JPS62273932A - 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法 - Google Patents

2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法

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JPS62273932A
JPS62273932A JP61116140A JP11614086A JPS62273932A JP S62273932 A JPS62273932 A JP S62273932A JP 61116140 A JP61116140 A JP 61116140A JP 11614086 A JP11614086 A JP 11614086A JP S62273932 A JPS62273932 A JP S62273932A
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  • Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 3、発明の詳細な説明 (産業上の利用分野) 本発明は、次の反応式 (1) %式%(11 に従った塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料とす
る2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法に関する
。2−クロロプロピオンアルデヒドは化学品および農医
薬等の有用な中間体として用いることができる。
(従来の技術) 塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料とする2−ク
ロロプロピオンアルデヒドの製造方法は公知で、例えば
、フランス特許第1,397,779号やヘルベチ力・
キミ力・アクタ(HELVETICA C)IIMfC
ΔACTA) 、 48巻、第5号、 1151頁〜1
157頁に示されている。これらの方法は、いずれもコ
バルトカルボニルを触媒として用い、例えば、前記フラ
ンス特許第1.397,779号によれば、反応温度1
10℃、反応圧力200気圧の条件下において、90分
間反応を行わせ5塩化ビニルの転イヒ率57.4%、2
−クロロプロピオンアルデヒドの選択率86.2%の反
応成績を得ている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、これらのコバルトカルボニルを触媒として用い
る方法では、コバルト当りの触媒活性はきわめて低く、
このために多量のコバルトカルボニルと 160〜20
0気圧という高い反応圧力を必要とする上に、反応温度
75〜125°Cのもとて90〜120分間にわたり反
応を行わせる方法がとられている。目的生成物である2
−クロロプロピオンアルデヒドは熱的に不安定な物質で
、このような反応温度と反応時間のもとではかなりの割
合が逐次反応で消費されて反応収率を低めるためにこの
方法は再現性に乏しく、さらにはこの逐次反応または他
の副反応により塩化水素が副生じ、これが反応器の材料
を激しく腐食する上にコバルトカルボニル触媒と反応し
て塩化コバルトとなるために触媒の再使用にも支障をき
たすという問題点を有している。
また、これらの方法においてはいずれの場合にも触媒と
含有する反応液と生成物の2−クロロプロピオンアルデ
ヒドとの分離方法や、工業的に2−クロロプロピオンア
ルデヒドを製造する際に重要な触媒の回収・循環方法に
関しては、何ら言及されていない。
本発明の課題は、従来技術におけるこれらの触媒に関す
る問題点を解決するとともに、触媒を含有する反応液か
ら生成物の2−クロロ10ピオンアルデヒド分効率よく
分離し触媒を再使用するにあたって、長時間にわたり安
定した反応成績を得る方法を確立することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、これらの課題解決のため詳細な研究を行
った。その結果、塩化ビニル、一酸化炭素および水素と
を、ロジウム化合物、および塩基の存在下に反応させる
と、従来のコバルトカルボニル触媒を用いる方法にくら
べ、より低温・低圧下で反応が進行し、かつ充分な目的
生成物への選択性がえられることを見出しているが、引
き続きこの触媒反応についての詳細な検討を継続して行
い工業的により有利な方法で2−クロロプロピオンアル
デヒドを製造する方法を見いだし本発明にいたった。
すなわち、本発明は、塩化ビニル、一酸化炭素および水
素を反応させて2−クロロ70ピオンアルデヒドを製造
するに際し、 (1110ジウム化合物、塩基、水不溶もしくは難溶性
の有機溶媒および水の存在下に、塩化ビニル、一酸化炭
