JPS6231583B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電気的信号を機械的な変位に変換
し、且つその変位量を電気的信号入力に応じて制
御するようになした電磁制御装置に係る。

電気的信号を機械的変位に変え、且つその変位
量を電気的信号に応じて制御するものとして、電
磁鉄心と吸着片とを組み合わせた電磁石とか、メ
ーターとか、ステツプモータ等が既に知られてい
る。

しかしながら、上記電磁石によれば、吸着状態
と離反状態との２つの変位しか制御できず制御の
自由度が低い。また、スプリング力に抗して電磁
力が作用し、両者をバランスさせるようになした
メータでは、スプリング力、電磁力、回転軸承の
摩擦力等を精度よく管理せねばならず、構造的に
惰弱である。更に、ステツプモータとかパルスモ
ータにおいては、与えるパルスの方向とか、その
数により、モータの回転方向及び回転量が制御さ
れるが、これがためにはローター及びステーター
において複数個の電磁石と永久磁石とを必要とす
るため、その構造が複雑となり、組立てに多くの
手数を必要とし、概して高価なものとなり加えて
スペースを必要とするものであつた。

本発明は、上記従来のものの欠点を除去し、簡
単な構成で制御の自由度・正確さ・確実性の高い
装置を得ることを目的としたもので、スプリング
により移動方向が定められた可動部材に複数個の
磁極を有する永久磁石を、その磁極が互に交互す
るよう配列して、この磁極面に対向して電磁石を
設け、上記電磁石に順次交番磁界を与えることに
より、上記スプリング力と永久磁石との電磁気的
反発、吸引作用の相乗効果により可動部材の機械
的変位量を制御するようになした電磁制御装置に
係る。

図面について本発明の実施例を詳述すると、第
１図及び第２図は、本発明の一実施例を示してい
て、本発明に係る電磁制御装置をカメラの絞り装
置に適用した実施例である。

第１図は絞り装置のみを示す本発明の部分斜視
図で、互に重設される絞り羽根１，２は、その双
方の絞り羽根が互に重なり合いつゝ横方向に摺動
可能であり、一方の絞り羽根１には、破線で示す
絞り孔１ａが、また他方の絞り羽根２には実線で
示す絞り孔２ａが穿設され、これら絞り孔１ａ，
２ａの重なりによつて絞り開口６が形成される。
両絞り孔１ａ及び２ａが十分に重なり合うとき、
絞り開口６は全開され、これより絞り羽根１，２
が互に逆方向に摺動されるとき、絞り開口６は絞
り込まれる。

両絞り羽根１，２は、絞りレバー５の回動中心
５ａに対し対称的に植設されるピン３，４を介し
て絞りレバー５に連結されている。

絞りレバー５にはスプリング２１２が作用して
これに反時計方向回動習性を付与しており、その
反時計方向回動により絞りは開放され、スプリン
グ２１２に抗した時計方向回動により、絞りは絞
り込まれる。

第２図は、第１図の絞り装置に適用される電磁
駆動装置を示す本発明の部分的正面図で、第１図
に示したセツトレバー２６（詳しくは後述する）
がバネ２８に抗して時計方向に回動され、セツト
レバー２６が絞りレバー５に植設されるピン２７
を押動して、絞りレバー５を時計方向に回動し、
絞りを最小絞り開口に絞り込んだセツト状態を示
している。

絞りレバー５には、第２図に示すように、更に
前記ピン３を介して可動部材７２が連結され、上
記可動部材７２は支持ピン８１，８２により支持
されていて、絞り羽根１と略一体的に長手方向に
絞り羽根２に対して摺動し得る様構成され、従つ
てスプリング２１２により左方へと摺動するよう
付勢されている。

上記可動部材の一方の側面には、図示の如く複
数個の永久磁石１２〜１６が、その可動長手方向
に沿つて互に磁極性を交互に異ならしめて配列さ
れ、これら永久磁石１２〜１６の磁極に対向して
電磁石１７２が若干の空気間隔を置いて固設され
ている。上記電磁石１７２は、電磁駆動回路２０
によつて、上記永久磁石１２〜１６の互いに隣接
する磁極間距離と略等しい間隔に鉄心両端１８２
及び１９２が形成され、その磁気極性が交互に変
化するよう駆動される。

