものである。

以下図についてその一実施例を説明する。送電
線用鉄塔の主柱１は、支柱タワー２の四囲に組み
立てられる。支柱タワー２の上部にはクレーンＣ
が載せられ、支柱タワー２は、鉄塔主柱１の上方
への延長に従つて、順次下部に構成柱が継ぎ足さ
れ、上方にせり上げられるものである。支柱タワ
ー２と鉄塔主柱１との間には、相互に間隔をおい
て多数のワイヤロープ３が張り渡され、建設中の
倒壊を防止する。

渡橋４はワイヤロープ３に吊支されるものであ
る。渡橋４は、相互に踏板体５によつて連結され
た多数の枠体６から成る。枠体６の上部には滑車
７が取り付けられ、枠体６は、これによつてワイ
ヤロープ３に沿い移動自由である。ワイヤロープ
３は、枠体６の上方側部に設けられた開閉口６ａ
を通して枠体６内に挿脱自在である。

踏板体５は、はしご状で、一端が、相隣接する
一方の枠体６の側柱６ｂ下部に軸着され、他端は
相隣接する他方の枠体側柱６ｂの縦方向の長孔６
ｃに、これに沿つて移動自由に係合されている。

滑車７の上部には、吊金具８が取り付けられ、
この吊金具８には、移動用操作ロープ９が挿通さ
れる。移動用操作ロープ９の一端は支柱タワー２
に係止され、他端は吊上げ滑車Ｐを介して既設の
鉄塔主柱１に係止される。

側柱６ｂの内側には夫々各１対の係合孔を持つ
た止金具６ｄが固着され、連結金具１０の屈折し
た両端が相隣接する枠体側柱の止金具係合孔に係
合される。この連結金具１０は適宜着脱自在であ
り、またこれに代えワイヤロープ等を用いること
もできる。

しかして、この渡橋を用いる場合には、開閉口
６ａを開いて各枠体６をワイヤロープ３に掛け、
滑車７をワイヤロープ３上に載せる。各枠体６を
所定間隔に開いて、連結金具１０を各枠体６間に
取り付ける。これで作業者は鉄塔主柱１と支柱タ
ワー２との間を渡橋４に沿つて安全に移動するこ
とができる。

この渡橋４を上方に移設する場合には、吊上が
滑車Ｐを、渡橋４を架設したい所望高さ位置に固
定すると共に、これに対応して操作ロープ９の端
を支柱タワーの所望高さ位置に係止する。そし
て、鉄塔主柱１側から、踏板体５を、手前の一端
を中心に上方回動させて順次起立させながら引き
寄せ、開閉口６ａを開いてワイヤロープ３から枠
体６を外し、操作ロープ９の鉄塔主柱１側端を引
き降ろして枠体６と共に操作ロープ９の中間部を
吊り上げ、上部の他のワイヤロープ３に各枠体を
掛けて、踏板体５を順次倒しながら枠体６を支柱
タワー２側に送り、渡橋を構成する。

ここでは、送電線鉄塔の建設を例にとつて説明
したが、ここにおける鉄塔主柱１と支柱タワー２
に相当する他の一対の主柱間に張り渡されたワイ
ヤロープに渡橋を吊支することができる。

以上のように、本考案に係る渡橋は、折りたた
み可能で、容易に架設でき、また操作ロープ９の
操作により容易にその位置を上方に移すことがで
きる。これにより、作業者は安全、かつ迅速に主
柱１、支柱タワー２間を移動することができ、作
業能率をも向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例に示すもので、第１図
は概略的斜視図、第２図は一部の斜視図、第３図
は折りたたみ状態の正面図、第４図は架設状態の
正面図、第５図は枠体の側面図である。 １……鉄塔主柱、２……支柱タワー、３……ワ
イヤロープ、４……渡橋、５……踏板体、６……
枠体、６ａ……開閉口、６ｂ……側柱、６ｃ……
長孔、６ｄ……止金具、７……滑車、８……吊金
具、９……操作ロープ、１０……連結金具、Ｐ…
…吊上滑車、Ｃ……クレーン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 夫々相対向した縦方向の長孔を備えた対向一対
   の側柱と、これら側柱の上部間に軸支され支柱間
   に水平に張り渡された吊下ワイヤ上を転動可能な
   滑車と、上記吊下ワイヤを側柱間に挿入するため
   に何れか一方の側柱の上部に設けられた開閉口
   と、上記滑車上部に設けられた吊り金具とを有す
   る複数の枠体と、 一端が上記各枠体の側柱下部に回動自在に軸着
   され、他端が隣接する他の各枠体の側柱の長孔に
   沿つて上下移動自由に係合された複数の踏板体
   と、 上記各枠体の吊り金具に挿通され、上記吊下ワ
   イヤの上部において支柱間に張り渡された操作ロ
   ープとを具備したことを特徴とする高所作業用渡
   橋。