JPS6227646B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、角形溝を有する化粧合板の製造方法
に関するものである。

従来、角形溝を有する化粧合板は、表面の化粧
材側から所定の角形溝をルーター、またはカツタ
ー等の刃物で削設した後、その角形溝の内面に塗
料を塗布することにより仕上げられていた。この
従来法では、角形溝のコーナーを直角に仕上げる
のが難しく、第５図に示すように角形溝２１のコ
ーナーにアール２２がつき易い。

また、角形溝２１のコーナーが直角に削設され
ても、その角形溝２１の内面に塗料を塗布する際
に、第６図に示すように塗料が均一な厚さの膜２
３に塗布されず、角形溝の形状を乱すために塗装
効果を損ねる欠点がある。

さらに、刃物により角形溝を削設するので、第
７図に示すように横方向の角形溝２１Ａと縦方向
の角形溝２１Ｂとが直交するよう夫々一直線に形
成された化粧合板の製造は可能であるが、第１図
に示すように表面化粧材が千鳥状あるいはランダ
ムに配置された化粧合板の製造は容易でなく、量
産性に欠け、とくに大判のものを作ることができ
なかつた。

本発明は、上記欠点を解消し、コーナーが直角
に仕上がつた形状の美しい角形溝を有し、表面化
粧材が千鳥状あるいはランダムに配置された化粧
合板を能率よく大量生産できるようにした製造方
法を提供することを目的とするものである。

この発明の基本的構成は、長方形の基板の一側
面に長辺に沿つて長尺な仕切材が任意の問隔を保
つて並列に設けられ、これらの長尺な仕切材間に
基板の短辺に沿つて短い別の仕切材が互いに間隔
を不規則にして設けられた治具を用意し、別に互
いに対向する各長尺な一対の仕切材と互いに対向
する各短い別の一対の仕切材とによつて囲繞され
る方形状の空所に対応させて前記の両仕切材より
も厚さの大きい方形の表面化粧材を多数設け、
夫々の表面化粧材を対応する前記の両仕切材によ
つて囲繞された方形状の空所にそれらの裏面が上
向きとなるように挿入し、着色剤が添加された接
着剤を裏打材の一側面に塗布して表面化粧材群の
上に載せて接着させ、表面化粧材と裏打材とが一
体化した化粧合板を治具から取り出す方法であ
る。

以下、本発明の実施例を第１図ないし第４図に
示す図面に基づいて説明する。

第１図及び第２図において、表面化粧材１は、
厚さ５mm程度のチーク材、またはローズウツド材
等を用い、その表面化粧材１を所定寸法に切断し
て表面側の四周に面取り加工を施し、その表面化
粧材１の表裏両面を除いた四周の側面１Ａに塗装
を行う。その塗装は、硝化綿ラツカーやアクリル
系ラツカー等の塗料をスプレーガンにてスプレー
することにより行う。表面化粧材１の裏面側に貼
付けられる裏打材２は、厚さ３mm程度の合板、ま
たはハードボード等を用い、その裏打材２を所定
寸法に切断し、その裏打材２の表面に接着剤を塗
布して接着剤層３を形成する。接着剤の塗布はロ
ールスプレツダーで行い、接着剤の中には所望の
着色剤を添加しておく。接着剤にはアルフアオレ
フイン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、または水
溶性ビニルウレタン系接着剤等が選択される。前
記表面化粧材１と裏打材２との接着は治具４によ
つて行われる。

前記治具４は第３図及び第４図に示すもので、
合板等からなる長方形の基板５の上面にその長辺
に沿つて長尺な仕切材６が任意の間隔を保ち並列
に固着されている。仕切材６に挾まれる部分には
基板５の短辺に沿つて仕切材７が夫々任意の間隔
を保ち並列に固着されている。仕切材６と仕切材
７とにより囲まれる空所Ａには前記表面化粧材１
が嵌入されてその表面化粧材１の位置決めが行わ
れ、仕切材６と仕切材７は夫々表面化粧材１より
も薄く形成されている。基板５の上縁には、仕切
材６よりも外側においてＬ字形状のストツパー材
８が仕切材６に対し平行に固着され、基板５の右
縁には、右端の仕切材７よりも外側においてＬ字
形状のストツパー材９が固着されている。ストツ
パー材８，９は夫々表面化粧材１よりも厚く形成
されている。

上記治具４を用いて表面化粧材１と裏打材２と
を接着するには、表面化粧材１をその裏面が上向
きとなるように仕切材６，７に囲まれた空所Ａへ
挿入し、接着剤が塗布された裏打材２をその接着
剤層３が下向きとなるように裏返して治具４上の
表面化粧材１の上に載せ、裏打材２の長辺に沿つ
た側縁２Ａをストツパー材８に当接させ、かつ裏
打材２の短辺に沿つた側縁２Ｂ（第１図では左
端）をストツパー材９に当接させることにより裏
打材２の正確な位置決めを行い、その後プレスし
て表面化粧材１と裏打材２とを接着剤層３により
接着させ、所定時間経過後表面化粧材１と裏打材
２とが一体化した化粧合板を治具４から取出す。

表面化粧材１の四周の側面に塗布される塗料
は、裏打材２に塗布される接着剤層３と同系色が
好ましいが、異なる系統の色であつてもかまわな
い。

本発明は、上記の構成であるから以下の利点を
有する。

(1) コーナーが直角に仕上がつた形状の美しい角
形溝が得られる。

(2) 角形溝が着色されるから塗装の手間が掛ら
ず、生産性に優れる。

(3) 刃物で角形溝を削設するものではないから、
表面化粧材が千鳥状あるいはランダムに配置さ
れた化粧合板の製造が容易で、大判のものも能
率よく簡単に製造される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施により得られる化粧合板
の平面図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線矢視拡大断
面図、第３図は治具の平面図、第４図は第３図の
Ｙ−Ｙ線矢視拡大断面図、第５図及び第６図は従
来法により得られる化粧合板の角形溝の断面図、
第７図は従来の化粧合板の平面図である。 １……表面化粧材、２……裏打材、３……接着
剤層、５……基板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 長方形の基板の一側面に長辺に沿つて長尺な
   仕切材が任意の問隔を保つて並列に設けられ、こ
   れらの長尺な仕切材間に基板の短辺に沿つて短い
   別の仕切材が互いに間隔を不規則にして設けられ
   た治具を用意し、別に互いに対向する各長尺な一
   対の仕切材と互いに対向する各短い別の一対の仕
   切材とによつて囲繞される方形状の空所に対応さ
   せて前記の両仕切材よりも厚さの大きい方形の表
   面化粧材を多数設け、夫々の表面化粧材を対応す
   る前記の両仕切材によつて囲繞された方形状の空
   所にそれらの裏面が上向きとなるように挿入し、
   着色剤が添加された接着剤を裏打材の一側面に塗
   布して表面化粧材群の上に載せて接着させ、表面
   化粧材と裏打材とが一体化した化粧合板を治具か
   ら取り出すことを特徴とする角形溝を有する化粧
   合板の製造方法。