JPS6225973Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は操向車輪のトー調整を車室の外側から
調整できるようにしたラツク・アンド・ピニオン
式操向装置に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、操向装置は第１図に示すように、ダツ
シユパネル１９の下側に断面Ｕ字形のブラケツト
１２，１５がボルトをもつて支持され、これらの
ブラケツト１２，１５にステアリングコラム１３
が支持される。ステアリングコラム１３にハンド
ル１８を結合するステアリングシヤフト９が回転
可能に支持される。ステアリングシヤフト９の先
端部は自在継手８をもつて中間軸７の一端と連結
され、中間軸７の他端は自在継手４をもつて操向
歯車機構２のピニオン軸３と連結される。そし
て、ハンドル１８の回転は操向歯車機構２のピニ
オン軸３に伝達され、ラツク・アンド・ピニオン
式の場合、ピニオン軸３のピニオンと噛み合うス
テアリングラツク２１が駆動され、リンク機構を
介して操向車輪が偏向されるようになつている。

中間軸７は操向歯車機構２の配置の関係からス
テアリングシヤフト９とピニオン軸３との向きを
変換するためのもので、フロアパネル６を貫通し
て配置され、この貫通部分は防塵ブーツ５により
覆われる。

ハンドル１８を一方側へ最大限に切ると、ステ
アリングラツク２１がハウジング２２に対して移
動し、ステアリングラツク側に設けた段部がハウ
ジング２２の端壁に衝合して、それ以上ハンドル
を切ることができないようになつている。

このような従来の操向装置では、ストツパとし
ての前記段部がハウジング２２の内部に組込まれ
ているので、ステアリングラツク２１のストロー
ク中心位置とピニオンとの噛合いが狂うと、（第
４図の誤差ｅを参照）、左右の車輪の最大切角が
不均等となる。

従来は、このような左右の操向車輪の最大切角
が等しくなるように調整するために、操向歯車機
構２のハウジングの内端面１０とピニオン軸３と
に合せマークが付けられているが、このマークは
車室の内部からでないと見ることができないため
に、トー調整作業中にピニオン軸３が遊転する
と、調整が狂つてしまうという問題がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そこで、本考案の目的はハンドル１８の中立位
置（直進位置）からの左右の操向車輪の最大切角
が等しくなるように、車体の外側から容易に調整
し得るようにしたラツク・アンド・ピニオン式操
向装置を提供することにある。

〔問題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の構成はス
テアリングラツクを案内支持するハウジングの側
壁部に相対向して１対の開口を設けるとともに、
ピニオンがステアリングラツクのストローク中心
位置で噛み合つている時、前記１対の開口と一直
線上に並ぶ通孔をステアリングラツクに設けたも
のである。

〔作 用〕

ピニオン３５の中立位置において、ラツク２１
の通孔３３がハウジング２２の１対の開口３１，
３２と一直線に並ぶので、これによりラツク２１
の中立位置が規定されることとなり、ラツク２１
の端部にタイロツド２６をもつて連結されるナツ
クル２７の傾きを調整し、左右の操向車輪のトー
を等しくすることができる。

〔考案の実施例〕

第２図に示すように、操向歯車機構２はピニオ
ン軸３を支持するハウジング２０と、ステアリン
グラツク２１を支持するハウジング２２とが一体
に構成される。ハウジング２０の内部にピニオン
３５と一体のピニオン軸３が軸受３０，３７をも
つて回転可能に支持され、ピニオン３５にステア
リングラツク２１が噛み合わされている。

このステアリングラツク２１の両端部は球継手
３８をもつてタイロツド２６と連結され、図示し
てない防塵ブーツをもつて覆われている。タイロ
ツド２６の外端は第３図に示すように、球継手２
４のソケツトに螺合され、かつロツクナツト２３
をもつて締結される。

