JPS6233317B2 - - Google Patents
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- JPS6233317B2 JPS6233317B2 JP55056922A JP5692280A JPS6233317B2 JP S6233317 B2 JPS6233317 B2 JP S6233317B2 JP 55056922 A JP55056922 A JP 55056922A JP 5692280 A JP5692280 A JP 5692280A JP S6233317 B2 JPS6233317 B2 JP S6233317B2
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Description
本発明は電子機器用部品に使用される錫−鉛合
金メツキリード線に関するものである。 銅及び銅合金線等の周上に錫−鉛合金メツキし
たいわゆる半田メツキリード線は錫−鉛合金メツ
キ層が低融点で低温で容量に溶融することから半
田付性に優れているために広く電子部品用リード
線として使用されている。又、この錫−鉛合金メ
ツキは錫単独のメツキと比較してホイスカーが発
生しにくいため部品同士の短絡を防止できる利点
を有している。 一般に電気錫−鉛合金メツキには、その外観か
ら無光沢メツキと光沢メツキと呼ばれるものがあ
る。前者は無光沢であるが故に外観が悪く、この
点では商品価値が低い。又、表面が粗いため変色
し易く、半田付性の経時変化が早いなどの欠点を
有している。従つてこのような欠点を改良するメ
ツキという意味で、後述する光沢メツキが利用さ
れている。 しかしながら、このような光沢メツキによる光
沢電気錫−鉛メツキ線にも、電子部品用リード線
として要求される上記特性のほかに、最近の技術
の進展に伴い電子部品組立上の機械的あるいは化
学的要求特性が加わり、これらの要求特性に対し
ては次のような大きな欠点があることがわかつ
た。 即ち、錫及び錫−鉛合金メツキにおいては、従
来から、錫自体緻密なメツキを得るのが難しいこ
とから、無光沢メツキにおいてもニカワ、ゼラチ
ン、レゾルシン、クレゾールスルフオン酸、β−
ナフトール等の有機物の一種又は数種からなる添
加剤(光沢剤)が必ず使用されているが、このよ
うな添加剤を使用した無光沢メツキはすでに述べ
たように外観、耐変色性(酸化性)、半田付性に
劣る欠点がある。このことから、この無光沢メツ
キに替るものとして、アルドール−α−ナフチル
アミンに代表されるアミン−アルデヒド光沢剤あ
るいはベンジデアセトンに代表されるエチレン誘
導体光沢剤の数種を組合せた添加剤(光沢剤)を
使用した光沢メツキが技術の進歩と共に開発され
るに至つた。 ところで、このような光沢メツキには使用され
る添加剤の種類(成分)に関係してメツキ層中に
含まれる有機物共析量が著しく多いことがわか
り、その量は例えば無光沢錫−鉛合金メツキ(錫
80重量%)において3ppmであつたものが、光沢
錫−鉛合金メツキ(錫80重量%)においては
69ppmになるというものであつた。そしてこの
多量の有機物の存在が原因で、光沢電気錫−鉛合
金メツキにおいて次のような欠点があることがわ
かつたのである。 (1) 光沢電気錫−鉛合金メツキ層は無光沢錫−鉛
合金メツキ層と比較して有機物の吸蔵量が著し
く多く、半田付される際有機物が分解して発生
するガスの量が約10倍程度増大する。このため
発泡して外観を損うばかりでなく、加熱処理時
約170℃でリード線同士が触れた場合など相互
に粘着してしまう問題が発生した。これはリー
ド線としての特性ではないが電子部品の組立て
の自動化上大きな問題となつていた。 (2) 光沢電気錫−鉛メツキ層は多量の有機物の吸
蔵のためメツキ層が硬く脆い。このため、自己
径に巻き付けた場合、メツキ層にクラツクが生
じてしまう欠点があり、特に錫の含有量の多い
組成範囲では1〜2μ程度の厚さでクラツクを
生じてしまう問題がある。 (3) 添加剤の種類によつても異なるが、光沢電気
錫−鉛合金メツキでは多くの場合電流効率が95