素および水素を反応させて2−クロロプロビオンアルデ
ヒドを含む反応混合物3得る工程と、 (bl該反応混合物を水層と有機層とに分離する工程と
、 (C1該水層から2−クロロプロピオンアルデヒドを分
離取得し、該水層中の2−クロロプロピオンアルデヒド
の濃度を5重量%以下まで低下させる工程と、 fdl該工程(C1において2−クロロプロピオンアル
デヒドを分離した該水層を陰イオン交換処理して再生水
を得る工程と、 (e)該再主再生水工程fatにもどして該有機層と共
に繰り返し再使用する工程とを 含むことを特徴とする2−クロロプロピオンアルデヒド
の製造法である。
本発明の方法では、ロジウム化合物に塩基、水不溶もし
くは難溶性の有機溶媒および水を共存させることが必要
である。
ここに述べる塩基とは、一般に窒素、燐または砒素など
の周期律第VB族元素を含有するルイス塩基を意味する
。これらの塩基の不存在下ではロジウム化合物は前記反
応に対して全く触媒作用を示さない。本発明の方法にお
いて用いる塩基とし  −て好ましいものは、これらの
塩基の中でも一般式P(R1R2R3)(ここに、Pは
燐原子を示しR2、R2、R3はそれぞれ同一もしくは
異種のアルキル、アリール、シクロアルキル、アルコキ
シ、アリールオキシまたはシクロアルコキシ基を示す)
で表わされる塩基か、あるいはpKaが3〜11の範囲
にあるアミン類であることが好ましい、特に、塩基が、
一般式 P (R1R2R3)(ここに、Pは燐原子を
示し、R2、R2、R3はそれぞれ同一もしくは異種の
アルキル、アリール、シクロアルキル、アルコキシ、ア
リールオキシまたはシクロアルコキシ基を示す)で表わ
される塩基と、pKaが3〜11の範囲にあるアミン類
との組合せであることが好ましい。ここに述べるpKa
が3〜11の範囲にあるアミン類としては、一般に、ア
ミノ基を含有する化合物、例えば、脂肪族アミン類、芳
香族アミン類、ジアミン類、トリアミン類、アミノアル
コール類、アミノ酸類、アミド類、尿素化合物、グアニ
ジン類、アミジン想、あるいはこれらの化合物の窒素原
子または炭素原子等にアルキル基、アリール基、カルボ
キシル基、ヒドロキシル基またはハロゲンなどの置換基
の入った含窒素化合物の中で、pKaが3〜11の範囲
にある化合物が挙げられる。また、このほか窒素一原子
以上を含む複素環式化合物の中で、pKaが3〜11の
範囲にある化合物も好ましい。
中でも、pKaが3〜11の範囲にあるピリジン化合物
、キノリン化合物、イミダゾール化合物、またはモルホ
リン化合物の少なくとも一種以上であることが更に好ま
しい。
これらの塩基は、具体的には次のように例示される。
すなわち、一般式 P(R1R2R3)(ここに、Pは
燐原子を示し、R2、R2、R3はそれぞれ同一もしく
は異種のアルキル、アリール、シクロアルキル、アルコ
キシ、アリールオキシまたはシクロアルコキシ基を示す
)で表わされる塩基としては、トリメチルホスフィン、
トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィノ、トリ
ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェ
ニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ
ベンジルホスフィンなどのホスフィン類や、トリメチル
ホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピル
ホスファイト、トリブチルホスファイト、トリオクチル
ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリシクロ
ヘキシルボスファイト、トリベンジルホスファイトなど
のホスファイト類があげられる。ま、た、ホスフィン類
の特殊なものとして、上記一般式P(R1R2R3)で
表わされるもののほかに、ビスジフェニルホスフィノメ
タン、ビスジフェニルホスフィノエタンなどのジホスフ
ィン類や、架橋ポリスチレンに結合したホスフィン類等
も好ましく用いられる。
また、pKaが3〜11の範囲にあるピリジン化合物、
キノリン化合物、イミダゾール化合物またはモルホリン
化合物は、次のように例示される。
すなわち、ピリジン化合物としては、−i弐Rs (式中、R2、R2、R3、R4およびR5は、それぞ
れ、水素、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基
、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、シクロアルコキシ基、カルボキシル基または
アセチル基を示す)で表わされる化合物の中でpKaが
3〜11の範囲のピリジン化合物があり、これらの例と
しては、ピリジン、ピコリン、エチル、ピリジン、2.
