JPS6228836Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、脱穀装置を搭載した走行機体の前部
に、茎稈を刈取処理して脱穀装置に搬送する刈取
部を昇降揺動操作可能に連結するとともに、前記
刈取部の昇降支点部を、走行機体に対して前後に
揺動可能で、且つ、後方揺動姿勢で固定可能な揺
動アームに支持させたコンバインに関する。

上記コンバインは、刈取部の昇降支点部を揺動
アームにて前後に揺動案内させるようにしながら
刈取部を走行機体に対して前後に移動操作できる
ようにすることによつて、刈取部を前方に移動さ
せた状態において、脱穀装置と刈取部との間に配
設される諸装置を露呈させてこれに対する点検・
調節を行ない易くしたものであり、しかも、諸装
置の点検・調節後再び刈取部を走行機体に組付け
る時に、刈取部を走行機体がわに移動させるに伴
い、刈取部の昇降支点部を走行機体に対する適正
位置に自動的に案内移動させるようにして、その
組付作業の迅速化並びに容易化を図るようにした
ものであるが、次に述べる問題があつた。

すなわち、コンバインでは、前記刈取部に、ヘ
ツドランプや方向指示器等の電気装置を装備し、
且つ、作業者が搭乗することになる走行機体に、
前記電気装置に対する操作装置を装備している。
そして、従来では、前記電気装置と操作装置とを
接続する電線の途中部分に、カプラー等の分離可
能な接続具を介在させ、走行機体に対して刈取部
を前後動させる際には、前記接続具を分離状態に
切換えて走行機体と刈取部との前後動を許すよう
にしているが、この場合、接続具に対する特別な
操作を要する不便があるとともに、点検調節後の
組付け時に配線の接続ミスや接続不良を招くおそ
れがあつた。

本考案は、上記実状に留意して為されたもので
あつて、冒記構造のコンバインにおいて、前記刈
取部に装備した電気装置と走行機体に装備した前
記電気装置の操作装置とを接続する電線を、走行
機体がわから前記揺動アームの枢支点部並びに前
記昇降支点部を迂回させて刈取部がわに延出させ
てあることを特徴とする。

すなわち、電気装置とその操作装置とを接続す
る電線を、揺動アームの枢支点部並びに刈取部の
昇降支点部を迂回させて配設することにより、電
線に対する何ら特別な操作を要することなしに、
走行機体に対する刈取部の前後動を行なえるよう
にせんとするものであるから、特別な接続具を用
いた冒記した従来構造における不便や不都合を解
消できるのであり、もつて、全体として一層良好
に使用することが可能なコンバインを得るに至つ
た。

以下本考案の実施の態様を例示図に基づいて詳
述する。

第１図は、コンバイン前部の側面を示してお
り、クローラ走行装置１、及び脱穀装置２等を備
えた走行機体の前部に、圃場に植えられた複数条
の茎稈を引起す装置３、引起し茎稈の株元を切断
する刈取装置４、刈取茎稈を合流させる補助搬送
装置５、合流茎稈を脱穀フイードチエーン６に搬
送する後方搬送装置７等からなる刈取部８が連結
装備されている。

前記刈取部８が、第３図イに示す如く、前記走
行機体に設けた支持枠９の上部に止着されるブラ
ケツト１０に上下揺動可能に枢支された伝動ケー
ス兼用の昇降フレーム１１に支持されるととも
に、走行機体に一端がわを取付けた油圧シリンダ
１２の他端部が、前記昇降フレーム１１と走行機
体との間に介装した二つ折れリンク機構１３に連
結されている。そして、前記油圧シリンダ１２の
伸縮作動により刈取部８が、走行機体に対して駆
動昇降揺動操作されるべく構成されている。従つ
て、刈取部８は、圃場内における刈取作業時に
は、地面近くに下降操作され、圃場内における枕
地走行時や路上走行時には、上昇操作されるよう
になつている。

前記刈取部８は、走行機体から分離されて次に
述べる如く前後に移動操作されるようになつてい
る。

すなわち、刈取部８の昇降支点部、つまり前記
ブラケツト１０が、前記走行機体に横軸心Ｘ周り
に枢支されて前後に揺動可能で、且つ、後方揺動
姿勢で前記支持枠９に対して連結固定可能な揺動
アーム１４の遊端部に支持されており、もつて、
このアーム１４の前後揺動により、走行機体に対
する適正位置とこれよりも前方に変位した位置と
に亘つて揺動案内されるべく構成されている。