%以下になつてしまうため、メツキ液の管理が
難しく、一定のメツキ状態を長期間維持するの
が難しいという問題がある。 以上の欠点のうち、特に(2)の問題を解決するた
め、無光沢電気錫−鉛合金メツキ層を下地層とし
て設け、この無光沢電気錫−鉛合金メツキ層の周
上に光沢電気錫−鉛合金メツキ層を設け、全体と
して光沢メツキ層の厚さを薄くすることにより有
機物吸蔵量を少なくして光沢メツキ層の表面性状
の利点を生かす工夫も行われている。 しかしながら、このように二層メツキした電気
錫−鉛合金メツキリード線においても、上述の三
つの欠点を完全になくすことはできなかつた。 本発明の目的は、前記した従来技術の欠点を解
消し、有機物吸蔵量の調整による半光沢メツキの
開発により、加熱処理を受けてもメツキ線同士が
粘着せず、曲げ等の加工時にもメツキ層の割れが
生じず、耐変色性にも優れた電気錫−鉛合金メツ
キリード線を提供することにある。 即ち、本発明の要旨とするところは、金属導線
の周上に無光沢電気錫−鉛合金メツキ層を形成
し、この無光沢電気錫−鉛合金メツキ層の周上に
鉛1〜30重量%、残部錫からなる組成の半光沢電
気錫−鉛合金メツキ層を形成し、この半光沢電気
錫−鉛合金メツキ層の厚さを0.5〜12μとすると
共にメツキ層全体の厚さを4〜20μとしてなるこ
とを特徴とする錫−鉛合金メツキリード線にあ
る。 発明者らによれば、本発明は、光沢メツキが無
光沢メツキと比較してメツキ層中に含まれる有機
物の共析量が著しく多いことに着目し、一方無光
沢メツキに微量の光沢剤(光沢メツキのおける光
沢剤)を加えることによつて得られる半光沢メツ
キの有機物の共析量が無光沢メツキに近く非常に
少ないことを分析により明らかにし、この無光沢
メツキを錫−鉛合金メツキリード線に適用して評
価した結果所要の特性が確認されたので、この確
認に基づいてなされたものであるといえる。 次に本発明の添付図面及び実施例に基づいて詳
細に説明する。 図は本発明による錫−鉛合金メツキリード線の
一例を示し、金属導線1の周上に無光沢電気錫−
鉛合金メツキ層2を形成し、次いでこの無光沢電
気錫−鉛合金メツキ層2の周上に半光沢電気錫−
鉛合金メツキ層3を形成してなる。半光沢錫−鉛
合金メツキ層の組成は、半田付性、耐変色性、削
れ性によつて求められる。 それによれば、鉛の含有量は1〜30%が望まし
い、鉛が1%未満では錫メツキと同様に変色し易
く、ホイスカーの発生を防止する効果がないから
である。又、30%を越えると高温多湿の条件下で
は鉛の変色のため黒鉛してしまい、合金として軟
化するため削れ量が増大し、電子部品製造上問題
となるからである。 無光沢電気錫−鉛合金メツキ層と半光沢電気錫
−鉛合金メツキ層の厚さの合計は4〜20μである
と良い。これは半田付性に必要なメツキ厚さであ
る。ここで無光沢電気錫−鉛合金メツキ層の厚さ
と組成は、リード線としての使用目的によつても
多少異なるが、表面性状的な特性はこの半光沢電
気錫−鉛合金メツキ層によつて与えられることに
なるから、この場合の鉛含有量は3〜95重量%、
厚さは1〜15μとすると良い。 半光沢電気錫−鉛合金メツキは、ホウフツ化
浴、硫酸浴、スルフオン酸浴などの一般的な浴
に、特に半光沢添加剤を加えたもので行う。半光
沢添加剤としては、ケンバートテインレツド(住
友3M社製)、ユニコンテインブライト(石原薬品
製)等を使用することができる。半光沢電気錫−
鉛合金メツキ層の厚さは、下地層である無光沢メ
ツキ層を吸収して平滑性のある表面性状の半光択
面に仕上げるためには、下地層の平滑度にも関係
するが、0.5μ以上あれば十分であることが確認
された。半光沢電気錫−鉛合金メツキは、光沢電
気錫−鉛合金メツキと比較して有機物の吸蔵量が
著しく少ないのが大きな特徴である。 この点はむしろ無光沢メツキに近く、例えば錫
80重量%の組成の錫−鉛合金メツキ層において、
光沢及び無光沢メツキのそれぞれメツキ層中の有
機物量が60ppm及び3ppmであるとすると、半光
沢メツキのそれは5ppmである。 従つて、このことからも明らかなように、半光