4−ルチジン、α−コリジン、フェニルピリジン、シク
ロへキシルピリジン、ベンジルピリジン、3−ビリジノ
ール、メトキシピリジン、フェノキシピリジン、アミノ
ピリジンなどがある。このほか、2.2′−ビスピリジ
ンなどの多核ピリジン類もピリジン化合物の例として挙
げられる。
また、キノリン化合物の例としては、キノリンのほかに
2−メチルキノリン、4−メチルキノリン、ジメチルキ
ノリン、2−エチルキノリン、フェニルキノリン、メト
キシキノリンなどがあり、このほか各種のイソキノリン
化合物も使用できる。
一方、イミダゾール化合物としては、一般式(式中、R
2、R2、R3およびR4はそれぞれ、水素、アルキル
基、アリール基またはシクロアルキル基を示し、またR
3およびR4がイミダゾール環の4.5位の炭素を含む
環を形成する縮環イミダゾールを形成していてもよい)
で示される化合物のなかでpKaが3〜11の範囲にあ
るものがあり、これらの例としては、イミダゾール、N
−メチルイミダゾール、N−エチルイミダゾール、2−
メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミ
ダゾール、N−ベンジル、−2−メチルイミダゾール、
2.4.5−トリフェニルイミダゾール、ベンゾイミダ
ゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、2−フェニル
ベンゾイミダゾール等が挙げられる。
さらに、モルホリン化合物の例としては、モルホリンの
ほかに、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン
などが挙げられる。
本発明の方法に用いられるロジウム化合物としては、ロ
ジウムの酸化物、鉱酸塩、有機酸塩またはロジウム錯化
合物などがある。これらの各種ロジウム化合物の中でも
、特に、ハロゲンを含まないロジウム化合物が好ましい
、これらの例としては、酸化ロジウム、硝酸ロジウム、
硫酸ロジウム、酢酸ロジウム、トリアセチルアセトナー
トロジウム、ジカルボニルアセチルアセトナートロジウ
ム、ドデカカルボニルテトラロジウム、ヘキサデカカル
ボニルへキサロジウム等が挙げられる。また、塩化ロジ
ウム、臭化ロジウム、沃化ロジウムまたはジクロロテト
ラカルボニルジロジウムなどのハロゲン含有ロジウム化
合物を用い、反応系内にこれらのハロゲン原子に対し等
量以上のアルカリ性化合物、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸カリウム、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン等を加えることも、ハロゲン分含有しな
いロジウム化合物を反応系内において生成させる手段と
して用いることができる。また、本発明の方法において
好ましく用いられる前述の塩基とロジウム化合物は、ロ
ジウム化合物とこれらの塩基の少なくとも一部とで錯化
合物を形成したものも更に好ましく用いられる。これら
の例としては、例えば、ヒドリドカルボニルトリストリ
フェニルホスフィンロジウム[RhH(CO) (PP
h3) 3コ、ニトロシルトリストリフェニルホスフィ
ンロジウム[Rh(No)(PPh3) 3 ] 、]
η−シクロペンタジェニルビストリフェニルホスフィン
ロジウム[Rh(Cs  Hs ) (PPt+3) 
21等が挙げられる。これら各種のロジウム化合物の中
でも、水に対する溶解性の低いロジウム化合物が本発明
の方法においては、特に好ましく用いられる。先に述べ
たロジウム錯化合物、例えば、ヒドリドカルボニルトリ
ストリフェニルホスフィンロジウム等は、この面からも
特に好ましいロジウム化合物の例として挙げられる。
本発明の方法では、前記ロジウム化合物は、反応系内の
液相1リツトルに対し、ロジウム原子として0.000
1〜1000ミリグラム原子、好ましくは、0.001
