JPS62297538A - 密封軸受 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ３、発明の詳細な説明 （産業上の利用分野） この発明は高清浄度雰囲気あるいは真空中において使用
する機器、装置の軸部に用いられる密封軸受に関するも
のである。

（従来の技術） 例えば、磁気ディスクやその他のコンピュータ関連機器
の使用雰囲気には高い清浄度が要求される。したがって
、これら機器の駆動スピンドルの軸受部に用いられる軸
受は、潤滑剤による油の飛散や揮発油分の発生を極力抑
えられる密封構造とすることが要求される。

ところで、従来のこの種の軸受としては、軸受内に封入
した潤滑グリースが外輪に固定した接触形もしくは非接
触形の通常のシールによって密封される構造とされたも
のが一般的であるが、この構造のものでは密封性が十分
でなく、封入グリースの蒸発油分や飛散油分が軸受外部
に発生して、使用雰囲気を汚染してしまうという問題が
ある。

さらに、接触形のシールを使用したものにおいては、該
シールと内輪との接触部に摩耗粉が発生して、これが軸
受外部に飛散し、やはり使用雰囲気を汚染してしまう。

この点に関して、近時、高い清浄度が要求される使用雰
囲気に特に適した軸受として、上記通常のシールに替え
て磁性流体シールが使用された構造のものが種々発明さ
れており、その−例を第８図に示す。

該軸受は固定側の外輪ａに磁性流体シールｂが固定され
、該磁性流体シールｂは、両側面が異極とされた環状の
永久磁石Ｃと上記両側面に密着された一対の円板状のヨ
ークｄ、ｅとを備えてなり、該ヨークｄ、ｅの内周縁と
回転側の内輪ｆとの間の磁場に磁性流体が保持される構
造とされている。

この構造のものは、上記通常のシールを備えたものに比
較して密封性にすぐれるとともに、摩耗粉の発生もない
。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、このような構造の軸受においても、以下
に述べるような問題があり、その改良が要望されている
。

すなわち、上記磁性流体シールｂは、ヨークｄ、Ｃの内
周縁と内輪ｆとの間の間隙が固定的であり、しかもその
間隙寸法が０．１〜０．３　ｌｌＩと微小であるため、
シャフトの偏心に伴って内輪「も偏心した場合、該内輪
ｆが上記ヨークｄ、ｅの内周縁に接触して（第８図二点
鎖線参照）、この部位の密封性を損なうとともに、この
部位の接触抵抗による回転トルクの増大、摩耗粉の発生
等の不具合を生じてしまう。

（問題点を解決するための手段） 本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであ
って９本発明の密封軸受は、軸受軸方向の両側にシール
部が設けられるとともに、軸受内部に潤滑グリースが封
入されてなる密封型のものであって、前記両シール部の
うち少なくとも一方が磁性流体シールとされ、該磁性流
体シールが、一方の軌道輪に固定された環状シール体と
、該シール体および他方の軌道輪に設けられたシール溝
の間の磁場に保持された磁性流体とからなり、前記シー
ル体が、芯金および弾性体からなるシール本体と、該シ
ール本体の自由側端縁部分に一体的に設けられた磁石リ
ングとからなり、前記シール本体における磁石リングの
半径方向固定側部分に、該磁石リングの軸方向および／
もしくは半径方向への移動を許容する弾性変形許容部が
設けられるとともに、前記自由側端縁部分に磁石リング
と前記シール溝との間隙を一定寸法に保つための位置決
めリップが設けられているこλを特徴とする。

また、前記弾性変形許容部と位置決めリップは前記弾性
体の一部からなる。

（作用） 軸受軸方向の両側のシール部のうち、少なくとも一方、
つまり使用雰囲気に高い清浄度が要求される側のシール
部は磁性流体シールであり、この部位の高い密封性が確
保されるとともに、摩耗粉の発生が防止される。

磁性流体シールを構成するシール体は、シール本体の自
由側端縁部分に磁石リングを一体的に設けてなり、該磁
石リングと回転側の軌道輪のシール溝との間に強い磁場
勾配が生じて、この磁場に磁性流体を保持する。

シール本体における磁石リングの半径方向固定側部分に
弾性変形許容部が設けてあり、該弾性変形許容部の弾性
変形（屈曲）作用により、磁石リングの軸方向および／
もしくは半径方向への移動を許容して、該磁石リングを
回転側の軌道輪の移動に追従させる。

シール本体の自由側端縁部分に位置決めリップが設けら
れており、該位置決めリップは回転側の軌道輪のシール
溝に摺接状に当接して、磁石リングと上記シール溝との
間隙を一定寸法に保つ。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基いて説明する。

