JPH0354708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、二槽式洗濯機の脱水機に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

従来、洗濯機構と脱水機構とを併設してある二
槽式洗濯機は、第４図に示すように、外箱１の内
部に洗濯槽（図示せず）と脱水受槽３とを隣接さ
せて設け、さらに脱水受槽３の内側に脱水槽７を
設置している。

この脱水槽７は、底枠２内に取付けた脱水モー
ター５と脱水軸６により連結し、該モーター５の
回転で高速回転駆動されるものである。そして、
脱水槽７は全体がかご状で、周囲側壁の全面にわ
たり透水用の脱水孔９を穿設してあり、回転時に
洗濯物が含む水を遠心力によりこの脱水孔９を介
して外へ排出する。

このようにして脱水槽７から排出され、脱水受
槽３で受けられた水は、該槽３の底部に排出ホー
ス４で機外へ排出される。

図中１３は脱水受槽３の上面開口に設けた脱水
受カバー、１０はその上の脱水フタで、該脱水フ
タ１０は脱水軸６の途中に設けたブレーキ機構１
４と操作ワイヤー１５で連係し、脱水フタ１０を
開けた場合はブレーキ機構１４が作動して脱水槽
７の回転を止め、安全を図るようにしている。

このように従来の洗濯機では、脱水機は脱水の
みを行うものとして存在する。

なお、脱水中に上方から水を注水し、いわゆる
注水すすぎを脱水槽で行うことも近年実施されて
いるがこの注水すすぎ動作の脱水作用を主体とす
るものであつた。

さらに、脱水槽でより積極的にすすぎを行える
ようにしたものとして実公昭57−16551号公報に
示されるように、脱水受槽内に水を溜められるよ
うにしたものもある。しかし、この実公昭57−
16551号公報のものも、すすぎのみを対象とした
もので洗いについては全く考慮されていない。

ところで、現行の二槽式洗濯機は大型化が進ん
で洗濯槽で一度に大量の衣類が洗えるようになつ
てはいるが、運転上の時限、回転翼の形状、回転
翼の回転力等が対大容量を基準に設計されている
ため、小容量の衣類を洗いたい時には使用する洗
い水を低水位に押えても、なお必要以上の水、し
たがつて洗剤をも使用することになるし、また、
どうしても回転が激し過ぎるため衣類を傷めた
り、形くずれを生じるなどの問題があつた。

本考案の目的は前記従来例の不都合を解消しす
すごのみならず小容量の衣類の洗いも行える二槽
式洗濯機の脱水機を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は前記目的を達成するため、洗濯機構と
脱水機構とを併設した二槽式洗濯機において、周
囲側壁の上部にのみ多数の脱水孔を穿設し、下部
は完全に閉塞した貯水部とし、該貯水部に内側へ
向けて上下方向の羽根体を突設した脱水槽を、脱
水受槽内に脱水のための連続及び洗いやすすぎの
ための間欠運転可能に設けたことを要旨とするも
のである。

〔作用〕

本考案によれば、脱水機で通常の脱水を行うに
は脱水槽を高速で連続運転する。これにより、洗
濯物に遠心力が働き、水は脱水槽の上面開口及び
脱水孔を介して脱水受槽へと排出される。

一方、小容量の衣類については洗濯槽に代えて
脱水槽の貯水部内に水を貯め、該脱水槽を間欠的
に回転させれば、羽根体で渦水流が惹起され、洗
いやすすぎを行うことができる。この場合は、遠
心力がほとんど作用しないので、水は貯水部から
こぼれることはない。

さらに、洗いやすすぎの工程後の排水は前記脱
水時と同じく連続運転を行い、脱水孔等により排
水する。

〔実施例〕

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説
明する。

第１図は本考案の洗濯機の脱水機の１実施例を
示す縦断側面図で、前記従来例を示す第４図と同
一構成要素には同一参照符号を付したものであ
る。

図中７は脱水槽であるが、これは周囲側壁の上
部にのみ脱水孔も排水孔９を穿設した。そして、
下部は脱水孔も形成しないで完全に閉塞した樋状
の貯水部７ａとし、この貯水部７ａの内周面に底
面にまで達する上下方向の羽根体８を複数条適宜
間隔で突設する。

該羽根体８は別体としてのものを脱水槽７に取
付けてもよいし、また脱水槽７と一体成形しても
よい。

脱水槽７の底部外面にボルト１６、ナツト１７
で取付金具１８を設け、この取付金具１８を介し
て脱水軸６を取付ける。図中１９は、脱水槽７の
底部内側に配設したカバーである。

