JPS6226944B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、モノレール用電動台車の改良に関す
るものである。

〔発明の背景〕

モノレール車両として用いられるモノレール電
車台車において、その台車枠は例えば特公昭54−
23057号公報に示されるように、走行輪とそれを
駆動する電動機が離れた位置に配置され、かつ、
各回転中心が直角に配置されているとともに段違
いに配置されており、構成が複雑である等の問題
があつた。このような従来のモノレール用電車台
車を第１図ないし第４図によつて説明する。

第１図は側面図、第２図は平面図、第３図は台
車枠の側面図、第４図は台車枠の平面図である。
第１図はまた車体１の支持手段を示し、車体１は
台車枠２に空気ばね３を介し支持されており、台
車枠２はこれに取付けられた走行輪４、左右案内
輪５および転到を防ぐための案内輪６によりモノ
レール軌道７上に支持されている。第２図は走行
輪４の駆動手段を示し、走行輪４は台車枠２の内
側に固着された走行輪４の駆動軸（図示せず）収
納用の中空車軸８にボールベアリング軸受（図示
せず）を介し取付けられている。９は減速機箱で
台車枠２の外側にボルトにより固着され、減速機
箱９の出力軸（図示せず）は駆動軸を介し台車枠
２および中空車軸８の内部を貫通して走行車輪４
に結合されている。減速機箱９の内部には、一対
の傘歯車が設けられており、出力軸に対し入力軸
（図示せず）の向きを直角に変えて自在接手１０
により電動機１１に結合されている。電動機１１
はボルトにより台車枠２に固着されている。１２
は駆動軸の一軸に固着されたブレーキである。

上記従来の台車は、支持手段が優先的に構成さ
れ、駆動手段が付随的に設けられていることが特
徴となつている。このため、台車枠２の構造は側
面図を示す第３図において、空気ばね取付座１
６、左右案内輪取付座１７、安定輪取付座１８、
減速機箱取付座１９、電動機取付座２０が設けら
れている。第４図は平面図を示し、中空車軸８が
台車枠２の内側に突設されている。

従来の台車は上記のように構成されているが、
第１の欠点としては、電動機１１を走行輪４の側
部に配置しているため、走行輪４の空気タイヤの
着脱および空気圧測定、空気充填を妨げないよう
にするために、電動機１１の位置を走行輪４のリ
ムより下方にしなければならない。したがつて、
電動機１１で走行輪４を駆動するためには、減速
機箱９内に入力軸１３と中間軸１４との間に一対
の傘歯車を設け、中間軸１４と出力軸１５との間
に一対の平歯車を設ける必要がある。したがつ
て、歯車、軸、軸受の数が多くなり、騒音が高く
なるのみならず、製作および保守の費用を多く要
する。第２の欠点は走行輪４と減速機箱９とが台
車枠２を介して結合されているので、走行輪４お
よび減速機箱９の騒音や振動が台車枠２に伝わり
易く、台車枠２自体の振動を誘発して騒音が拡大
される。第３の欠点は、騒音系統の構成要素であ
るところの走行車輪４，減速機箱９，電動機１１
を台車枠２から外して整備する際に、これらがば
らばら状態で台車枠２に取付けられているため、
これらを一体として着脱することができず、装置
を分散しながら着脱、交換および整備を行う必要
があるため、これを短時間に行うことができな
い。第４の欠点は、走行輪４と減速機箱９との間
に台車枠２を介在させているので駆動スペースが
この分だけ小さくなり、出力を余り大きく取るこ
とができない。このことは特に電動機１１の軸中
心を中空車軸８と平行方向に配置して平歯車のみ
で駆動するいわゆる平行駆動方式をとることがで
きず、第２図に示す如き電動機の配置とさざるを
得ない原因となつている。

〔発明の目的〕

本発明の目的とするところは、台車構造を簡略
化して、製作時および保守時における作業性の向
上および軽量化を図ることができるモノレール用
電動台車を提供することにある。

