JPS62273288A - 炭素質ピツチ類の選択・配合調整方法 - Google Patents
炭素質ピツチ類の選択・配合調整方法Info
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- JPS62273288A JPS62273288A JP11501486A JP11501486A JPS62273288A JP S62273288 A JPS62273288 A JP S62273288A JP 11501486 A JP11501486 A JP 11501486A JP 11501486 A JP11501486 A JP 11501486A JP S62273288 A JPS62273288 A JP S62273288A
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Landscapes
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- Working-Up Tar And Pitch (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
3、発明の詳細な説明
[産業上の利用分野]
本発明は高性能炭素繊維を製造するのに適した炭素質ピ
ッチ類を得る方法に関し、詳細には、炭素質ピッチ類を
NMR分析の結果によって評価し、最適原料として選択
又は配合・調整する方法に関するものである。
ッチ類を得る方法に関し、詳細には、炭素質ピッチ類を
NMR分析の結果によって評価し、最適原料として選択
又は配合・調整する方法に関するものである。
[従来の技術]
炭素質ピッチ類を原料として紡糸・不融化及び炭素化処
理を行なうピッチ系炭素繊維の製造法が提案され種々研
究が進められている。製品である炭素繊維の物性は、原
料ピッチの性状や物性によって大籾な影響を受けること
から、石炭系ピッチ、石油系ピッチをはじめとして各種
高分子化合物や、芳香族化合物及びこれらの熱分解物や
水素化物1分別成分、酸処理物等々数多くの原料を用い
て炭素1m inを製造することが試みられている。
理を行なうピッチ系炭素繊維の製造法が提案され種々研
究が進められている。製品である炭素繊維の物性は、原
料ピッチの性状や物性によって大籾な影響を受けること
から、石炭系ピッチ、石油系ピッチをはじめとして各種
高分子化合物や、芳香族化合物及びこれらの熱分解物や
水素化物1分別成分、酸処理物等々数多くの原料を用い
て炭素1m inを製造することが試みられている。
ピッチ類は数多くの成分を含む複雑な混合物であってそ
の性状や成分組成は原料の種類や処理条件によって著し
く変わるから、性状や成分組成を正確に把握し炭素繊維
用原料としてのピッチ類を選択或は配合・調整すること
は極めて重要なことである。これまでに提案されている
原料ピッチの選択基準としては、粘度(特開昭48−3
6170号公報)、溶剤分別成分(特開昭53−606
75号公報、同55−162972号公報)1反射率(
特開昭58−76523号公報)等の物理的性質による
ものがある。
の性状や成分組成は原料の種類や処理条件によって著し
く変わるから、性状や成分組成を正確に把握し炭素繊維
用原料としてのピッチ類を選択或は配合・調整すること
は極めて重要なことである。これまでに提案されている
原料ピッチの選択基準としては、粘度(特開昭48−3
6170号公報)、溶剤分別成分(特開昭53−606
75号公報、同55−162972号公報)1反射率(
特開昭58−76523号公報)等の物理的性質による
ものがある。
しかしながら、これらの物理的性質による選択基準では
原料ピッチを構成する成分の化学構造を必ずしも的確に
把握することができない。即ち、ピッチ系炭素繊維の製
造に当たって要求される特性としては、原料ピッチを熱
処理して得られる紡糸用ビ・ノチの紡糸性、紡糸して得
たピッチ繊維を不融化する際の反応性等が挙げられるが