可動部材７２の一側縁には係止爪３００〜３０
４を突設せしめ、永久磁石が電磁石１７２の鉄心
両端１８２，１９２に相面した位置にあるとき吸
引力により可動部材７２は図示下方へ牽引され、
上記係止爪が下側の支持ピン８１と係合して、そ
の位置が規制されて停止されるものであり、電磁
石１７２に電気的信号が入力すると極性が逆とな
り、電磁石１７２と永久磁石は互に反発し合い、
可動部材７２は押し上げられる結果、係止爪３０
０〜３０４と支持ピン８１との係合は断たれ、可
動部材７２はスプリング２１２の付勢力によつて
１段階左方へと移行され、次の永久磁石が鉄心両
端１８２，１９２と相面するとき、再び吸着され
て可動部材７２は下方へと移動をし、次の係止爪
が支持ピン８１と係合して、停止位置が規制され
て停止するものである。

以下、この動作について詳述すると、セツト状
態において、永久磁石１２，１３が夫々電磁石の
鉄心両端１８２，１９２に相面しており、点線で
示した磁気回路２２が形成されているため、これ
による吸引力が可動部材７２を下方に牽引し、係
止爪３００と支持ピン８１を係合せしめ、スプリ
ング２１２の付勢力に打ち勝つて、絞りレバー５
が最も時計方向に回動したこの位置に可動部材を
保持しており、第１図に示す如く、絞りは最小に
絞り込まれた状態に保持されている。

この状態において、電磁駆動回路２０により第
３図ａに示す第１の反転パルス２３が電磁石１７
２に印加されると、この間においては、上記鉄心
両端１８２，１９２は、これに対向する永久磁石
１２，１３の磁気極性に対して反発する磁気極性
が生じ、この反発力により可動部材７２は若干浮
上され、前記支持ピン８１と係止爪３００との係
合が解除され、スプリング２１の付勢力と上記反
発力とにより左方へと移動する。上記可動部材７
２の左方への摺動に伴つて、前記鉄心両端１８
２，１９２に生じている磁気極性と吸引し合う磁
気極性を持つ永久磁石１３，１４が鉄心両端１８
２，１９２に夫々近接し、それによつて生じる吸
引力も前記した反発力と相加的に付加されて、可
動部材７２が左方へと移動せしめられ、植設ピン
３を介して絞りレバー５が反時計方向に駆動され
る。

上記の如くして、永久磁石１３，１４が鉄心両
端１８２，１９２と夫々対向する位置に移動する
と、相互の吸引磁気極性により再び磁気回路が形
成されてより強く吸引力が作用し、可動部材７２
は支持ピン８１と係止爪３０１が係合して停止
し、その位置において絞りレバー５がスプリング
２１２の付勢に抗して停止せしめられ、この間絞
り開口は１段階開かれる。

この次に、第３図ｂの如く反転パルス２４が電
磁石１７２に印加されると、鉄心両端１８２，１
９２の磁気極性が反転し、これら鉄心両端１８
２，１９２と対向している永久磁石１３，１４と
の間で反発が生じるために再度可動部材７２が浮
上してスプリング２１２の付勢力により左方へ移
動する。この移動は、鉄心両端１８２，１９２に
永久磁石１４，１５が対向する位置で停止され、
絞り開口は更に１段開かれる。電磁石１７２が電
磁駆動回路２０による第３図のｂ，ｃに示した第
２、第３……の反転パルス２４，２５……が順次
印加される毎に、以上述べたと同様に、同電磁石
１７２の鉄心両端１８２，１９２に生じる磁極性
と、これに対向する永久磁石１２〜１６との間に
順次生じる反発、吸引が繰返される。このとき生
じる反発、吸引の電磁作用力によつて、可動部材
がスプリング２１２の付勢方向である左方へと駆
動され、そのときの可動部材７２の変位量に応じ
て、絞りレバー５が反時計方向に断続的に回動さ
れ、絞り羽根１，２による絞り開口６の開口径が
断続的に決定されるものである。

