JPS6225026Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はフイルタ・ガラスの固定装置に係り、
電気機器例えばテレビジヨン受像機などのブラウ
ン管前面にフイルタ・ガラスを容易に取り付けた
り、取り外したりすることができるフイルタ・ガ
ラスの固定装置に関するものである。

〔考案の技術的背景〕

従来、電気機器例えばテレビジヨン受像機等の
ブラウン管前面に取り付けられているフイルタ・
ガラスは画質改善、画面の見易さの改善（外光反
射の低減）およびデザインの一部として用いられ
ているが、テレビジヨン受像機のブラウン管面は
静電気により塵や埃等で汚れ易く、このフイル
タ・ガラスは簡単な操作で取外しができることが
条件であつた。このようなことから、従来、フイ
ルタ・ガラスの固定装置は第１図に示すように固
定されている。すなわち、フイルタ・ガラス１の
下側はキヤビネツト前面にある前面枠本体２に設
けたガラス受け金具３にて受け、上側はガラス止
めねじ４により２箇所を止めていた。このガラス
止めねじ４には第２図ａ，ｂに示すようにその頭
部４ａにユーザが金属コイン若しくは手を用いて
いつでも外せることを考慮してコイン用溝４ｂ又
はローレツト４ｃが設けられている。また、ねじ
頭部４ａ下側のガラス抑え面には傷防止のために
スペーサ５が必要であつた。一方、第４図ｃに示
すようにフイルタ・ガラス１を固定しようとする
前面枠本体２にはガラス止めねじ４を螺合するた
めのインサート・ナツト６を装備していた。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、第１図及び第２図に示した従来
のねじ止めによるフイルタ・ガラスの固定装置で
は、使用部品点数が多くなるため、コスト高とな
り、かつ、フイルタ・ガラスの取付け、取外しを
行うのにガラス止めねじ４をその都度回さなくて
はならず、手間がかかり面倒であつた。さらにデ
ザイン的にも好ましくないという問題点があつ
た。

〔考案の目的〕

本考案は上述した点にかんがみ、構成が著しく
簡単でコストが安く、かつワン・タツチでフイル
タ・ガラスの取付け及び取外し作業を行うことが
できるフイルタ・ガラスの固定装置を提供するこ
とを目的とするものである。

〔考案の概要〕

本考案のフイルタ・ガラスの固定装置は、弾性
を有する爪部が形成された固定片を支持片に突設
した固定ピースと、前面枠本体に前記固定ピース
の幅よりも大きい幅で形成された固定ピース挿入
口と、この固定ピース挿入口の近傍に設けられ前
記固定ピースの爪部を係合させることが可能な係
合リブとを具備し、フイルタ・ガラスの取付け、
取り外しは前記固定ピースを前記固定ピース挿入
口に対して前後若しくは左右に移動し前記係合リ
ブと前記固定ピースの爪部を係合・解除すること
によつて行うように構成するものである。

〔考案の実施例〕

以下、図面に基づいて本考案の実施例について
説明する。

３図乃至第１０図は本考案のフイルタ・ガラス
の固定装置の第１実施例に係り、第３図はこの実
施例をテレビジヨン受像機に適用した正面図、第
４図は第３図のＡ−Ａ線における縦断面図、第５
図はフイルタ・ガラス固定ピースの斜視図、第６
図は第４図に示すような取付け状態において矢符
Ｂ方向から見た背面図ａおよび上面断面図ｂ、第
７図はフイルタ・ガラス固定ピースを右方向に移
動した状態を示す縦断面図、第８図は第７図に示
すような状態において矢符Ｂ方向から見た背面図
ａおよび上面断面図ｂ、第９図はフイルタ・ガラ
ス固定ピースを取り外す状態を示す上面断面図、
第１０図は前面枠本体のガイド・リブ部分の他の
実施例を示す背面図である。