、これは熱処理時の熱分解特性および酸素との反応のし
易さに基づくものであり、原料ピッチを構成する成分の
化学反応性に他ならない。つまり化学構造によって決定
される性質であり、前述のような物理的性質に基づく選
択基準では優れた原料ピッチを正確に選択もしくは配合
・調整することができるとは限らない。
原料ピッチを構成する成分の化学構造を必ずしも的確に
把握することができない。即ち、ピッチ系炭素繊維の製
造に当たって要求される特性としては、原料ピッチを熱
処理して得られる紡糸用ビ・ノチの紡糸性、紡糸して得
たピッチ繊維を不融化する際の反応性等が挙げられるが
、これは熱処理時の熱分解特性および酸素との反応のし
易さに基づくものであり、原料ピッチを構成する成分の
化学反応性に他ならない。つまり化学構造によって決定
される性質であり、前述のような物理的性質に基づく選
択基準では優れた原料ピッチを正確に選択もしくは配合
・調整することができるとは限らない。
一方原料ピッチの化学的性質を改善すべく、水素含有物
質を添加する方法(特開昭58−87187号公報、同
58−144126号公報、同58−198292号公
報等)、ワックスを添加する方法(特開昭58−719
90号公報)、脱アスファルトを行なう方法(特開昭5
8−47089号公報)等が試みられている。
質を添加する方法(特開昭58−87187号公報、同
58−144126号公報、同58−198292号公
報等)、ワックスを添加する方法(特開昭58−719
90号公報)、脱アスファルトを行なう方法(特開昭5
8−47089号公報)等が試みられている。
しかし上記の化学的性質改善法においても原料ピッチと
しての評価方法または選択基準が明確でないため、品質
安定性に乏しくピッチ系高性能炭素繊維を工業的に製造
し得る技術とはなり得ていない。
しての評価方法または選択基準が明確でないため、品質
安定性に乏しくピッチ系高性能炭素繊維を工業的に製造
し得る技術とはなり得ていない。
[発明が解決しようとする問題点]
石油系ピッチや石炭系ピッチ等から高性能炭素繊維を得
る手法として現在提案されているのは、炭素質ピッチを
熱処理してメソフェーズを含む紡糸用ピッチとし、この
紡糸用ピッチを溶融紡糸した後、不融化および炭素化、
必要ならばざらに歴鉛化処理を行なう方法である。即ち
分子配向を有するメソフェーズを含む紡糸用ピッチを原
料としてこれを紡糸することにより、繊維軸方向に分子
配向したピッチ繊維を得、このピッチIa iaをさら
に不融化以降の処理に付すことにより高性能炭素ia維
を得ようとするものである。
る手法として現在提案されているのは、炭素質ピッチを
熱処理してメソフェーズを含む紡糸用ピッチとし、この
紡糸用ピッチを溶融紡糸した後、不融化および炭素化、
必要ならばざらに歴鉛化処理を行なう方法である。即ち
分子配向を有するメソフェーズを含む紡糸用ピッチを原
料としてこれを紡糸することにより、繊維軸方向に分子
配向したピッチ繊維を得、このピッチIa iaをさら
に不融化以降の処理に付すことにより高性能炭素ia維
を得ようとするものである。
しかしながらこれまでのところ、ピッチ類の炭素繊維用
原料としての評価を、適正な基準をもって行ない、それ
に従って選択もしくは配合・調整したピッチを用いて炭
素繊維を製造するという方法は確立されていない。その
為、原料ピッチを評価しようとする場合、当該ピッチを
少量採取して実際に熱処理、紡糸、不融化実験さらに必
要により炭素化実験を行なうことにより、紡糸性、不融
化性および得られた炭素繊維の物性を調べ評価せざるを
得なかった。
原料としての評価を、適正な基準をもって行ない、それ
に従って選択もしくは配合・調整したピッチを用いて炭
素繊維を製造するという方法は確立されていない。その
為、原料ピッチを評価しようとする場合、当該ピッチを
少量採取して実際に熱処理、紡糸、不融化実験さらに必
要により炭素化実験を行なうことにより、紡糸性、不融
化性および得られた炭素繊維の物性を調べ評価せざるを
得なかった。