沢錫−鉛合金メツキ層によれば、有機物の吸蔵に
起因する自己径巻付による割れや、加工時の粘着
の問題がなくなる。半光沢錫−鉛合金メツキ層の
厚さは特に限定する必要はないが、高価な半光沢
添加剤の消費という経済的な面から、12μ以内と
するのが良い。 実施例 1 線径0.6mmの銅線上に無光沢電気錫−鉛合金メ
ツキ層を4μ、さらにその上に鉛5%、錫95%の
半光沢電気錫−鉛合金メツキを4μの厚さで行
い、半光沢メツキリード線を作成した。メツキ用
光沢添加剤としては住友3M製のケンバートテイ
ンレツドを用い、ホウフツ化浴で行つた。 比較のため、同一組成の無光沢電気錫−鉛合金
メツキ線、光沢電気錫−鉛合金メツキ線、光沢電
気錫メツキ線を作成し、それぞれの特性を調べた
結果を次の表に示す。
金メツキリード線に関するものである。 銅及び銅合金線等の周上に錫−鉛合金メツキし
たいわゆる半田メツキリード線は錫−鉛合金メツ
キ層が低融点で低温で容量に溶融することから半
田付性に優れているために広く電子部品用リード
線として使用されている。又、この錫−鉛合金メ
ツキは錫単独のメツキと比較してホイスカーが発
生しにくいため部品同士の短絡を防止できる利点
を有している。 一般に電気錫−鉛合金メツキには、その外観か
ら無光沢メツキと光沢メツキと呼ばれるものがあ
る。前者は無光沢であるが故に外観が悪く、この
点では商品価値が低い。又、表面が粗いため変色
し易く、半田付性の経時変化が早いなどの欠点を
有している。従つてこのような欠点を改良するメ
ツキという意味で、後述する光沢メツキが利用さ
れている。 しかしながら、このような光沢メツキによる光
沢電気錫−鉛メツキ線にも、電子部品用リード線
として要求される上記特性のほかに、最近の技術
の進展に伴い電子部品組立上の機械的あるいは化
学的要求特性が加わり、これらの要求特性に対し
ては次のような大きな欠点があることがわかつ
た。 即ち、錫及び錫−鉛合金メツキにおいては、従
来から、錫自体緻密なメツキを得るのが難しいこ
とから、無光沢メツキにおいてもニカワ、ゼラチ
ン、レゾルシン、クレゾールスルフオン酸、β−
ナフトール等の有機物の一種又は数種からなる添
加剤(光沢剤)が必ず使用されているが、このよ
うな添加剤を使用した無光沢メツキはすでに述べ
たように外観、耐変色性(酸化性)、半田付性に
劣る欠点がある。このことから、この無光沢メツ
キに替るものとして、アルドール−α−ナフチル
アミンに代表されるアミン−アルデヒド光沢剤あ
るいはベンジデアセトンに代表されるエチレン誘
導体光沢剤の数種を組合せた添加剤(光沢剤)を
使用した光沢メツキが技術の進歩と共に開発され
るに至つた。 ところで、このような光沢メツキには使用され
る添加剤の種類(成分)に関係してメツキ層中に
含まれる有機物共析量が著しく多いことがわか
り、その量は例えば無光沢錫−鉛合金メツキ(錫
80重量%)において3ppmであつたものが、光沢
錫−鉛合金メツキ(錫80重量%)においては
69ppmになるというものであつた。そしてこの
多量の有機物の存在が原因で、光沢電気錫−鉛合
金メツキにおいて次のような欠点があることがわ
かつたのである。 (1) 光沢電気錫−鉛合金メツキ層は無光沢錫−鉛
合金メツキ層と比較して有機物の吸蔵量が著し
く多く、半田付される際有機物が分解して発生
するガスの量が約10倍程度増大する。このため
発泡して外観を損うばかりでなく、加熱処理時
約170℃でリード線同士が触れた場合など相互
に粘着してしまう問題が発生した。これはリー
ド線としての特性ではないが電子部品の組立て
の自動化上大きな問題となつていた。 (2) 光沢電気錫−鉛メツキ層は多量の有機物の吸
蔵のためメツキ層が硬く脆い。このため、自己
径に巻き付けた場合、メツキ層にクラツクが生
じてしまう欠点があり、特に錫の含有量の多い
組成範囲では1〜2μ程度の厚さでクラツクを
生じてしまう問題がある。 (3) 添加剤の種類によつても異なるが、光沢電気
錫−鉛合金メツキでは多くの場合電流効率が95
%以下になつてしまうため、メツキ液の管理が
難しく、一定のメツキ状態を長期間維持するの