第３図において、フイルタ・ガラス１１は下部
が前面枠本体１２の凹部１３に設けられた断面形
状がＬ字状をなすガラス受け金具１４により２箇
所で受け止められる。一方、第４図に示すように
上部は前面枠本体１２に設けられたフイルタ・ガ
ラス固定ピース挿入口１５とこの固定ピース挿入
口１５の後部側に配設された固定ピース・ガイ
ド・リブ１６とこの固定ピース・ガイド・リブ１
６及び固定ピース挿入口１５に着脱自在に設けら
れたフイルタ・ガイド固定ピース１７とにより２
箇所で保持されることになる。前記固定ピース１
７は第５図に示すように例えばプラスチツクなど
の合成樹脂により一体に成形されている。そし
て、第４図及び第６図に示すように、この固定ピ
ース１７は支持片１７ａに前面枠本体１２の固定
ピース挿入口１５に係合する固定片１７ｂとこの
固定片１７ｂのほぼ中央に固定ピース・ガイド・
リブ１６内部で前面枠本体１２の裏面に接触可能
な爪部１７ｃが一体に設けられている。この爪部
１７ｃは固定片１７ｂの片面に板厚分が突出した
舌片形状を成して形成され、先端が自由端となつ
ているためそれ自身により弾性を有している。ま
た、前面枠本体１２の固定ピース挿入口１５の幅
_１は固定ピース１７の固定片１７ｂの幅_２の
ほぼ２倍に形成されている。そして、固定ピース
挿入口１５の後部側に付設される固定ピース・ガ
イド・リブ１６の内周寸法は右側部分に関しては
その縦長h₁がほぼ固定ピース挿入口の縦長に等し
く、左側部分に関してはその縦長h₂は固定ピース
挿入口１５の縦長のほぼ２倍以上に形成してい
る。これは、前面枠本体１２の固定ピース挿入口
１５に固定ピース１７を挿入固定する場合、第４
図に示すように固定ピース挿入口１５は固定ピー
ス１７の板厚分しかないため弾性を有する爪部１
７ｃは一旦板厚分に圧縮されて固定ピース挿入口
１５を通過し再び元の状態となるようにするため
である。すなわち、固定ピース１７の爪部１７ｃ
先端が前面枠本体１２の裏面に接触した状態とな
つてフイルタ・ガラス１１、前面枠本体１２、固
定ピース１７は一体となり完全に固定された状態
となる。

次に、第４図及び第６図を参照しながら取付け
を行う場合について説明する。先ず、フイルタ・
ガラス１１を第３図に示す前面枠本体１２のガラ
ス受け金具１４に差し込み、フイルタ・ガラス１
１を当てがつた状態で固定ピース１７を固定ピー
ス挿入口１５の左側部分に正面より押圧すると、
固定ピース１７の爪部１７ｃが弾性力に抗して押
圧されて挿入され、挿入後爪部１７ｃが固定ピー
ス・ガイド・リブ１６で開いて前面枠本体１２の
裏面側に接触係合し第４図及び第６図に示す固定
状態となり、支持片１７ａによりフイルタ・ガラ
ス１１を保持することとなる。

さらに、フイルタ・ガラス１１を前面枠本体１
２より取り外す際には、第４図及び第６図に示す
状態から第８図に示すように固定ピース１７を矢
符Ｅ方向に移動させる。これにより、固定ピース
１７の爪部１７ｃは固定ピース・ガイド・リブ１
６の傾斜面１６ａにて弾性力に抗して徐々に圧縮
されて移動することとなる。その結果、固定ピー
ス１７が右端まで移動されると、爪部１７ｃは圧
縮されて第７図及び第８図に示す状態となり、前
面枠本体１２との係合は解除される。この状態を
保持しながら、第９図に示す矢符Ｆ方向に抜き出
すと、固定ピース１７は固定ピース挿入口１５よ
り抜き出される。このようにして、２個の固定ピ
ース１７を取り外した後、前面枠本体１２に取り
付けられているフイルタ・ガラス１１を取り外す
ことができる。但し、フイルタ・ガラス１１の裏
面又は前面枠１２の表面にはゴム・クツシヨン１
８が貼付されていて、固定ピース１７の爪部１７
ｃが係合した状態で右方向へ移動し易くしたり、
がたつきを吸収したり、かつ前面枠本体１２とフ
イルタ・ガラス１１との取付け状態での傷防止を
図るようにしている。

第１０図は本考案に係るフイルタ・ガラスの固
定装置の固定ピース・ガイド・リブの他の実施例
を示す背面図である。

第１０図では、固定ピース・ガイド・リブ１６
は固定ピース挿入口１５を中心として上下に傾斜
面１６ａ，１６ａを有する構造とし、固定ピース
１７の爪部１７ｃを上下どちらに向けて挿入して
も係合させることが可能であり、作業性が良くな
る。

このように、第４図乃至第１０図に示す第１実
施例によれば、前面枠本体１２の正面から固定ピ
ース挿入口１５に固定ピース１７をワン・タツチ
挿入するだけで固定することができ、右に移動し
手前に引くだけで簡単に外すことができる。

