JPS6231998B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、下水汚泥又は活性汚泥などの処理
水、その他有機性汚水などの廃水を好気性微生物
を活用して生物処理した活性汚泥水の沈降分離処
理装置に関するものである。

従来の活性汚泥法例えば実公昭46−34225号公
報又は実公昭51−43653号公報のように、曝気槽
に後続し活性汚泥スラリーと処理水を分離するの
に沈降分離という手段を用いると、活性汚泥その
ものの沈降性が良くないために最終沈澱池の水面
積負荷が大きくとれないこと、ために沈澱槽内に
横断面を細分化する充填物を配備することが提案
されているが微細SSのキヤリオーバーがおきや
すく水質悪化しやすいこと、およびバルキングが
発生すると活性汚泥プロセス自体が破壊されるほ
かに沈澱池の設置面積が大きくなるし、別途沈澱
池が必要となつて建設費がアツプし、という重大
な欠点があつた。

本発明は、これら従来の欠点を除去するため沈
降分離の効率を高めることを可能とする装置を提
供することを目的としている。

本発明は、処理槽内に隔壁をもつて原水流入部
と処理水流出部とに区画しこの処理水流出部に複
数の傾斜管の管状部材或いは複数の傾斜板の板状
部材を間隔をおいて重ね合わせた状態で構成され
るモジユールを槽水平方向に配設して沈降分離部
とし、該モジユールの下方部に近接してポンプに
連結した洗浄部材を水平方向に移動可能に配備し
たことを特徴とする廃水処理装置である。

すなわち本発明の実施例を説明すれば処理槽１
の水平断面に傾斜管モジユール、あるいは複数の
傾斜板で格子状に構成したモジユール２を配置し
て懸濁固形物の沈降分離部となし、該沈降分離部
で槽内を原水流入部４と処理水流出部５とに隔壁
２０で区画すると共に、開口部を有する樋状もし
くは多孔管などの洗浄用部材からなる洗浄部材３
を前記モジユール２の下方部に沿つて移動可能に
配備するとともに、該洗浄部材３がポンプ６の吸
込側と配管７によつて連結せしめ、かつポンプ６
の吐出用の配管９を曝気部となる前記流入部４に
開口配置し、吐出水８の一部又は全部が流入部に
返送するように構成してある。なお、ポンプ吐出
配管９の吐出口を曝気部となるように流入部４の
水面Ａよりも高い位置の大気中に設定し、ポンプ
吐出水８を流入部水面Ａへ落下させ曝気せしめる
構成としてもよい。この場合洗浄部材３にて吸引
された吸引水流は全部又は一部を前記流入部に返
送することができる。

また前記モジユール２は管状部材若しくは板状
部材の複数で構成されるが第２図に示すような整
流格子又はハニカム構造物を傾斜管モジユールと
して用いることもできる。

一方前記原水流入部４には原水流入管１０が付
設され必要に応じ散気管からなる曝気装置（図示
せず）を設けてあり、その底部にある汚泥ピツト
から排泥弁のある余剰汚泥排出管で排泥するよう
にしてもよい。このようにすれば単一の槽内で生
物処理と固液分離の両機能を同時に遂行できる。

図中１６は移動機構で例えば走行用台車が用い
られ洗浄部材３をポンプ６とともに前記モジユー
ル２で形成される連通路の開口部に近接して移動
できるようにしてある。

しかして原水流入部４に導かれ活性汚泥水を沈
澱分離するもので処理槽１内は水平方向に配設し
たモジユール２に洗浄部材３が移動可能であるの
で、管内、板面に付着する微生物スライムによる
目詰り、堆積、腐敗、スカム浮上などのトラブル
解消を適確に行なえる形態となつていてその上方
に配備されるロンダ２１から処理水を槽外に流出
できるようになつている。