しかし同種の原料ピッチから得られる紡糸用ピッチであ
っても該紡糸用ピッチを得たときの処理条件(熱処理の
温度1時間、圧力、雰囲気等)等によって、その化学構
造および物性は少なからず変化する。また原料ピッチが
異なれば同一条件で処理しても異なった特性を有する紡
糸用ピッチが得られる。
っても該紡糸用ピッチを得たときの処理条件(熱処理の
温度1時間、圧力、雰囲気等)等によって、その化学構
造および物性は少なからず変化する。また原料ピッチが
異なれば同一条件で処理しても異なった特性を有する紡
糸用ピッチが得られる。
その為、確実な工程管理を行なおうとすればロフト毎に
適正評価実験を行なわなければならず当該作業に多大な
労力と時間を要していた。
適正評価実験を行なわなければならず当該作業に多大な
労力と時間を要していた。
L @2 f’Q 6N +に+ +−αた L
+ 1χnQ −# Aj: I−k
kM −E WJf レ−C。
+ 1χnQ −# Aj: I−k
kM −E WJf レ−C。
類を機器分析することによって、その構成を化学的に把
握し、炭素繊維用原料として最適のピッチを選択あるい
は配合・調整することのできる方法を確立すべく種々研
究を行ない、本発明を完成するに至った。
握し、炭素繊維用原料として最適のピッチを選択あるい
は配合・調整することのできる方法を確立すべく種々研
究を行ない、本発明を完成するに至った。
[問題点を解決するための手段〕
上記問題点を解決でとだ本発明とは炭素繊維製造用の原
料となる炭素質ピッチ類を核磁気共口1(以下NMRと
記す)分析に付し、得られたスペクトルのシグナル強度
の構成比率が100〜170ppmのもの:80〜96
%、6〜25ppmのもの;10%以下となる様に炭素
質ピッチ類を選択もしくは配合・調整するを構成要旨と
するものである。
料となる炭素質ピッチ類を核磁気共口1(以下NMRと
記す)分析に付し、得られたスペクトルのシグナル強度
の構成比率が100〜170ppmのもの:80〜96
%、6〜25ppmのもの;10%以下となる様に炭素
質ピッチ類を選択もしくは配合・調整するを構成要旨と
するものである。
[作用]
本発明は炭素質ピッチ類を原料ピッチの段階でNMRス
ペクトル分析に付し、原料ピッチにおける成分炭素の炭
素骨格上の位置付けを夫々の構成比率で把握し高性能炭
素ta維川用料としての紡糸用ピッチに要求される後述
する(1) 、 (2) 。
ペクトル分析に付し、原料ピッチにおける成分炭素の炭
素骨格上の位置付けを夫々の構成比率で把握し高性能炭
素ta維川用料としての紡糸用ピッチに要求される後述
する(1) 、 (2) 。
(3) 、 (4)のような特性を備えた紡糸用ピッ
チを与えるか否かを判断し該当する炭素の構成比率を有
する原料ピッチを選択もしくは配合・調整するものであ
る。
チを与えるか否かを判断し該当する炭素の構成比率を有
する原料ピッチを選択もしくは配合・調整するものであ
る。
本発明で使用する炭素質ピッチ類としては石炭系ピッチ
や石油系ピッチの他、各種の高分子化合物や芳香族化合
物等に熱処理、蒸留、水素化、溶剤分別、混合等の処理
を加えることによって得ることができる。
や石油系ピッチの他、各種の高分子化合物や芳香族化合
物等に熱処理、蒸留、水素化、溶剤分別、混合等の処理
を加えることによって得ることができる。
これらのピッチ類は通常350℃以上に加熱すると光学
的に異方性を有するメソフェーズが生成する。これをさ
らに加熱するとこのメソフェーズは成長1合体を起こし
ながら「流れ構造」と称される組織へと発達してゆく、
高性能の炭素繊維を得るにはピッチ中のメソフェーズ含
有量がおよそ65%以上好ましくは90%以上となるよ
うに熱処理条件を選択しなければならない。
的に異方性を有するメソフェーズが生成する。これをさ
らに加熱するとこのメソフェーズは成長1合体を起こし
ながら「流れ構造」と称される組織へと発達してゆく、
高性能の炭素繊維を得るにはピッチ中のメソフェーズ含
有量がおよそ65%以上好ましくは90%以上となるよ