尚、第４図乃至第１０図では、固定ピース・ガ
イド・リブ１６の左側部分の縦長h₂を右側部分の
縦長h₁より大きく構成し、取り外す場合、固定ピ
ース１７を右へ移動するように構成しているが、
右側部分の縦長h₁を左側部分の縦長h₂より大きく
構成し、取り外す場合、固定ピース１７を左へ移
動するように構成してもよい。

第１１図乃至第１７図は本考案の第２実施例に
係り、第１１図はこの実施例をテレビジヨン受像
機に適用した正面図、第１２図は第１１図のＧ−
Ｇ線における縦断面図、第１３図はフイルタ・ガ
ラス固定ピースの斜視図、第１４図は第１２図に
示すような取り付け状態の上面断面図ａおよび正
面図ｂ、第１５図は固定ピース挿入口の正面図、
第１６図は固定ピースを取り付け或いは取り外す
状態を示す上面断面図ａおよび正面図ｂ、第１７
図は固定ピースの取り付け或いは取り外し状態を
示す縦断面図である。

第１１図において、フイルタ・ガラス２１は下
部が前面枠本体２２の凹部２３に設けられた断面
形状がＬ字状をなすガラス受け金具２４により２
箇所で受け止められる。一方、第１２図に示すよ
うに上部は前面枠本体２２に設けられたフイル
タ・ガラス固定ピース挿入口２５とこの固定ピー
ス挿入口２５の後部側に突設された固定リブ２６
と固定ピース挿入口２５に着脱自在に設けられた
フイルタ・ガラス固定ピース２７とにより２箇所
で保持されることになる。但し、符号２８は衝撃
吸収用のゴム・パツキングである。前記固定ピー
ス２７は第１３図に示すように例えばプラスチツ
クなどの合成樹脂により一体に成形されている。
そして、第１２図と第１４図及び第１５図に示す
ように、この固定ピース２７は支持片２７ａに前
面枠２２の固定ピース挿入口２５に係合する固定
片２７ｂとこの固定片２７ｂのほぼ中央に前面枠
本体２２裏面の固定リブ２６に嵌合可能な爪部２
７ｄが一体に設けられている。この爪部２７ｄは
固定片２７ｂの後端部に突出した起立片２７ｃの
両端から支持片２７ａ側へ形成された湾曲形状の
舌片であり、先端が自由 となつているためそれ
自身により弾性を有している。また、第１４図及
び第１５図に示すように前面枠本体１２の固定ピ
ース挿入口２５の幅_３は固定ピース２７の固定
片２７ｂの幅_４のほぼ２倍以上に形成されてい
る。そして、固定ピース挿入口２５にはそのほぼ
中央に段差部分２５ａを設けて挿入口２５の右側
部分を左側部分より大きく形成し、右側部分の縦
長h₃は左側部分の縦長h₄のほぼ２倍以上に形成さ
れている。これは、前面枠本体２２の固定ピース
挿入口２５に固定ピース２７を挿入固定する場
合、挿入時は固定ピース２７を固定ピース挿入口
２５の右側部分に挿入し固定片２７ｂに突出した
爪部２７ｄが前面枠本体２２の裏面側へ通過する
ようにし、固定時に固定ピース２７を固定ピース
挿入口２５の左側部分に移動し爪部２７ｄが固定
リブ２６に嵌合して固定するようにするためであ
る。すなわち、固定ピース２７の爪部２７ｄが前
面枠本体１２の裏面に突出した固定リブ２６に嵌
合した状態となつてフイルタ・ガラス２１、前面
枠本体２２、固定ピース２７は一体となり完全に
固定された状態となる。

次に、第１６図及び第１７図を参照しながら取
付け及び取外しを行う場合について説明する。先
ず、フイルタ・ガラス２１を第１１図に示す前面
枠本体２２のガラス受け金具２４に差し込み、第
１７図に示すように固定ピース２７にフイルタ・
ガラス２１を挾み、固定ピース挿入口２５の大き
い方に入れて押し込むと、第１６図に示す状態と
なりこの状態から左へ移動すると第１４図に示す
状態となつて固定ピース２７の爪部２７ｄは前面
枠本体２２の固定リブ２６と嵌合してロツクされ
た状態となる。この結果、第１２図に示すよう
に、固定ピース２７の支持片２７ａにてフイル
タ・ガラス２１は前面枠本体２２に完全に固定さ
れた状態となる。この場合、固定ピース２７の爪
部２７ｄは弾性があるため常にフイルタ・ガラス
２１を前面枠本体２２側に引つ張つている状態と
なりフイルタ・ガラス２１のがたつきを吸収でき
る。

