JPS6228395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、布帛生地その他に対して所要裁断を
行なうためのローラタイプのカツター装置に関す
るものである。

各種布帛生地に対して所要形状の裁断を行なう
に当つて、従来は定寸に切断された多数の生地片
を積層し、これを所要の裁断形状を持つ裁断カツ
ターによつて裁断するのであるが、これらカツタ
ーは何れも薄刃の帯状カツターであつて耐用性に
乏しいと共に、かかる裁断方式では原反を延反し
て積層、切断し、１枚１枚の生地について疵廻し
処理してこれを積み重ねる等の準備作業にきわめ
て時間と手間が掛る等の点で問題点がある。

本考案はかかる裁断等に対してその問題点を解
消するローラタイプの裁断用カツター装置の新し
い提供に関するもので、その特徴とする処は、長
尺生地の搬送用コンベアと、同コンベアよりの生
地を垂直に搬送するためのガイドローラおよび型
枠を前置した積極送出ローラと、同ローラの下方
に配設されかつそのローラ周面の軸方向に亘つて
断面３角形のカツター刃が所要裁断形状に屈曲形
成されると共にカツター刃頂部がローラ両端のフ
ランジより僅かに突出され、回動支点を中心とし
て放射状に突出する各アームに可回動に保持され
る複数個のロータリカツターと、同カツターの前
記フランジと接支するローラ周面を持つと共に接
離可能に配置される共通の押圧ローラと、前記ロ
ータリカツター並びに押圧ローラの下方に配置さ
れかつ長尺生地を幅員方向に亘つて切断するため
の切断カツターと、同カツターの下方に配設され
る裁断済み生地片の搬送用吸着コンベアと、同コ
ンベアの下位に配置される生地片の積層収容台と
から成る点にある。

以下図示の実施例について本考案を詳述する
と、第１図は本考案装置を利用して設けた長尺生
地裁断装置の１例を示しているが、長尺生地１を
コンベア２を介して伸展状に移送し、感知部材３
を介して可回動のガイドローラ４，４、型枠５を
経由して積極送出ローラ６，６により送り出し、
本考案に係る複数個のロータリカツター７，７、
同カツター７，７と対応状に配設した押圧ローラ
８間に供給し、何れか１個のロータリカツター７
の回動を介して後述するように長尺生地１の所定
位置に所要の裁断を施して後、長尺生地１を幅員
方向に亘つて切断する切断用カツター９により定
寸毎に切断することによつて得られる裁断済み生
地片を、搬送コンベア１０より感知部材１１を介
して吸着コンベア１２側に自動範送し、吸着コン
ベア１２の下方に配設した昇降自在な積層収容台
１３，１４上にそれぞれ裁断済み生地片１ａ，１
ｂを積層状に収容し、更に不良生地片１ｃのため
の回収箱１５を設ける等して、連続長尺の生地１
から裁断済み生地片１ａ，１ｂ等が得られるよう
にしたものである。

本考案は係るロータリカツター装置としての、
前記ロータリカツター７と押圧ローラ８とは、第
２図乃至第８図に例示するような構造を具備した
ものであり、以下これらについて詳述すると、第
２，３図に示すように、ロータリカツター７はホ
ルダー１６上に可回動に列設支持され、その回動
はホルダー１６に軸架されたロータリカツター７
の各軸１７の一端にそれぞれギヤ１８を付設し、
これに対し原動軸１９のギヤ２０をセツト位置に
おいて選択的に噛合させることにより行なわせ、
また図例では各ロータリカツター７，７を所定位
置に保持する共通のホルダー１６は支軸１７に揺
動自在に支持され、ホルダー１６の一端に前記複
数個のカツター７，７がそれぞれ可回動に保持さ
れると共に、その揺動に当つては、ホルダー１６
の他端に駆動シリンダ２２のピストンロツド２２
ａが連結されることにより、同シリンダ２２のピ
ストンロツド２２ａの進退を介し、支軸２１を支
点としてホルダー１６が第２図示のように回動
し、何れかのロータリカツター７を所定位置にセ
ツトすると共にまた離脱自在としており、またホ
ルダー１６の駆動シリンダ２２の連結側にはバラ
ンス用としての重錘２３が付設されている。これ
に対し押圧ローラ８はロータリカツター７のセツ
ト位置において、セツトされたカツター７に対し
て接離自在に対置されるもので、同ローラ８を支
持するブラケツト２４が、例えば駆動用のシリン
ダ２５のピストンロツド２５ａに連結することに
よつて、裁断位置のロータリカツター７に対して
接離自在とされている。

