JPS6231299Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、運転者の要求に応じて変速操作レ
バーの位置調整をし得るとともに、変速機、コン
トロールロツド、変速操作レバーの製作誤差や組
付誤差を吸収し得る自動車の変速操作レバーの位
置調整装置に関する。詳細には、ドライバーの運
転姿勢や体格に合わせるべく、変速操作レバーの
中立状態（ニユートラル位置）を位置調整できる
ようにするとともに上記誤差に起因して上記変速
操作レバーの中立状態が一方向に傾斜するのを防
止して正規の位置とできるよう、誤差吸収を行な
い得るようにした上記位置調整装置に関するもの
である。

従来、この種の自動車の変速操作レバー位置調
整装置としては、円弧状アームに設けた複数の支
点としての調節穴の一つを選択して変速操作レバ
ーの支点とすることによつて、変速操作レバーの
位置を調整し得るようにしたものが提案されてい
る（実開昭49−91919号）。

しかしながら、上記変速操作レバー位置調整装
置は、変速操作レバーの支点を変えうるよう複数
の調整穴を有したアームが必要であるため大型に
なるという欠点があるとともに、調整穴を選択し
てアームと変速操作レバーとをピンで連結すると
いう作業で位置調整を行なうものであるため作業
性が悪く、また、アームの軸心方向に対する位置
調整は許容できるものの車体左右方向に対して許
容できず、誤差吸収という面でも問題があつた。

そこで、この考案は、変速機を変速操作するコ
ントロールロツドに連結された変速操作レバーの
ボール部を円筒状のホルダにそのホルダの中心に
対して所定量偏心させて首振り自在に支持すると
共に、上記ホルダを支持体に回転位置調整自在に
嵌挿して保持することにより、上記ホルダの回転
位置を調整して変速操作レバーのボール部を変位
させて、変速操作レバーの位置を任意に調整し得
る上に、アームを用いずに、変速操作レバーのボ
ール部を円筒状ホルダに偏心して支持することに
より、小型化し得るとともに、回転での位置調整
としているためいずれの方向においても誤差吸収
が可能とされ、かつ、その位置調整作業も簡単に
行ない得る自動車の変速操作レバー位置調整装置
を提供することを目的としている。

以下、この考案をフロントエンジンフロントド
ライブの自動車に適用した図示の実施例により詳
細に説明する。

第１，２図に示すように、車体フロア１にフラ
ンジ付円筒形状の外金具２を固定し、この外金具
２の内側にチエンジマウントラバー３を介して円
筒形状の支持体４を嵌合する。上記支持体４の下
端は、エンジン５に連結したエクステンシヨンバ
ー６に固定したプレート７に固定して、上記支持
体４をエンジン５の振動に同期させる。

上記支持体４内には、円筒状のホルダ１１を回
転自在に嵌合する。上記ホルダ１１は、支持体４
内に摺動自在に嵌合する円筒状のボールシートホ
ルダ１２と、そのボールシートホルダ１２内の回
転不自在に嵌合され、球面軸受１３を形成する樹
脂製偏心ボールシート１５，１６とからなる。上
記ボールシートホルダ１２の上端部に設けた外鍔
１７を、支持体４の上端に当接させる。さらに、
ボールシートホルダ１２の上端部外周に設けた環
状溝１８に、支持体４に固定したスクリユ１９を
嵌合して、支持体４からのボールシートホルダ１
２の抜け止めをする。また、上記ボールシートホ
ルダ１２の上端には、上下方向へ撓みうる弾性を
有する調整レバー２１の一端を固定して、調整レ
バー２１でボールシートホルダ１２を回転し得る
ようにする。一方、上記支持体４の上端部の外周
に、上方にＵ字状溝２２を有する位置決めゲート
２３を一定間隔をおいて立設して、その位置決め
ゲート２３のＵ字状溝２２に調整レバー２１を嵌
合して、上記ホルダー１１を一定の回転位置に固
定し得るようにする。すなわち、調整レバー２１
と位置決めゲート２３で支持体４に対するボール
シートホルダ１２の回転を規制する規制手段が構
成されている。

