JPS6234682Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はチヨツク付ロールを切削又は研削する
ロール加工機械におけるチヨツク支持装置に係
る。

本明細書中ロール加工機械とはロール旋盤、ロ
ール研削盤等のロール加工機械を意味するものと
する。たとえば圧延用ロールの再研削に際し、研
削作業の効率化のため従来よりロール両端部にチ
ヨツク（軸受箱）を装着したままの状態でロール
を再研削する加工方法が広く採用されている。

チヨツク付ロールの再研削は実公昭46−36391
に開示されるようにチヨツクの上下方向の位置決
機構およびチヨツクの前後方向の位置決め機構に
よつてチヨツクを支持してロールの芯出を行ない
再研削するものである。従来、ロールに装着した
チヨツクは左右対象でありかつ重量も同様のもの
であつたが、最近圧延機の構造の変更により一側
のチヨツクを鋳鉄とし他側のチヨツクを軽合金と
したため研削時に振動が発生し圧延用ロール表面
にいわゆるビビリマークが発生し技術的解決が望
まれていた。

また、チヨツク付ロールの芯出しは一方のチヨ
ツクとそれを支持している装置およびテーブルを
微少量移動することによつて行なつているが、ロ
ール自体が大重量であるため、微少量の移動を行
なうのは困難を極めていた。

本考案はかかる問題を解決するためになされた
ものでロール両端に装着した左右チヨツクの重量
が異なる場合であつても切削または研削時におい
てロールに振動を生ずることなく、良好な加工を
可能としかつチヨツク付ロールの芯出を容易にし
たチヨツク付ロールの支持装置を提供することに
ある。

〔考案の構成〕

本考案の構成は次に述べる構成から成つてい
る。

ベツド上に載置された受台上部に上下動可能に
保持され、チヨツク付ロールのチヨツク下面を支
持する複数個の支持ピンと、同各支持ピンの下方
にあつて同支持ピンを上下動せしめる上下動機構
と、前記チヨツクに対向し反砥石側位置で受台に
それぞれ固定されたコラムと、同コラムと離間し
て対向し砥石側位置で受台にそれぞれ固定され前
記チヨツクの位置を規制する位置決めブロツク
と、前記コラムの下方に装着され前記ブロツクと
前記コラムの間に位置するチヨツクに対して前記
ブロツク側に押圧する押圧機構と、前記コラムの
上部にはチヨツク上部背面を支持するための支持
体と、同支持体を旋回しかつ直接方向に移動する
押圧機構と、前記コラムに装着され前記支持体に
対向した位置より、前記支持体と前記コラムの間
に位置するチヨツクを押圧して支持する押圧機構
からなる。

次に本考案の実施例について図面を参照しなが
ら説明する。

第１図に示すロール研削盤の平面図において、
ロール１０は心押台１１のセンタ１２と主軸頭１
３のセンタによつて支持され、ロール１０は、ロ
ール１０の一端側に設けたケレ１４を介して主軸
１５によつて回転駆動される。砥石１６および砥
石駆動用モータ１７等の駆動装置は砥石台１８に
塔載され、ロール１０の軸方向と平行に第２図に
示すベツト９の摺動面９ａに沿つて移動しロール
１０の円筒面を研削するように構成されている。

ロール１０はその両端にそれぞれチヨツク（軸
受箱）１９を装着したままの状態で研削するた
め、ロールの回転に伴なうチヨツク１９の連れ回
わりを防止し、ロール１０の支持剛性を高めるた
め、両チヨツク１９に発先する回転モーメントの
阻止および両チヨツク１９の下面の支持が必要と
なる。

第２図において、反砥石側位置にチヨツク１９
と対向して受台２２０上にそれぞれコラム２１を
固設し、コラム２１と離間して対向した位置にチ
ヨツク１９の位置を規制する位置決めブロツク２
２を同じく受台２０上に固設している。

コラム２１とブロツク２２の間にはチヨツク１
９が位置する。チヨツク１９をブロツク２２に押
し付けてロール１０の芯出しをするため、ブロツ
ク２２に対向したコラム２１の下方位置にチヨツ
ク１９を押圧するための押圧機構が装着されてい
る。この押圧機構は特に図示しないが公知技術で
ある油圧シリンダをコラム２１に装着し、油圧ユ
ニツトによつて作動し、油圧シリンダのロツド２
３端を当接せしめて行なうことによつて達成され
る。またこの押圧機構としては他に公知技術であ
るモータと送りネジの組合せによつても達成する
ことができる。

またチヨツク上部背面を支持するための支持体
２４はコラム２１上部に設けられた旋回可能でか
つ直線方向に移動する押圧機構に支持されてい
る。

この駆動機構については詳細は特に図示しない
が公知技術として油圧シリンダ２５を使用してロ
ツド２５ａ先端に支持体を固定し支持体２５ａを
直線方向に移動すると共にロツド２５にピニオン
歯車２６を固定し、ピニオン歯車２６と噛合する
ラツク２７を図面垂直方向に進退することによつ
て所定の角度分旋回せしめるように構成される。
なおピニオン歯車２６とラツク２７の軸方向の噛
合は図示省略した告知の歯車位相検知手段によつ
て調整される。また前記駆動機構は油圧揺動モー
タに支持体２５を支持して揺動運動を与え揺動モ
ータ全体を直線移動するように構成してもよい。