うに熱処理条件を選択しなければならない。
ところが一般的には炭素質ピッチを加熱し、メソフェー
ズが65%以上となるまで熱処理を行なう軟化点の高い
いわゆる固いメソフェーズが生成し、紡糸することが困
難となってしまう。
ズが65%以上となるまで熱処理を行なう軟化点の高い
いわゆる固いメソフェーズが生成し、紡糸することが困
難となってしまう。
紡糸用ピッチに要求される特性としては(1)軟化点が
200℃以上好ましくは250℃以上400℃以下であ
ること、(2)軟化溶融時に均一な相となって流動する
こと、(3)溶融紡糸工程で熱分解や縮合を起こしてガ
スを発生しないこと、(4)紡糸により得られるピッチ
繊維が不融化し易いこと等が挙げられる。
200℃以上好ましくは250℃以上400℃以下であ
ること、(2)軟化溶融時に均一な相となって流動する
こと、(3)溶融紡糸工程で熱分解や縮合を起こしてガ
スを発生しないこと、(4)紡糸により得られるピッチ
繊維が不融化し易いこと等が挙げられる。
炭素繊維はその殆んどが炭素骨格からなる高分子物質で
あって原料ピッチ中の成分炭素がその根源となる。まし
て紡糸用ピッチにおいてはさらに強く原料ピッチ中の成
分炭素の影響を残しているものである。従って紡糸用ピ
ッチの原料となるピッチは下記(イ)、(ロ)の特性を
満たす必要がある。
あって原料ピッチ中の成分炭素がその根源となる。まし
て紡糸用ピッチにおいてはさらに強く原料ピッチ中の成
分炭素の影響を残しているものである。従って紡糸用ピ
ッチの原料となるピッチは下記(イ)、(ロ)の特性を
満たす必要がある。
(イ)熱処理の初期過程で分解し易い成分を含まないこ
と、原料ピッチに熱分解し易い成分が含まれていると、
該成分は熱処理の初期過程でm縮合反応を起こし極めて
高い分子量の成分を生成する。この高分子量成分は残っ
た低分子量成分に均一分散しないため、ピッチの軟化点
を上昇させかつ軟化溶融時に不均一相を形成してしまう
。つまり紡糸用ピッチに要求される前記特性(1)およ
び(2)を満たすことができなくなる。またこの分解し
易い成分を重縮合反応の起こりにくい条件下で熱処理す
ると紡糸用ピッチ中に残り、これが紡糸工程で分解して
ガスを発生し前記特性(3)を満たすことができなくな
る。
と、原料ピッチに熱分解し易い成分が含まれていると、
該成分は熱処理の初期過程でm縮合反応を起こし極めて
高い分子量の成分を生成する。この高分子量成分は残っ
た低分子量成分に均一分散しないため、ピッチの軟化点
を上昇させかつ軟化溶融時に不均一相を形成してしまう
。つまり紡糸用ピッチに要求される前記特性(1)およ
び(2)を満たすことができなくなる。またこの分解し
易い成分を重縮合反応の起こりにくい条件下で熱処理す
ると紡糸用ピッチ中に残り、これが紡糸工程で分解して
ガスを発生し前記特性(3)を満たすことができなくな
る。
(ロ)不融化過程における反応性の高いつまり酸化され
易い成分を含むこと、 不融化は紡糸用ピッチを溶融紡糸後、酸化性7囲気下で
軟化点以下の温度から順次昇温して行なうが、紡糸用ピ
ッチに易酸化性成分が含まれていないと高い温度で不融
化を行なうことが困難であったり或は不可能であること
もあるから紡糸用ピッチには酸化され易い成分を含んで
いる必要がありそのためには原料ピッチに易酸化性成分
が含まれていることが必須となる。
易い成分を含むこと、 不融化は紡糸用ピッチを溶融紡糸後、酸化性7囲気下で
軟化点以下の温度から順次昇温して行なうが、紡糸用ピ
ッチに易酸化性成分が含まれていないと高い温度で不融
化を行なうことが困難であったり或は不可能であること
もあるから紡糸用ピッチには酸化され易い成分を含んで
いる必要がありそのためには原料ピッチに易酸化性成分
が含まれていることが必須となる。
前述の如くピッチ類は数多くの化合物からなる非常に複
雑な混合物であるが、その成分炭素をNMRスペクトル
のシグナル強度の構成比率で把握することによりその特
性を知ることが出来ることが分かった。
雑な混合物であるが、その成分炭素をNMRスペクトル
