JPS6234551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は脱水槽を利用して洗濯物のすすぎを行
う例えば２槽式洗濯機等の洗濯機に関する。

脱水槽を利用してすすぎを行う場合、すすぎの
過程は洗濯槽から洗濯物を脱水槽へ移した後、脱
水槽への給水→脱水槽の運転（回転）→脱水槽の
停止→再び脱水槽への給水、という過程を３回〜
５回程度繰り返して行う。これは、停止した脱水
槽へ給水することによつて洗濯物に水を浸透さ
せ、脱水槽を運転することによつて水と共に洗濯
物に付着している洗剤を脱水槽の周囲に多数穿設
された孔より排出し、これを繰り返し行うことに
より洗濯物のすすぎを行うというものである。

ところで脱水槽を利用してすすぎを行う従来洗
濯機においては、脱水槽を停止して該槽に給水を
槽上部より行つた場合、給水された水は上部及び
上部外周部にだけ浸透し、そのほとんどは脱水槽
の外周面に穿設された孔より排水されていた。従
つて下部又は中心部の洗濯物には、十分水が浸透
せず、十分なすすぎができない、という欠点があ
つた。つまり従来の洗濯機においては、十分且つ
均一なすすぎができないものであつた。

本考案は上記の点に鑑み成されたもので、多数
に切り込みを備えた弾性帯を脱水槽の外周面を覆
う如く取着することでもつて、十分且つ均一なす
すぎを行えるようにした洗濯機に係るものであ
る。

以下本考案の実施を図面に従つて説明する。第
１図は本考案実施例に用いられる脱水槽の断面図
（一部側面図）である。この第１図において、１
は脱水槽であつて、この脱水槽１は上面の開口し
た有底円筒状を成す。又、この脱水槽１の底部外
面には、モータシヤフト２を固着するための係合
部３が設けられており、このモータシヤフト２が
回転することにより脱水槽１も回転する。４は脱
水槽１の上部開口内周面に設けられたバランサで
あつて、このバランサ４は略ドーナツ状の中空体
状を成し、脱水槽１の回転を安定させるものであ
る。尚、このバランサ４の中には水等の液体５が
注入されている。６は、この脱水槽１の外周面の
略全面に亘つて多数個穿設された排水孔であつ
て、この排水孔６より脱水槽１内の水等を該槽１
外へ排出することができる。

７は、脱水槽１の外側面を覆う如く該脱水槽１
に着脱自在に取り付けられる弾性帯にして、上、
下面の開口した略円筒状を成す。この弾性帯７
は、例えばゴム等の伸縮自在な弾性材料から構成
され、その周側面には上方から下方に向つて多数
の切り込み８が複数列に亘つて設けられている。

９は脱水槽１の下部側壁に突出形成された突起
にして、上記弾性帯７の下端部に係合し該弾性帯
７の脱落を防止するものである。尚、上記突起９
は、弾性帯７の下端部に係合すべく脱水槽１の下
部側壁に形成されているが、第５図に示す如く弾
性帯７の上部に形成した係合孔１０に係合すべく
脱水槽１の上部側壁に突出形成することも可能で
ある。

上記構成の脱水槽１を備えた洗濯機の動作説明
を行う。先ず、第２図に示すように、脱水槽１の
中に洗濯槽（図示せず）で洗濯した洗濯物１１を
入れる。次に脱水槽１の上方に開口を備えた給水
部１２より、脱水槽１に給水を行う。脱水槽１に
給水された水は脱水槽１上部から徐々に洗濯物１
１に浸透していくが、脱水槽１は多数の切り込み
８を設けた弾性帯７でもつて周側面を覆われてい
るので、この弾性帯７が自身の弾性力でもつて脱
水槽１の排水孔６を塞ぎ、排水孔６から給水され
た水が脱水槽１外へ流出するのを防ぐ。従つて、
脱水槽１内に給水された水は、当該槽１に貯留
し、故に槽１内の洗濯物１１は浸漬状態となる。
この水に浸漬状態となつた洗濯物１１は十分且つ
均一に水を含むことになる。

このように給水を行つた後、脱水槽１の運転
（回転）を行う。第３図に示すように、槽１内に
水を貯留した状態で脱水槽１の運転を行えば、洗
濯物１１、槽１内に貯留した水、弾性帯７に遠心
力Ｆが働く。従つて、遠心力Ｆによつて、洗濯物
９は外周側へ移動し、槽１内の水は排水孔６から
脱水槽１へ飛び出そうとする。又、脱水槽１の周
側面に取着された弾性帯７は、伸縮自在の材料か
ら構成されているので、この弾性帯７も遠心力に
よつて外方へ広がろうとする。このように脱水槽
１が回転すれば、脱水槽１の横断面拡大図である
第４図に示すように、弾性帯７に多数の切り込み
８が設けられているために、弾性帯７が開口を形
成する如く弓状に反る。従つて、排水孔６から飛
び出した水は、この弾性帯７の切り込み８，８…
間の隙間から排出される。このように一度脱水が
終われば、脱水槽１を停止して再び給水する。こ
の脱水槽１が停止した状態では弾性帯７には遠心
力Ｆが働かないので、脱水槽１の排水孔６を封止
し、該槽１に給水された水が槽１外へ漏れにくい
構造となり、給水された水は槽１内に貯留され
る。給水が終われば、再び脱水槽１を運転し脱水
する、という動作を３〜５回繰り返す。このよう
に、給水→運転→停止→給水、という動作を繰り
返すうちに洗濯物に付着した洗剤が給水された水
と共に排出され、洗濯物は「すすぎ」が行われる
と共に脱水も同時に行われれる。

一方、脱水槽１の回転時弾性帯７が遠心力等に
よつて下方にずれ落ちようとするが、該弾性帯７
の下端部には脱水槽１に突出形成した突起９が係
合しているため該弾性帯７の脱落は防止される。

以上本考案の洗濯機によれば、脱水槽を利用し
てすすぎを行うので、脱水とすすぎが一つの槽で
同時に行える。しかも、多数の切り込みを備えた
弾性帯を、脱水槽の外周面を覆う如く取着したの
で、脱水槽の停止時に給水された水は、脱水槽に
設けられた排水孔から流出するのを弾性帯が阻止
するために当該槽に貯留され、槽内の洗濯物に十
分且つ均一に浸漬状態で浸み込む。この状態で脱
水槽を運転すれば、給水された水は洗濯物に付着
した洗剤と共に排水孔から弾性帯の切り込み間の
隙間を通つて槽外へ排出される。故に、洗濯物は
十分且つ均一にすすぎが行えると同時に脱水も行
われる。又、上記弾性帯は脱水槽に突設された突
起によつて脱落が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例に用いられる脱水槽の断
面図（一部側面図）、第２図及び第３図は上記脱
水槽の動作説明図、第４図は第３図のＡ−A′断
面拡大図、第５図は本考案の他実施例図を示す。 １：脱水槽、７：弾性帯、８：切り込み、９：
突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排水孔を有する脱水槽の停止時に給水を行い脱
   水槽を回転させて脱水及びすすぎを同時に行う洗
   濯機に於いて、多数の切り込みを有し且つ脱水槽
   の外周面を覆う如く着脱自在に取り付けられる弾
   性帯と、該弾性帯の脱落を防止するために脱水槽
   に突設された突起とを備えた事を特徴としてなる
   洗濯機。