が難しいという問題がある。 以上の欠点のうち、特に(2)の問題を解決するた
め、無光沢電気錫−鉛合金メツキ層を下地層とし
て設け、この無光沢電気錫−鉛合金メツキ層の周
上に光沢電気錫−鉛合金メツキ層を設け、全体と
して光沢メツキ層の厚さを薄くすることにより有
機物吸蔵量を少なくして光沢メツキ層の表面性状
の利点を生かす工夫も行われている。 しかしながら、このように二層メツキした電気
錫−鉛合金メツキリード線においても、上述の三
つの欠点を完全になくすことはできなかつた。 本発明の目的は、前記した従来技術の欠点を解
消し、有機物吸蔵量の調整による半光沢メツキの
開発により、加熱処理を受けてもメツキ線同士が
粘着せず、曲げ等の加工時にもメツキ層の割れが
生じず、耐変色性にも優れた電気錫−鉛合金メツ
キリード線を提供することにある。 即ち、本発明の要旨とするところは、金属導線
の周上に無光沢電気錫−鉛合金メツキ層を形成
し、この無光沢電気錫−鉛合金メツキ層の周上に
鉛1〜30重量%、残部錫からなる組成の半光沢電
気錫−鉛合金メツキ層を形成し、この半光沢電気
錫−鉛合金メツキ層の厚さを0.5〜12μとすると
共にメツキ層全体の厚さを4〜20μとしてなるこ
とを特徴とする錫−鉛合金メツキリード線にあ
る。 発明者らによれば、本発明は、光沢メツキが無
光沢メツキと比較してメツキ層中に含まれる有機
物の共析量が著しく多いことに着目し、一方無光
沢メツキに微量の光沢剤(光沢メツキのおける光
沢剤)を加えることによつて得られる半光沢メツ
キの有機物の共析量が無光沢メツキに近く非常に
少ないことを分析により明らかにし、この無光沢
メツキを錫−鉛合金メツキリード線に適用して評
価した結果所要の特性が確認されたので、この確
認に基づいてなされたものであるといえる。 次に本発明の添付図面及び実施例に基づいて詳
細に説明する。 図は本発明による錫−鉛合金メツキリード線の
一例を示し、金属導線1の周上に無光沢電気錫−
鉛合金メツキ層2を形成し、次いでこの無光沢電
気錫−鉛合金メツキ層2の周上に半光沢電気錫−
鉛合金メツキ層3を形成してなる。半光沢錫−鉛
合金メツキ層の組成は、半田付性、耐変色性、削
れ性によつて求められる。 それによれば、鉛の含有量は1〜30%が望まし
い、鉛が1%未満では錫メツキと同様に変色し易
く、ホイスカーの発生を防止する効果がないから
である。又、30%を越えると高温多湿の条件下で
は鉛の変色のため黒鉛してしまい、合金として軟
化するため削れ量が増大し、電子部品製造上問題
となるからである。 無光沢電気錫−鉛合金メツキ層と半光沢電気錫
−鉛合金メツキ層の厚さの合計は4〜20μである
と良い。これは半田付性に必要なメツキ厚さであ
る。ここで無光沢電気錫−鉛合金メツキ層の厚さ
と組成は、リード線としての使用目的によつても
多少異なるが、表面性状的な特性はこの半光沢電
気錫−鉛合金メツキ層によつて与えられることに
なるから、この場合の鉛含有量は3〜95重量%、
厚さは1〜15μとすると良い。 半光沢電気錫−鉛合金メツキは、ホウフツ化
浴、硫酸浴、スルフオン酸浴などの一般的な浴
に、特に半光沢添加剤を加えたもので行う。半光
沢添加剤としては、ケンバートテインレツド(住
友3M社製)、ユニコンテインブライト(石原薬品
製)等を使用することができる。半光沢電気錫−
鉛合金メツキ層の厚さは、下地層である無光沢メ
ツキ層を吸収して平滑性のある表面性状の半光択
面に仕上げるためには、下地層の平滑度にも関係
するが、0.5μ以上あれば十分であることが確認
された。半光沢電気錫−鉛合金メツキは、光沢電
気錫−鉛合金メツキと比較して有機物の吸蔵量が
著しく少ないのが大きな特徴である。 この点はむしろ無光沢メツキに近く、例えば錫
80重量%の組成の錫−鉛合金メツキ層において、
光沢及び無光沢メツキのそれぞれメツキ層中の有
機物量が60ppm及び3ppmであるとすると、半光
沢メツキのそれは5ppmである。 従つて、このことからも明らかなように、半光
沢錫−鉛合金メツキ層によれば、有機物の吸蔵に
起因する自己径巻付による割れや、加工時の粘着