のシグナル強度の構成比率で把握することによりその特
性を知ることが出来ることが分かった。
原料ピッチのNMRスペクトルは、例えば第1図にその
一例を示す如く試料ピッチを構成する多種類の炭素を示
す多くのシグナルから成っている。得られたNMRスペ
クトルにおける夫々の炭素に基づくシグナルを化学構造
の特性(即ち炭素骨格上の位置付け)を示す化学シフト
に基づいて4つの区分に分け、各区分についてシグナル
強度から構成比率を求める。尚外部標準として用いたd
6−DMSOの中央のシグナルを39.6ppmとして
δ値で表わすと次の様に区分される。
一例を示す如く試料ピッチを構成する多種類の炭素を示
す多くのシグナルから成っている。得られたNMRスペ
クトルにおける夫々の炭素に基づくシグナルを化学構造
の特性(即ち炭素骨格上の位置付け)を示す化学シフト
に基づいて4つの区分に分け、各区分についてシグナル
強度から構成比率を求める。尚外部標準として用いたd
6−DMSOの中央のシグナルを39.6ppmとして
δ値で表わすと次の様に区分される。
第1区分: 100〜170ppm
第2区分・ 25〜50 ppm
第3区分: 15〜25ppm
第4区分: 6〜15ppm
但しシグナル強度を求めるに当たり、第2区分の強度に
ついてはその全体の強度からd、−DMSOのシグナル
強度を差し引いたものを採用した。
ついてはその全体の強度からd、−DMSOのシグナル
強度を差し引いたものを採用した。
原料ピッチに要求される前記特性(イ)。
(ロ)を発現する成分炭素とNMR区分との関係を示す
と、特性(イ)を満たすためには第3区分(15〜25
ppm )と第4区分(6〜15ppL11)の構成比
率の和が10%以下、好ましくは6%以下になるように
しなくてはならない。なぜならば第3区分および第4区
分は主に長鎖のパラフィンおよび芳香環に対しβ位以上
の脂肪族炭素によるものであり、これらの成分は熱処理
の初期過程で分解し易い成分で炭素繊維製造上何ら役に
立たない部分であるが不融化に必要な第2区分を数%存
在させるためにはどうしても第3,4区分が存在してし
まう。したがって第1区分の残り、4〜20%から第2
区分に必要な数%を引いた残りが第3,4区分で、少な
ければ少ない方がよい。
と、特性(イ)を満たすためには第3区分(15〜25
ppm )と第4区分(6〜15ppL11)の構成比
率の和が10%以下、好ましくは6%以下になるように
しなくてはならない。なぜならば第3区分および第4区
分は主に長鎖のパラフィンおよび芳香環に対しβ位以上
の脂肪族炭素によるものであり、これらの成分は熱処理
の初期過程で分解し易い成分で炭素繊維製造上何ら役に
立たない部分であるが不融化に必要な第2区分を数%存
在させるためにはどうしても第3,4区分が存在してし
まう。したがって第1区分の残り、4〜20%から第2
区分に必要な数%を引いた残りが第3,4区分で、少な
ければ少ない方がよい。
また特性(ロ)を満たすためには第1区分(100〜1
70ppm)の構成比率を80〜96%にしなくてはな
らない。なぜならば第1区分は主に芳香族炭素によるも
のであり、この成分は酸化されにくい成分であり、96
%を超えると不融化が困難あるいは不可能になるからで
ある。また80%未満では炭素!a維の製造中に副反応
が起こり、高性能炭素繊維とならず得られる炭素繊維の
特性が低下してしまうためである(比較例3参照)。
70ppm)の構成比率を80〜96%にしなくてはな
らない。なぜならば第1区分は主に芳香族炭素によるも
のであり、この成分は酸化されにくい成分であり、96
%を超えると不融化が困難あるいは不可能になるからで
ある。また80%未満では炭素!a維の製造中に副反応
が起こり、高性能炭素繊維とならず得られる炭素繊維の
特性が低下してしまうためである(比較例3参照)。
以上述べたように炭素質ピッチをNMRのシグナル強度
構成比率に基づいて選択もしくは配合・調整した後に、
このピッチを紡糸用の原料ピッチとして紡糸し、不融化
し、炭素化し必要ならば黒鉛化して炭素繊維とする。