〜100ミリグラム原子の範囲に相当する量で使用され
る。また、本発明の方法で使用される前記塩基は、それ
ぞれロジウム1グラム原子に対し0.1〜50モル、好
ましくは0.5〜100モルの範囲で使用される。
また、本発明の方法に用いる水不溶もしくは難溶性の有
機溶媒とは、水に対する溶解性が低い有機溶媒を意味し
、通常、水への溶解量が使用温度において5容量%以下
のも、のであれば使用することができるが、工業的な見
地からは水への溶解量が0.5容量%以下のものが好ま
しい、また、これらの溶媒は、ロジウム化合物を溶解す
るとともに、反応条件下で変質しに<<、かつ、反応系
において不活性なものがとくに好ましく用いられる。
このような溶媒としてとくに好ましいのは炭化水素類で
ある。より具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
、ノナン、デカン等の飽和炭化水素や、ベンゼン、トル
エン、キシレジ等の芳香族炭化水素などが好ましく用い
られ、また、炭化水素類の混合物として工業的に得られ
るリグロイン、ケロシン、軽油、ディーゼル油などもこ
れらの例に含まれる。このほか、ジプロピルエーテル、
ジブチルエーテルなどのエーテル類、ジイソブチルケト
ン、ホロンなどのケトン類、酪酸ブチル、安息香酸ブチ
ルなどのエステル類なども好ましい溶媒の例として挙げ
られる。
また、本発明においては、溶媒として水よりも比重の小
さい溶媒を用い、反応を、撹拌装置と下部に静置分離槽
を有し、水−を上部から連続的に供給しながら下部の静
置分離槽から連続的に抜出す方式の反応装置を用いて行
うことが、より効率的に2−クロロプロピオンアルデヒ
ドを製造する上で特に好ましい、先に述べた溶媒、即ち
、炭化水素類、エーテル類、ケトン類またはエステル類
はいずれもその比重が水よりも小さいために、この場合
にも好ましく用いることができる。
本発明の方法においては、これら水不溶もしくは難溶性
の有機溶媒に対する2−クロロプロピオンアルデヒドの
溶解性をあまり考慮する必要はない。これは、これら有
機溶媒とともに前記反応系に供給される水への2−クロ
ロプロピオンアルデヒドの溶解性が極めて大きいことに
よる。
本発明の方法において好ましく用いられる反応装置に用
いる撹拌装置は、反応溶媒、水および一酸化炭素および
水素とを効率よく混合・撹拌する機能を有するものであ
れば、いずれの形式のものでも使用することができる。
静置分離槽は、反応溶媒と水とを分離する機能を有する
ものであればよく、下降する水の速度が撹拌により小さ
な液滴となった溶媒を同伴しない速度になるような径で
あることが好ましい。
本発明の方法において反応時に存在させる水の足につい
ては特に制限はないが、極端に少量の場合にはその効果
は小さくなり、また、極端に多量用いても反応成績はあ
る程度以上は上がらない。
通常、水の量は、原料として反応器へ供給する塩化ビニ
ルに対して重量比で0.01以上、1000以下の範囲
が好ましい。特に、0.1〜100の範囲が更に好まし
く用いられる。
また、本発明において用いる塩基が水溶性の場合には、
該塩基の少なくとも一部を反応系に供給する水に溶解さ
せた形で供給することも好ましく行われる。たとえば、
塩基としてイミダゾールを用いる場合には、これをイミ
ダゾール水溶液の形で反応器へ供給することが好ましい
先に述べたように本発明の方法においては、反応生成物
である2−クロロプロピオンアルデヒドは、大部分が水
層に溶解した形で反応系から取り出される。該水層から
2−クロロプロピオンアルデヒドを分離するのは容易で
、通常の蒸溜操作や抽出操作などを用いることができる
。蒸溜の場合には2−クロロプロピオンアルデヒドの熱
安定性を考えると蒸溜温度はできるだけ低温が好ましく
、通常は40〜90°Cの範囲で行う、この2−クロロ
プロピオンアルデヒドの分離において重要なことは、該
水層中の残留2−クロロプロピオンアルデヒドの濃度を
