JPS6230133Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は硬貨払出装置のコインチユーブに関す
る。

〔従来の技術〕

自動販売機に使用されている硬貨払出装置は釣
銭用のコインチユーブを複数具備しており、釣銭
時に所定のコインチユーブ内に貯留されている硬
貨を所定数逐次払出すようになつている。しかし
ながら、払出装置のスペースの関係上コインチユ
ーブを長くしたり、或いは多数並設することがで
きず、しかも、コインチユーブ内の貯留硬貨が空
にならないようにするには硬貨選別機からの自動
補給だけではどうしても不足するので補助装置か
ら硬貨を補充することが必要である。

従来の硬貨払出装置は第１図に示すようにコイ
ンチユーブ３の所定のコインチユーブ３Ａ内の貯
留硬貨が一定枚数以下になると、補助チユーブ５
に貯留させてある硬貨を払出装置６により硬貨通
路７を通して当該コインチユーブ３Ａの上方開口
部３Ａから補充するようにしている。このため、
補助チユーブ５及び払出装置６をコインチユーブ
３の開口部３ａよりも高い位置に配設しなければ
ならず、限られたスペース内ではどうしても補助
チユーブ５の長さを短かくせざるを得ない。この
ため、補助チユーブ５内の硬貨貯留量が少なくな
つてしまう。

そこで、第２図に示すように補助チユーブ８を
長くするためには、どうしてもコインチユーブ３
Ａの途中の所定高さ位置に硬貨導入口３ｃを設
け、この導入口３ｃから硬貨を補充することが必
要となる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このような途中補充を行う場合、第３図に示す
ようにコインチユーブ３Ａに単なる横穴式の硬貨
導入口３ｃを形成すると、チユーブ内の硬貨がこ
の導入口３ｃの部分で横ブレ（矢印Ａ方向）して
不揃いとなり易い。このような不揃いの状態のと
きに、選別装置２（第２図）から選別された硬貨
が当該チユーブ３Ａ内に落下し、例えば図示のよ
うに重なるとこの部分において硬貨が詰り易くな
り故障の原因になる。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案は上述の点に鑑みてなされたもので、コ
インチユーブの適宜の高さ位置にチユーブの前面
からこのチユーブの中心に向い且つ下方向に急傾
斜させて硬貨厚よりもやや幅広のスリツトを開口
形成し、このスリツト開口部に硬貨補給通路を連
設し、コインチユーブ内の当該スリツト開口部に
おける硬貨の横ブレを防止するようにした硬貨払
出装置のコインチユーブを提供するものである。

〔実施例〕

以下本考案を添附図面の一実施例に基づいて詳
述する。

第４図において、カセツト式コインチユーブ１
０はフロントカバー２０、フロントチユーブ３
０、リアチユーブ４０、コインベース５０及びペ
イアウトスライド６０等で構成されており、フロ
ントチユーブ３０とリアチユーブ４０とによりコ
インチユーブ１０Ａ〜１０Ｄを形成し、フロント
カバー２０とフロントチユーブ３０との間に硬貨
補充通路２２、返却硬貨通路２３、硬貨途中補充
部２４，３４（第５図）等を形成してある。コイ
ンベース５０はコインチユーブ１０の下部１０ｂ
に硬貨の厚みよりも僅かに大きい寸法のギヤツプ
を隔ててネジ７０で取付けられており、各コイン
チユーブ１０Ａ〜１０Ｄ内の貯留硬貨を指示す
る。

ペイアウトスライド６０は各コインチユーブ１
０Ａ〜１０Ｄ内の貯留硬貨の中で最下部にある硬
貨１００（第６図に鎖線で示す）をコインチユー
ブ外に引出すためのもので、硬貨と同じ板厚を有
し、且つ各コインチユーブ１０Ａ〜１０Ｄと対応
した硬貨引出し用の孔６０Ａ〜６０Ｄが設けられ
ている。このペイアウトスライド６０を各コイン
チユーブ１０Ａ〜１０Ｄとコインベース５０間に
介挿し孔６１，６２を介して硬貨払出装置（図示
せず）に連結し、矢印Ａ方向に所定距離移行させ
て各孔６０Ａ〜６０Ｄ内にある硬貨を各コインチ
ユーブ１０Ａ〜１０Ｄから外方に引出すようにな
つている。

そして、このカセツト式コインチユーブ１０は
両側部１０ｃ，１０ｄの略中央部及び下部所定位
置に設けた係止部４０，４１及び４２，４３（第
５図）を介して前記硬貨払出装置に着脱自在に取
付け得るようになつている。このカセツト式コイ
ンチユーブ１０を前記硬貨払出装置に装着した状
態において、硬貨補充通路２２の導入口２２ａが
この硬貨払出装置の補助用チユーブ（図示せず）
に接続されるようになつている。