構成比率に基づいて選択もしくは配合・調整した後に、
このピッチを紡糸用の原料ピッチとして紡糸し、不融化
し、炭素化し必要ならば黒鉛化して炭素繊維とする。
[実施例1]
石炭系ピッチ(軟化点56℃)を170℃に加熱して均
一な溶融状態とし、下記の条件でNMR分析を行なった
。
一な溶融状態とし、下記の条件でNMR分析を行なった
。
(NMR分析条件)
NMR分析装置:日本電子製 FX−60Q測定対象核
種;炭素 外部標準 : da DMSO 外部標準用緩和試薬:Cr(AcAc)3観測巾: 3
000Hz パルス巾、7μ5ec(45度) パルス繰り返し時間:2sec データポイント:8192 積算回数: l(1,000〜30,000パルスモー
ド:ゲーティッド・デカップル得られたNMRスペクト
ルにおけるシグナルを化学シフトに基づいて第1区分か
ら第4区分に分け、各区分についてシグナル強度から構
成比率を求めた。
種;炭素 外部標準 : da DMSO 外部標準用緩和試薬:Cr(AcAc)3観測巾: 3
000Hz パルス巾、7μ5ec(45度) パルス繰り返し時間:2sec データポイント:8192 積算回数: l(1,000〜30,000パルスモー
ド:ゲーティッド・デカップル得られたNMRスペクト
ルにおけるシグナルを化学シフトに基づいて第1区分か
ら第4区分に分け、各区分についてシグナル強度から構
成比率を求めた。
(NMRによる各区分の構成比率)
第1区分 877%
第2区分:6.2%
第3区分:4.9%
第4区分、1.3%
この石炭系ピッチを原料として以下の条件で熱処理を行
ない得られた紡糸用ピッチを用いて紡糸、不融化及び黒
鉛化を行なった所、極めて高性能な炭素1All維を得
ることが出来た。
ない得られた紡糸用ピッチを用いて紡糸、不融化及び黒
鉛化を行なった所、極めて高性能な炭素1All維を得
ることが出来た。
(熱処理条件)
熱処理温度=480℃
熱処理時間: 5分
圧力 : lommHg
(溶融紡糸条件)
温度 =350℃
ノズル径: 0.5+nmす
巻取速度: 800 m/mi口
(不融化処理条件)
空気中にて1℃/minの加熱速度で300℃まで昇温
した。
した。
(黒鉛化処理条件)
昇温速度: 10℃/min
処理温度:2850℃
処理時間; 0m1n(昇温のみ)(得られた炭素
繊維の特性) 繊維径 :13μm 引張強度 ;320にg/Ino+2 引張弾性率:40トン/mm2 [実施例2] 石炭系ピッチ(軟化点103℃)を170℃に加熱して
実施例1と同条件でNMR分析を行なった。
繊維の特性) 繊維径 :13μm 引張強度 ;320にg/Ino+2 引張弾性率:40トン/mm2 [実施例2] 石炭系ピッチ(軟化点103℃)を170℃に加熱して
実施例1と同条件でNMR分析を行なった。
各区分の構成比率は下記の通りであった。
(NMRによる各区分の構成比率)
第1区分: 92.9%
第2区分:3.9%
第3区分;2.6%
第4区分二0.7%
この石炭系ピッチを原料として以下の条件で熱処理、紡
糸、不融化及び黒鉛化を行なった所、実施例1と同様に
極めて高性能な炭素繊維を得ることが出来た。
糸、不融化及び黒鉛化を行なった所、実施例1と同様に
極めて高性能な炭素繊維を得ることが出来た。
(熱処理条件)
熱処理温度:480℃
熱処理時間: 5分
圧力 : 10mmHg
(溶融紡糸条件)
7311度 : 355℃
ノズル径: 0.5aunφ
巻取速度: 1000m/m1n
(不融化処理条件)
空気中にて1℃/minの加熱速度で300’l:まで
昇温した。
昇温した。
(黒鉛化処理条件)
昇温速度+ 10t/a+in
処理温度+2850℃
処理時間二 0のin (昇温のみ)(得られた炭
素繊維の特性) 繊維径 : 10μm 引張強度 : 370 Kg/mm2 引張弾性率: 59トン/mm2 [比較例1コ 石炭系ピッチ(軟化点78℃)を170℃に加熱して実
施例1と同条件でNMR分析を行なった。