5重量%以下まで低下させることである。これは、該水
層中には少量のロジウム成分が溶解しているために該水
層を繰り返し使用しなければ反応系外へのロジウムの損
失が無視できないことによるためで、この場合、該水層
を反応器にリサイクルするに際し、反応系内の2−クロ
ロプロピオンアルデヒドの濃度をできるだけ低く抑える
ことが触媒活性を低下させない上で重要であることに起
因する。このため該水層中の2−クロロプロピオンアル
デヒドの濃度は低いほど好ましく、できれば1重量%以
下まで下げることがさらに好ましい。
かくして得られた水層は、リアクターに戻され繰り返し
再使用されるが、長時間使用しているうちに各種の副生
成物や原料中の不純物が蓄積されてくる。これらの中に
は触媒活性を阻害する物があるが、中でも特に塩素イオ
ンやサルファイドイオン等の陰イオンが触′媒活性を著
しく阻害することが見い出された。本発明者等はこれら
の触媒活性を阻害する物質の除去方法について検討を行
った結果、該水層を陰イオン交換処理すればこれらの活
性阻害効果を有する物質は殆ど完全に系外へ除去できる
ことを見い出した。陰イオン交換処理の方法は通常行わ
れている陰イオン交換法が採用でき、例えば、陰イオン
交換樹脂を充填したカラムに該水層を通す方法などが挙
げられる。陰イオン交換樹脂としては、強塩基性陰イオ
ン交換樹脂や弱塩基性陰イオン交換樹脂のいずれもが使
用可能であるが、その選択はこれらの陰イオンの除去効
率や再生コスト等を考慮して決められる。このほか、イ
オン交換膜を用いる方法や、イオン交換液を用いる方法
なども陰イオン交換処理の例として挙げられる。
これらの陰イオン交換処理によって得られる再生水中の
陰イオンの残留濃度は、低い方が好ましいが、多少の残
留は許容でき、通常は全陰イオンとして該再生水1リツ
トルあたり50ミリ等量以下であれば反応に及ぼす影響
は小さい。
本発明の方法の実施にあたっては、反応系内に他の成分
、例えばロジウム触媒の安定性を改良するための添加剤
や、触媒の活性や選択性を改良するための添加剤、例え
ばカルボン酸等が共存していても特に支障はない、これ
らの添加剤が該水層に可溶の場合には、該水層を陰イオ
ン交換処理するにあたって用いる陰イオン交換体を適宜
選択してこれらの有効な成分が系外に除去されないよう
に留意することが必要である。
本発明の方法は、通常、反応温度20〜150℃、反応
圧力 1〜200Kg/−ゲージの範囲、好ましくは2
0〜120Kg/cdゲージの範囲で行われる0反応温
度は生成する2−クロロプロピオンアルデヒドの熱安定
性の面から低温はど好ましく、このため、20〜100
℃が特に好ましい温5度範囲である二また、原料の一酸
化炭素および水素の混合モル比は、通常10〜0.1の
範囲であり、好ましくは4〜0,2の範囲である。一酸
化炭素および水素は前記の組成比で両成分を含有する混
合ガスであればよく、水性ガスや、水性ガスにメタン、
窒素などの反応に不活性なガス、または二酸化炭素など
が含有されたものが用いられる。もう一方の原料である
塩化ビニルは、ガス状、液状、あるいは反応に用いる溶
媒に溶解した溶液の形で使用される。また、陰イオン交
換処理の温度には、とくに制限を設ける必要はないが、
溶解しているロジウム化合物の安定性や、用いる陰イオ
ン交換体の熱安定性の面からは低い方が好ましく、常温
ないし60°Cの範囲で行われる。
本発明の方法は、回分法、半回分法、連続法のいずれの
方法によっても実施できるが、連続法がより好ましい、
連続法の場合の例としては、ロジウム化合物および水不
溶もしくは難溶性の有機溶媒と場合によっては塩基を耐
圧の反応器に仕込んでおき、撹拌下に水あるいは場合に
よっては塩基の水溶液を該反応器の上部から、また、原
料の塩化ビニル、一酸化炭素および水素とを、該反応器
の下部から連続的に供給し、下方に設置した静置分離槽
の下部から反応生成物の2−クロロプロピオンアルデヒ
ドを含む水層を連続的に取り出すことにより反応が行わ