実施例１ 本発明に係る密封軸受を第１図に示し、該密封軸受は具
体的には密封型玉軸受であって、内輪１と外輪２との間
に転動体（ボール）３・・・が介装されるとともに、該
ボール３・・・が保持″１５４のポケット穴４ａ・・・
内に保持されて、軸受円周方向へ等間隔に配設されてい
る。また、上記内外輪１．２の軸方向両側にはシール部
５．６がそれぞれ設けられるとともに、該シール部５．
６と内外輪１．２とにより形成される軸受内部に、ＫＡ
滑剤として潤滑グリースが封入されている。

内輪１、外輪２及びボール３・・・は強磁性材から形成
され、例えばＳＵＪ　２等の軸受鋼が構成材料として使
用れれる。なお、上記外輪２およびボール３はセラミッ
クや非磁性鋼などの非磁性材で形成されてもよい。

上記シール部５．６は軸受の密封性を保持するもので、
一方のシール部５　（第１図において左側）が従来周知
の非接触形シールとされるとともに、他方のシール部つ
まり使用雰囲気に高い清浄度が要求される側のシール部
６が磁性流体シールとされている。

非接触形シール５は環状のもので、芯金７とゴム等の弾
性体８とが一体に形成されてなり、その外径側縁部５ａ
が外輪２の内径面２ａに形成された嵌合溝９に嵌着され
ている。また、上記シール５の内径側縁部５ｂはシール
リップとされ、これが内輪１の外径面１ａに形成された
シール溝１０に非接触状態で臨むようにされて、ラビリ
ンスシールを形成している。なお、上記シールリップ５
ｂおよびシール溝１０の形状は図示のものに限定されず
、その他のラビリンス型非接触シールの形状とすること
が可能である。

磁性流体シール６は、シール体１１と該シール体１１お
よび内輪１のシール溝１２の間の磁場に保持される磁性
流体１３から構成されている。

シール体１１は環状のもので、シール本体１４と磁石リ
ング１５とからなる。上記シール本体１４は鋼板等から
なる芯金１６と、ゴム等の非磁性材からなる弾性体１７
とが一体に形成されてなり、その外径側縁部１４ａが外
輪２の嵌合溝９に嵌着されている。一方、該シール本体
１４の自由（則端縁部分つまり内径側端縁部分１４ｂに
は、第２図に示すように、上記磁石リング１５が一体的
に設けられている。該磁石リング１５と上記シール本体
１４との接合は、接着または弾発的接合（スナツプフィ
ツト）による。

磁石リング１５は断面が矩形状に形成されてなり、内輪
１の外径面１ａに形成された上記環状のシール溝１２内
に臨むようにされている。そして、磁石リング１５の内
径面１５ａが上記シール溝１２の外径面１２ａに非接触
で対向状に近接する円筒面とされるとともに、軸方向内
側面１５ｂがシール溝１２の軸方向外側面１２ｂに非接
触で対向状に近接する平坦面とされている。磁石リング
１５は半径方向に磁化されて、その外径面１５ｃと内径
面１５ａにそれぞれＮ極とＳ極が生じて、互いに異極と
されている。また、上記磁石リング１５の軸方向外側面
１５ｄは弾性体１７により被覆１８されており、これに
より、磁性流体１３の軸方向外側への盛り上がり、およ
び半径方向外側への吸い上がりが防止される構造とされ
ている。

したがって、磁力線は、磁石リング１５のＮ極から内輪
１内を介してＳ極に通じる磁気回路を構成している。ま
た、磁石リング１５の軸方向外側面１５’ｄには、上記
被覆部１８の存在により磁気回路が構成されない。これ
により、磁石リング１５の内径面１５ａおよび軸方向内
側面１５ｂとシール溝１２との間に強い磁場勾配が生し
て、これらの部位に磁性流体１３が集中して保持され、
この部位の密封性を保持する。

なお、上記磁性流体１３は従来周知のもので、例えばマ
グネタイト等の固体強磁性微粉末が非磁性の油性媒体に
コロイド状に含有されてなる。また、軸受内部に封入さ
れる潤滑グリースとしては、上記磁性流体１３の溶媒と
相溶性のないものが使用される。

また、シール本体１４における磁石リング１５の半径方
向固定側部分つまり外径側部分には、弾性変形許容部１
９が設けられている。該弾性変形許容部１つは磁石リン
グ１５の軸方向および／もしくは半径方向への移動を許
容するためのもので、弾性体エフの一部からなり、半径
方向へ直線的に延びる肉薄の板状とされている。　また
、シール本体１４の内径側端縁部分１４ａには、位置決
めリップ２０が設けられている。該位置決めリップ２０
は上記磁石リング１５とシール溝１２との間隙を一定寸
法に保つためのものであって、弾性体１７の一部が軸方
向内側へ延びて形成され、該位置決めリップ２０の先端
が上記シール溝１２の軸方向外側面１２ｂに摺接状に当
接して、磁石リング１５の軸方向内側面１５ｂと上記軸
方向外側面１２ｂとの間隙を所定寸法りに保つ。また、
上記位置決めリップ２０は磁性流体１３と協働して、シ
ール作用もなす。