タイロツド２６は球継手２４のピン２５を介し
てナツクル２７と連結される。そして、第４図に
示すように、ピン２９をもつて車体側に支持され
るナツクル２７に操向車輪４０が支持される。

ハンドル１８を一方側へ最大限に切ると、ステ
アリングラツク２１がハウジング２２に対して移
動し、第２図に示す球継手３８の段部３８ａがハ
ウジング２２の端壁２２ａに衝合して、それ以上
ハンドルを切ることができないようになつてい
る。

本考案の重要な構成は、第２図に示すように、
ハウジング２２の周壁部に相対向して開口３１，
３２を設けるとともに、ピニオン３５とステアリ
ングラツク２１の噛合いがちようどストローク中
心位置にあるとき、すなわち、ハウジング２２の
両端壁２２ａと、自在継手３８の段部３８ａとの
間の間隔ｓが互いに等しいときに、前記開口３
１，３２と一直線上に並ぶ通孔３３をステアリン
グラツク２１に設けたものである。

開口３１，３２はこれに透明体を嵌合して閉鎖
することが好ましい。また、開口３１，３２およ
び通孔３３の内径は、光が透過し得る程度にでき
るだけ小さくすることにより精度を高めることが
できる。

そして、トー調整を行なう際に、開口３１，３
２とステアリングラツク２１の通孔３３との位置
を検出するために、検出器１４が用いられる。こ
の検出器１４は投光器１６と受光器１７とからな
つており、第５図に示すように、投光器１６およ
び電源を収容するハウジングに腕４１を設けると
ともに、受光器１７および電源を収容するハウジ
ングにも腕４２を設けて、これらの腕４１，４２
を連結ピン３４をもつて屈曲可能に結合する。

このように構成することにより、投光器１６の
円筒部２８を開口３１の外周壁に、受光器１７の
円筒部３６を開口３２の外周壁にそれぞれ嵌合し
たうえ、ステアリングラツク２１を移動して、通
孔３３を開口３１，３２の間にちようど一致させ
ると、投光器１６からの光が受光器１７に投射さ
れ、これはランプ３９の点灯により視認すること
ができる。

したがつて、このとき左右の操向車輪４０の傾
きはロツクナツト２３（第３図）を弛め、タイロ
ツト２６を回転することにより、ステアリングラ
ツク２１の端部と球継手２４との長さを調整する
ことができ、これによりピン２５に連結されかつ
操向車輪４０を支持するナツクル２７の傾きが変
化し、左右の操向車輪４０のトーを等しく調整す
ることができる。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように、操向車輪４０のトーを
調節する場合に、ハンドルの中立位置（直進位
置）におけるピニオン３５とステアリングラツク
２１のストローク中心位置との噛合いを、車体の
外側からハウジング２２の開口３１，３２とステ
アリングラツク２１の通孔３３との関係位置から
確認しながら、トー調整を行なうことができるの
で、作業が非常に容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はラツク・アンド・ピニオン式操向装置
の概略を示す側面図、第２図は本考案に係るラツ
ク・アンド・ピニオン式操向装置についての水平
断面図、第３図はステアリングラツクの端部とナ
ツクルアームとの連結部についての正面断面図、
第４図は本考案装置の作動を説明する平面図、第
５図はトー調整に用いる検出器についての使用状
態を示す斜視図である。 ２……操向歯車機構、３……ピニオン軸、１４
……検出器、１６……投光器、１７……受光器、
２０，２２……ハウジング、２１……ステアリン
グラツク、２６……タイロツド、２７……ナツク
ル、３１，３２……開口、３３……通孔、３５…
…ピニオン、３９……ランプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングラツクを案内支持するハウジング
   の側壁部に相対向して１対の開口を設けるととも
   に、ピニオンがステアリングラツクのストローク
   中心位置で噛み合つている時、前記１対の開口と
   一直線上に並ぶ通孔をステアリングラツクに設け
   たことを特徴とするラツク・アンド・ピニオン式
   操向装置。