JPS6154480B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、下水汚泥又は活性汚泥などの処理
水、その他有機性汚水などの廃水を沈降分離処理
と好気性微生物を活用して生物化学的酸化接触浄
化処理をも可能にする処理装置に関するものであ
る。

従来の活性汚泥法、例えば実公昭46−34225号
公報又は実公昭51−43653号公報のように、曝気
槽に後続し活性汚泥スラリーと処理水を分離する
のに沈降分離という手段を用いると、活性汚泥そ
のものの沈降性が良くないために最終沈殿池の水
面積負荷が大きくとれないことのために沈殿槽内
に横断面を細分化する充填物を配備することが提
案されているが、微細SSのキヤリオーバーがお
きやすく水質悪化しやすいこと、およびバルキン
グが発生すると活性汚泥プロセス自体が破壊され
るほかに沈殿池の設置面積が大きくなるし、別途
沈殿池が必要となつて建設費がアツプするという
重大な欠点があつた。

本発明は、これら従来の欠点を除去するため単
一の槽内で沈降分離処理工程と曝気沈殿分離処理
工程を遂行することができ生物処理と固液分離の
両機能を同時に遂行でき沈降分離の効率を大幅に
高め、また、従来の生物処理工程に不可欠であつ
た最終沈殿池を不要としてコンパクトな装置で生
物処理を可能とする装置を提供することを目的と
している。

また本発明の他の目的は、生物処理において滝
などのように水塊が水面に落下するときの曝気効
果を利用して、酸素移動効率の向上を行うことで
生物化学的酸化接触浄化処理を適確にし、大量処
理に適し経済上からも質的にも良好な処理水が得
られる処理装置とすることにある。

本発明は、処理槽の垂直方向に複数の傾斜管、
または、水平管などの管状部材或いは複数の傾斜
板又は水平板の板状部材を間隔をおいて重ね合せ
た状態で槽垂直方向に配置して、沈降分離部とな
し、かつ、槽内を原水流入部と処理水流出部とに
区画すると共に、前記管状部材或いは板状部材で
形成される連通路内部へのSSの沈積付着による
目詰まりを防止するため、独自の洗浄機構を設け
ポンプによる吸引水流、もしくは圧力水流によつ
て目詰まりを清浄するものであり、また、生物処
理にあたつてポンプの吐出水を曝気部水面に落下
させることによつて、曝気作用を生起させること
を特徴とするものである。

すなわち本発明の実施例を説明すれば、第１図
は曝気槽に用いる場合を示すもので、処理槽１の
垂直断面に傾斜管又は水平管モジユール、あるい
は傾斜板、水平板などのモジユール２を複数配置
して懸濁固形物の沈降分離部となし、該沈降分離
部で槽内を原水流入部４と処理水流出部５とに区
画すると共に、流入部４側位置に開口部を有する
樋状もしくは多孔管などの洗浄用部材からなる洗
浄部材３を前記分離部面に沿つて移動可能に配備
するとともに、該洗浄部材３がポンプ６の吸込側
と配管７によつて連絡せしめ、かつポンプ６の吐
出用の配管９を曝気部となる前記流入部４に開口
配備し、吐出水８が流入部水面上に返送流落する
ように構成してある。即ちポンプ吐出配管９の吐
出口を曝気部となるように流入部４の水面Ａより
も高い位置の大気中に設定し、ポンプ吐出水８を
流入部水面Ａへ落下させ曝気せしめる構成として
ある。この場合洗浄部材３にて吸引された吸引水
流は全部又は一部を前記流入部に返送することが
できる。

なお前記洗浄部材３は流入部４側に配置するの
ではなく、第２図に示すように処理水流出部５に
配置し、ポンプ６の吐出側の配管９を洗浄部材３
に連絡せしめ、かつポンプ６の吸込配管７を前記
処理水流部５に連通せしめた構成とすおともでき
るし、また洗浄部材が、ポンプの吸込側に連絡し
たものを前記流入側に設けたものと、ポンプの吐
出側に連絡したものを前記流出部側に設けたもの
とをそれぞれ前記連通路に近接して移動可能に対
向配備したものであつて、ポンプの吸引水流およ
び吐出圧力水により連通路を洗浄するようにする
こともできる。

また第１図及び第２図の実施例には傾斜管を適
用した場合を示したが、第３図及び第４図のよう
に沈殿効率が原理的に傾斜管より秀れている水平
管を適用するのも好ましく、この場合第５図に示
すように水平管ないし傾斜管モジユールの構造の
ものが用いられる。

一方前記原水流入部４には原水流入管１０が付
設され必要に応じ散気管からなる曝気装置１１を
設けてあり、その底部に汚泥ビツト１７を介して
排泥弁１８のある余剰汚泥排出管１９を設けてあ
る。また処理水流出部５には整流格子１２及び溢
流堰１３を設け集水室１４を介して処理水流出管
１５が備えられている。

図中１６は移動機構で、例えば走行用台車が用
いられ洗浄部材３をポンプ６とともに前記モジユ
ール２で形成される連通路の開口部に近接して移
動できるようにしてある。２０は隔壁である。