しかして、以上のように構成された密封軸受においては
、軸受内部に封入された／１′２Ｉ滑グリースが必要個
所を有効に潤滑するとともに、軸方向両側のシール部５
．６によって密封性が確保される。

特に、高い清浄度が要求されるＩｌｌには、磁性流体シ
ール６が配置されており、この部位の密封性はきわめて
高く、潤滑グリースの軸受外部への飛散を完全に防止し
て、使用雰囲気の汚染を防ぐ。

また、シール本体１４における磁石リング′１５の外径
側部分に弾性変形許容部１９が設けてあり、該弾性変形
許容部１９の弾性変形による屈曲作用により、磁石リン
グ１５の軸方向への移動が許容される。

したがって、軸受内部における軸方向の隙間の存在、つ
まりボール３と内外輪１．２の軌道との間の隙間の存在
に起因して、なんらかの原因でシャフトが第１図におい
て右方向に移動し、これに伴って内輪１が外輪２に対し
て右方向に移動した場合、シール本体１４の位置決めリ
ップ２０は上記シール溝１２の軸方向外側面１２ｂに摺
接状に当接して、磁石リング１５の軸方向の位置決め作
用をなす。また、これと同時に、上記弾性変形許容部１
９は、第３図に示すように、弾性変形して磁石リング１
５の軸方向内側面１５ｂと上記シール溝１２の軸方向外
側面１２ｂとの間隙を一定寸法りに保持し、もしくはこ
れらの間の接触圧を最小限に抑えて、この部位の高い密
封性を確保する。

なお、上述の実施例において、磁石リング１５の磁極は
図示例と逆にしても、あるいは軸方向に磁化し、軸方向
内側面１５ｂと外側面１５ｄにそれぞれＮ極とＳ極が生
じるようにしても、同様の効果がＬＭられる。

また、磁性流体シール６を軸受の軸方向両側に配して、
軸方向両側の使用雰囲気に高い清浄度が要求される場合
に適した構造としてもよい。

実施例２ 本例は第４図および第５図に示し、実施例１におけるシ
ール体１１の構造を若干改変したものである。

すなわち、該シール体１１の軸方向の位置決めリップ２
０に代えて、半径方向の位置決めリップ２２が設げられ
ている。該位置決めリップ２２は磁石リング１５の軸方
向内側に形成され、その先端が上記シール溝１２の外径
面１２ａに摺接状に当接して、磁石リング１５の半径方
向の位置決め作用をなす。

このような構造とすることにより、内輪１が半径方向に
偏心した場合においても、第５図に示すように、弾性変
形許容部１９の屈曲によって、磁石リング１５が内輪１
の偏心に対して追従し、内径面１５ａとシール溝１２の
外径面１２ａとの間隙を一定寸法Ｗに保つ。それによっ
て、磁石リング１５の半径方向の適正な位置決めがなさ
れる。

その他の構造および作用は実施例１と同様である。

実施例３ 本例は第６図に示し、実施例１におけるシール体１１の
構造を改変したものである。

すなわち、該シール体１１の軸方向の位置決めリップ２
０に加えて、実施例２と同様の半径方向の位置決めリッ
プ２２が設けられている。

このような構造とすることにより、上述の実施例１およ
び実施例２に比較して、磁石リング１５の内輪１の移動
に対する追従性がさらに増すとともに、磁石リング１５
の軸方向内側面１５ｂと上記シール溝１２の外径面１２
ｂとの間隙のみならず、内径面１５ａとシール溝１２の
外径面１２ａとの間隙をも一定寸法に保つ。それによっ
て、磁石リング１５の軸方向および半径方向双方の適正
な位置決めがなされる。

その他の構造および作用は実施例１と同様である。

実施例４ 本例は第７図に示し、実施例１におけるシール体１１の
構造を若干改変したものである。

すなわち、該シール体１１の磁石リング１５の断面が略
り字形状に形成されている。これにより、磁石リング１
５の軸方向内側部とシール溝１２のの軸方向外側面１２
ｂとの間に断面矩形状の溜部２３が全周にわたって形成
され、ここに磁性流体Ｊ３が溜められるようにされてい
る。

しかして、磁石リング１５により構成される磁気回路に
よって、磁石リング１５の内径面１５ａとシール溝１２
の外径面１２ａとの間、軸方向内側面１５ｂとシール溝
１２の軸方向外側面１２ｂとの間、および溜部２３内に
それぞれ強い磁場勾配が生じて、これらの部位に磁性流
体１３が集中して保持され、実施例１に比較して、磁性
流体１３のシール部分への保持量がさらに増す。