れる。
次いで、該水層は、減圧下で操作される蒸溜装置にかけ
られ、反応生成物の2−クロロプロピオンアルデヒドの
実質的に全量を分離し、続いて陰イオン交換装置におい
て水層中の陰イオンの殆ど全量を除去した後に再使用の
ために反応器ヘリサイクルされる。
(作用および発明の効果) 本発明の方法により、塩化ビニル、一酸化炭素および水
素を原料として、従来法に比較してより低温・低圧下に
おいて高活性で2−クロロプロピオンアルデヒドを製造
することができる。
特に、本発明の方法により、従来よりも高い触媒活性を
維持したままで長時間にわたって触媒を繰り返し使用し
ながら反応を継続させることが可能となる。
(実施例) 以下、実施例により本発明の方法を更に具体的に説明す
る。
10段の翼の撹拌機および温水ジャケットを備えた耐圧
100にg/calゲージの反応器1 (SO5316
L製、内径25 mm、高さ350龍、実容積約170
c11で、下部に内径25 mm、高さ150鶴の静置
分離槽2を付属している)に、ヒドリドカルボニルトリ
ストリフェニルホスフィンロジウム1ミリモル、トリフ
ェニルホスフィン5ミリモルおよび反応溶媒としてトル
エン50m1を仕込み、反応温度50℃、反応圧カフ5
Kg/cdゲージの条件下で、該反応器の下部に設けた
導入管11および12から塩化ビニル17.5 g /
時、およびモル比1:2の一酸化炭素および水素の混合
ガス約42/時をそれぞれ連続的に供給した。同時に、
イミダゾール水溶液貯槽6から1リツトルあたり 15
gのイミダゾールを溶解したイミダゾール水溶液を配管
19および反応器上部に設けた液導入管2.0から15
0 g;1時の割合で供給した0反応器下部に設けた静
置分離槽2の下方に液取り出し管13が設置されており
、反応器内の液面が一定に保たれるように該液取り出し
管13から反応生成物の2−クロロプロピオンアルデヒ
ドを含んだイミダゾール水溶液より成る水層が連続的に
反応器外へ取り出され、一方、反応器上部に設けられた
ガス抜出し管18からは反応器1内の圧力が一定に保た
れるように未反応塩化ビニル、および未反応一酸化炭素
および水素を含有するガスが連続的に抜出された。該水
層にはイミダゾールおよび2−クロロプロピオンアルデ
ヒドのほかに、少量の塩素イオン(イミダゾール塩酸塩
として存在しているものと考えられる)、プロピオン酸
および1゜8 ppm  の濃度のロジウムが存在して
いることが確認された0次いで、該水層は、圧力50 
mm水銀柱、缶温度60°Cで操作されているガラス製
の回分式蒸溜装置3にて2−クロロプロピオンアルデヒ
ドの大部分を分離して、2−クロロプロピオンアルデヒ
ド含有量1.5重量%の水溶液として缶出液抜出管15
から回収された。該回分式蒸溜装置3の回出液収り出し
口14からは、1時間あたりに換算して7.2 gの2
−クロロプロピオンアルデヒド(水分10.2重量%を
含有する)が得られた。
一方、該水層は、配管15を経て水酸基型に再生した強
塩基性陰イオン交換樹脂(商品名、レバチットM500
 ) 1000 mlを充填したガラスカラム4に通し
、塩素イオンおよびプロピオン酸を除去して液取り出し
口16を経て再生水貯槽5に再生水として回収された。
該再生水中の残留塩素イオンおよびプロピオン酸の濃度
はいずれも1リツトルあたり5ミリ等量以下であり、ま
た、ロジウム濃度は分析誤差範囲内で変化のない事が確
認された。該再生水は、配管17および液導入管20を
経て再び反応器へもどして再使用に供された。
この様な方法で72時間にわたって連続運転を行った。
減圧蒸溜装置からの回出分は、水分を平均10.4χ含
有する2−クロロプロピオンアルデヒドで、その1時間
あたりの生成量は運転開始後約5時間目当りから±lo
z程度の範囲内でほぼ一定となり、その後72時間目ま
でほぼ一定の値を保った、反応開始後、68時間目から
72時間目までの4時間の平均では、1時間当り 7.