素繊維の特性) 繊維径 : 10μm 引張強度 : 370 Kg/mm2 引張弾性率: 59トン/mm2 [比較例1コ 石炭系ピッチ(軟化点78℃)を170℃に加熱して実
施例1と同条件でNMR分析を行なった。
各区分の構成比率は下記の通りであった。
(NMRによる各区分の構成比率)
第1区分: 96.5%
第2区分:2.0%
第3区分:1.2%
第4区分二0.3%
この石炭系ピッチを原料として以下の条件で熱処理、紡
糸を行なった。
糸を行なった。
(熱処理条件)
熱処理温度=440℃
熱処理時間: 60分
圧力 + 10mmHg
(溶融紡糸条件)
温度 :200℃
ノズル径+ 0.5mmφ
巻取速度: 800 m/min
溶融紡糸により得られたピッチ繊維は不融化処理時の反
応性が劣悪であり、通常の処理条件では不融化すること
が出来ず、またさらに過酷な条件下で不融化しようとす
ると融着又は糸切れを起こし、本来の、性能を備えた炭
素繊維とすることができなかった。
応性が劣悪であり、通常の処理条件では不融化すること
が出来ず、またさらに過酷な条件下で不融化しようとす
ると融着又は糸切れを起こし、本来の、性能を備えた炭
素繊維とすることができなかった。
[比較例2コ
石油系ピッチ(軟化点41℃)を170℃に“ガr+4
り電1.で電り負;イ511+l−l¥1.%II#ヒ
’f5MλJDA−に靜fy4;六−一た。
り電1.で電り負;イ511+l−l¥1.%II#ヒ
’f5MλJDA−に靜fy4;六−一た。
各区分の構成比率は下記の通りであった。
(NMRによる各区分の構成比率)
第1区分: 40.1%
第2区分+ 35.4%
第3区分: 18.8%
第4区分:5.7%
この石油系ピッチを原料として以下の条件で熱処理を行
なった。
なった。
(熱処理条件)
熱処理温度:470℃
熱処理時間二 0分
圧力 : 10n+mHg
熱処理により得られた紡糸用ピッチは紡糸性か劣悪であ
り、糸切れが多発する為連続紡糸は不可能であった。
り、糸切れが多発する為連続紡糸は不可能であった。
[比較例3]
石炭系ピッチ(軟化点47℃)を170℃に加熱して実
施例1と同条件でNMR分析を行なった。
施例1と同条件でNMR分析を行なった。
各区分の構成比率は下記の通りであった。
(NMRによる各区分の構成比率コ
第1区分・79.9%
第2区分: 11.7%
第3区分=6.4%
第4区分:2.0%
この石炭系ピッチを原料として以下の条件で熱処理、紡
糸、不融化及び炭素化を行なった新炭素繊維は得られた
が高性能糸ではなく、汎用品グレードに相当する性能を
有するものであった。
糸、不融化及び炭素化を行なった新炭素繊維は得られた
が高性能糸ではなく、汎用品グレードに相当する性能を
有するものであった。
(熱処理条件)
熱処理温度=475℃
熱処理時間: 0分 (昇温のみ)圧力 :
10+nmHg (溶融紡糸条件) 温度 −380℃ ノズル径: 0.5mm◆ 巻取速度: 500 m/m1n (不融化処理条件) 空気中にて1℃/minの加熱速度で300℃まで昇温
した。
10+nmHg (溶融紡糸条件) 温度 −380℃ ノズル径: 0.5mm◆ 巻取速度: 500 m/m1n (不融化処理条件) 空気中にて1℃/minの加熱速度で300℃まで昇温
した。
(炭素化処理条件)
昇温速度:10℃/min
処理温度:1300℃
処理時間−〇鱈n (昇温のみ)(得られた炭素
繊維の特性) 繊維径 : 13μm 引張強度 : 159 Kg/ram2引張弾性率:1
0トン/lllm2 [発明の効果〕 以上のように本発明によれば、炭素質ピッチをNMR分
析結果により評価して、その構成を化学的に容易に選択
あるいは配合・調整することができるので、これを用い
て紡糸および不融化以降の処理を施すことにより緒特性
にすぐれた高性能な炭素繊維を得ることができる。
繊維の特性) 繊維径 : 13μm 引張強度 : 159 Kg/ram2引張弾性率:1
0トン/lllm2 [発明の効果〕 以上のように本発明によれば、炭素質ピッチをNMR分
析結果により評価して、その構成を化学的に容易に選択
