JPS6229155Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は製品高さが径に比較して大きなワーク
のフランジ根元の曲面部をトリムする場合に用い
るスクラツプけり出し装置付トリム型に関するも
のである。

従来、第１図ａに示すような製品高さｈが径ａ
に比較して大きなワーク１のフランジ根元の曲面
部をトリムする金型は第１図に示すように、下型
のパンチ２の上部にワーク１の内径を案内して位
置決めする案内片３を設け、搬入したワーク１の
姿勢を安定させ上型のダイ４とパンチ２でフラン
ジの曲面部をトリムするものが多用された。しか
しながらこの金型をトランスフアプレスで用いる
とワーク１を搬送する場合に案内片３の高さｂを
かわすためワーク１を高さｌだけリフトする必要
があり、ワーク１のフランジの曲面部半径Ｒが大
きくなる程案内片３の高さｂが大きくなり、搬送
速度を低下させる原因となつていた。この金型で
はトリムされたスクラツプ５はダイ４で押し下げ
られた時にパンチ２の外周部に設けたスクラツプ
カツタ６とダイ４との作用により数分割されて取
出される。また搬送速度を増す目的で第２図に示
すようにパンチ２の外周部に持上げ板７を昇降自
在に設け、それをクツシヨンピン８で上向きに付
勢し、上限位置でその上面がパンチ２の上面と一
致するようにし、搬送されてきたワーク１をその
上に載置して安定させる金型が使用されている
が、フランジをトリムした後ｂ図に示すようにス
クラツプ５の上に上型のノツクアウトで押えて保
持したワーク１がスクラツプ５の穴に入り込み、
スクラツプ５を付着させたまゝ搬送されて次工程
で故障を起すという欠点があつた。

本考案の目的はこれらの欠点を除き、持上げ板
を設けた金型に更にトリムしたスクラツプを若干
ずらすことにより、スクラツプ上に置いたワーク
がスクラツプの穴に入り込まないようにし、ワー
クの姿勢を安定させると共に、搬送する場合リフ
トする必要がなく搬送速度を増したスクラツプけ
り出し装置付トリム型を提供することにある。以
下本考案の実施例について図面を参照して説明す
る。

第３図において、下型にはパンチ２が固定さ
れ、その外周部を案内として昇降自在に、持上げ
板７が設けられている。持上げ板７はクツシヨン
ピン８を介してダイクツシヨン（図示せず）によ
り上向きに付勢され、上限位置でその上面はパン
チ２の上面と一致するようになつている。持上げ
板７の下面にはシリンダ９がパンチ２の半径方向
に向けて固設されている。シリンダ９に適合する
ピストン１０のピストンロツドはパンチ２の中心
に向けて設けられ、その先端には保持金具１１が
固設されている。シリンダ９には圧縮エアの給排
口１２が設けられ、給排口１２からエアを供給す
るとピストン１０のピストンロツドが引込む方向
に運動する。ピストン１０の後側にはばね１３が
設けられ、ピストンロツドが突出する方向にピス
トン１０を付勢している。保持金具１１はＬ字形
に曲り垂直方向を向いた部分は、持上げ板７にパ
ンチ２の半径方向に向けて設けた溝１４に運動自
在に嵌入している。保持金具１１の垂直部分には
昇降自在にけり出し爪１５が設けられている。け
り出し爪１５は持ち上げ板７の上面からの突出量
がトリムされるスクラツプ５の高さより若干大き
くなる位置を上昇限とされている。けり出し爪１
５の下側にはばね１６を設け、けり出し爪１５を
突出する向きに付勢している。

上型には下型のパンチ２と対向し、これと協働
してワーク１をトリムするダイ４が設けられてい
る。ダイ４の上部にはワーク１の上部外径を保持
して位置決めする支持部材１７が設けられてい
る。また上型の中心上部には任意ノツクアウト１
８が設けられている。任意ノツクアウト１８には
ばね１９で下向きに付勢されたピン２０が設けら
れている。ピン２０は下降限においてダイ４の入
口付近にあり、プレスのスライド（図示せず）と
共に上型が下降するとき、ワーク１の頭部を押え
て安定させる役目と、トリム後ワーク１をダイ４
から押し出すと共に、押し出した後ワーク１を搬
送具（図示せず）が掴むまで押えて保持しておく
役目とがある。