個々のロータリカツター７，７の詳細は第４図
乃至第７図に例示する通り、ローラ７の胴部周面
上に所要裁断形状とされたカツター刃２６が、胴
部周面の削り出し等によつて一体の凸刻状に形成
されるのであり、このさいカツター刃２６の頂部
は、ローラ７の両端に胴部周面より大径に設けら
れたフランジ７ａの周面より僅かに突出する高さ
（0.05mm程度）とされ、また前記フランジ７ａは
第７図に示す通り押圧ローラ８の胴部周面が接支
するためのフランジである。従つて同図に示すよ
うにセツト位置のロータリカツター７に対し押圧
ローラ８がその胴部周面とフランジ７ａが接支し
た間に、生地１が進入通過するに当り、カツター
刃２６が押圧ローラ８の胴部周面による受承を介
し、生地１に喰い込み状に入りかつカツター７の
回転によつて、生地１に所要の裁断を自動的に行
なうことになる。本考案ではこのようなロータリ
カツター７，７の複数個（図例では２個であるが
自由に増加できる）のホルダー１６に対する取付
けに当り、ホルダー１６の支軸２１による支持点
より前方に放射状にアーム１６ａ，１６ａを対応
状に突設し、この各アーム１６ａ上にそれぞれカ
ツター７を軸１７を介し可回動に軸架し、また軸
１７端にそれぞれギヤ１８を付設するのである。
従つて複数個のロータリカツター７は目的の裁断
位置に対して放射状に列設されることになり、ホ
ルダー１６の揺動を介してその１個のカツター７
を押圧ローラ８と対応するセツト位置（裁断位
置）に選択的にセツトさせ、あるいは避退させる
ことができる。このさい各アーム１６ａには位置
決め用孔２７を設け、これに対し位置決め用シリ
ンダ２８のピストンロツド２８ａを係脱自在に係
合させるのである。勿論この複数個のロータリカ
ツター７の配列、そのセツト位置に対する交替セ
ツトは図例以外の機構を用いることもできる。

第８図は押圧ローラ８の詳細を示し、押圧ロー
ラ８を支持するブラケツト２４はその両アーム２
４ａが固定ガイド２９，２９内にスライド自在に
係合されて、ロータリカツター７に向つての正し
い直進が規制される。

第９図は第１図に示した長尺生地１を幅員方向
に亘つて切り離し、個々の生地片１ａ等とするた
めの切断用カツター９の詳細を示し、図示のよう
に同カツター９の固定下刃９ａは切断ガイド板３
０側に空隙３１を介して固設され、これに対して
可動上刃９ｂは駆動シリンダ３２のピストンロツ
ド３２ａに支持され、前記空隙３１内に出入して
下刃５ａと交合することによつて生地１の切断を
行ない、この切断によつて生地１は定寸の生地片
１ａとして分断されると共に、ロータリカツター
７による裁断線と切断用カツター９の切断線とに
よつて生じる裁断層は、切断ガイド板３０に吸引
ボツクス３３を開口させた吸引パイプ３４によつ
て吸引回収されるのである。

本考案のロータリカツター装置によれば、第１
図に示した裁断装置１例によつても明かなよう
に、長尺生地１をコンベア２を介し積極送出ロー
ラ６，６によつてロータリカツター７押圧ローラ
８間に送り込み、カツター７の回転と共にその胴
部周面に形成したカツター刃２６の回動により、
生地１に対して所定形状の裁断カツテイングが自
動的に得られることになる。このさい連続する生
地１の所定位置への裁断を行なうに当つては、ロ
ータリカツター７がローラであることを利用し、
切断用カツター９によつて得られる切断生地片１
ａの所要定寸長さをＬとした場合、第１図におい
て示した感知部材３の位置からロータリカツター
７の中心までの長さを同じくＬとし、ロータリカ
ツター７の周長を同じくＬとすることにより、ま
た積極送出ローラ６ロータリカツター７の回転速
度を同一とすると共にローラ６カツター７側にカ
ウンター手段を設けることによつて、所要定寸Ｌ
の長さの生地の後端にロータリカツター７による
所要の裁断を行ない、同裁断の施された後端を切
断用カツター９によつて幅員方向に切断すること
によつて、その後端に所要裁断の施された生地片
１ａを連続して得ることができるのである。この
さいロータリカツター７の中心と切断用カツター
９との間の長さもＬよりは短かい長さの定寸Ｚと
して一定に設定することは必要である。勿論これ
はそのロータリカツター７による裁断の１例に止
まる。

