JPS6225662Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、送風機を用いることなく、煙突効果
を利用して、圧縮機及びワイヤーコンデンサーの
熱を冷蔵庫の背面上部より、外部に排出するよう
にした考案に関するものである。

〔従来技術〕

冷蔵庫の奥行（据付時）寸法をつめる手段とし
て、或いは背面意匠を向上する手段として、一般
に圧縮機及びコンデンサー（従来冷蔵庫背面部に
漏出して取り付けられている）を機械室内に収納
し、これら圧縮機及びコンデンサーの放熱する熱
を送風機を用いて強制的に外部に放出するタイプ
の冷蔵庫が多く市販されている。

又つい最近に於いては冷蔵庫の背面板を利用し
てコンデンサーとなし、その部分だけの意匠を改
良した冷蔵庫も市販されるようになつてきた。所
が、上記送風機を用いて強制的に熱を外部に放出
するタイプの冷蔵庫にあつては、送風機を設ける
だけ原価高になることは勿論、送風機を運転する
分だけ消費電力に逆行すると言う欠陥がある。

又後者のコンデンサーのみを背面板と兼ねるタ
イプの冷蔵庫にあつてはその部分の意匠は向上す
るものの圧縮機が収納されている機械室部が背面
より、まる見えとなつている為、背面意匠が冷蔵
庫の他の面意匠と同じように良くなつたと言うも
のでもない。更にこのタイプの冷蔵庫にあつては
コンデンサーとなる冷蔵庫の背面板と据付面積間
には、先のコンデンサーの放熱を阻止しないよう
間隔をとつて壁との間に据付けなければならない
ので併設して設けられる流し台等から該冷蔵庫背
面と壁等が作る間隔内に物品を落してしまう欠陥
があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、これらの欠陥を改良すべく、冷蔵庫
の背面板との間に煙突を形成すべく覆板を略冷蔵
庫の全長にわたつて取り付け、機械室内に取り付
けられる圧縮機及びコンデンサーの熱を該煙突を
利用して、しかも送風機を用いることなく自然対
流にて、外部に放熱させるようにし、この覆板は
背面の壁等に密着して取り付けられるようにして
安価な冷蔵庫を得るようにしたものである。

〔考案の概要〕

上記目的は、圧縮機及びコンデンサを内蔵した
機械室を含め、冷蔵庫の背面全域を覆う覆板を設
け、上記覆板と上記冷蔵庫の背面部との間に上記
冷蔵庫の天井面で開口し下部が上記機械室に連通
する煙突を形成するとともに、上記冷蔵庫の背面
部にゴムや合成樹脂等からなるサツシユを介して
覆板を固定し、かつ上記サツシユと一体にカバー
を設け、このカバーで上記覆板を上記背面部に固
定するネジの頭部を覆うとともに、上記サツシユ
に上記覆板の端面を受ける断面状の溝を形成
し、かつ上記溝内に上記覆板の端面を挾持する突
起部を設けることにより達成される。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図にしたがつて説明
すると、１は冷蔵庫本体、この冷蔵庫本体１は外
箱２、発泡断熱材３、内箱４等より成るもので、
下部に圧縮機５及びコンデンサー６を収納する機
械室７を形成している。９は内箱４が形成する庫
内８の前面開口部を閉塞する扉である。１０は冷
凍室１１の前面を閉塞する扉である。１２は冷蔵
庫の背面板２ａとわずかの間隔（30mm〜70mm）に
おいて取り付けられる覆板である。この覆板１２
は第１図にも示す如く冷蔵庫本体の全長にわたつ
て設けられるもので機械室７部も覆うものであ
る。

