JPS6226368B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、掘削と同時に掘削孔周面の造成をス
ムーズに且つ確実に行える杭の建込み工法及びそ
の装置に関するものである。

従来、この種杭の建込み工法としては、オーガ
ーロツドに撹拌棒を取付け、オーガーロツドを回
転させて掘削を行いつゝ適宜水等を注入し、水と
掘削土とを撹拌棒によつて撹拌して泥化せしめた
掘削孔を形成し、この掘削孔内に杭を建込むもの
が開発されている。しかし、この工法は、杭を建
込む時、掘削孔内に残留する泥土の密度が杭の挿
入にしたがつて次第に高くなり、しかも孔内周面
がかなり荒れているため杭の挿入が困難であり、
且つ杭に回転を与える際には大きな摩擦力が発生
するため大きなトルクが必要であるといつた欠点
がある。

このような欠点を解消するため、特開昭55−
45960号公報に示すように、オーガーロツドの撹
拌棒上方位置に掘削孔とほゞ同径の練り付けドラ
ムを取付け、このドラムによつて泥化された掘削
孔内の土を孔内周面になすりつけ、周面に圧密浸
透させることによつて孔内周面に壁を造成する
とゝもに、これにより掘削孔内に残留する泥土の
密度を或る程度低くし、杭の挿入及び回転を容易
ならしめているものが開発されている。

しかし、この場合、練り付けドラムの全外周面
は掘削孔の周面とほゞ密着状態で接触しているた
め、練り付けドラムが回転する際には両者間に大
きな摩擦力が発生する。従つて、オーガーロツド
を回転させるためには相当大きな動力源が必要で
あり、且つ練り付けドラム及びオーガーロツドに
は構造強度が要求される。しかも、この練り付け
ドラムは、回転によつてその外周面と孔壁との間
隙に侵入する泥土を孔の周面に摩擦的になすりつ
けるためのものであるため、孔壁が崩れ易いとゝ
もに孔壁に浸透させることが出来る泥土の量は少
ない。したがつて、掘削孔内には相当の泥土が残
ることになり、この泥土の内圧は下方にいくにし
たがつて次第に大きくなること及び練り付けドラ
ムが掘削孔を塞ぐ構成となるためこのドラムが泥
土の内圧を受けることになり、掘進が妨げられて
しまうといつた諸問題点もある。

本発明は上記に鑑み案出したものであり、その
要旨は、オーガーロツドを回転させて掘削及び掘
削土の撹拌を行い、更に該ロツドに取付けた複数
の練り付けローラを自転させ乍らオーガーロツド
の回りに公転せしめて掘削土を掘削孔の周面に練
り付けて掘削孔を形成し、該掘削孔内に杭を建込
むことを特徴とした杭の建込み工法、及び、オー
ガーロツド先端に取付けたオーガーと、該オーガ
ーの上方においてオーガーロツドに突設した撹拌
棒と、該撹拌棒の上方においてオーガーロツドに
固着した上下一対の取付け板と、該取付け板に前
記オーガーロツドを中心とする同心円上に回転自
在に支承した複数の練り付けローラとから構成し
たことを特徴とする杭の建込み装置にある。

以下、図示の実施例に基づいて本発明を詳細に
説明すると、図において１はオーガーロツドで、
その先端には水、セメントミルク等を注入できる
オーガー２が取付けられている。

３，３は上記オーガー２の上方においてオーガ
ーロツド１に放射状に突設した撹拌棒で、オーガ
ー２から水或いはセメントミルク等を注入しつゝ
掘削孔６内の掘削土を撹拌してこれを泥化するた
めのものである。

４，４は練り付けローラーで、掘削孔６内の撹
拌棒３，３により泥化された土を掘削孔６の内周
面に練り付け、孔の周面に圧密浸透させるための
ものであり、その両端はオーガーロツド１に固着
された取付板５，５に回転自在に支承され、掘削
孔６の内周面と練り付けローラー４，４の外側端
とが当接するようオーガーロツド１を中心とした
同心円上に配設されている。なお、上記練り付け
ローラー４，４と取付板５，５とを一体となし、
オーガーロツド１と着脱自在としても良い。