フロントカバー２０とフロントチユーブ３０と
は係止部２１，３１を介して着脱自在に装着し得
るようになつており、フロントチユーブ３０側の
所定のコインチユーブ例えばコインチユーブ１０
Ｂの前面略中央部には補充硬貨導入部３４（第５
図）が設けられている。この導入部３４の開口部
３４ａの上縁部３４ｂ、下縁部３４ｃは夫々斜上
方、斜下方向（第５，６図）に向けて形成してあ
る。そして、開口部３４の略中央部３４ｄ（第６
図）の部分のみが横方向に開口している。

一方、フロントカバー２０には導入部３４に対
向する位置に硬貨導入部２４が設けられている。
この導入部２４は導入部３４内に嵌挿し得るよう
に突出して形成されており、導入口２４ａは平面
視半円状をなし、その上縁部はチユーブ前面から
このチユーブの中心に向かつて下方向に急傾斜し
た傾斜面２４ｂに繋がつている。また、開口部２
４の下縁部２４ｃは前面斜下方向（第６図）に伸
びている。尚、開口部２４ａの内径はコインチユ
ーブ１０Ｂの内径と同一になつている。

さて、フロントチユーブ３０にフロントカバー
２０を係止部２１，３１を介して装着し、フロン
トチユーブ３０の硬貨導入部３４内にフロントカ
バー２０の硬貨導入部２４を嵌装する。この状態
においてはこれらの硬貨導入部２４，３４は第６
図に示すようになつている。

コインチユーブ１０Ｂ内の貯留硬貨が導入部３
４の高さ以上（第６図の鎖線で示すコイン１０３
の位置以上）にある場合には硬貨の途中補充は行
なわない。コインチユーブ１０Ｂ内の硬貨の高さ
が開口部３４ａの上縁部３４ｂまたは下縁部３４
ｃの位置にある場合には、これらの各位置にある
硬貨１０１，１０２または１０３，１０４（第６
図に鎖線で示す）等は当該コインチユーブ１０Ｂ
の内壁面により開口部３４ａ方向（矢印Ｂ方向）
への横ブレが抑止される。

また、コインチユーブ１０Ｂ内の硬貨高さが開
口部３４ａの中間位置３４ｄ附近にある場合に
は、この位置にある硬貨１０５，１０６（第６図
に鎖線で示す）等は開口部２４ａの内面２４a′に
より矢印Ｂ方向への横ブレが抑えられる。

従つて、コインチユーブ１０Ｂの硬貨導入部３
４近傍におけるチユーブ内硬貨の導入開口部３４
方向への横ブレを完全に抑えることができる。

コインチユーブ１０Ｂ内の貯留硬貨が減少して
所定の高さ位置になると、前述した補助チユーブ
８から硬貨通路７（第２図）を通つて補充用硬貨
１１０が送出される。この補充硬貨１１０は硬貨
補充通路２２内に導かれ、斜面２５を滑動降下
し、導入部２４の傾斜面２４ｂで方向を変え、こ
の傾斜面２４ｂ上を滑動降下し、開口部２４ａ，
３４ａを通してコインチユーブ１０Ｂ内に導入さ
れる。このようにして、所定数の硬貨を逐次コイ
ンチユーブ１０Ｂ内に補充する。こうして所定数
の硬貨を補充する。

尚、本実施例においては、コインチユーブを形
成するフロントカバーとフロントチユーブ間に硬
貨導入部を設けた場合について記述したが、これ
に限るものではなく、第７図に示すようにコイン
チユーブ２００の所定の高さ位置にチユーブ前面
２００ａからチユーブ中心に向い、且つ下方に急
傾斜させて硬貨厚よりもやや幅広のスリツト２０
１を形成し、このスリツト２０１の開口部２０１
ａに硬貨補給路２０２を連設するようにしてもよ
い。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、コインチ
ユーブに設けた硬貨補充用の開口部において当該
チユーブ内の貯留硬貨の開口部方向への横ブレを
完全に抑え、且つ硬貨の途中補充を極めて円滑に
行なうことができるため、チユーブ内における硬
貨のつまり等による故障を防止し、しかも、補助
チユーブを長くすることができるため多量の釣銭
用硬貨を用意することができる等の優れた効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は硬貨選別装置のコインチユー
ブと補助チユーブとの関係を示す説明図、第３図
は第２図に示すコインチユーブの硬貨導入部にお
ける硬貨の横ブレによる硬貨詰りの一例を示す説
明図、第４図及び第５図は本考案に係る硬貨払出
装置のコインチユーブの一実施例を示す説明図、
第６図は第４図の組立断面図、第７図は本考案の
他の実施例を示す要部説明断面図である。 １０……硬貨払出装置のコインチユーブ、２０
……フロントカバー、３０……フロントチユー
ブ、４０……リアチユーブ、５０……コインベー
ス、６０……ペイアウトスライド、２４，３４…
…硬貨導入部、２００……コインチユーブ、２０
２……補充硬貨通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コインチユーブ途中より硬貨を補給する硬貨払
   出装置において、チユーブの適宜高さ位置にチユ
   ーブ側壁の肉厚を利用して下方に傾斜した硬貨厚
   よりやや幅広のスリツトを形成し、このスリツト
   の開口部に硬貨補充通路を連設したことを特徴と
   する硬貨払出装置のコインチユーブ。