あるいは配合・調整することができるので、これを用い
て紡糸および不融化以降の処理を施すことにより緒特性
にすぐれた高性能な炭素繊維を得ることができる。
第1図は原料ピッチのNMRスペクトルと区分の一例を
示す図である。
示す図である。
Claims (1)
- 炭素繊維製造用の原料となる炭素質ピッチ類を核磁気共
鳴(以下NMRと記す)分析に付し、得られたスペクト
ルのシグナル強度の構成比率が100〜170ppmの
もの:80〜96%、6〜25ppmのもの:10%以
下となる様に炭素質ピッチ類を選択もしくは配合・調整
することを特徴とする炭素質ピッチ類の選択・配合調整
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11501486A JPS62273288A (ja) | 1986-05-20 | 1986-05-20 | 炭素質ピツチ類の選択・配合調整方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11501486A JPS62273288A (ja) | 1986-05-20 | 1986-05-20 | 炭素質ピツチ類の選択・配合調整方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62273288A true JPS62273288A (ja) | 1987-11-27 |
JPH0582873B2 JPH0582873B2 (ja) | 1993-11-22 |
Family
ID=14652123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11501486A Granted JPS62273288A (ja) | 1986-05-20 | 1986-05-20 | 炭素質ピツチ類の選択・配合調整方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62273288A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6424888A (en) * | 1987-07-22 | 1989-01-26 | Kobe Steel Ltd | Pitch to be spun into high-performance carbon fiber and production of high-performance carbon fiber |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59124988A (ja) * | 1982-12-29 | 1984-07-19 | Osaka Gas Co Ltd | ピツチの製造方法 |
-
1986
- 1986-05-20 JP JP11501486A patent/JPS62273288A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59124988A (ja) * | 1982-12-29 | 1984-07-19 | Osaka Gas Co Ltd | ピツチの製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6424888A (en) * | 1987-07-22 | 1989-01-26 | Kobe Steel Ltd | Pitch to be spun into high-performance carbon fiber and production of high-performance carbon fiber |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0582873B2 (ja) | 1993-11-22 |
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