即ち、この覆板１２は冷蔵庫背面板２ａとの間
に煙突１３を形成するものである。１４はその煙
突１３の上端に取り付けられた吐出口１５を有す
化粧枠である。１６は機械室７の下面を形成する
ベースである。先の覆板１２の下端はこのベース
１６に当接し、機械室７と煙突１３とを連通させ
ている。１７は上記ベース１６に設けられた吸込
口である。前記コンデンサー６（ワイヤーコンデ
ンサー）はその吸込口１７の真上でしかも幅一杯
に設けられている。又上記圧縮機５は煙突１３の
略下側に位置し、コンデンサー６は先の吸込口に
臨んで取り付けられている。１８は機械室７の前
面をカバーする機械室カバーである。１９は除霜
水受皿（図には示してないが冷却器に付着した霜
をとかした際の除霜水受皿である。）で、除霜水
受皿１９自身が載置されている補助コンデンサー
６ａにより受皿内の除霜水を強制的に蒸発させる
ものである。２１は脚である。この脚２１の高さ
は30〜80mm位のもので冷蔵庫据付時ベース１６下
面と、床面等との間に完全な間隔を作るものであ
る。かかる構成を有する冷蔵庫のコンデンサー及
び圧縮機と外気との熱交換はコンデンサー６下面
の吸込口１７よりコンデンサー６に対して略直交
して入る空気により、先ずコンデンサー６が十分
に熱交換し、次いで圧縮機１５部に至る。コンデ
ンサー６の温度は通常40〜50℃であるから70℃〜
80℃近辺の温度となつている圧縮機５と更に熱交
換し、軽くなり煙突１３内を上昇するものであ
る。この時煙突１３はコンデンサー６、圧縮機５
を経由した高温度空気を集める役目を果す。こう
して起こる自然対流により本冷蔵庫は従来送風機
を用いて放熱させていた冷蔵庫と同様の効果を果
すものである。２２は冷蔵庫の外箱２と背面板２
ａとが形成する煙突部を示す。この突出部２２内
は図にも示す如く発泡断熱材が充填されている。
換言するならば上記背面板２ａは断面〓状に成形
され、そのくぼんだ所が丁度煙突１３となつてい
るものである。２３は上記覆板１２をその突出部
２２に取り付けるに当り、覆板１２の端面部に設
けられたサツシユである。通常このサツシユによ
り、覆板１２が冷蔵庫本体の受ける振動、衝撃
を、この覆板１２に伝えないようにしておくもの
である。２３ａはサツシユ２３と一体に設けられ
た溝で、上記覆板１２の端部が挿入されるもので
ある。２３ｂはサツシユ２３と一体に設けられた
カバーである。このカバー２３ｂはネジ２４で、
サツシユ及び覆板を取り付けた後、ネジ２４の頭
を覆うものである。２３ｃは溝２３ａを覆板１２
の肉厚と略同等にする為の突起部である。即ち覆
板１２の端面は、この突起部２３ｃに挾持される
ものである。２５は第１図にも示す如く覆板１２
に取り付けた把手である。この把手２５は先の突
出部２２に近接して取り付けられている。この把
手２５に利用して冷蔵庫本体１を運搬する場合に
は、親指を除く指を把手２５内に差し込み、親指
は外箱２の側板２ｂにかかるよう、換言するなら
ば突出部２２をつかむようなかつこうで冷蔵庫本
体を支持するものである。２６は、把手２７を背
面板２ａに固定するネジである。

〔考案の効果〕

本考案によれば、従来の如く、送風機を設ける
ことなく、圧縮機及びコンデンサーの放熱する熱
を外部に放出することが出来る他、背面意匠を向
上出来、冷蔵庫の据付時冷蔵庫背部への物品落下
を防止すべく背壁に密着して冷蔵庫を据付けるこ
とが出来るものである。

この他、本考案に於いては、覆板端面に、ゴ
ム、合成樹脂等で製作したサツシユを取り付け、
このサツシユを介して覆板を冷蔵庫本体背面に取
り付けるようにしたので冷蔵庫本体から出る振
動、騒音等が覆板に伝達されることがないので異
常な音発生等にはつながらないものである。

更に又、本考案のサツシユはネジの頭を覆うカ
バーを一体に設けるようにしているので、背面の
意匠を更に良好なものとすることが出来るもので
ある。

この他覆板の端面を受け入れる断面状の溝を
サツシユに設け、その溝の入口部に狭い部分を設
け、その部分で該覆板を保持するようにしている
ので、単体の部組等も容易に行なえるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を備えた冷蔵庫を背面側より見
た斜視図、第２図は第１図の縦断面図、第３図は
第１図横断面相当図、第４図は第３図のＡ部詳細
図である。 １……冷蔵庫本体、２……外箱、３……発泡断
熱材、４……内箱、５……圧縮機、６……コンデ
ンサー、７……機械室、８……庫内、９……扉、
１０……扉、１１……冷凍室、１２……覆板、１
３……煙突、１４……化粧枠、１５……吐出口、
１６……ベース、１７……吸込口、１８……機械
室カバー、１９……除霜水受皿、２１……脚、２
２……突出部、２３……サツシユ、２４……ネ
ジ、２５……把手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機及びコンデンサを内蔵した機械室を含め
   冷蔵庫の背面全域を覆う覆板を設け、上記覆板と
   上記冷蔵庫の背面部との間に上記冷蔵庫の天井面
   で開口し下部が上記機械室に連通する煙突を形成
   するとともに、上記冷蔵庫の背面部にゴムや合成
   樹脂等からなるサツシユを介して覆板を固定し、
   かつ上記サツシユと一体にカバーを設け、このカ
   バーで上記覆板を上記背面部に固定するネジの頭
   部を覆うとともに、上記サツシユに上記覆板の端
   面を受ける断面状の溝を形成し、かつ上記溝内
   に上記覆板の端面を挾持する突起部を設けたこと
   を特徴とする冷蔵庫。