〔発明の概要〕 本発明のモノレール用電動台車は、空気ばねを
介し車体を支持する台車枠と、該台車枠に固定さ
れた電動機、減速機箱および駆動軸内装用の中空
車軸と、上記台車枠に取付けられた走行輪、左右
案内輪および安定輪とを設けてなり、上記中空車
軸と減速機箱とを一体化形成するとともに、電動
機を減速機箱にボルトを介して固定し、上記電動
機および減速機箱をそれぞれ台車枠に取付座を介
し固着してなるものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明のモノレール用電動台車の一実施
例を第５図ないし第１０図によつて説明する。同
図において、前記従来例と同一符号は同一部材を
示すものである。車体１は台車枠２に空気ばね３
を介し支持され、第７図ないし第８図に示す如き
台車枠２の前後に、減速機箱９および該減速機箱
９と一体成形された支持腕２１が防振ゴム２２，
２３を介在させてボルト２４，２５により固着さ
れている。該減速機箱９の出力側には第１０図に
示すように中空車軸８が突設一体化され、該中空
車軸８には走行輪４の車輪ハブ４３が軸受３４，
３５を介し回動自在に支持されている。また、前
記減速機箱９の入力側には電動機１１をボルト２
６により固定している。電動機１１の一端は第６
図に示すように防振ゴム２７を介して台車枠２に
固定されている。走行車輪４に作用する荷重は防
振ゴム２２，２７，２３を介して台車枠２に伝達
されるようになつている。減速機箱９内の入力軸
１３と出力軸１５との間は一対の平歯車（図示せ
ず）により結合されている。出力軸１５の一端に
はブレーキ１２が設けられている。減速機箱９と
一体に形成されている支持腕２１には左右案内輪
５を軸受（図示せず）を介在させて回転自在に取
付けている。台車枠２の下端には転倒を防ぐため
の安定輪６を軸受（図示せず）を介して回転自在
に取付けている。台車枠２には第７図ないし第９
図に示すように空気ばね取付座１６，安定輪取付
座１８，減速機箱取付座２８，支持腕取付座２
９，電動機吊座３０が設けられており、７′はモ
ノレール軌道の位置を示す。第１０図において、
減速機箱９と該減速機箱９と一体化された支持腕
２１には、台車枠２への取付けフランジ３１，３
２と左右案内輪取付座３３が設けられている。３
６は電動機取付座でボルト３７を介し電動機１１
が固定されている。３８は電動機１１に設けられ
た取付座、４０は自在継手で電動機軸３９と減速
機箱９の入力軸１３との間を結合している。入力
軸１３と出力軸１５との間はピニオン４１とギヤ
４２とにより結合され、出力軸１５と走行輪４の
車輪ハブ４３との間を駆動軸４４により結合され
ている。

このように本実施例のモノレール用電動台車は
減速機箱と中空軸とを一体化形成するとともに、
電動機を減速機箱にボルトを介して固定し、電動
機および減速機箱をそれぞれ台車枠に固定した構
とし、該減速機箱が従来の台車枠を構成する部材
となるため、駆動装置部が簡略化され、軽量化さ
れ減速機箱および電動機を台車枠から一体のまま
外すことができ、製作，保守時の作業が容易とな
り出力も増加可能となる。また、前記構成によれ
ば、駆動装置部と台車枠とが防振ゴム等の弾性体
を介して結合する構成であるため、該駆動装置部
の台車枠への振動伝幡を低減することができ、騒
音を低減できる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、モノレー
ル用電動台車において、その製作，保守時の作業
性を向上できるとともに、その軽量化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のモノレール用電動台車の側面
図、第２図は第１図の平面図、第３図は第１図の
台車の台車枠側面図、第４図は第３図の平面図、
第５図は本発明のモノレール用電動台車の一実施
例の側面図、第６図は第５図の平面図、第７図は
第５図の台車の台車枠側面図、第８図は第７図の
右側面図、第９図は第７図の平面図、第１０図は
第５図の駆動部分の横断面図である。 １……車体、２……台車枠、３……空気ばね、
４……走行輪、５……左右案内輪、６……安定
輪、８……中空車軸、９……減速機箱、１１……
電動機、２２，２３，２７……防振ゴム、２６…
…ボルト、４４……駆動軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 空気ばねを介し車体を支持する台車枠と、該
   台車枠に固定された電動機、減速機箱および駆動
   軸内装用中空車軸と、上記台車枠に取付けられた
   走行輪，案内輪，安定輪とを設けたものにおい
   て、前記中空車軸と減速機箱とを一体化形成する
   とともに電動機をその回転中心が前記中空車軸と
   平行となるように減速機箱に固定し、該減速機箱
   を台車枠に取付けたことを特徴とするモノレール
   用電動台車。 ２ 特許請求の範囲第１項において、前記減速機
   箱に前記案内輪を取付け、かつ、該減速機箱を台
   車枠に対して弾性支持したことを特徴とするモノ
   レール用電動台車。