JPS6229336Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は気圧式倍力装置に関するものである。

従来より、一対のシエルからなる本体内を前室
と後室とに区画するダイヤフラムに取付けられる
パワーピストンを、入力軸と連動して前室と後室
との間に差圧力を生ぜしめる弁本体を具えたバル
ブボデーに支持させ、該バルブボデー及びパワー
ピストンを貫通するロツドにより前記一対のシエ
ルを固定し、一端が前室側のロツド上に嵌合する
ゴム製のベローズの他端をパワーピストンのロツ
ド貫通孔に嵌合させた気圧式倍力装置が用いられ
ている。

ところが、この種の装置においては、急ブレー
キ作動時あるいは、前室内を真空にしないで作動
させ場合には、前室内の圧力が上昇するため、ベ
ローズがそのロツド貫通孔側端部内側に巻き込ま
れ、更にバルブボデーのロツド貫通孔とロツド外
周との間に噛み込んで破損することがあり、ブレ
ーキ故障の原因となつていた。

本考案は上記問題点を解消した気圧式倍力装置
を提供することを目的とするもので、ベローズの
ロツド貫通孔側端部内面に、該内面とロツド外周
との間へのベローズの巻込みを防止するためのガ
イド部材を設けることにより、ブレーキ故障の発
生を未然に防止できるようにしたことを特徴とす
るものである。

以下図示実施例につき本考案を詳細に説明す
る。

第１図において、本体１はフロントシエル１Ａ
とリヤシエル１Ｂとからなつており、該本体１内
はダイヤフラム２によつて前室３と後室４とに区
画されている。ダイヤフラム２の前面側に取付け
られるプレート状のパワーピストン５は、後面側
に位置するバルブボデー６に支持されている。

バルブボデー６はフエノール樹脂等で成形され
ており、その内部には、入力軸７の前方動（図中
左方動）に連動して前室３と後室４との間に差圧
力を生ぜしめるそれ自体周知の弁本体（図示せ
ず）が収容されており、前室３と後室４との間に
生じる差圧力によつてパワーピストン５が前方動
し、出力軸８を前方動させるものとなつている。

パワーピストン５及びバルブボデー６にはそれ
ぞれロツド貫通孔５Ａ，６Ａが形成され、両貫通
孔５Ａ，６Ａを貫通するロツド９の両端部はフロ
ント・リヤシエル１Ａ，１Ｂを貫通し、ロツド９
に設けられたフランジ部１０と該ロツド９に螺合
するナツト１１とによつて両シエル１Ａ，１Ｂが
締結固定されている。

１２はゴム等の弾性部材からなるベローズで、
該ベローズ１２の前端１２Ａは前室３側のロツド
外周に形成された環状溝９Ａに嵌合保持されてお
り、該ベローズ１２の後端部１２Ｂはパワーピス
トン５のロツド貫通孔５Ａに嵌合し且つ、パワー
ピストン５とバルブボデー６との間に挾持されて
前室３と後室４との間の気密性を維持している。

ベローズ１２の後端部１２Ｂ内面には、該内面
とロツド９外周との間へのベローズ１２の巻込み
を防止するための略筒状のガイド部材１３が配設
されている。ここでは、ガイド部材１３の後端部
１３Ａは、バルブボデー６のロツド貫通孔６Ａに
形成された段部に嵌合保持されており、該ガイド
部材１３の前端部１３Ｂは、ベローズ１２の中間
部に延びている。ガイド部材１３の前端部１３Ｂ
の内面とロツド９の外周との間の隙間は、ベロー
ズ１２が巻込まない程度に設定される。

ここでは、ガイド部材１３の後端部１３Ａに、
バルブボデー６とロツド９との位置ずれを防止す
るためのロツドガイド部１３Ｃが形成されてお
り、ロツド９はこのロツドガイド部１３Ｃに摺動
可能に嵌合している。

また、ここでは、ロツドガイド部１３Ｃに、ベ
ローズ１２内と後室４とを常時連通させてベロー
ズ１２の異常変形を防止するための連通路１３Ｄ
が形成されている。連通路１３Ｄは、第２図及び
第３図にも示すように溝であつてもよく、また、
貫通孔であつてもよい。

上記構成の気圧式倍力装置において、ブレーキ
ペダル（図示せず）を踏込み、入力軸７を前方動
させると、前述したように、前室３と後室４との
間に差圧力が発生し、その差圧力によつて倍力さ
れてパワーピストン５が出軸力８を前方に押し、
図示しないマスターシリンダ内に液圧が生じる。

前室３内が減圧されている場合であつても、ブ
レーキ作動が急激に行なわれると、前室３の圧力
が後室４より高くなることがあり、このとき、前
室３の圧力により、ベローズ１２がその後端部１
２Ｂ内に巻込もうとするが、この巻き込みは、ガ
イド部材１３によつて阻止され、ベローズ１２の
破損は免がれる。

また、前室３が真空でないときに、ブレーキ作
動が行なわた場合にも、ベローズ１２の巻込みは
同様に阻止される。

上記構成装置においては、バルブボデー６はロ
ツドガイド部１３Ｃの存在により、その位置ずれ
が防止されるため、装置の耐久性が向上する。ま
た、連通路１３Ｄの存在により、ベローズ１２内
と後室４との間の空気の流通性が向上し、ブレー
キ急作動時の応答性が向上する。

以上一実施例につき説明したが、本考案は上記
実施例に限定されるものではなく、例えば、上記
ロツドガイド部、連通路等を省略してもよい。

本考案は以上説明したように、ベローズのロツ
ド貫通孔側端部（後端部１３Ｂ）内面に、該内面
とロツド外周との間へのベローズの巻き込みを防
止するためのガイド部材を設けたから、ベローズ
の巻込みによる破損が防止され、ブレーキ故障の
発生が未然に防止されることとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す気圧式倍力装
置の要部破断正面図。第２図は第１図に示すガイ
ド部材の縦断面図。第３図は第２図に示すガイド
部材の後面図。 １……本体、１Ａ，１Ｂ……シエル、２……ダ
イヤフラム、３……前室、４……後室、５……パ
ワーピストン、６……バルブボデー、７……入力
軸、９……ロツド、１２……ベローズ、１３……
ガイド部材、１３Ａ……後端部（ロツド貫通孔側
端部）、１３Ｃ……ロツドガイド部、１３Ｄ……
連通路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一対のシエルからなる本体内を前室と後室と
   に区画するダイヤフラムに取付けられるパワー
   ピストンを、入力軸と連動して前記前室と後室
   との間に差圧力を生ぜしめる弁本体を具えたバ
   ルブボデーに支持させ、該バルブボデー及びパ
   ワーピストンを貫通するロツドにより前記一対
   のシエルを固定し、一端が前記前室側のロツド
   上に嵌合するベローズの他端を前記パワーピス
   トンのロツド貫通孔に嵌合させてなる気圧式倍
   力装置において、 前記ベローズのロツド貫通孔側端部内面とロ
   ツド外周との間に、略筒状のガイド部材を設
   け、該ガイド部材の前端部を前記ベローズの中
   間部側に突出させるとともに、該前端部の内面
   と前記ロツドとの間に隙間を生じさせてなる気
   圧式倍力装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、前
   記ガイド部材に、前記バルブボデーと前記ロツ
   ドとの位置ずれを防止するロツドガイド部を設
   けてなる気圧式倍力装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲第２項において、前
   記ロツドガイド部に、前記後室と前記ベローズ
   内とを連通するための通路を設けてなる気圧式
   倍力装置。