48の1000重量%含水の2−クロロプロピオンアル
デヒドが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の詳細な説明する工程図である9図中、
1は反応器、2は静置分離槽、3は回分蒸溜装置、4は
イオン交換樹脂を充填したカラム、5は再生水貯槽、6
はイミダゾール水溶液貯槽を示す。 特許出願人  三井東圧化学株式会社 図面 第1図

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)(a)ロジウム化合物、塩基、水不溶もしくは難
    溶性の有機溶媒および水の存在下に、塩化ビニル、一酸
    化炭素および水素を反応させて2−クロロプロピオンア
    ルデヒドを含む反応混合物を得る工程と、 (b)該反応混合物を水層と有機層とに分離する工程と
    、 (c)該水層から2−クロロプロピオンアルデヒドを分
    離取得し、該水層中の2−クロロプロピオンアルデヒド
    の濃度を5重量%以下まで低下させる工程と、 (d)該工程(c)において2−クロロプロピオンアル
    デヒドを分離した該水層を陰イオン交換処理して再生水
    を得る工程と、 (e)該再生水を該工程(a)にもどして該有機層と共
    に繰り返し再使用する工程とを 含むことを特徴とする2−クロロプロピオンアルデヒド
    の製造法。
  2. (2)溶媒として水よりも比重の小さい溶媒を用い、反
    応を、撹拌装置と下部に静置分離槽を有し、水を上部か
    ら連続的に供給しながら下部の静置分離槽から連続的に
    抜出す方式の反応装置を用いて行う特許請求の範囲第1
    項記載の方法。
  3. (3)塩基が、一般式P(R^1R^2R^3)(ここ
    に、Pは燐原子を示し、R^1、R^2、R^3はそれ
    ぞれ同一もしくは異種のアルキル、アリール、シクロア
    ルキル、アルコキシ、アリールオキシまたはシクロアル
    コキシ基を示す)で表わされる塩基である特許請求の範
    囲第1項または第2項記載の方法。
  4. (4)塩基がpKaが3〜11の範囲にあるアミン類で
    ある特許請求の範囲第1項または第2項記載の方法。
  5. (5)塩基が、一般式P(R^1R^2R^3)(ここ
    に、Pは燐原子を示し、R^1、R^2、R^3はそれ
    ぞれ同一もしくは異種のアルキル、アリール、シクロア
    ルキル、アルコキシ、アリールオキシまたはシクロアル
    コキシ基を示す)で表わされる塩基と、pKaが3〜1
    1の範囲にあるアミン類の、それぞれ少なくとも一種以
    上の組合せである特許請求の範囲第1項または第2項記
    載の方法。
  6. (6)pKaが3〜11の範囲にあるアミン類が、pK
    aが3〜11の範囲にあるピリジン化合物、キノリン化
    合物、イミダゾール化合物またはモルホリン化合物の少
    なくとも一種以上である特許請求の範囲第4項または第
    5項記載の方法。
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