前述の実施態様第１，２，３図においての図示
例では活性汚泥法の曝気槽に適用した場合を示し
たもので、原水流入部４には生物処理方式とし
て、他にハニカムチユーブ、網などの微生物付着
媒体を装填した接触酸化方式、回転円板方式等の
好気性微生物による生物処理方式してもよい。

しかして生物処理を行う場合について処理作用
を説明すると、処理槽１内では原水が原水流入管
１０より曝気部となる原水流入部４に流入し、曝
気装置１１によつてエアレーシヨンを受けながら
生物処理を受ける。この処理槽１内は、水平管、
傾斜管ないし水平板、傾斜板などのモジユール２
によつて原水流入部４と、処理水流部５に区画さ
れており、原水流入部４内に懸濁浮遊している活
性汚泥などのSSは沈降分離部となるモジユール
２において、沈降分離され、処理水が整流格子１
２を経由し、溢流堰１３からオーバーフローし処
理水流出管１５から流出してゆく。この場合傾斜
管、水平管のモジユール２では沈降分離すべき
SSが微生物を主体とするものであるため、単に
水平管、傾斜管、板を設置しただけではスライム
が付着するため、目詰まりが起き、沈降分離機能
が著しく阻害されるので少なくともモジユール２
の流入部４側の面に近接して、樋状または多孔管
状などの洗浄部材３を傾斜管、水平管のモジユー
ル２の面に沿つて、任意の移動機構１６によつて
移動可能に配備し洗浄部材３はモジユール２に対
向する位置に開口部を有していて配管７でポンプ
６のサクシヨン側に連絡されていて、該ポンプ６
を運転すると、洗浄部材３の開口部には激しい吸
引水流が生起し、水平管、傾斜管のモジユール２
内に堆積しているスラツジを適確に吸引除去す
る。一方ポンプ６の吐出水は原水流入部４内に空
気中から滝状に落下させると表面曝気作用がお
き、単に曝気装置１１から曝気するだけよりも酸
素移動効率が向上するので非常い好ましく生物処
理を能率的に行うことができる。

以上のように本発明は、生物処理槽内の垂直断
面に、管状部材、板状部材を設けて、活性汚泥フ
ロツクを短時間で沈降分離させるようにし、これ
らの分離促進部材内へのSSの目詰まりを防ぐた
めに、洗浄部材を移動させてポンプの吸引水流ま
たは吐出水流によつて洗浄することにより、単一
の槽内で固液分離を効率よく遂行でき、沈降分離
効果が従来に比べて大幅に向上し、また生物処理
を行う場合には最終沈殿池を別個に必要とせず、
しかも処理槽内で生物処理と固液分離の両機能を
同時に遂行できるので、効率的な固液分離が可能
になつて処理旋設設置面積の大幅な減少が可能と
なり沈降分離作用の大幅な向上と、曝気作用によ
つて廃水処理効率が著しく良好となり大量処理に
適し経済的な処理ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は縦断面
図、第２図及び第３図は他の実施例の縦断面図、
第４図は第３図例の横断面図、第５図は一部の斜
面図、第６図はさらに他の実施例の縦断面図であ
る。 １……処理槽、２……モジユール、３……洗浄
部材、４……原水流入部、５……処理水流部、６
……ポンプ、７，９……配管、８……ポンプ吐出
水、１０……原水流入管、１１……曝気装置、１
２……整流格子、１３……溢流堰、１４……集水
室、１５……処理水流出管、１６……移動機構、
１７……汚泥ビツト、１８……排泥弁、１９……
余剰汚泥排出管、２０……隔壁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 曝気槽内に複数の傾斜管又は水平管の管状部
   材あるいは複数の傾斜板又は水平板の板状部材を
   間隔をおいて重ね合せた状態で槽垂直方向に配設
   して沈降分離部となし、前記槽内を原水流入管を
   付設した流入部と処理水流出管を付設した流出部
   とに区画形成し、前記流入部と流出部とを前記管
   状部材あるいは板状部材にて形成される連通路に
   て連通せしめると共に、該連通路に近接してポン
   プに連結した洗浄部材を移動可能に配備した廃水
   処理装置。 ２ 前記洗浄部材が、ポンプの吸込側に連結さ
   れ、前記流入部側に前記連通路に近接して移動可
   能に配備されたものであつて、ポンプの吸引水流
   により連通路を洗浄するものである特許請求の範
   囲第１項記載の廃水処理装置。 ３ 前記洗浄部材が、ポンプの吐出側に連結さ
   れ、前記流出部側に前記連通路に近接して移動可
   能に配置されたものであつて、ポンプの吐出圧力
   水により連通路を洗浄するものである特許請求の
   範囲第１項記載の廃水処理装置。 ４ 前記洗浄部材が、ポンプの吸込側に連結した
   ものを前記流入側に設けたものと、ポンプの吐出
   側に連結したものを前記流出部側に設けたものと
   をそれぞれ前記連通路に近接して移動可能に対向
   配備したものであつて、ポンプの吸引水流および
   吐出圧力水により連通路を洗浄するものである特
   許請求の範囲第１項記載の廃水処理装置。 ５ 前記洗浄部材が、ポンプの吸込側に連結され
   たものであつて、ポンプ吐出側の吐出管を前記流
   入部の水面より高い位置に開口し、吸引水流を流
   入部水面に落下させるものである特許請求の範囲
   第２項又は第４項記載の廃水処理装置。