JPS6226420B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高温雰囲気中の酸素含有量を測定する
ための酸素検知器のプローブを取り付ける壁構造
に関するものである。

ガラス溶融炉等の工業的装置においては、燃焼
ガス中の酸素含有量を連続的に正確に測定するの
は燃料効率の面から極めて重要である。また酸素
レベルを常に監視することによつて溶融工程の安
定性を増すことができる。特にガラスの溶融にお
いては酸素レベルの監視によつてメルテイングレ
ート、清澄、耐火物の侵食レート等を制御しガラ
スの品質を改良することができる。

炉壁内に取り付けられてその炉壁内の酸素を監
視する酸素検知装置が知られている。この酸素検
知装置においてはプローブを炉内の環境から保護
し、またそのプローブが動いたり、緩んだり、破
損したりするのを防止するための精巧なハウジン
グが必要であつた。プローブの破損は取付中のミ
スやプローブとハウジングの熱膨張率や熱収縮率
相違によつて生ずる。

溶融炉内においてそこの酸素レベルを監視する
酸素検知プローブを取り付けるための簡単な構造
を作るのは困難であつた。特に、大規模な熱サイ
クルがあつて固体電解質チユーブが熱衝撃によつ
て割れてしまうような蓄熱式ガラス溶融窯の場合
にはそれが困難であつた。

このような事情に鑑みて本発明は燃焼ガス中の
酸素含有量を連続的に正確に監視するための酸素
検知プローブを安全に取り付けることのできる簡
単な壁構造を提供することを目的とするものであ
る。

さらに本発明は酸素検知プローブを交換自在に
取り付けることのできる壁構造を提供することを
目的とするものである。

本発明の酸素検知プローブ取付用壁構造は一側
が高温雰囲気に面した壁、その壁の一側から他側
に延びるプローブ挿入用貫通孔およびその貫通孔
内に配された柔軟な繊維状耐火材料からなつてい
る。その繊維状耐火材料は前記貫通孔の壁部と接
触する内張りを形成し、その貫通孔内のプローブ
をシールし、周囲の壁から熱的に絶縁する作用を
するとともに、着脱時の機械的衝撃からプローブ
を保護する。

また本発明の望ましい実施例においては、前記
貫通孔が炉壁に対して着脱自在のプラグ状耐火壁
内に設けられており、その貫通孔内にプローブを
取り付け、そのプラグ状耐火壁とプローブを１つ
のユニツトとして炉壁に着脱することができるよ
うになつている。

以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説
明する。

第１図は本発明の一実施例の酸素検知プローブ
取付用壁構造を示す図である。第１図において本
実施例の壁構造７によつて取り付けられる酸素検
知器１は固体電解質ジルコニヤの検知チユーブ２
を備えている。この検知チユーブ２の内面および
外面にはプラチナ電極（図示せず）が取り付けら
れている。また検知チユーブ２は閉鎖された先端
３と開口した後端（図示せず）を備えており、そ
の開口した後端に、両端に螺条を有するステンレ
ススチールのブツシング４が固着されている。そ
のブツシング４の一端に熱電対（図示せず）を保
持する熱電対ヘツド５が螺着されそのブツシング
４を介して前記検知チユーブ２に固定されてい
る。さらに、酸素検知器１は熱電対線（図示せ
ず）を熱電対ヘツド５内の端子に接続する２孔ア
ルミナチユーブ６を備えている。熱電対ヘツド５
は検知チユーブ２の電極用端子（図示せず）も収
容している。

このような構造の酸素検知器１を取り付ける本
実施例の壁構造７はプローブ挿入用貫通孔８を備
えている。この壁構造７は第１の側面９におい
て、流動している高温燃焼ガスに接触する。前記
プローブ挿入用貫通孔８は壁構造７の第１の側面
９（高温側）から第２の側面（低温側）に貫通し
ている。その第２の側面の貫通孔８の周囲には座
ぐり１１が形成されており、その座ぐり１１内に
ステンレススチールのナツト１２が固定されてい
る。そのナツト１２に前記ブツシング４の他端を
螺着することによつて酸素検知器１が壁構造７に
固定される。

酸素検知器１は前記検知チユーブ２の先端３が
1.5インチ（3.81cm）程度炉内の高温の燃焼ガス
中に直接突出するように壁構造７に固定される。

前記貫通孔８内に柔軟な繊維状耐火材料１４が
配されている。この耐火材料１４は貫通孔８の長
さ全体に亘つて延び、その壁面と接触しクツシヨ
ン状の内張りを形成している。またこの耐火材料
１４は前記検知チユーブ２を炉内の高温環境から
保護する断熱層および柔軟なガスケツトシールと
して作用する。

この耐火材料１４としては周囲の耐火構造や電
解質やプラチナと高温において融着しないもので
あればどのようなものでも使用できるが、経済的
な理由から織シリカの純粋な繊維状スリーブ材料
が望ましくまたジルコンもしくはジルコニヤ繊維
の織物やマツトも使用することができる。

そのような柔軟な繊維状の耐火材料１４は貫通
孔８を取り巻く耐火壁の高温から固体電解質検知
チユーブ２を熱的に絶縁する。そのような高温が
その検知チユーブ２に伝導されると、そのチユー
ブ２内に熱勾配が生じ、熱衝撃によつてチユーブ
２が割れてしまう恐れがある。

そのような熱勾配は蓄熱式ガラス溶融窯におい
て炉を転換した直後、炉壁の温度が最高になつて
いるときに、検知チユーブ２の先端３がその炉壁
の温度よりずつと低い温度の新しい燃料と空気の
混合ガスに曝されるようなときに生じ易い。

