JPS623029B2

JPS623029B2 -

Info

Publication number: JPS623029B2
Application number: JP52073685A
Authority: JP
Inventors: Tatsuo Okazaki
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1977-06-21
Filing date: 1977-06-21
Publication date: 1987-01-22
Also published as: JPS548341A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は、内歯歯車に回転子に軸支した遊星
歯車を噛合し、該遊星歯車に太陽歯車を噛合させ
た遊星歯車機構を具備する無段変速機構に関する
ものである。

この種の無段変速機構において、変速比コント
ロールに流体を用いたものは知られている（実公
昭18−9141号公報参照）。この構成における最大
の欠陥は、高速性能を得る時点で、遊星歯車の自
転・公転が最大となり、ギヤ音が烈しく、伝動効
率が低いという点である。とくに、自転車など、
高速状態での走行頻度が一番高いものでは、こゝ
での伝動効率がほぼ、100％であることが望まれ
るわけで、この無段変速機構をそのまゝ採用する
ことは、実用性がないのである。

そこで、本発明は、高速状態ではほぼ100％の
伝動効率を維持し、しかも、円滑な無段変速が達
成されるように遊星歯車機構にポンプ構造を組込
んだ無段変速装置を提供しようとするものであ
る。

この目的のため、本発明は、太陽歯車に、回転
方向にポンプ室を仕切るように構成した回転ポン
プ素子を連結すると共に、遊星歯車を軸支した回
転子内部にポンプ室およびその吐出側と流入側と
を連通する循環流路を形成し、上記循環流路に絞
り弁機構を設け、上記絞り弁機構を全閉より全開
まで外部より操作制御する構成にし、上記回転子
を入力部とし、内歯歯車を出力部とすることを特
徴とするものである。

以下、この発明を図示の実施例に基づいて具体
的に説明する。図において、符号１は自転車の後
車輪２に一体的に装備された内歯歯車で、該内歯
歯車１には、複数個、例えば三個の遊星歯車３が
噛合されている。上記遊星歯車３を軸４によつて
軸支した回転子５は、上記内歯歯車１と同軸心で
回転自在に支承されていて、その構造は四枚のジ
スク形ハウジング６，６ａ，７および８からな
り、四者はビス９および９ａで互いに連結固定さ
れている。上記ハウジング６にはボス部１０が一
体に形成してあり、該ボス部１０には一方向クラ
ツチ１１を介して、自転車の従動側スプロケツト
ホイール１２が嵌装されている。

上記ハウジング６および６ａの間に前記遊星歯
車３が位置し、これら遊星歯車３は太陽歯車１３
に噛合されている。上記太陽歯車１３のボス部
は、ハウジング６ａを貫通して、ハウジング６ａ
および７の間に延びていて、こゝに配設した回転
ポンプ素子１４と一体に構成されている（別部材
で構成し連結してもよい）。上記回転ポンプ素子
１４は太陽歯車１３と同軸心の円盤状回転体１５
に放射方向に向けてスライド溝１６を複数個、例
えば12個形成し、該スライド溝１６内にスプリン
グ１７によつて遠心方向に弾持されたベーン１８
を摺動自在に嵌挿したもので、該回転ポンプ素子
１４を収容するポンプ室１９は長円形をなし、互
いに円等分角で、通口２０を備え、該通口２０を
介して、ハウジング７および８の間に形成された
油室２１に連通している。上記ポンプ室１９を経
由して互いに連通されない油室相互は、絞り弁機
構２２を介して互いに連通され、全体として、回
転子５内に循環流路を形成している。そして、こ
の循環流路には制御オイルが充填されている。

該絞り弁機構２２は、回転ポンプ素子１４の回
転の軸線に平行な方向に延びる円柱状弁室２３を
上記ハウジング７に形成し、該弁室２３に対して
前記油室２１を連通する通口２４を備えると共
に、上記弁室２３に液密に軸方向摺動する筒状弁
体２５を嵌挿し、該弁体２５に環状通路２６を形
成し、かつ頭部２７をハウジング８を貫通して外
方に突出させ、かつこの外方に向けて、スプリン
グ２８により上記弁体２５を弾持したものであ
る。上記頭部２７はスラストベアリング２９を介
して環状の制御素子３０に圧接されており、上記
制御素子３０はそのボス部を固定駒３１に螺動自
在に螺合している。上記固定駒３１は、後車輪２
を貫通する（太陽歯車１３および回転ポンプ素子
１４を回転自在に支承する）固定軸３２に設けた
三角形状のブラケツト３３に連結固定されてい
る。また、上記制御素子３０にはアーム３４が取
付けてあり、これにはピン３５によつて変速制御
レバー３６が連結してある。このレバー３６の動
作方向は、制御素子３０を回動させるのに適した
方向である。

また、回転子５にはブレーキドラム３７が一体
に形成してあり、これにはブレーキバンド３８が
巻回してあり、該ブレーキバンド３８を緊張した
り、弛めたりするブレーキ制御素子３９が上記ブ
ラケツト３３に枢支されているのである。

