JPS6231452B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は充電可能な電気かみそりのような小型
電気機器に対して充電用アダプターを接続した際
に、小型電気機器の負荷回路がオフとなるように
して、小型電気機器のメインスイツチがオン状態
のまま充電を行なつても負荷に電流が流れること
がないようにするためなどの用いられるプラグス
イツチを内蔵した機器の防水構造に関するもので
ある。

上記機能を更に詳しく説明すると、第１図中２
は充電用アダプター６と電気接続される端子ピ
ン、Ｌは負荷、Ｂは蓄電池、MSはメインスイツ
チ、PSはプラグスイツチであり、またＤは逆流
阻止ダイオード、LEDは充電中表示用発光ダイ
オードである。そしてプラグスイツチPSは充電
アダプター６を端子ピン２に接続した際に機械的
にオフとされ、メインスイツチMSに関係なく、
充電中に負荷Ｌに電流が流れるのを防ぐ。

ところでこのプラグスイツチPSが設けられた
機器における充電アダプター６との接続部に防水
機能を持たせるとすれば、第２図に示すような構
造が考えられる。すなわち充電用アダプター６に
設けられてハウジング１１内のプラグスイツチ
PSの可動接点板８を押圧する突起７が挿通され
るハウジング１１の挿通孔１３と、端子ピン２の
周囲とをゴム状の弾性を有する一つの防水部材１
で水密構造とするのである。尚、図中１４はプリ
ント基板、１５は端子ピン２と電気的且つ機械的
に接続される通電金具である。充電を行なうため
に充電アダプター６を端子ピン２に接続すれば、
同時に突起７が防水部材１を介して可動接点板８
を押し上げて固定接点板１６より切り離し、プラ
グスイツチPSをオフとする。また充電アダプタ
ー６を外せば可動接点板８及び防水部材１の弾性
力でプラグスイツチPSはオンに復帰する。しか
し、図示のように、防水部材１の突起７にて押し
上げられる部分を全て薄肉で形成した場合、防水
部材１は充電アダプター６を外した時に可動接点
板８のばね力によつて復帰してプラグスイツチ
PSがオンになるもの、薄肉部に直接突起７や可
動接点板８が接触して力を加えるために、充電を
繰り返すうちに薄肉部が破れ、防水機能がなくな
るおそれがある。逆に防水部材１を全て厚肉で形
成した場合には破損のおそれはなくなるものの剛
性が大きくなるので、防水部材１を介して可動接
点板８を押し上げるのに大きな力が必要となり、
通電金具１５と端子ピン２との結合保持力を強く
しなくては防水部材１の反発力で端子ピン２と通
電金具１５との接触及びプラグスイツチPSのオ
フを確実に行なえなくなつてしまう。また一方で
は端子ピン２と通電金具１５との結合保持力が大
きくなると、充電アダプター６の抜きさしに必要
な力が大きくなり、使い勝手が悪くなつてしま
う。

更に他の問題点としては、端子ピン２の周囲の
シールを、防水部材１のリング状厚肉部３におけ
る径方向の締め代で行なつているわけであるが、
この部分が突起７で押し上げられる薄肉部とつな
がつていることから、突起７による薄肉部の押し
上げでリング状厚肉部３が第３図に示すように上
方や横方向に引張られて端子ピン２の外面との間
にすき間が生じ、このすき間からの水の侵入で短
絡事故をおこしたり内部機器の故障を招いたりし
てしまう。

本発明は、以上の点を考慮し、充電アダプター
の接続取外しが容易である上に防水部材の劣化や
破損を早期にきたすことがなく、防水効果を確実
に且つ長期にわたり維持できるプラグスイツチ内
蔵機器の防水構造を提供することを目的とするも
のである。

以下本発明を図示実施例に基いて詳述する。

図示した小型電気機器は使用後の水洗を行なえ
るようにした電気かみそりであつて、この電気か
みそりから説明すると、負荷Ｌであるモータ及び
蓄電池Ｂが収納されるハウジング１１は有底筒状
であつて上端開口にはシールゴム２１を介して刃
取付台２２が取付けられている。この刃取付台２
２はその上面中央に駆動子２３の上部を上方に突
出させているとともに駆動子２３と内周との間に
駆動子２３の往復動を自在としつつ防水を行なう
シール用防水ゴム２４を有している。２５は外刃
フレーム、２６は駆動子２３の上部に装着されて
外刃２７の内面に摺接する内外ブロツク、２８は
トリマーであり、このトリマー２８はハウジング
１１の外面に摺動自在とされたハンドル２９を押
し上げることで回転して先端刃部が突出し且つト
リマー駆動子３０が駆動子２３の上部と係合する
ものである。３１はメインスイツチ釦であり、防
水ブロツク３２を介してメインスイツチMSをオ
ンオフさせる。尚、駆動子２３はモータＬの出力
軸に設けた偏心回転軸３３の回転を往復動に変換
するものである。

ハウジング１１の下端に設けた下方に開口する
凹所１２内には一対の端子ピン２，２が突出す
る。この両端子ピン２，２は基端がプリント基板
１４に固定されたものであり、モータＬ及び蓄電
池Ｂの位置決め保持用の基台１７にプリント基板
１４も取付けることで保持されている。また可動
接点板８もこの基台１７に設けた第４図に示すと
ころの突起３４によつて位置決めされている。
尚、この可動接点板８は一端がプラグスイツチ
PS用、他端がメインスイツチMS用となつてい
る。プリント基板１４上面には固定接点板１６が
設けられ、一端には充電中表示用の発光ダイオー
ドLEDが取付けられている。３５は透光性防水
キヤツプである。