さらに、フイルタ・ガラス２１を前面枠本体２
２より取り外す際には、第１４図に示す状態から
固定ピース２７を一旦右方向に移動する。この場
合、固定ピース２７の爪部２７ｄは弾性を有して
いるために、爪部２７ｄと固定リブ２６との嵌合
は解除されて第１６図に示す状態となる。この状
態から、第１７図に示すように固定ピース２７を
抜き出すと、固定ピース２７は固定ピース挿入口
２５より抜き出される。

尚、第１２図乃至第１７図の実施例では、固定
ピース挿入口２５は第１５図に示すように広い方
の口を右側部分に形成し狭い方を左側部分に形成
しているが、広い方の口を左側に形成し狭い方を
右側に形成してもよい。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、弾性を有す
る爪部が形成された固定片を支持片に突設して成
る固定ピースと、この固定ピースの挿入部分の幅
よりも大きい幅で形成された挿入口とこの挿入口
の近傍に設けられ前記固定ピースの爪部を係合さ
せる係合リブとを備えた前面枠とを設けて、フイ
ルタ・ガラスを前面枠に取り付けたり、取り外し
たりする場合、前記固定ピースを前記挿入口に対
して前後若しくは左右に移動し前記固定ピースの
爪部と前記係合リブを係合・解除するように構成
したので、構造が非常に簡単となること、部品点
数が少なくなりかつフイルタ・ガラスに取付用孔
を形成する必要もなく安価にできること、取付け
取外しがワン・タツチでかつ確実に行えること、
デザイン的にも新規性であり上下左右の均衡のと
れた構成となることなどの利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフイルタ・ガラスの固定装置を
適用したテレビジヨン受像機の正面図、第２図
ａ，ｂ，ｃは第１図に示すフイルタ・ガラスの固
定装置の一部を示す正面図、側面図、断面図、第
３図乃至第１０図は本考案のフイルタ・ガラスの
固定装置の第１実施例に係り、第３図は第１実施
例をテレビジヨン受像機に適用した正面図、第４
図は第３図のＡ−Ａ線における縦断面図、第５図
はフイルタ・ガラス固定ピースの斜視図、第６図
ａ，ｂは第４図に示すような取付け状態において
矢符Ｂ方向から見た背面図、上面断面図、第７図
はフイルタ・ガラス固定ピースを右方向に移動し
た状態を示す断面図、第８図ａ，ｂは第７図に示
すような状態において矢符Ｂ方向から見た背面
図、上面断面図、第９図はフイルタ・ガラス固定
ピースを取り外す状態を示す上面断面図、第１０
図は前面枠本体のガイド・リブ部分の他の実施例
を示す背面図、第１１図乃至第１７図は本考案の
第２実施例に係り、第１１図は第２実施例をテレ
ビジヨン受像機に適用した正面図、第１２図は第
１１図のＧ−Ｇ線における縦断面図、第１３図は
フイルタ・ガラス固定ピースの斜視図、第１４図
ａ，ｂは第１２図に示すような取付け状態の上面
断面図、正面図、第１５図は固定ピース挿入口の
正面図、第１６図ａ，ｂは固定ピースを取り付け
或いは取り外す状態を示す上面断面図、正面図、
第１７図は固定ピースの取り付け或いは取り外し
状態を示す縦断面図である。 １１，２１……フイルタ・ガラス、１２，２２
……前面枠本体、１５，２５……固定ピース挿入
口、１６……ガイド・リブ、２６……固定リブ、
１７，２７……固定ピース、１７ａ，２７ａ……
支持片、１７ｂ，２７ｂ……固定片、１７ｃ，２
７ｄ……爪部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 筐体に固着されたブラウン管の前面に配設した
   フイルタ・ガラスと、 このフイルタ・ガラスの周辺部を支持する支持
   片から前記筐体内に突設して設けられた係止部を
   有する固定ピースと、 この固定ピースの係止部が挿入可能で前記筐体
   に設けた挿入口と、 この挿入口の内部に設けられ前記固定ピースの
   係合離脱を案内するリブとからなることを特徴と
   するフイルタ・ガラスの固定装置。