の問題がなくなる。半光沢錫−鉛合金メツキ層の
厚さは特に限定する必要はないが、高価な半光沢
添加剤の消費という経済的な面から、12μ以内と
するのが良い。 実施例 1 線径0.6mmの銅線上に無光沢電気錫−鉛合金メ
ツキ層を4μ、さらにその上に鉛5%、錫95%の
半光沢電気錫−鉛合金メツキを4μの厚さで行
い、半光沢メツキリード線を作成した。メツキ用
光沢添加剤としては住友3M製のケンバートテイ
ンレツドを用い、ホウフツ化浴で行つた。 比較のため、同一組成の無光沢電気錫−鉛合金
メツキ線、光沢電気錫−鉛合金メツキ線、光沢電
気錫メツキ線を作成し、それぞれの特性を調べた
結果を次の表に示す。
【表】
【表】
○:良好、△:やや良好、×:不良。
上表における試験方法は、自己径巻付による割
れはその発生の有無、粘着性は2本のメツキ線を
撚つて170℃で2時間加熱後の状態、高温多湿試
験は50℃、95%で4時間、続いて20℃、60%で20
時間を4日間繰り返した経日変化、削れ性はメツ
キ線とSus棒との接触による。 表から明らかなように、本発明の半光沢錫−
鉛合金メツキリード線は自己径巻付で全く割れが
発生せず、粘着を起らず、耐変色性も優れてお
り、削りも少ないことがわかる。 これに比して、光沢電気錫−鉛合金メツキ線は
自己径巻付で微少な割れが認められ、加熱劣化に
より粘着も発生していた。 無光沢メツキ線には変色が認められる。 一方、光沢電気錫メツキ線では自己径巻付で大
きな割れが認められる他に高温多湿での変色が顕
著である等それぞれ欠点が多い。 実施例 2 実施例1と同様な方法で半光沢電気錫−鉛合金
メツキ層の組成と厚さを変えたリード線を作成し
た。 リード線のメツキ層の厚さは合計で10μであつ
た。その特性の比較結果を表に示す。
上表における試験方法は、自己径巻付による割
れはその発生の有無、粘着性は2本のメツキ線を
撚つて170℃で2時間加熱後の状態、高温多湿試
験は50℃、95%で4時間、続いて20℃、60%で20
時間を4日間繰り返した経日変化、削れ性はメツ
キ線とSus棒との接触による。 表から明らかなように、本発明の半光沢錫−
鉛合金メツキリード線は自己径巻付で全く割れが
発生せず、粘着を起らず、耐変色性も優れてお
り、削りも少ないことがわかる。 これに比して、光沢電気錫−鉛合金メツキ線は
自己径巻付で微少な割れが認められ、加熱劣化に
より粘着も発生していた。 無光沢メツキ線には変色が認められる。 一方、光沢電気錫メツキ線では自己径巻付で大
きな割れが認められる他に高温多湿での変色が顕
著である等それぞれ欠点が多い。 実施例 2 実施例1と同様な方法で半光沢電気錫−鉛合金
メツキ層の組成と厚さを変えたリード線を作成し
た。 リード線のメツキ層の厚さは合計で10μであつ
た。その特性の比較結果を表に示す。
【表】
表の試験結果から明らかなように、半光沢電
気錫−鉛合金メツキの組成は鉛が1%未満では高
温多湿の時の耐変色性が劣るのがわかる。逆に、
鉛の量が30%を越えるとメツキ層の軟化のため削
り易くなると同時に加熱時粘着も発生した。 一方、半光沢メツキ層の厚さが0.3μ程度では
表面の平滑度が不足することはもちろん粘着が発
生していた。 しかし、メツキ層の厚さを厚くした場合の特性
の低下は認められなかつた。 以上の説明から明らかなように、本発明の錫−
鉛合金メツキリード線によれば、無光沢錫−鉛合
金メツキ層を下地層としてその周上に、有機物の
吸蔵量が少なく表面性状の良い半光沢錫−鉛合金
メツキ層を設けたことにより、その外観、半田付
性、耐変色性(酸化性)等を低下させずに、従来
技術の欠点即ち多量の有機物の存在に基づく加熱
の際のメツキ線同士の粘着及び曲げ加工時のメツ
キ層の割れをなくすことができ、本来の特性はも
とより自動化して取扱う上でも非常に有利である
という顕著な効果がある。
気錫−鉛合金メツキの組成は鉛が1%未満では高
温多湿の時の耐変色性が劣るのがわかる。逆に、
鉛の量が30%を越えるとメツキ層の軟化のため削
り易くなると同時に加熱時粘着も発生した。 一方、半光沢メツキ層の厚さが0.3μ程度では
表面の平滑度が不足することはもちろん粘着が発