又、前記リンク機構１３の昇降フレームがわ端
部が、昇降フレーム１１に横軸心Ｙ周りに揺動可
能に枢支され、且つ、昇降フレーム１１に沿う姿
勢で解除可能にボルト固定される前後に揺動可能
な揺動リンク１５に枢支連結されており、この揺
動リンク１５の後方への揺動により昇降フレーム
１１とリンク機構１３との間に前後方向の融通を
与えることができるように構成されている。

そして、前記揺動アーム１４と支持枠９との連
結を解除させた状態において、前記油圧シリンダ
１２を伸長作動させることにより、刈取部８をそ
の前端部を接地移動させながら前方に移動操作で
き（第３図ロ参照）、更に、前記揺動リンク１５
の固定を解除させて、刈取部を入為力にて前方に
引張り移動させることにより、更に前方に移動操
作できるようになつている（第３図ハ参照）。
又、刈取部８を再び走行機体に組付けるには、先
ず刈取部８を後方へ押込み操作し、揺動リンク１
５を昇降フレーム１１に沿う姿勢に切換えて、こ
の姿勢で固定させ、この状態において油圧シリン
ダ１２を短縮作動させると前記ブラケツト１０を
走行機体に対する適正位置に移動させることがで
きるようになつている。尚、図中１６は、前記刈
取部８に着脱可能に付設される補助輪であつて、
上述の前後動操作時に刈取部８を接地支持させる
ために設けられている。

従つて、上記の如く刈取部８を前方に移動操作
させることにより、第２図に示す如く、この刈取
部８と脱穀装置２との間に配設したエンジン１７
の出力軸１７ａと脱穀装置２の入力軸１８とを連
動するベルト伝動機構や、エンジン１７と走行用
ミツシヨンケース１９の入力軸２０とを連動する
ベルト伝動機構等の諸装置を露呈させて、これら
の点検、調整を刈取部に邪魔されることなく良好
に行なえるものとなつている。又、第２図中２１
は、前記ミツシヨンケース１９からの出力を前記
昇降フレーム１１の基部に設けた入力プーリ２２
に伝達するベルトであつて、上述の如く刈取部８
を前方に移動させると自動的に弛緩するようにな
つている。

前記刈取部８の右横側部に、運転座席２３及び
操縦ボツクス２４等を備えた操縦部が、走行機体
に連結支持されて設けられるとともに、前記操縦
ボツクス２４に、前記刈取部８の前部に付設した
ヘツドランプ２５の電気スイツチ２６が装備され
ている。そして、前記ヘツドランプ２５と前記電
気スイツチ２６とを接続する電線２７が、第３図
イ，ロ，ハに示す如く、走行機体がわから前記揺
動アーム１４の枢支点部並びに前記ブラケツト１
０部分を迂回して刈取部がわに延出されている。

第４図及び第５図は、前記揺動アーム１４を支
持枠９に固定するための構造の一例を示してお
り、支持枠９に軸心周りに回転可能で且つ軸心方
向移動不能に支持した回転軸２８の左右端部に、
異なる方向のネジ部を用いて左右ナツト２９，２
９を螺合し、回転軸２８の回転操作により揺動ア
ーム１４を締付固定するようにしたものである。

尚、本案は、刈取部８に装備した、方向指示器
や自動制御用センサーと走行機体がわの操作装置
とを接続するのに用いる等、種々のものに適用で
きるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの実施の態様を
例示し、第１図はコンバイン前部の側面図、第２
図は昇降フレーム装着部の概略側面図、第３図
イ，ロ，ハは昇降フレームの前後動作状態を示す
側面図、第４図は揺動アームの固定構造を示す側
面図、第５図は同構造の縦断背面図である。 ２……脱穀装置、８……刈取部、１０……昇降
支点部、１４……揺動アーム、２５……電気スイ
ツチ、２６……操作装置、２７……電線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 脱穀装置２を搭載した走行機体の前部に、茎
   稈を刈取処理して脱穀装置２に搬送する刈取部
   ８を昇降揺動操作可能に連結するとともに、前
   記刈取部８の昇降支点部１０を、走行機体に対
   して前後に揺動可能で、且つ、後方揺動姿勢で
   固定可能な揺動アーム１４に支持させたコンバ
   インであつて、前記刈取部８に装備した電気装
   置２５と走行機体に装備した前記電気装置２５
   の操作装置２６とを接続する電線２７を、走行
   機体がわから前記揺動アーム１４の枢支点部並
   びに前記昇降支点部１０を迂回させて刈取部が
   わに延出させてあることを特徴とするコンバイ
   ン。 前記電気装置２５は、ヘツドランプである実
   用新案登録請求の範囲第項記載のコンバイ
   ン。 前記電気装置２５は、方向指示器である実用
   新案登録請求の範囲第項記載のコンバイン。