上記下方の偏心ボールシート１６の下端は、ボ
ールシートホルダ１２の下端に設けた内鍔２５の
上端に当接させる一方、上方の偏心ボールシート
１５の上端と、ボールシートホルダ１２の上端に
設けた内鍔２６との間に、コイルスプリング２７
を縮装して、偏心ボールシート１５，１６を下方
に押圧し固定している。

上記偏心ボールシート１５，１６の形成する球
面軸受１３の中心Ｘは、ホルダ１１の中心Ｙに対
して偏心量ｅだけ偏心させ、この球面軸受１３に
変速操作レバー３１のボール部３２を首振り自在
に支持する。したがつて、変速操作レバー３１の
ボール部３２は、ホルダ１１の中心Ｙに対して偏
心量ｅだけ偏心する。

上記変速操作レバー３１の下端は、変速機３５
を変速操作するコントロールロツド３６の一端に
回転自在に連結する。

上記構成の自動車の変速操作レバー位置調整装
置において、ホルダ１１を調整レバー２１で回転
させると、ボールシートホルダ１２および偏心ボ
ールシート１５，１６が共に回転する。このとき
偏心ボールシート１５，１６の球面軸受１３の中
心Ｘがホルダ１１の中心Ｙに対して偏心している
ため、変速操作レバー３１のボール部３２が車体
の前後左右方向いずれの３向にも移動して、変速
操作レバー３１の位置が調整される。つまり、変
速レバー３１は、そのボール部３２の移動によ
り、コントロールロツド３６との結合点Ｏを中心
に回動し、位置が調整されるのである。また、上
記ホルダ１１の回転位置は、適宜に選択した位置
決めゲート２３のＵ字状溝２２に調整レバー２１
を上方に湾曲させて嵌合して、選定でき、かつ、
確実に固定できる。したがつて、変速操作レバー
３１の位置を自在に調整でき、かつ、確実に設定
できる。

上記エンジン５に連結した変速機３５の変速操
作は、従来と同様に変速操作レバー３１を首振り
動作させて、コントロールロツド３６をシフトま
たはセレクトして行なえる。

また、この自動車の変速レバー位置調整装置
は、支持体４をエクステンシヨンバー６でエンジ
ン５に連結して、支持体４をエンジン５および変
速機３５の振動等に同期させているから、変速操
作レバー３１のシフト位置がエンジン５の振動等
で移動することがない。なお、このエクステンシ
ヨンバー６を採用した場合、コントロールロツド
３６との長さ関係の誤差及び変速機３５、支持体
４に対する組付誤差があると、ニユートラル状態
で変速操作レバー３１が車体左右方向に傾斜する
が、上記したように上記位置調整装置でこの誤差
も吸収できる。

上記実施例はフロントエンジンフロントドライ
ブ方式の自動車に適用した例であるが、この考案
はフロントエンジンリヤドライブ方式の自動車に
も適用できることは勿論である。

以上の説明で明らかなように、この考案の自動
車の変速操作レバーの位置調整装置は、変速機を
変速操作するコントロールロツドに連結された変
速操作レバーのボール部を円筒状のホルダにその
ホルダの中心に対して所定量偏心させて首振り自
在に支持すると共に、上記ホルダを支持体に回転
位置調整自在に嵌挿して保持しているので、上記
ホルダの回転位置を調整して、変速操作レバーの
ボール部を変位させて、変速操作レバーの位置を
簡単に任意に調整できる。また、アームを用いず
に、変速操作レバーのボール部を円筒状ホルダに
偏心して支持しているので、小型化でき、かつ、
いずれの方向にも位置調整ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の１実施例の縦断面図、第
２図は上記実施例の平面図である。 ４……支持体、１１……ホルダ、３１……変速
操作レバー、３２……ボール部、３５……変速ギ
ヤ、３６……コントロールロツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 変速機を変速操作するコントロールロツドに連
   結された変速操作レバーと、この変速操作レバー
   のボール部を首振り自在に支持する円筒状のホル
   ダと、このホルダを保持する支持体とから成り、 上記ホルダは、支持体に対し回転可能に嵌合さ
   れているとともに、支持体に対するホルダの回転
   を規制する規制手段が設けられており、上記変速
   操作レバーはボール部がホルダの中心に対して所
   定量偏心して支持されていることを特徴とする自
   動車の変速操作レバーの位置調整装置。