JPS6232659Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、板状の材料をトランスフア装置の
材料クランプ位置へ供給するトランスフア・プレ
スの材料供給装置に関する。

従来の技術とその問題点 この種の装置としては、第４図に示すように、
材料Ｍがクランプ位置にあるときにその直下に位
置するように垂直状材料通路３４が下型３２に設
けられ、材料通路３４の高さの中間に傾斜状シユ
ート３６の先端が接続され、材料通路３４内に流
体圧シリンダ４１が垂直上向きに配置固定され、
流体圧シリンダ４１のピストンロツド４２に材料
受け４３が取付けられており、シユート３６より
取出された材料Ｍを材料受け４３で受けてそれを
上型３３上面より高いレベルのクランプ位置まで
上昇させ、そのクランプ位置において図示しない
トランスフア装置に渡すようにしたものが知られ
ているが、これにはつぎの問題点がある。

材料供給能力を向上させるためにシユート内へ
の材料押込み力を増大させると、材料受け４３上
で材料Ｍが重なつてしまうことがある。とくに、
第５図に示すように、材料Ｍの端面が傾斜してい
ると、その傾向が強い。

この考案の目的は、上記問題点を解決したトラ
ンスフア・プレスの材料供給装置を提供すること
にある。

問題点を解決するための手段 この考案によるトランスフア・プレスの材料供
給装置は、板状の材料がトランスフア装置のクラ
ンプ位置にあるときにその直下に位置するように
垂直状材料通路が下型に設けられ、材料通路の高
さの中間に傾斜状シユートの先端が接続され、材
料通路内に流体圧シリンダが垂直上向きに配置固
定され、流体圧シリンダのピストンロツドに材料
受けが取付けられ、材料受けと相対するように材
料押えが上型に設けられ、ピストンロツドがその
ストロークの下限にあるときに、材料受けの上面
とシユートの先端底壁上面とが同一レベルとなる
ようになされ、ピストンロツドがそのストローク
の下限にありかつ上型がその昇降ストロークの下
限にあるときに、材料受けの上面と材料押えの下
面との間に、材料１枚分の厚みよりは大きいが材
料２枚分の厚みよりは小さい間隔が生じるように
なされているものである。

実施例 この考案の実施例を第１図から第３図を参照し
て説明する。

第１図はプレスのアイドルステーシヨンを示し
ており、そこには、図示しないボルスタにクラン
パ１１により固定された下型１２および図示しな
いスライドに取付けられた上型１３のそれぞれ一
部が示されている。下型１２には垂直状材料通路
１４が設けられており、これは図示しないトラン
スフア装置によつてクランプされる材料Ｍの直下
に位置している。材料通路１４の周壁の一部に切
欠き１５が設けられ、そこに傾斜状シユート１６
の先端が臨ませられている。シユート１６は、樋
状の本体１７と、これの開口に配された材料押え
板１８とからなる。本体１７の底壁１９と材料押
え板１８の間には、板状の材料Ｍの厚みｔより若
干大きい間隙が存在しており、シユート１６内に
は材料Ｍが横に並んだ状態で収容されている。キ
ヤツプ通路１４には底２０があり、これに流体圧
シリンダ２１が垂直上向きに取付けられ、そのピ
ストンロツド２２に材料受け２３が取付けられて
いる。材料受け２３は、平面視材料Ｍとほぼ同形
状のものであるが、その厚みは材料Ｍのそれの約
２倍ある。上型１３の一部には切欠き２４が設け
られ、これを臨む下向きの水平面に取付部材２５
を介して垂直棒２６が取付けられるとともに、そ
の下端に材料押え２７が設けられている。材料押
え２７は平面視材料受け２３と同形状のものであ
りかつ材料受け２３と相対している。

材料受け２３の上面がシユート１６先端の底壁
１９上面と同一レベルL₁となるときを下限と
し、上型１３上面より若干上位のレベルL₃と同
一となるときを上限とするピストンストロークを
流体圧シリンダ２１は有している。第１図は、そ
のピストンストロークが下限にある状態を示して
おり、このときに上型１３はその昇降ストローク
の下限にあり、この状態で材料押え２７の下面は
上述の両レベルL₁，L₂の中間のレベルL₃にあつ
て、材料受け２３の上面と材料押え２７の下面と
の間に、材料１枚分の厚みｔよりは大きいが材料
２枚分の厚み２ｔよりは小さい間隙Ｔが生じてい
る。また、流体圧シリンダ２１の作動停止の指令
は、図示しないプレスのクランク軸に取付けられ
たカム、カムによつて作動するリミツトスイツチ
などによつて得られる。