さらに、耐火材料１４は貫通孔８の検知チユー
ブ２の外面のプラチナ電極面を燃焼ガス中の汚染
物から保護する柔軟なガスケツトシールの役目を
果たす。燃焼ガス中の鉛やアンチモン等の汚染物
は貫通孔８内で濃度が高まるとプラチナと反応し
て融点の低い合金を生ずる。そのような合金は炉
内の高温によつて溶融し、検知器の読みを狂わす
恐れがある。

さらにその繊維状の柔軟な耐火材料１４はクツ
シヨンの役目もし、酸素検知器を着脱する際に検
知チユーブ２が周囲の壁にぶつかるのを防止す
る。

第２図に示す本発明の他の実施例においては、
酸素検知器１は耐火材料で形成されたプラグ１９
の貫通孔１８内に第１図の実施例と同様にして取
り付けられており、そのプラグ１９が炉壁２４に
挿入されるようになつている。プラグ１９は第２
図に示すようにテーパーを有する本体部２３と大
径の頭部２７からなつており、その本体部２３が
炉壁２４の貫通孔内に挿入されると頭部２７がそ
の炉壁２４から突出するようになつている。また
プラグ１９はその頭部２７と炉壁２４の間にセメ
ント等のシール材を施すことによつて炉壁２４に
交換自在かつ気密に固定される。プラグ１９が炉
壁２４に固定される検知チユーブの先端２１は炉
壁２４の高温側に形成される凹部２０内で流動し
ている高温燃焼ガスに曝される。

前記プラグ１９は炉壁２４の貫通孔内に装着さ
れると、その貫通孔の中程まで延び、それによつ
て炉壁２４の高温側に凹部２０が形成される。ま
たプラグ１９には換気孔２８が設けられており、
この換気孔２８を通つて凹部２０内のガスが連続
的に排出される。これによつて検知チユーブの先
端２１の周囲の燃焼ガスが常に入れ替えられる。
検出チユーブの先端が流動している燃焼ガス中に
直接露出されている第１図のような構造の場合に
はこのような換気孔は必要ない。

また第１の実施例において、検知チユーブ２の
先端３が第２図に示すような凹部２０内に露出す
るようにすることもできるし、第２図の実施例に
おいて先端２１が直接流動している燃焼ガス中に
露出するようにすることができるのは言う迄もな
い。

さらに第２図の実施例は酸素検知器１を着脱す
る際に、ナツト２９に対してブツシングを螺着し
たり緩めたりしなくともよいという利点がある。
すなわち、第２図の実施例において検知器１に触
らずにプラグ１９と検知器１を１つのユニツトと
して着脱することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の壁構造を説明する
ための断面図、第２図は本発明の他の実施例の壁
構造を説明するための断面図である。 １……酸素検知器、２……検知チユーブ、３，
２１……検知チユーブの先端、７……壁構造、８
……貫通孔、１４……繊維状耐火材料。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流動している高温雰囲気中の酸素含有量を測
   定する酸素検知器のプローブを着脱自在に安全に
   取り付けるための壁構造において、 一側が高温側に、他側が低温側に面し、その一
   側から他側にかけて貫通するプローブ挿入用貫通
   孔を備えた壁部材およびそのプローブ挿入用貫通
   孔内に配され、その貫通孔を形成する壁部材と接
   触しクツシヨン面を形成するとともにその貫通孔
   内を前記壁部材の前記一側から他側にかけて延び
   その貫通孔内に挿入されるプローブをシールし、
   かつ熱的に絶縁する柔軟な繊維状耐火材料からな
   ることを特徴とする壁構造。 ２ 前記壁部材の前記他側に、前記プローブをそ
   のプローブがその他側から前記一側に向かつて延
   びるように着脱自在に固定する固定手段が設けら
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の壁構造。 ３ 前記固定手段が前記壁部材の前記他側に設け
   られた凹部内に固定されたステンレススチール製
   のナツトであることを特徴とする特許請求の範囲
   第２項記載の壁構造。 ４ 前記プローブが前記繊維状耐火材料によつて
   内張りされた前記貫通孔内に位置されるとともに
   前記壁部材の前記他側から一側にかけて延び、前
   記高温雰囲気と接触していることを特徴とする特
   許請求の範囲第２項記載の壁構造。 ５ 前記壁部材が大径の貫通孔を有する部分とそ
   の大径の貫通孔に着脱自在に挿入されるプラグ状
   部分とからなつており、そのプラグ状部分に前記
   プローブ挿入用貫通孔が形成されており、さらに
   そのプラグ状部分が前記他側からその大径の貫通
   孔の途中まで延び、それによつて前記一側に凹部
   が形成されていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の壁構造。 ６ 前記プローブを前記プラグ状部分に、そのプ
   ローブが前記他側から前記一側に向かつて延びる
   ように着脱自在に固定する固定手段が設けられて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第５項記載
   の壁構造。 ７ 前記固定手段が前記プラグ状部分の他側に設
   けられた凹部内に固定されたステンレススチール
   製のナツトであることを特徴とする特許請求の範
   囲第６項記載の壁構造。 ８ 前記プローブが前記繊維状耐火材料によつて
   内張りされた前記プローブ挿入用貫通孔内に位置
   されるとともに前記プラグ状部分の前記他側から
   前記凹部内に延びていることを特徴とする特許請
   求の範囲第６項記載の壁構造。 ９ 前記壁部材に前記一側からその壁部材の厚み
   の途中まで延びる凹部が設けられており、その凹
   部から前記他側にかけて前記プローブ挿入用貫通
   孔が延びていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の壁構造。