JPS6123270Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は送風機を用いることなく、煙突効果を
利用して圧縮機の熱を冷蔵庫の背面上部より、外
部に排出するようにした考案に関するものであ
る。

冷蔵庫の奥行（据付時）寸法をつめる手段とし
て或いは背面意匠を向上する手段として、一般に
圧縮機及びコンデンサー（従来冷蔵庫背面部に漏
出して取付けられている）を機械室内に収納し、
これら圧縮機及びコンデンサーの放熱する熱を送
風機を用いて強制的に外部に放出するタイプの冷
蔵庫が多く市販されている。

又、つい最近に於いては冷蔵庫の背面板を利用
してコンデンサーとなし、その部分だけの意匠を
改良した冷蔵庫も市販されるようになつてきた。
所が上記送風機を用いて強制的に熱を外部に放出
するタイプの冷蔵庫にあつては、送風機を設ける
だけ原価高になることは勿論、送風機を運転する
分だけ消費電力に逆行すると云う欠陥がある。

又、後者のコンデンサーのみを背面板と兼ねる
タイプの冷蔵庫にあつてはその部分の意匠は向上
するものの圧縮機が収納されている機械室部が背
面より、まる見えとなつている為、背面意匠が冷
蔵庫の他の面意匠と同じように良くなつたと言う
ものでもない。更にこのタイプの冷蔵庫にあつて
はコンデンサーとなる冷蔵庫の背面板と据付面積
間には、先のコンデンサーの放熱を阻止しないよ
う間隔をとつて壁との間に据付けなければならな
いので併設して設けられる流し台等から該冷蔵庫
背面と壁等が作る間隔内に物品を落してしまう欠
陥があつた。

本考案は、これらの欠陥を改良すべく、冷蔵庫
の背面板との間に煙突を形成すべく覆板を略冷蔵
庫の全長にわたつて取付け機械室内に取付けられ
る圧縮機及びコンデンサーの熱を該煙突を利用し
てしかも送風機を用いることなく自然対流にて、
外部に放熱させるようにし、この覆板は背面の壁
等に密着して取付けられるようにして安価な冷蔵
庫を得るようにしたものである。

以下本考案の詳細を図に示す一実施例で説明す
ると、１は冷蔵庫本体、この冷蔵庫本体１は外箱
２、発泡断熱材３、内箱４等により成るので、下
部に圧縮機５及びコンデンサー６を収納する機械
室７を形成している。９は内箱４が形成する庫内
８の前面開口部を閉塞する扉である。１０は冷凍
室１１の前面を閉塞する扉である。１２は冷蔵庫
の背面板２ａとわずかの間隔（30mm〜70mm）をお
いて取付けられる覆板である。この覆板１２の端
面は冷蔵庫背面にネジ等をもつて取付けられてい
る他第１図にも示す如く冷蔵庫本体の全長にわた
つて設けられるもので機械室７部も覆うものであ
る。即ちこの覆板１２は冷蔵庫背面板２ａとの間
に煙突１３を形成するものである。１４はその煙
突１３の上端に取付けられた吐出口１５を有す化
粧枠である。１６は機械室７の下面を形成するベ
ースである。先の覆板１２の下端はこのベース１
６に当接し、機械室７と煙突１３とを連通させて
いる。１７は上記ベース１６に設けられた吸込口
である。前記コンデンサー６（ワイヤーコンデン
サー）はその吸込口１７の真上でしかも巾一杯に
設けられている。又上記圧縮機５は煙突１３の略
下側に位置しコンデンサー６は先の吸込口に臨ん
で取付けられている。１８は機械室７の前面をカ
バーする機械室カバーである。１９は除霜水受皿
（図には示してないが冷却器に付着した霜をとか
した際の除霜水受皿である）。この除霜水受皿内
の除霜水は、自身が載置されている補助コンデン
サー６ａにより強制的に蒸発させられるものあ
る。２１は脚である。この脚２１の高さは30mm〜
80mm位のもので冷蔵庫据付時ベース１６下面と床
面等との間に完全な間隔を作るものである。

かかる構成を有する冷蔵庫のコンデンサー及び
圧縮機と外気との熱交換はコンデンサー６下面の
吸込口１７よりコンデンサー６に対して略直交し
て入る空気により、先づコンデンサー６が十分に
熱交換し、次いで圧縮機５部に至る。コンデンサ
ー６の温度は通常40〜50℃であるから70℃〜80℃
近辺の温度となつている圧縮機５と更に熱交換
し、軽くなり煙突１３内を上昇するものである。
この時煙突１３はコンデンサー６、圧縮機５を経
由した高温度空気を集める役目を果す。こうして
起る自然対流により本冷蔵庫は従来送風機を用い
て放熱させていた冷蔵庫と同様の効果を果すもの
である。２２は冷蔵庫の外箱２と背面板２ａとが
形成する突出部を示す。この突出部２２内は図に
も示す如く発泡断熱材が充填されている。

換言するならば、上記背面板２ａは断面〓状に
成形され、そのくぼんだ所が丁度煙突１３となつ
ているものである。２３は上記覆板１２をその突
出部２２に取付けるに当り、覆板１２の端面部に
設けられたサツシユである。通常このサツシユに
より覆板１２が冷蔵庫本体の受ける振動衝撃をこ
の覆板１２に伝えないようにしておくものであ
る。２４は第１図にも示す如く、覆板１２に取付
けた把手である。この把手２４は先の突出部２２
に近接して取付けられている。

しかしてこの把手２４を利用して冷蔵庫本体１
を運搬する場合には親指を除く指を把手２４内に
差し込み、親指は外箱２の側板２ｂにかかるよ
う、換言するならば、突出部２２をつかむような
かつこうで冷蔵庫本体を支持するものである。２
４は把手２４を背面板２ａに固定するネジであ
る。

本考案は以上説明した如く、冷蔵庫の背面部に
圧縮機を内蔵した機械室を含め背面の略全域を覆
う覆板の端面を冷蔵庫背面にネジ等をもつて固定
しこの覆板と冷蔵庫の背面部との間に上部か冷蔵
庫の天井面付近で開口し、下部が機械室部に連通
する煙突を形成するようにしたものであるから、
従来の如く、送風機を設けることなく、圧縮機及
びコンデンサーの放熱する熱を煙突効果を利用し
て外部に放出することが出来る他、背面意匠を向
上出来、冷蔵庫の据付時、冷蔵庫背部への物品落
下を防止出来るものである。

更に本考案に於いては煙突の適所に背面板２ａ
と覆板１２間に当接し覆板１２側にモルトプレー
ン等の緩衝材２６を有すデイスタントピース２７
を複数個設けるようにしたものであるから覆板１
２がベコ付いたりすることがないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を備えた冷蔵庫の背面から傾斜
図、第２図は第１図の縦断面図、第３図は第１図
の横断面相当図、第４図は本考案に用いるデイス
タントピースの斜視図と係止突部形状を示す図で
ある。 １……冷蔵庫本体、５……圧縮機、６……コン
デンサー、７……機械室、１２……覆板、１３…
…煙突、１４……化粧枠、１５……吐出口、２６
……緩衝材、２７……デイスタントピース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機を内蔵した機械室を含め、背面の略全域
   を覆う覆板の端面を冷蔵庫背面にネジ等をもつて
   固定し、この覆板と冷蔵庫の背面板との間に上部
   が冷蔵庫の天井面付近で開口し、下部が機械室部
   に連通する煙突を形成すると共に、上記煙突の適
   所に背面板と覆板間に当接し、覆板側に緩衝材を
   有すデイスタントピースを設けたことを特徴とす
   る冷蔵庫。