その他の構成は前記従来例と同じであるので説
明を省略するが、本考案は第２図に示すように脱
水モーター５への通電回路の脱水タイマー１２は
通常の接点T₁の他に間欠接点T₂を並列に設ける
ものとし、これら接点T₁，T₂のオン、オフで、
脱水槽７は脱水モーター５により連続的に回転駆
動される場合と、間欠的に回転駆動される場合と
に分かれるものとした。図中２０は、脱水フタ１
０の開閉で作動するフタスイツチを示す。

なお、図示は省略するが、洗濯機内の給水機構
で給水ケースは、脱水槽７の上方へも延長され、
この中に給水可能なのもとする。

次に、使用法及び動作を第３図について説明す
る。

通常の容量の洗濯物は、洗い及びすすぎは洗濯
槽で行い、脱水槽７では脱水すすぎ、若しくは脱
水のみを行う。

この場合は、操作ツマミを脱水コースの方にセ
ツトすれば、接T₁が一定時間閉じ、脱水モータ
ー５により脱水槽７は高速で連続回転する。

そして、洗濯機に回転力が加えられるので遠心
力で脱水が行われ、注水された水は脱水槽７の上
面開口及び脱水孔９より脱水受槽３へと排出さ
れ、さらに排出ホース４で機外へと捨てられる。

この場合、接点T₂はｂ側へ固定されている。

次に、洗濯物が小容量で、洗濯槽を使用しない
で洗濯を行う場合につい説明する。

まず脱水フタ１０を開けて衣類を脱水槽７に入
れ、給水切換コツク（図示せず）を「脱水槽側」
にセツトし、水流切換スイツチ（図示せず）を動
かして脱水槽７の貯水部７ａ内に給水して所定の
水位に達したら、給水を止めて洗剤を入れる。

次に、脱水タイマー１２のツマミを第３図に示
すプログラムの「洗い・すすぎコース」にセツト
してから、脱水フタ１０を閉じる。

これで、接点T₁は開いたままとなり、接点T₂
は一定時間ａ，ｂ間の移動を間欠的に繰返し、脱
水モーター５は間欠的に駆動される。

その結果、脱水槽７の間欠的に回転され、脱水
槽７内の羽根体８が衣類と水を攪拌して洗いが行
われる。

この時の脱水槽７の回転駆動は、脱水モーター
５を正逆回転させることにより、往復運動をさせ
ることも可能である。

セツトした時間経過して洗い終わつたら、脱水
タイマー１２のツマミをプログラムの「脱水コー
ス」にセツトすると、セツト時間中、接点T₁が
閉じ脱水槽７が連続回転して、水は脱水槽７の開
口上部及び側壁上部の脱水孔９から排出された
後、、さらに脱水が行われる。

また、脱水槽７ですすぎを行う場合は、洗剤を
入れないこと以外は洗いの場合と同様である。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案の脱水機は、脱水槽に
も洗浄機能をもたせたので、小容量の衣類を洗い
たい時には大容量向きの洗濯槽に代えて脱水槽で
洗い・すすぎを行うことにより、必要量以上の
水・洗剤を使う無駄がなくなり、また衣類の過激
な急速回転が避けられて衣類を傷めることがなく
なるものである。

なお、洗濯槽での洗い・すすぎと同時に脱水槽
でも洗い・すすぎができるから、洗濯時間を短縮
することもできるものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案洗濯機の脱水機の１実施例を示
す縦断側面図、第２図は同上電気回路図、第３図
は同上動作説明図、第４図は従来例を示す縦断側
面図である。 １……外箱、２……底枠、３……脱水受槽、４
……排水ホース、５……脱水モーター、６……脱
水軸、７……脱水槽、７ａ……貯水部、８……羽
根体、９……脱水孔、１０……脱水フタ、１１…
…フタスイツチ、１２……脱水タイマー、１３…
…脱水受カバー、１４……ブレーキ機構、１５…
…操作ワイヤー、１６……ボルト、１７……ナツ
ト、１８……取付金具、１９……カバー、２０…
…フタスイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯機構と脱水機構とを併設した二槽式洗濯機
   の脱水機において、周囲側壁の上部にのみ多数の
   脱水孔を穿設し、下部は全体を完全に閉塞した貯
   水部とし、該貯水部に内側へ向けて上下方向の羽
   根体を突設した脱水槽を、脱水受槽内に脱水のた
   めの連続及び洗いやすすぎのための間欠運転可能
   に設けたことを特徴とする洗濯機の脱水機。