JPS6228356Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、プレス金型等を造型するために、
ワークとなる異形立方体の鋼材ブロツクを切削加
工する際、この異形立方体の鋼材ブロツクをワー
ク台に締め付けるための異形立方体の鋼材ブロツ
クの締付け装置に関する。

従来、第３図に示すように、ワーク台１にワー
クとなる異形立方体の鋼材ブロツク２の一面２０
を載せ、この鋼材ブロツク２の一面２０の反対側
の面２１に傾斜面等を形成した異形面３は、押さ
え板５により押さえられるようになつているが、
この押さえ板５は、詳しくは、ワーク台１の溝１
０に、Ｔ字状の一端４０を掛止させたボルト４の
自由端４１に、ナツトＮにより調整可能に取り付
けられるようになつており、ジヤツキ７と共同し
て、ワークとなる異形立方体の鋼材ブロツク２を
ワーク台１に締め付けるようにしている。

また、第４図の締付け装置にあつては、異形立
方体の鋼材ブロツク２の異形面３と押さえ板５と
の間に、図示のような締付け工具６ａを介在させ
たものであり、他の構成は、第３図と同様であ
る。これら第３図および第４図に示す締付け装置
では、いずれも締付けトルク力が弱くなり、また
は締付けトルク力を弱くせざるを得ず、第４図の
ように、締付け工具６ａを介在させたものでは、
ワークとなる異形立方体の鋼材ブロツク２の異形
面３が傾斜しているため、その締付けが不安定と
なり、切削加工中に、鋼材ブロツク２または締付
け工具６ａが動き易い難点がある。

そのため、下記(a)ないし(c)の問題が生じる。

(a) 加工中のワークである鋼材ブロツク２が動
き、鋼材ブロツク２がワーク台１から外れ落ち
る危険がある。

(b) 上記(a)の項のことを回避するため、何回も段
取り替えして、フライス加工する必要があり、
効率が悪い。

(c) 第５図および第６図の鋼材ブロツク２ａと２
ｂの鎖線部分で示す不用部８ａ，８ｂを斜線で
示すように、荒取りするための荒取り工程の加
工に、切削効率の良い鋸盤が使用できない。

これらの点については、今後一層の締付け性能
の向上が望まれていたのである。

この考案の目的は、鋼材ブロツクの異形面と押
さえ板との間に、異形立方体に成形された鋼材ブ
ロツクを容易に拘束して締め付けるための締付け
工具を介在させることによつて、異形立方体の鋼
材ブロツクをワーク台に確実に締め付けて、上記
従来の締付け性能をさらに向上させようとするも
のである。

このような目的を達成するため、この考案の異
形立方体の鋼材ブロツクの締付け装置の構成は、
ワーク台１にワークとなる鋼材ブロツク２の一面
２０を載せ、この鋼材ブロツク２の一面２０とは
反対側の面２１に傾斜面等を形成した異形面３に
は、ワーク台１に掛止させたボルト４の自由端４
１にナツトＮにより調整可能に取り付けられる押
さえ板５が対向させてある。

そして、この押さえ板５と上記鋼材ブロツク２
の異形面３との間には、締付け工具６が介在させ
てあり、この締付け工具６は、その一側６Ａに鋼
材ブロツク２の異形面３の突端３０に係止させる
ストツパ６０が形成してある。

また、締付け工具６の他側には、上記押さえ板
５に当接する蒲鉾状の中高湾曲部６２が形成して
ある。

この考案による異形立方体の鋼材ブロツクの締
付け装置によれば、 (i) 異形立方体に成形されている鋼材ブロツク２
の異形面３と、押さえ板５との間に、上述のよ
うに形成される締付け工具６を介在させたか
ら、下記(イ)および(ロ)の効果がある。

(イ) 締付け装置の締付けトルク力が強く、鋼材
ブロツクをワーク台に確実に締め付けること
ができる。

(ロ) 鋸盤で荒取り工程の加工を行うことができ
るから、ワーク台である鋼材ブロツクの加工
工数を大幅に低減することができる。

以下、添付図面に基づいて、この考案の実施例
を説明する。

第１図および第２図は、この考案の実施例を示
しており、ワーク台１にワークとなる異形立方体
の鋼材ブロツク２の一面２０を載せ、この鋼材ブ
ロツク２の一面２０とは反対側の面２１に傾斜面
等を形成した異形面３には、ワーク台１の溝１０
にＴ字状の一端４０を係止させたボルト４の自由
端４１に、ナツトＮおよびワツシヤＷにより調整
可能に取り付けられる押さえ板５が対向させてあ
る。そして、この押さえ板５と上記鋼材ブロツク
２の異形面３との間には、締付け工具６が介在さ
せてあり、この締付け工具６は、その一側６Ａ
に、鋼材ブロツク２の異形面３の突端３０に係止
される鉤形状をなすストツパ６０と、上記突端３
０に続く異形面３に当接させる湾曲凸部６１が形
成してあつて、この湾曲凸部６１は、どんな形状
の異形面３であつても、その面３に傷をつけない
で締め付けできるようになつている。

また、締付け工具６の他側６Ｂには、上記の押
さえ板５に当接する蒲鉾状の中高湾曲部６２が形
成してあり、上記ストツパ６と湾曲凸部６１のほ
ぼ中央を押さえ板５で押さえることができるよ
う、大きな曲率を持たせて加工してある。

このようにして、鋼材ブロツク２の異形面３と
押さえ板５との間に、上記のように形成した締付
け工具６を介在させ、ジヤツキ７と共同して、ワ
ークとなる異形立方体の鋼材ブロツク２を、ワー
ク台１に確実に締め付けることができるようにし
たものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例を示す正面図、第
２図は、第１図の矢視要部拡大斜視図、第３図
は、従来装置を示す正面図、第４図は、他の従来
装置を示す正面図、第５図および第６図は、鋼材
ブロツク荒取り不用部を示す斜視図である。 １……ワーク台、１０……ワーク台の溝、２…
…鋼材ブロツク、２０……鋼材ブロツクの一面、
２１……鋼材ブロツクの反対側の面、３……異形
面、３０……異形面の突端、４……ボルト、４０
……ボルトのＴ字状の一端、４１……ボルトの自
由端、Ｎ……ナツト、Ｗ……ワツシヤ、５……押
さえ板、６……締付け工具、６Ａ……締付け工具
の一側、６０……一側のストツパ、６１……一側
の湾曲凸部、６Ｂ……締付け工具の他側、６２…
…中高湾曲部、７……ジヤツキ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワーク台にワークとなる鋼材ブロツクの一面を
   載せ、この鋼材ブロツクの一面とは反対側の面に
   傾斜面等を形成した異形面には、ワーク台に掛止
   させたボルトの自由端にナツトにより調整可能に
   取り付けられる押さえ板が対向させてあり、この
   押さえ板と上記鋼材ブロツクの異形面との間に
   は、締付け工具を介在させるとともに、この締付
   け工具は、その一側に鋼材ブロツクの異形面の突
   端に係止させるストツパが形成してあり、また、
   締付け工具の他側には、上記押さえ板に当接する
   中高湾曲部が形成してあることを特徴とする異形
   立方体の鋼材ブロツクの締付け装置。