次に作用について述べる。第３図及び第４図に
おいて、上型がプレスのスライドと共に上死点へ
上昇している間に、シリンダ９には給排口１２か
ら圧縮エアが供給されけり出し爪１５が後退した
後、下型のパンチ２と上面が一致して上昇してい
る持上げ板７の上にワーク１が搬送具によつて搬
入される。上型が下降してくると、任意ノツクア
ウト１８のピン２０がワーク１の頭部を押える。
更に上型が下降しワーク１の上部外径を支持部材
１７が案内してワーク１を位置決めする。続いて
ダイ４はパンチ２と協働してワーク１のフランジ
曲面部をスクラツプ５として切断する。この間ダ
イ４の下降により持上げ板７はワーク１又はスク
ラツプ５を介してクツシヨンピン８の付勢力に打
ち勝つてプレスのスライドが下死点に到るまで押
し下げられる。けり出し爪１５はダイ４の下面に
押されて若干押し下げられる。この状態を第３図
に示している。次に上型が上昇を始めると、押上
げ板７はクツシヨンピン８に付勢され上型と共に
上限まで上昇し、その上面がパンチ２の上面と一
致する。スクラツプ５は押上げ板７の上面に載つ
ている。このときシリンダ９の給排口１２から圧
縮エアを排気しておくと、ダイ４の下面がスクラ
ツプ５の上面から離れる前後に、ピストン１０は
ばね１３の付勢力によりパンチ１２に向つて突出
し、けり出し爪１５は溝１４に沿つて保持金具１
１がパンチ２の外径に当接するまで前進し、スク
ラツプ５をパンチ２の中心上部から若干押し出す
か又は移動させる。

この状態で更にダイ４が若干上昇して第４図に
示す状態となつたとき、任意ノツクアウト１８の
ピン２０の作用でワーク１はダイ４から押し出さ
れ、スクラツプ５の上に押圧されて保持される。
このときワーク１とスクラツプ５とは若干ずれて
いるので、スクラツプ５の穴にワーク１が入り込
むおそれは全くない。続いて上型がワーク１の頭
部付近まで上昇し、まだピン２０がワーク１を押
えている間に搬送具がワーク１を掴み搬送する。
残つたスクラツプ５は圧縮エアによりエジエクタ
等で取除かれる。上述を繰返えしてトリム作業が
継続される。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、持上げ板を設けたので搬入したワークを載置
したときの安定が良いこと、けり出し爪を設けた
のでトリムしたスクラツプ上に保持したワークと
の中心がずれ、スクラツプの穴にワークが入り込
まないのでスクラツプが付着して搬送され次工程
で故障を起すことがないこと、搬送する場合にワ
ークをリフトする必要がないので搬送速度を増す
ことができること、など実用上の効果と利点は極
めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来例の説明図で、ａはト
リム前、ｂはトリム後の状態を示す図、第３図は
実施例の縦断面図、第４図は作用の説明図であ
る。 １はワーク、２はパンチ、３は案内片、４はダ
イ、５はスクラツプ、６はスクラツプカツタ、７
は持上げ板、８はクツシヨンピン、９はシリン
ダ、１０はピストン、１１は保持金具、１２は給
排口、１３はばね、１４は溝、１５はけり出し
爪、１６はばね、１７は支持部材、１８は任意ノ
ツクアウト、１９はばね、２０はピンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 製品高さが径に比較して大であり、フランジ根
   元の曲面部でトリムされるワークを取扱うトリム
   用金型において、上型側にワークの頭部を押圧
   し、下型との間でワークを一定期間保持すると共
   に、ノツクアウトの役目も有する任意ノツクアウ
   ト装置を設け、他方、下型側に、トリムされたス
   クラツプを水平方向に移動又は押し出すためのけ
   り出し爪を設けたことを特徴とするスクラツプけ
   り出し装置付トリム型。