上記の構成より成る絞り装置をリセツトするた
めには、第１図に示される如く往復動作する部材
例えばフイルム巻上操作に関連して、一旦時計方
向に回動した後、バネ２８等の付勢力により反時
計方向に回動するセツトレバー２６の如き部材を
設け、上記セツトレバー２６の一側縁に絞りレバ
ー５に植設されるピン２７を係合可能となせばよ
い。セツトレバー２６の往動行程において、それ
まで所定の絞り開口を決定していた絞りレバー５
は、上記一側縁とピン２７の係合によりバネ２１
２に抗して図示の如く永久磁石１２，１３が電磁
石１７２の鉄心両端１８２，１９２に相面するま
で時計方向に回動される。セツトレバー２６は復
動行程において、絞りレバー５が絞り開口６を全
開させる位置よりも更に反時計方向に回動した位
置まで退避し、絞りレバー５の動作を妨げないよ
うになる。

なお、鉄心両端１８２，１９２と永久磁石１２
〜１６間に両者が吸引しあうことによつて至近距
離にあるときも空気間隙を設けたのは、これを設
けない永久磁石の磁極面と鉄心両端１８２，１９
２の端面との間に１つの強固な磁気回路を閉成し
てしまい。電磁石１７２に逆磁界電流を流して
も、鉄心両端１８２，１９２の端面には永久磁石
１２，１３の磁極に対して独立した反発磁気極性
を生じないためである。

上記した実施例において可動部材に複数個の永
久磁石をその磁極の極性が互に相反する如く配列
したものを示したが、これに換えて単一の磁性材
料に磁極１２７，１２８，１２９，１３０，１３
１を極性が相反する如く形成した永久磁石を第８
図の如く可動部材の可動方向に設置して用いるこ
ともできる。

以上述べた各実施例から明らかなように、本発
明によれば、１個の電磁石に対し、可動部材にこ
れが付勢される方向に複数個の磁極を有する永久
磁石を互にその極性が相互に異ならしめて配列す
る簡単な構成により、電気信号が入力する量に応
じ可動部材を移動せしめることができ、電気信号
の量を、これに応じた正確な機械的移動量に変え
ることができる格別の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明の複数個の実施例を示すもの
で、第１図は、その第１実施例の絞り装置の斜視
図、第２図は、その第１実施例の電磁駆動装置の
正面図である。第３図は入力する電気的信号の量
を示すタイムチヤートで、同図ａは第１信号が入
力する場合を、同図ｂは第２信号まで、同図ｃは
第３信号まで入力した状態を示す。第４図は、本
発明の実施例の要部正面図である。 ７２……可動部材、２１２……スプリング、１
２，１３，１４，１５，１６……永久磁石、１２
７，１２８，１２９，１３０，１３１……磁極、
１７２……電磁石、２０……回路、８１……スト
ツパー、３００，３０１，３０２，３０３，３０
４……係止片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１位置と第２位置の間を移動するとともに
   該移動方向と交わる第２の方向に移動可能である
   ように設けられ、上記第１位置と第２位置との間
   における移動途上の所定位置で停止されるべき可
   動部材と、 該可動部材を第１位置から第２位置方向へ付勢
   するスプリングと、 上記可動部材上に設置され、その移動方向に沿
   つて交互に相反した複数の磁極が配列された永久
   磁石と、 該永久磁石の極性の異なる２つの磁極と対向す
   る位置に空〓を隔てて磁極を有するよう設置され
   る電磁石と、 該電磁石に正負のパルスを交互に与えて交番磁
   界を生じさせる回路と、 交番磁界の１パルス毎に移動する可動部材の単
   位移動長さ毎に可動部材に設けられる係止片と、 可動部材に隣接して上記係止片と係合可能なス
   トツパーとを設け、 １つのパルスが与えられる毎に電磁石の磁極と
   これに対向する永久磁石の磁極とを反発させ、そ
   の反発力により上記係止片とストツパーとの係合
   を断ち、スプリングの付勢力によつて上記可動部
   材を第２位置方向へ移動させるとともに移動途上
   において永久磁石の上記磁極と隣接する磁極と電
   磁石の磁極が対向した位置で両磁極を吸引させ、
   その吸引力により可動部材を上記第２の方向に移
   動させることによつて上記係止片とストツパーを
   係合させて上記可動部材を停止させるようにな
   し、 上記パルス数に応じて上記可動部材の位置を制
   御する電磁制御装置。 ２ 可動部材は、スプリングにより付勢されて直
   線状に移動可能であり、複数個の磁極は上記移動
   方向に一列に配列される特許請求の範囲第１項記
   載の電磁制御装置。