このような構成では、スプロケツトホイール１
２が足踏みペダルの回転操作で回転される時、一
方向クラツチ１１を介して回転力が回転子５に伝
達される。そこで遊星歯車３は内歯歯車１に対し
て公転するのであるが、この時の自転は太陽歯車
１３を介して回転ポンプ素子１４に伝達され、該
ポンプ素子１４の回転でポンプ作用がなされ、一
方の油室２１から通口２０を介してポンプ室１９
へ、更にポンプ室１９から他方の通口２０を介し
て油室２１へと制御オイルを流通させる。この
時、絞り弁機構２２がその通路２６を通口２４に
一致させた状態（第１図の状態）にあると、絞り
弁機構２２は全開であつて、制御オイルはスムー
スに油室２１から絞り弁機構２２を介して相隣る
油室２１に流れる。このため、回転ポンプ素子１
４にかゝる絞り弁機構２２の流通抵抗は最小とな
る。しかして、この流通抵抗に見合つた回転力が
内歯歯車１に加わり、低速で後車輪２を強制回転
させるのである。

速度を上昇させるには、変速制御レバー３６を
操作し、制御素子３０を螺動してスラストベアリ
ング２９を介して、弁体２５の頭部２７の押圧力
を弱める。これによつて弁体２５がスプリング２
８によつて押し出され、弁室２３内で摺動し、通
路２６と通口２４との重なりを減少させるので、
こゝでの流通量が少くなる。このため、制御オイ
ルの流通抵抗が増大し、遊星歯車３の自転量が減
少し、その分、内歯歯車１の公転量が増すのであ
る。絞り弁機構２２がブロツクされると、すなわ
ち、通路２６と通口２４との重なりが全くなくな
ると、流通抵抗は無限大となり、回転ポンプ素子
１４は回転しなくなり（これは回転子５に対して
の相対的回転を意味する）、遊星歯車３は自転を
やめ、内歯歯車１と一致した公転となる。換言す
れば、内歯歯車１は回転子５と一緒に回転する。

なお、ペタルの足踏みをやめても、一方向クラ
ツチ１１が従動スプロケツトホイール１２と回転
子５との間に介在されているので、回転子５から
上記スプロケツトホイール１２には回転が伝わら
ない。

変速制御レバー３６を逆に操作すれば、スプリ
ング２８の働きで弁体２５が摺動し、絞り弁機構
２２を全開に戻す。

また、ブレーキ制御素子３９を働かせてブレー
キバンド３８を緊張すると、回転子５の回転が停
止されるので、内歯歯車１の回転により遊星歯車
３は自転し、回転ポンプ素子１４を働かせる。

しかして、絞り弁機構２２の流通抵抗が内歯歯
車１を停止させるように働き、あたかもエンジン
ブレーキのような制御効果を発揮する。従つて、
急制動を要する時は、絞り弁機構２２を全閉方向
に操作すればよい。

この実施例では、回転ポンプ素子としてベーン
式のポンプ構造を採用したが、トロコイドロータ
ーやサイクロイドギヤポンプの構造を採用しても
よいこと勿論である。

また、この実施例では回転子を入力側、内歯歯
車を出力側に連結したが、逆の入出力配置として
もよいこと勿論である。

この発明は、以上詳述したように、内歯歯車に
回転子に軸支した遊星歯車を噛合し、該遊星歯車
に太陽歯車を噛合させた遊星歯車機構を具備する
無段変速装置において、上記太陽歯車に、回転方
向にポンプ室を仕切るように構成した回転ポンプ
素子を連結すると共に、上記回転子内部にポンプ
室およびその吐出側と流入側とを連通する循環流
路を形成し、上記循環流路に絞り弁機構を設け、
上記絞り弁機構を全閉から全開まで外部より操作
制御する構成にし、上記回転子を入力部とし、内
歯歯車を出力部としたので、これを例えば自転車
などに応用し、内歯歯車に後車輪を一体に装備
し、ペダルの駆動力を回転子に伝達するようにし
て使用する場合には、絞り弁機構の開度を操作し
て最大速度比を得る時に、最高の伝動効率（約
100％）を得ることができ、速度の高い状態での
走行頻度の高い自転車などの乗物を活用する時高
い性能を発揮できるものである。しかも、ポンプ
構造が内部に組込まれる点で、小型化が容易であ
る（固定的なポンプハウジングを必要としな
い）。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を自転車に採用した実施例を
示す縦断側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線矢視
図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線矢視図、第４図は
第１図のＣ−Ｃ線矢視図である。１……内歯歯車、３……遊星歯車、４……軸、
５……回転子、１３……太陽歯車、１４……回転
ポンプ素子、１５……回転体、１６……スライド
溝、１８……ベーン、１９……ポンプ室、２０…
…通口、２１……油室、２２……絞り弁、２４…
…通口、２５……弁体、２６……環状通路。

Claims

【特許請求の範囲】

１内歯歯車に回転子に軸支した遊星歯車を噛合
し、該遊星歯車に太陽歯車を噛合させた遊星歯車
機構を具備するものにおいて、上記太陽歯車に、
回転方向にポンプ室を仕切るように構成した回転
ポンプ素子を連結すると共に、上記回転子内部に
ポンプ室およびその吐出側と流入側とを連通する
循環流路を形成し、上記循環流路に絞り弁機構を
設け、上記絞り弁機構を全閉から全開まで外部よ
り操作制御する構成にし、上記回転子を入力部と
し、内歯歯車を出力部とすることを特徴とする無
段変速装置。