又ロツド２３の押圧機構としてモータと送りネ
ジの組合せを採用し、直接方向に微少送りが出来
るようにしてロールの芯出しに利用することが出
来る。

次にチヨツク１９下面を支持する支持機構につ
いて説明する。

第２図において、２個のチヨツク１９の下には
受台２０が設置されており、この間には多少の間
隙ｈが設けてある。そして受台２０の上面には、
それぞれ４個の支持ピン２８があつて、油圧操作
により４個の支持ピン２８全部がチヨツク１９の
下面に当り、均等に荷重を分担する位置で停るよ
うにしてある。すなわち、これはチヨツク１９の
支持ピン２８に当る下面が十分な平面精度でない
ために生ずる、たとえば、据わりが悪くて揺れた
り軸受に無理がかかつたままセツトされたりする
研削中のトラブルを取除くために設けたものであ
る。支持ピン２８の操作機構は第３図および第４
図に示すように、まずチヨツク１９の下部を受け
るとき油圧操作の押ボタンを押すと、方向切換弁
３０のソレノイドSOL.1が働き、圧力油が例えば
４個のシリンダ２９に入り、４個のピストン２９
ａが押されて４個の楔３０が第３図において右方
へと移動し、支持ピン２３を上方へと押上げる。
このとき、油圧シリンダ２９からの押力を少なく
ともロール１０を含めたチヨツク１９の重量より
も小さくしてあれば、支持ピン２８はチヨツク１
９を持上げることなく、その下面との間隙ｈ（第
２図参照）をつめるだけである。こうして各々の
支持ピン１９はこのように間隙ｈのない状態でチ
ヨツク１９の下面に接したところで停止する。

楔３０はそれ自体自己保持できるから、前記の
油圧操作の押ボタンを離しても、また前述の心出
作業を終り研削に先だつてセンタ１２を後退させ
ロール１０からセンタ１２を外してもチヨツク１
９およびロール１０の重量によつて支持ピン２８
が押下げられるようなことはない。

またチヨツク１９下面を支持する支持機構は特
に図示しないが支持ピン２８の下面に対しそれぞ
れカムを配設し同カムを所定の角度回転して支持
ピン２８を上下動せしめるように構成してもよ
い。

次に本チエツク支持装置の動作について説明す
る。まず、ロール１０は前述したようにセンタ１
２と主軸１５のセンタとによつて支持した後、ロ
ール１０の芯出しをするためコラム２１側より油
圧シリンダを作動しロツド２３をチヨツク１９に
押圧しチヨツク１９をブロツク２２の基準面に当
接せしめる。さらに方向切換弁３０を切換え複数
のシリンダ２９を作動し楔３０を介して支持ピン
２８を上昇せしめ支持ピン２８上端をチヨツク１
９の下面に当接せしめチヨツク２０を支持する。

次いで、支持体２４がチヨツク１９上部と干渉
しない位置を保持しつつ油圧シリンダ２５を作動
して支持体２４を前進し前進限で旋回機構を作動
し係合部を下方に向ける。同時に油圧シリンダ２
５を作動して支持体２４をチヨツク１９に押圧す
ると共にコラム２１上部に設けた油圧シリンダの
ロツド２３端をチヨツク１９に押圧しチヨツク１
９を支持する。

以上の動作によりロール研削の準備が完了す
る。

以上述べたように、本考案によればロール両端
に装着した左右チヨツクの重量が異なる場合であ
つても、切削または研削時においてロールに振動
を生ずることなく良好な加工を可能とし、かつチ
ヨツク付ロールの芯出しを容易とすることがで
き、チヨツクの着脱作業も不要となるのでロール
加工の能率向上に寄与するところ大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はロール研削盤を示す概略平面図、第２
図は第１図における−断面図、第３図は第２
図−断面における支持ピンの駆動機構を表わ
す縦断面図、第４図は支持ピンを作動させる油圧
系統図。 １０；ロール、１９；チヨツク、２１；コラ
ム、２２；位置決めブロツク、２３；ロツド、２
４；支持体、２５；油圧シリンダ、２６；ピニオ
ン、２７；ラツク、２８；支持ピン、２９；シリ
ンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベツド上に載置された受台上部に上下動可能に
   保持されチヨツク付ロールのチヨツク下面を支持
   する複数個の支持ピンと、同各支持ピンの下方に
   あつて同支持ピンを上下動せしめる上下動機構
   と、前記チヨツクに対向し反砥石側位置で受台に
   それぞれ固定されたコラムと、同コラムと離間し
   て対向し砥石側位置で受台にそれぞれ固定され前
   記チヨツクの位置を規制する位置決めブロツク
   と、前記コラムの下方に装着され前記ブロツクと
   前記コラムの間に位置するチヨツクに対して前記
   ブロツク側に押圧する押圧機構と、前記コラムの
   上部にはチヨツク上部背面を支持するための支持
   体と、同支持体を旋回しかつ直接方向に移動する
   駆動機構と、前記コラム上方に装着され前記支持
   体に対向した位置より、前記支持体と前記コラム
   の間に位置するチヨツクを押圧する押圧機構から
   なるロール加工機械におけるチヨツク支持装置。