生していた。 しかし、メツキ層の厚さを厚くした場合の特性
の低下は認められなかつた。 以上の説明から明らかなように、本発明の錫−
鉛合金メツキリード線によれば、無光沢錫−鉛合
金メツキ層を下地層としてその周上に、有機物の
吸蔵量が少なく表面性状の良い半光沢錫−鉛合金
メツキ層を設けたことにより、その外観、半田付
性、耐変色性(酸化性)等を低下させずに、従来
技術の欠点即ち多量の有機物の存在に基づく加熱
の際のメツキ線同士の粘着及び曲げ加工時のメツ
キ層の割れをなくすことができ、本来の特性はも
とより自動化して取扱う上でも非常に有利である
という顕著な効果がある。
添付図面は本発明による半光沢錫−鉛合金メツ
キ線の断面図である。 1:導線、2:無光沢メツキ層、3:半光沢メ
ツキ層。
キ線の断面図である。 1:導線、2:無光沢メツキ層、3:半光沢メ
ツキ層。
Claims (1)
- 1 金属導線の周上に無光沢電気錫−鉛合金メツ
キ層を形成し、この無光沢電気錫−鉛合金メツキ
層の周上に鉛1〜30重量%、残部錫からなる組成
の半光沢電気錫−鉛合金メツキ層を形成し、この
半光沢電気錫−鉛合金メツキ層の厚さを0.5〜12
μとすると共にメツキ層全体の厚さを4〜20μと
してなることを特徴とする錫−鉛合金メツキリー
ド線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5692280A JPS56152992A (en) | 1980-04-28 | 1980-04-28 | Tin-lead alloy plated lead wire |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5692280A JPS56152992A (en) | 1980-04-28 | 1980-04-28 | Tin-lead alloy plated lead wire |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56152992A JPS56152992A (en) | 1981-11-26 |
JPS6233317B2 true JPS6233317B2 (ja) | 1987-07-20 |
Family
ID=13040977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5692280A Granted JPS56152992A (en) | 1980-04-28 | 1980-04-28 | Tin-lead alloy plated lead wire |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS56152992A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2710395B2 (ja) * | 1989-04-11 | 1998-02-10 | 日鉱金属株式会社 | リフローはんだめっき材 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS604524A (ja) * | 1983-06-22 | 1985-01-11 | Ajinomoto Co Inc | エポキシ樹脂用潜在性硬化剤 |
-
1980
- 1980-04-28 JP JP5692280A patent/JPS56152992A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS604524A (ja) * | 1983-06-22 | 1985-01-11 | Ajinomoto Co Inc | エポキシ樹脂用潜在性硬化剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS56152992A (en) | 1981-11-26 |
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