本考案のロータリカツター７押圧ローラ８によ
つて、従来のように予じめ定寸の切断生地片を多
数積層してこれに対し裁断を行なう必要なく、連
続長尺の生地１をそのまま一方向に移動させなが
ら、その移動経路の途中において定位置に所要の
裁断を順次自動的に反復施行することができ、裁
断作業を著しく能率化できる点において有利であ
る。このさいロータリカツター７においては、そ
のロール胴部周面に対してカツター刃２６を凸刻
状に形成することによつて、第７図に示す刃の断
面形状のように剛強な３角断面の刃が容易に得ら
れ、また平面的に展開した形状のカツター刃では
広い面を占有することになるが、ロール胴部周面
に形成することによつてコンパクトなカツター刃
２６が得られると共に、そのロール円周を利用
し、所定の長さＬを持つ生地片の所定位置に対す
る正確なカツテイングが得られ、その裁断は反復
するが扁平な生地面に対して次々にカツトを行な
うので、刃の疲労も少なく耐久性も著しく向上
し、常に尖鋭で歪みや曲りのない裁断線が均一に
得られることになり、布帛生地等に対して特に好
適である。

更にこのロータリカツター７の回転裁断に際
し、押圧ローラ８を併用することによつて、その
カツトは円滑化すると共に、押圧ローラ８側をロ
ータリカツター７に対して接離自在としたので、
例えば第１図に例示したもののように、感知部材
３による感知によつて、生地１における編疵、織
疵等の生地不良部分を検出し、これによつて生地
不良部分のある場合は、押圧ローラ８を離反させ
て裁断が行なわれないようにすることも容易であ
り、ロータリカツター７における裁断用エネルギ
ーも小さくて足りるので、消費動力を軽減するこ
とも可能で、省エネ効果も生じる。更に本考案で
はそのロータリカツター７を２個以上の複数個と
し、何れかのカツター７を選択的に裁断位置に就
け得るようにしたので、例えばシヤツやズボン下
等の衣料における生地片１ａを得るような場合、
そのサイズのＭ寸、Ｌ寸等に応じてこれらカツタ
ー７におけるカツター刃２６の形状、大小をその
サイズに応じた幾つかのカツター７を列設して置
き、目的に応じて単にホルダー１６の揺動によつ
てカツター７の使い分けができ、あるいは予備用
のカツター７として使用中のカツター７における
カツター刃７が破損した時、直ちに新しいカツタ
ー７として交替使用させ、更には同一生地を用い
て異なる裁断を行なう時、それぞれの裁断形状に
応じたカツター刃２６を具備したカツター７を並
設して置いて使い分ける等の事が容易に可能とな
る利点も生じるのであり、従来の積層生地片に対
する裁断よりも有利な裁断方式を可能とするカツ
ター装置として優れたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を組込んだ生地裁断装置１
例の全体図、第２図は同本考案装置実施例の側面
図、第３図は同要部平面図、第４図は同ロータリ
カツター実施例の斜面図、第５図は同カツター要
部斜面図、第６図は同側断面図、第７図は同カツ
ター裁断状態の側断面図、第８図は同押圧ローラ
実施例斜面図、第９図は切断装置１例の斜面図で
ある。 ７……ロータリカツター、７ａ……フランジ、
８……押圧ローラ、１６……ホルダー、１８……
回転ギヤ、２２……駆動用シリンダ、２５……押
圧ローラ駆動用シリンダ、２６……カツター刃、
１……長尺生地、１ａ……生地片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長尺生地の搬送用コンベアと、同コンベアより
   の生地を垂直に搬送するためのガイドローラおよ
   び型枠を前置した積極送出ローラと、同ローラの
   下方に配設されかつそのローラ周面の軸方向に亘
   つて断面３角形のカツター刃が所要裁断形状に屈
   曲形成されると共にカツター刃頂部がローラ両端
   のフランジより僅かに突出され、回動支点を中心
   として放射状に突出する各アームに可回動に保持
   される複数個のロータリカツターと、同カツター
   の前記フランジと接支するローラ周面を持つと共
   に接離可能に配置される共通の押圧ローラと、前
   記ロータリカツター並びに押圧ローラの下方に配
   置されかつ長尺生地を幅員方向に亘つて切断する
   ための切断カツターと、同カツターの下方に配設
   される裁断済み生地片の搬送用吸着コンベアと、
   同コンベアの下位に配置される生地片の積層収容
   台とから成ることを特徴とするロータリカツター
   装置。