つぎに、第２図および第３図を参照して材料供
給動作について説明する。第２図に付した差異記
号ａ〜ｆは、第２図の各状態に対応する期間また
は時点として同じ記号ａ〜ｆが第３図にも付され
ている。

第２図ａは、第１図の状態を再現したものであ
り、このときに、シユート１６から１枚の材料Ｍ
が材料受け２３と材料押え２７の間に送り込まれ
る。やがて、スライドが上昇を開始することにな
るが、これと同時または若干前後してシリンダ２
１に上昇指令が出力される。シリンダ２１の上昇
速度は、第３図に示すように、下死点付近におけ
るスライドの上昇速度より速い。そのために、シ
リンダ２１およびスライドが上昇を開始して間も
無い時点で、第２図ｂに示すように、材料受け２
３上の材料Ｍを材料受け２３と材料押え２７が挾
み付ける。この後は三者がともに上昇していく
が、第２図ｃで示すように、材料受け２３が上限
位置（レベルL₃）に達すると、材料受け２３はそ
れ以上上昇しながら、その後は材料押え２７のみ
がスライドとともに上昇する。そうすると、第２
図ｄで示すように、材料受け２３上の材料Ｍから
材料押え２７が離れることになり、この状態でク
ランプ装置により同材料Ｍが材料受け２３上から
プレスの加工ステーシヨンに搬送されていく。ス
ライドが上死点において反転し、下降開始する
と、材料押え２７も下降する。やがて、第２図ｅ
で示すように、材料押え２７が材料受け２３に当
接し、その後は材料押え２７が材料受け２３を強
制的に押し下げながら、ともに下降する。第２図
ｆで示すように、材料受け２３が若干押し下げら
れた時点でシリンダ２１に下降指令が出力され、
材料受け２３が下限位置（レベルL₁）まで下降
し、その若干上方の位置（レベルL₂）まで材料押
え２７が下降して、再び第２図ａで示す状態とな
る。

考案の効果 この考案によれば、シユートより取出された材
料は材料受けと材料押えとの間の間隙に送り込ま
れるようになつていて、同間隙は材料１枚分の厚
みよりは大きいが材料２枚分の厚みよりは小さい
から、材料受け上で材料が重なり合うことを防止
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図はこの考案の実施例を示し、
第１図は垂直断面図、第２図は作動説明図、第３
図は作動タイミング線図、第４図は従来例を示す
第１図相当の断面図、第５図は材料の断面図であ
る。 １２……下型、１３……上型、１４……通路、
１６……シユート、２０……底壁、２１……シリ
ンダ、２２……ロツド、２３……受け、２７……
押え、Ｍ……材料、L₁，L₂，L³……レベル、Ｔ
……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板状の材料Ｍがトランスフア装置のクランプ位
   置にあるときにその直下に位置するように垂直状
   材料通路１４が下型１２に設けられ、材料通路１
   ４の高さの中間に傾斜状シユート１６の先端が接
   続され、材料通路１４内に流体圧シリンダ２１が
   垂直上向きに配置固定され、流体圧シリンダ２１
   のピストンロツド２２に材料受け２３が取付けら
   れ、材料受け２３と相対するように材料押え２７
   が上型１３に設けられ、ピストンロツド２２がそ
   のストロークの下限にあるときに、材料受け２３
   の上面とシユート１６の先端底壁２０上面とが同
   一レベルL₁となるようになされ、ピストンロツ
   ド２２がそのストロークの下限にありかつ上型１
   ３がその昇降ストロークの下限にあるときに、材
   料受け２３の上面と材料押え２３の下面との間
   に、材料１枚分の厚みｔよりは大きいが材料２枚
   分の厚み２ｔよりは小さい間隔Ｔが生じるように
   なされている、トランスフア・プレスの材料供給
   装置。