防水部材１は第６図にも示すように外周縁が厚
肉部１８とされてこの厚肉部１８がプリント基板
１４とハウジング１１の凹所１２の上面との間で
挾持されることで配設されるものであり、リング
状厚肉部３で囲まれた一対の挿通孔１９，１９を
有するとともに厚肉の突部４が上面に設けられて
いて、これらの厚肉部を除く他の部分は全て薄肉
で形成され、しかも突部４のまわりにおいては突
部４の移動量を見込んだ長さｌで下方に円錐状と
なるように屈曲された環状の屈曲薄肉部５とされ
ている。この屈曲薄肉部５は第７図に示すように
蛇腹状としてもよい。またリング状厚肉部３もそ
の内周面に端子ピン２の外周面に接するリング部
１０を上下二段に設けてある。

以上のように構成された防水部材１は各挿通孔
１９に端子ピン２を挿通した状態で前述のように
配設されて、凹所１２の底面に設けた挿通孔１３
に突部４の下端部が嵌入するものであり、この状
態では突部４は可動接点板８に接することがな
く、プラグスイツチPSが閉じている。充電を行
うにあたつて充電アダプター６を凹所１２内にさ
し込めば、充電アダプター６より突設した突起７
が突部４を介して可動接点板８を押し上げ、プラ
グスイツチPSをオフとし、次いで端子ピン２に
通電金具１５が接続される。この突起７による突
部４の押し上げに際しては、突部４の周囲の屈曲
薄肉部５が上方に反転するのみで、リング状厚肉
部３が突部４の押し上げに伴なつて引張られるこ
とは殆んどない。しかもこのリング状厚肉部３は
前述のように端子ピン２に対して上下二段で接す
る一対のリング部１０を有する上に、端子ピン２
の基部に環状リブ９を設けてこの環状リブ９が上
段のリング部１０の上縁に接してハウジング１１
との間でリング状厚肉部３を端子ピン２の上下の
軸方向に圧縮しているために、上下のずれがない
のはもちろん、たとえば突起７による突部４の押
し上げに伴なつてリング状厚肉部３が引張られる
ことがあつても、突部４と薄肉部でつながれた上
部が引張られるだけであつて、第９図に示すよう
にこの上部に端子ピン２の環状リブ９が接してい
るので、この環状リブ９との間及び下段のリング
部１０で防水機能は維持されるものである。そし
て充電アダプター６を外せば可動接点板８のばね
力と、防水部材１の屈曲薄肉部５の復元力並びに
突部４の自重でプラグスイツチPSは再びオンと
なる。

以上のように本発明は環状の屈曲薄肉部で囲ま
れた厚肉の突部と、開口縁がリング状の厚肉部と
されている挿通孔とを備えて弾性材にて形成され
ている防水部材を設けて、機器のハウジングで周
縁部が固定される上記防水部材の挿通孔に前記端
子ピンを挿通してリング状の厚肉部を端子ピンの
外周面に弾接させるとともに、プラグスイツチに
おける可動接点板と充電アダプターに設けられた
上記突起との間に、防水部材の上記突部を介在さ
せたものであるから、充電アダプターに設けた突
起で突部を介してプラグスイツチをオフする動作
を繰り返しても防水部材が破損するおそれがなく
て長寿命であるとともに、突部を押し上げるのに
必要な力も小さいので、充電アダプターと端子ピ
ンとの間に必要な結合保持力も小さくてすむもの
であつて、充電アダプターの着脱も容易に且つス
レースに行なえて使い勝手がよいものであり、更
には突部を押し上げた際にも屈曲薄肉部の存在に
よつて端子ピンと接するリング状厚肉部に強い引
張り力が作用することがなく、確実なシール性能
を得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はプラグスイツチの機能を示す回路図、
第２図及び第３図に本発明の前提となる防水構造
を示す断面図、第４図は本発明一実施例を備えた
水洗型電気かみそりの縦断面図、第５図は同上の
部分横断面図、第６図ａ，ｂは同上に用いる防水
部材の平面図及びＡ−Ａ線断面図、第７図は防水
部材の他例を示す断面図、第８図ａ，ｂ及び第９
図は同上の作用を示す断面図であつて、１は防水
部材、２は端子ピン、３はリング状厚肉部、４は
突部、５は屈曲薄肉部、６は充電アダプター、７
は突起、８は可動接点板、９は環状リブ、１０は
リング部、１９は挿通孔を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 充電アダプターに接続される端子ピンをハウ
   ジングから突出させているとともに、充電アダプ
   ターに設けられた突起によつて駆動されるプラグ
   スイツチを内蔵した機器において、環状の屈曲薄
   肉部で囲まれた厚肉の突部と、開口縁がリング状
   の厚肉部とされている挿通孔とを備えて弾性材に
   て形成されている防水部材を設けて、機器のハウ
   ジングで周縁部が固定される上記防水部材の挿通
   孔に前記端子ピンを挿通してリング状の厚肉部を
   端子ピンの外周面に弾接させるとともに、プラグ
   スイツチにおける可動接点板と充電アダプターに
   設けられた上記突起との間に、防水部材の上記突
   部を介在させていることを特徴とするプラグスイ
   ツチ内蔵機器の防水構造。