JPS6227464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車に用いられるクラツチコントロ
ール用のエアシリンダ装置に関するもので、半ク
ラツチ操作を容易にすることを目的とする。

従来のクラツチコントロール系は第１図に示す
如く、エアタンク１、クラツチペダル２、同ペダ
ルの踏込みに応じて開閉するコントロールバルブ
３、エアシリンダ装置４、および同装置４のプツ
シユロツド５の変位を図示されないリンクを介し
て第２図に示すクラツチ装置のレリーズレバ６に
伝達される構成からなつている。７はエンジンフ
ライホイール、８はクラツチデイスク、９はプレ
ツシヤプレート１０とフライホイール７との間に
縮設した押付ばねであつて、プレツシヤプレート
１０とフライホイール７との間に介装したレリー
ズレバ６をピン１１を中心にして時計方向に回動
させたとき、クラツチデイスク８は押付ばね９の
ばね力に抗してフライホイール７から離脱し、エ
ンジントルクがトランスミツシヨン側のインプツ
トシヤフト１２に伝達されないようになつてい
る。

次に第３〜５図について該コントロール系にお
けるペダル踏込量、プツシユロツドストローク、
レリーズ荷重等の関係を説明すると、先ずエアシ
リンダ装置４のプツシユロツド５に連結したピス
トン１３の右側頂面は平坦面をなしているため、
平坦面における受圧面積はプツシユロツドのスト
ロークに対して不変で、第３図に示す如くコント
ロールバルブ３から供給されるエア圧に対するプ
ツシユロツド出力はストロークに対しほぼ一定で
ある。

一方第４図に示す如く、コントロールバルブ３
の特性は、ペダル２の踏込量（バルブ操作量）と
出力圧力とが互いに比例する関係を有する。また
上記クラツチコントロール系におけるプツシユロ
ツドストロークに対するクラツチのレリーズ荷重
（クラツチデイスク８を押付ばね９のばね力に抗
してフライホイール７から離脱させるのに必要な
力）とプレツシヤプレートストロークとの関係は
第５図に示す通りである。すなわち、点Ａはレリ
ーズ開始時点のレリーズ荷重を、点Ｂは最大レリ
ーズ時のレリーズ荷重を、点Ｃはプレツシヤプレ
ート１０が押付ばね９のばね力に抗して動き始め
る点を、点Ｄはペダル２最大踏込量に対するプレ
ツシヤプレートの最大ストロークを、Ａ−Ｂ間は
半クラツチ可能状態の範囲を、またＯ−Ｃ間はク
ラツチの遊びをそれぞれ示す。

ところが、上記クラツチコントロール系のエア
シリンダ装置４のプツシユロツドストロークとプ
ツシユロツド出力との関係は第３図に示されるよ
うな特性を有するため、第５図のAB間で半クラ
ツチ操作を行なう場合、これに必要なレリーズ荷
重の変化が少なく、それだけプツシユロツドのス
トローク量を微妙にクラツチペダル２でコントロ
ールする半クラツチ操作が困難となる欠点を有し
ていた。

本考案は上記に鑑みて工夫されたものであつ
て、本考案を第６，７図に示す実施例について説
明すると、符号１４はエアシリンダ装置、１５は
ケーシング１６に内設したダイヤフラム、１７は
プツシユロツド１８に結合されたピストン、１９
はケーシング１６とピストン１７との間に縮設し
たばね、２０はダイヤフラム室２１に図示されな
いクラツチコントロールバルブに接続されるエア
供給口である。上記ピストン１７の頂面は凸面形
状に形成され、これにダイヤフラム１５の左側面
が当接できるようになつている。また上記ばね１
９のばね力によつてピストン１７はダイヤフラム
１５に常時当接する如く付勢されている。

本実施例は上記構成を有するため、ダイヤフラ
ム室２１にエアが供給されたとき、ピストン１７
はばね１９のばね力に抗して二点鎖線に示す如く
左方変位する。このときピストン頂面を凸面形状
に形成しているため、左方変位時にピストンの受
圧面積が漸減し、このためプツシユロツドストロ
ークと出力との関係は第７図に示すようにプツシ
ユロツドストロークの増大と共に出力が漸減する
特性となる。このため、第５図の半クラツチ操作
範囲Ａ−Ｂに該特性を図示したように点Ａにおけ
る出力がP₁、点Ｂにおける出力がP₂となり、AB
間における該出力の差P₂−P₁は、上記従来装置に
おける出力差P₂−P₁′よりも大きくすることがで
き、この結果、第８図に示す如く、AB間に対応
するペダル踏込量を上記従来のものと比較する
と、従来ではXYに対応するＳであつたのに対し
て本実施例によればX′Yに対応するS′となり、し
たがつてS′の方がＳよりも大きいため、半クラツ
チ操作をそれだけ容易に行なえる作用効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置におけるクラツチコントロー
ル系の外観図、第２図はクラツチ装置の断面図、
第３図は上記従来のエアシリンダ装置におけるプ
ツシユロツドストロークとプッシユロツド出力と
の関係を示すグラフ、第４図はコントロールバル
ブの特性を示すグラフ、第５図はプツシユロツド
ストロークとレリーズ荷重および同ストロークと
プレツシヤプレートストロークとの関係を示すグ
ラフ、第６図は本考案の実施例におけるエアシリ
ンダ装置の断面図、第７図は同エアシリンダ装置
における第３図と同様のグラフ、第８図は供給圧
力とペダル踏込量およびプレツシヤプレートスト
ロークとペダル踏込量との関係を示した本実施例
と従来装置との比較グラフである。 １４……エアシリンダ装置、１５……ダイヤフ
ラム、１７……ピストン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クラツチペダルの踏込み操作により作動するバ
   ルブ、および同バルブを介して供給されるエアに
   より作動するエアシリンダ装置を具え、上記エア
   シリンダ装置のプツシユロツドの変位をクラツチ
   のレリーズレバに伝達するようにしたものにおい
   て、上記プツシユロツドに連結したピストンの頂
   面を凸面形状に形成し、同頂面に当接可能なダイ
   ヤフラムを上記エアシリンダ装置のケーシングに
   内蔵し、さらに上記ケーシングとピストンとの間
   にばねを縮設し、上記バルブ非作時上記ばねのば
   ね力によつて上記ピストン頂面が上記ダイヤフラ
   ムに当接する面積を最大となるように構成したこ
   とを特徴とするクラツチコントロール用エアシリ
   ンダ装置。