すなわち、溜部２３の存在によりシール部分に保持する
磁性流体１３の増量を図ることができ、よって、使用に
ともなってシール部分の磁性流体１３が経時的に減少し
ても、この減少分を上記溜部２３の磁性流体１３が適宜
補う。これにより、上記シール部分には富に十分な量の
磁性流体１３が保持されて、シール性能が長期にわたり
安定して確保されるとともに、その有効シール面積も大
きく高い密封性が確保される。

なお、上述の実施例において、溜部２３の断面形状は図
示例のものに限定されず、同一機能を有する限り、他の
形状とすることができる。

その他の構造および作用は実施例１と同様である。

なお、本発明は上述の実施例１．２．３および４に限定
されるものではなく、例えば玉軸受のほかころ軸受にも
適用することができる。

（発明の効果） 以上詳述したように１本発明によれば、以下に列挙する
ような種々のすぐれた効果が得られ、特に、高い清浄度
が要求される雰囲気あるいは真空中において使用する機
器、装置、例えば、磁気ディスクやその他のコンピュー
タ関連機器、半導体、電子、精密、光学関係の機器、装
置、あるいは薬品、医療、食品、微生物、真空、宇宙開
発関係の機器、装置などに適した密封軸受を提供するこ
とができる。

（１）軸受軸方向の両側のシール部のうら、少なくとも
一方、つまり高い清浄度が要求される使用雰囲気側のシ
ール部が磁性流体シールとされ得るから、この部位の高
い密封性が確保されるとともに、摩耗粉の発生もなく、
上記使用雰囲気を汚染する虞れがない。

（２）　　シール本体における磁石リングの半径方向固
定側部分に弾性変形許容部が設けられているから、この
）））ｉ性変形許容部の弾性変形作用により、磁石リン
グの軸方向および／もしくは半径方向への移動が許容さ
れて、該磁石リングを回転側の軌道輪の移動に追従させ
ることができる。したがって、磁性流体を保持するため
の間隙（シールギャップ）が全周にわたって適正に保た
れ、もしくは接触圧が最小限に抑えられる。これにより
、この部位の安定した密封性はもちろんのこと、接触抵
抗による回転トルクの増大や摩耗粉の発生等の不具合を
も有効に防止することができる。

（３）　　シール本体自由側端縁部分に位置決めリップ
が設けられており、該位置決めリップは回転側のシール
溝に摺接状に当接して、磁石リングと前記シール溝との
間隙を一定寸法に保ち、上記’（ｉｉ性変形許容部との
協働作用により磁性流体のシール部への保持性を良好な
ものとして、きわめて高い密封性能を得ることができる
。

（４）　　シール本体の自由側端縁部分に磁石リングが
設けられた構造であるから、シール形状、磁石リング形
状の自由度が大きく、特に、上記磁石リングをプラスチ
ック磁石で形成すれば、射出成形によるコストダウンも
図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第７図は本発明の実施例を示し、第１図は
実施例１の密封軸受を示す縦断面図、第２図は第１図に
おける円内の要部を拡大して示す同縦断面図、第３図は
変形状態を示す同縦断面図、第４図は実施例２の密封軸
受の要部を示す第２図に対応する縦断面図、第５図は変
形状態を示す同縦断面図、第６図は実施例３の密封軸受
の要部を示す第２図に対応する縦断面図、第７図は実施
例４の密封軸受を示す第２図に対応する縦断面図、第８
図は従来の密封軸受を示す紺断面図である。 ■・・・内輪、２・・・外輪、５・・・シール部、６・
・・シール部（磁性流体シール）、１１・・・シール体
、１２・・・シール溝、１３・・・磁性流体、１４・・
・シール本体、１４ｂ・・・シール本体の内径側端縁部
分（自由側端縁部分）、１５・・・磁石リング、１６・
・・芯金、１７・・・弾性体、１９．２１・・・弾性偏
心部、２０．２２・・・位置決めリング

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）軸受軸方向の両側にシール部が設けられるととも
   に、軸受内部に潤滑グリースが封入されてなる密封型の
   ものであって、 前記両シール部のうち少なくとも一方が磁性流体シール
   とされ、 該磁性流体シールが、一方の軌道輪に固定された環状シ
   ール体と、該シール体および他方の軌道輪に設けられた
   シール溝の間の磁場に保持された磁性流体とからなり、 前記シール体が、芯金および弾性体からなるシール本体
   と、該シール本体の自由側端縁部分に一体的に設けられ
   た磁石リングとからなり、前記シール本体における磁石
   リングの半径方向固定側部分に、該磁石リングの軸方向
   および／もしくは半径方向への移動を許容する弾性変形
   許容部が設けられるとともに、前記自由側端縁部分に磁
   石リングと前記シール溝との間隙を一定寸法に保つため
   の位置決めリップが設けられていることを特徴とする密
   封軸受。