JPS6231604Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関用カム軸に関するものであ
る。

従来のこの種内燃機関用カム軸１′は、比較的
出力の小さい管理機用の内燃機関に使用されるも
のであつても、第１図図示の如く、吸排気弁用の
カム６′，７′を列設した鋼鉄製のカム軸本体２′
の一端側に鋼鉄製のカムギヤ３′をキー５′で位置
決めしつつ圧入して構成されていた。この場合、
鋼鉄製カムギヤ３′は、歯面強度を得るためにそ
の軸芯側肉部を過大強度となつているため、コス
トアツプの原因となるとともに、運転時のギヤ噛
合い騒音も大きくなるという問題を内包してい
た。

本考案は、カムギヤの軸芯側肉部の強度が一般
に歯面強度より大になる点に着目して上記問題点
を解消し、低コストで低騒音の内燃機関用カム軸
を提供することを目的とするものであり、かかる
目的達成のため、吸気弁と排気弁とに接合するカ
ムを列設したカム軸本体の両端軸受間の適所に、
一対の円弧部と一対の直線部とからなる外周形状
を有する鍔部を一体形成し且つ該鍔部外周にカム
ギヤを構成する合成樹脂製の被覆層を被覆形成し
た構成を特徴とする。

以下、第２図ないし第３図を参照して本考案の
実施例にかかる内燃機関用カム軸を説明する。

このカム軸１は、吸気弁４と排気弁５とに接合
するカム６，７を列設した鋼鉄あるいは鋳物製の
カム軸本体２と該カム軸本体２の一端側にカムギ
ヤ３が形成されるように被覆形成されたポリアセ
タールあるいはナイロン66等からなる合成樹脂製
の被覆層２ｃとによつて形成されている。

前記カム軸本体２のクランクケース側蓋９側の
端部外周には、両端の軸受部２ａ，２ｂより大径
の鍔部１１が一体に突設されている。符号８はク
ランクケース、１０はベアリングである。

該鍔部１１は、相対向する一対の円弧部１１
ａ，１１ａと一対の直線部１１ｂ，１１ｂとから
なる外周形状を有している。

しかして、この鍔部１１外周に、前記カムギヤ
３を構成する被覆層２ｃが被覆形成されている。

上記の如く構成したことにより、カムギヤ３が
クランクギヤ（図示省略）と噛合し、カム６，７
によつて吸気弁４および排気弁５を揚動せしめる
とき、カムギヤ３に大きなトルクが作用するが、
カム軸本体２と一体の鍔部１１に直線部１１ｂ，
１１ｂが形成されているため、カムギヤ３と鍔部
１１との間に滑りが発生することはなくなり、両
者が強固に結合されて、カムギヤ３の軸芯側強度
が増大する。つまり、従来の鋼鉄製カムギヤにお
いて軸芯側肉部の強度を大きくしたと同様の効果
が得られるのである。しかも、カムギヤ３は、合
成樹脂製の被覆層２ｃで構成されているため、運
転時のギア噛合い騒音も大巾に低減されることと
なるのである。

続いて本考案の内燃機関用カム軸の効果を以下
に述べる。

即ち、本考案によれば、カム軸本体２の両端軸
受２ａ，２ｂ間の適所に、一対の円弧部１１ａ，
１１ａと一対の直線部１１ｂ，１１ｂとからなる
外周形状を有する鍔部１１を一体に形成し且つ該
鍔部１１外周に、カムギヤ３を構成する合成樹脂
製の被覆層２ｃを被覆成形したので、前記カムギ
ヤ３がクランクギヤと噛合し、吸気弁４および排
気弁５を揚動せしめるとき、カムギヤ３に大きな
トルクが作用しても、直線部１１ｂ，１１ｂの存
在により、カムギヤ３と鍔部１１との間に滑りが
発生するおそれがなくなり、両者が強固に結合さ
れ、カムギヤ３の軸芯側強度が増大する。従つ
て、従来の鋼鉄製カムギヤにおいて軸芯側肉部の
強度を大きくしたと同様な効果が得られることと
なり、低コストで低騒音の内燃機関用カム軸を提
供することができるという実用的な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の内燃機関用カム軸の１部を断面
とした側面図、第２図は本考案の実施例にかかる
内燃機関用カム軸の１部を断面とした側面図、第
３図は第２図のＡ矢視図である。 ２……カム軸本体、２ａ，２ｂ……軸受、２ｃ
……被覆層、３……カムギヤ、４……吸気弁、５
……排気弁、６，７……カム、１１……鍔部、１
１ａ……円弧部、１１ｂ……直線部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気弁４と排気弁５とに接合するカム６，７を
   列設したカム軸本体２の両端軸受２ａ，２ｂ間の
   適所に、一対の円弧部１１ａ，１１ａと一対の直
   線部１１ｂ，１１ｂとからなる外周形状を有する
   鍔部１１を一体に形成し且つ該鍔部１１外周に
   は、カムギヤ３を構成する合成樹脂製の被覆層２
   ｃを被覆形成したことを特徴とする内燃機関用カ
   ム軸。