７，７は杭で、掘削孔６を形成した後、この中
に挿入し、建込んだものである。

次に、本発明の施工方法について説明すると、
先ずオーガーロツド１を回転させ、オーガー２に
よる掘削を開始する。

そして、例えば砂利層なら水を、砂層ならば少
量の貧配合セメントミルクをオーガー２の先端か
ら掘削孔６内に注入し、又粘土層ならば水等を注
入することなくオーガーロツド１を上下動させな
がら掘進し、撹拌棒３によつて掘削土を撹拌して
これを泥化する。

オーガーロツド１の回転に伴い、練り付けロー
ラー４，４は自転しながらオーガーロツド１の回
りを公転し、この作動により泥化された土を掘削
孔６の内周面に押し付けながら練り付け、圧密浸
透させ孔壁を造成する。

すなわち、練り付けローラー４，４は、その上
下両端が取付板５，５に回転自在に支承されてい
るため、第４図に示すように、オーガーロツド１
が時計方向に回転すると、練り付けローラー４，
４は孔壁との摩擦により反時計方向に自転し、自
転運動を行いながらオーガーロツド１の回りに時
計方向に公転する。而して、この練り付けローラ
ー４，４の自転及び公転作動により、練り付けロ
ーラー４，４はその周辺の泥土を巻き込み、この
巻き込んだ泥土を孔壁に強く押し付けながら煉り
付け、孔壁を造成する。

そして、所定の位置まで掘進し、掘削孔６を形
成した後、オーガーロツド１を引き抜き、この孔
６内に杭７，７を接合しつゝ挿入し、セメントミ
ルクによる根固め、又は下杭７の下端に先端シユ
ー（図示せず）を取付け、杭７，７に回転を与え
て下杭の先端を支持地盤に喰い込ませる等の処理
を施してこれを建込むのである。

この時、上記のように掘削孔６の孔壁は造成さ
れているため、杭７の挿入が極めて容易であり、
しかもこれに回転を与え杭の先端を支持層に固着
させる場合にも、杭７，７の全長、全周面におけ
る摩擦力が殆ど零となり、極めて僅少なトルクで
この作業を行うことができる。

本発明は上記のような構成であるので、 練り付けローラーは、オーガーロツドの回転
に伴い自転する。したがつて、孔壁との摩擦が
小さく、オーガーロツドを回転させるための動
力源及び全体装置の構造強度が小さくてすむ。

練り付けローラーは、その自転により泥土を
巻き込み、また、公転によりこの泥土を壁面に
強く押し付けるようにして練り付け孔壁を造成
するため、孔壁が堅固である。

孔壁の造成には多量の泥土が使われるため、
泥土の内圧が上昇しないとゝもに、ローラーの
上下は大気と連通状態となつているためローラ
ーが泥土の内圧を受けることがなく、したがつ
て、掘進が妨げられることがない。

といつた諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図イ乃至
ニは施工順序を示す概要図、第２図は要部拡大
図、第３図は練り付けローラーを示す拡大正面
図、第４図は第３図の―線断面拡大図であ
る。 １……オーガーロツド、２……オーガー、３…
…撹拌棒、４……練り付けローラー、５……取付
板、６……掘削孔、７……杭。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ オーガーロツドを回転させて掘削及び掘削土
   の撹拌を行い、更に該ロツドに取付けた複数の練
   り付けローラを自転させ乍らオーガーロツドの回
   りに公転せしめて掘削土を掘削孔の周面に練り付
   けて掘削孔を形成し、該掘削孔内に杭を建込むこ
   とを特徴とした杭の建込み工法。 ２ オーガーロツド先端に取付けたオーガーと、
   該オーガーの上方においてオーガーロツドに突設
   した撹拌棒と、該撹拌棒の上方においてオーガー
   ロツドに固着した上下一対の取付け板と、該取付
   け板に前記オーガーロツドを中心とする同心円上
   に回転自在に支承した複数の練り付けローラとか
   ら構成したことを特徴とする杭の建込み装置。