さらに前述の実施態様において原水流入部に曝
気機能を持たせてもよいが、この場合流入部４に
ハニカムチユーブ、網などの微生物付着媒体を装
填しておいてもよい。

しかして生物処理を行なう場合について処理作
用を説明すると、処理槽１内では原水が原水流入
管１０より曝気部となる流入部４に流入し、生物
処理を受ける。処理槽１内は、水平管、傾斜管な
いし水平板、傾斜板などのモジユール２によつて
流入部４と、処理水流出部５に区画されており、
流入部４内に懸濁浮遊している活性汚泥などの
SSは沈降分離部となるモジユール２において、
沈降分離され、処理水がロンダ２１からオーバー
フロー処理水流出管１５から流出してゆく。この
場合傾斜管、水平管のモジユール２では沈降分離
すべきSSが微生物を主体とするものであるた
め、単に水平管、傾斜管、板、を設置しただけで
はスライムが付着するため、目詰まりが起き、沈
降分離機能が著しく阻害されること、および水平
管ないし傾斜角が60゜〜70゜以下の角度の緩やか
な傾斜角をもつ傾斜管では、管内で沈降分離され
たSSが排除できないため、適用困難であるとい
う重大な難点があるのに反し、少なくともモジユ
ール２の流入部４側の面に近接して、樋状または
多孔管状などの洗浄部材３の傾斜管、水平管のモ
ジユール２の面に沿つて、任意の移動機構１６に
よつて移動可能に配備されているので洗浄部材３
はモジユール２に対向する位置に開口部を有して
いて配管７でポンプ６のサクシヨン側に連結され
ていて、該ポンプ６を運転すると、洗浄部材３の
開口部には激しい吸引水流が生起し、水平管、傾
斜管のモジユール２内に堆積しているスラツジを
適確に吸引除去する。一方ポンプ６の吐出水は流
入部４内に空気中から滝状に落下させると表面曝
気作用がおき、酸素移動効率が向上するので非常
に好ましい生物処理を能率的に行なうことができ
る。

以上のように本発明は、処理槽内の水平断面
に、管状部材、板状部材を設けて、活性汚泥フロ
ツクを短時間で沈降分離させるようにしたモジユ
ールを設け、これらの分離促進部材内へのSSの
目詰まりを防ぐために洗浄部材を移動させてポン
プの吸引水流または吐出水流によつて洗浄するこ
とにより固液分離を効率よく遂行でき、沈降分離
効果が従来に比べて大巾に向上しまた生物処理を
行う場合には最終沈澱池を別個に必要とせず、し
かも処理槽内で生物処理と固液分離の両機能を同
時に遂行できると共に、効率的な固液分離が可能
になつて処理施設設置面積の大巾な減少が可能と
なり沈降分離作用の大巾な向上と、曝気作用によ
つて廃水処理効率が著しく良好となり大量処理に
適し経済的な処理ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は縦断面
図、第２図ａ，ｂはモジユールの一部の斜面図で
ある。 １……処理槽、２……モジユール、３……洗浄
部材、４……原水流入部、５……処理水流出部、
６……ポンプ、７，９……配管、１０……原水流
入管、１３……溢流堰、１５……処理水流出管、
１６……移動機構、２０……隔壁、２１……ロン
ダ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 処理槽内に隔壁をもつて原水流入部と処理水
   流出部とに区画しこの処理水流出部に複数の傾斜
   管の管状部材或いは複数の傾斜板の板状部材を間
   隔をおいて重ね合わせた状態で構成されるモジユ
   ールを槽水平方向に配設して沈降分離部とし、該
   モジユールの下方部に近接してポンプに連結した
   洗浄部材を水平方向に移動可能に配備したことを
   特徴とする廃水処理装置。 ２ 前記洗浄部材が、吸引された吸引水流の一部
   又は全部を前記流入部に返送するものである特許
   請求の範囲第１項記載の廃水処理装置。 ３ 前記洗浄部材が、ポンプの吸込側に連結され
   たものであつて、ポンプ吐出側の吐出管を前記流
   入部の水面より高い位置に開口し、吸引水流を流
   入部水面に落下させるものである特許請求の範囲
   第１項又は第２項記載の廃水処理装置。