JPS6224758Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車載用冷房装置を用いてエンジン冷
却水の冷却の補助を行うための車輌用エンジンの
冷却装置に関するものである。

従来、車輌用エンジンにターボを設けるとか、
あるいは、エンジンを大型エンジンにする等を行
うと、発熱量が大となり、エンジン冷却水を冷却
するためラジエータの容量を大きくする等の対応
が必要となる。しかしながら、ラジエータを大き
くすると、車体スペースをとるため、すでにある
車体を大きくしないで対応したい場合、あるい
は、新しく車体を設計する場合でも、できるだけ
車体を大きくしたくないときなどは対応しきれな
くなるという問題がある。そこで、ラジエータの
フインピツチを細かくすることも考えられるが、
通過風量も減り、その割に効果がでないことがあ
る。このため、ラジエータにガイドを設けたり電
動フアンを追加する等の対策が必要となる。

そこで本考案は前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであつて、前記従来のような対策を行う
ことなく、しかも、車体を大きくすることなく効
果的にエンジン冷却水を冷却できるようにするこ
とを目的とするものである。

そのために本考案では、車載用冷房装置である
カークーラの冷媒をラジエータのエンジン冷却水
系であるアツパータンク等に廻すようにしたもの
である。

すなわち、このようにすることにより、車輌の
高速走行時には、エンジン冷却水への放熱量が増
加することになるが、一方、カークーラはエンジ
ンの回転に比例してコンプレツサの回転も上るた
め、冷房に余裕ができるので、この余裕を利用し
てエンジン冷却水を冷却するようにして所期の目
的を達成するようにしたものである。

以下、本考案を図示せる実施例に随つて説明す
る。

Ａは車載用冷房装置であるカークーラであつ
て、車室内冷房用蒸発器１５とクーラ用エクスパ
ンシヨンバルブ１８を有するクーラ本体１と、コ
ンプレツサ６、コンデンサ１１及びそれらを連通
させる閉回路の配管１９等から構成されている。
前記クーラ本体１とコンプレツサ６の間の配管１
９中には、クーラ本体１方向への逆流を防止する
クーラ用ワンウエイバルブ１０とアキユムレータ
１４が設けられている。又、前記コンデンサ１１
とクーラ本体１の間の配管１９中にはリキツドタ
ンク５とクーラ用ソレノイドバルブ２６が設けら
れている。

２７は前記配管１９の車室内冷房用蒸発器１５
と並列に設けられた分岐配管であつて、一端が前
記配管１９のリキツドタンク５とクーラ用ソレノ
イドバルブ２６の間から分岐され、他端が前記配
管１９のアキユームレータ１４とクーラ用ワンウ
エイバルブ１０の間に連結されている。該分岐配
管２７の中間にはフイン２ａを有する冷却用蒸発
器２が独立して設けられていると共に、該分岐配
管２７は冷却用蒸発器２がラジエータ３のアツパ
ータンク４内に冷媒を通すように配設されてい
る。

前記分岐配管２７中のリキツドタンク５とラジ
エータ３の間にはエンジン冷却水用ソレノイドバ
ルブ２８が設けられ、又、前記分岐配管２７中の
ラジエータ３とアキユムレータ１４の間には、ラ
ジエータ３方向への逆流を防止するエンジン冷却
水用ワンウエイバルブ２９が設けられている。

前記エンジン冷却水用ソレノイドバルブ２８
は、エンジン１２の回転が上昇し、かつ、エンジ
ン冷却水の水温が上昇したときに開くようになさ
れている。尚、このときにはコンプレツサ６、
FICDが作動することはカークーラＡと同様であ
る。

７はアツパータンク４に穿設されたエンジン冷
却水排出口、８はラジエータ３のロアータンク、
９はエンジン冷却水用エクスパンシヨンバルブ、
１３はエンジン冷却水をエンジン１２に循環させ
るラジエータホース、３０はロアータンク８に穿
設されたエンジン冷却水吸込口である。

第３図はクーラ用ソレノイドバルブ２６とエン
ジン冷却水用ソレノイドバルブ２８との関係を示
す回路図であつて、２０はブロアモータ、２１は
ブロアモータスイツチ、２２はカークーラ用スイ
ツチ、２３はエアコン制御回路であつてFICD、
コンプレツサ６等を作動させるものである。２４
はエンジン冷却水の温度が上昇するとONとなる
温度スイツチ、２５はエンジンの回転が上昇する
とONとなるスイツチである。

尚、前記実施例では、冷却用蒸発器２をラジエ
ータ３のアツパータンク４に設けたが、これに限
るものではなく、例えば、ラジエータ３とエンジ
ン１２の間にラジエータホース１３を通すタンク
（図示せず）を設け、これに冷却用蒸発器２を設
けるように分岐配管２７を配設する等エンジン冷
却水系の適宜箇所に設けるようにしてもよい。
又、冷却用蒸発器２には必ずしもフイン２ａは必
要ではなく、パイプを配するだけでもよい。又、
車載用冷房装置はエアコンでもよく、実施例のカ
ークーラとエアコンを特に区別して用語を使い分
けている訳ではない。

前記実施例によれば、車載用冷房装置の閉回路
の配管に分岐配管を介してエンジン冷却水を冷却
する冷却用蒸発器を独立して設けたので、両者を
同時に作動させることも、又、いずれか一方のみ
を作動させることもできるので、車載用冷房装置
を使用していないときでもエンジン冷却水を冷却
することができる。

又、本考案の冷却装置は、実施例のエンジン冷
却水の冷却以外にも、エンジンオイル、トルコン
オイル、デフオイル等の冷却にも応用できる。

以上述べたように本考案によれば、車載用冷房
装置の冷媒をエンジン冷却水系に廻すようにする
と共に、エンジン冷却水用ソレノイドバルブによ
つて冷却用蒸発器を、エンジンの回転が上昇し、
かつ、エンジン冷却水の水温が上昇したときのみ
作動するようにしたので、該エンジン冷却水を冷
却が必要なときのみ冷却することができる。

又、本考案によれば、同じ大きさの車体に、車
種によつて複数のエンジンを設定して、これを搭
載する場合でも、ラジエータの容量を増加させる
とか、別途に電動フアンを追加する等の対応策を
必要としないので、大巾な車体の変更をする必要
がない。したがつて、すでに生産している車に異
なるエンジンを追加し、車種を増す場合にも容易
に対応できる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はカークーラに本考案によるエンジンの
冷却装置を組込んだ状態を示す全体構成図、第２
図は冷却用蒸発器の配置状態を示すラジエータの
一部を破断した正面図、第３図はクーラ用ソレノ
イドバルブとエンジン冷却水用ソレノイドバルブ
との関係を示す回路図である。 Ａはカークーラ、１はクーラ本体、２は冷却用
蒸発器、３はラジエータ、１２はエンジン、１９
は配管、２７は分岐配管、２８はソレノイドバル
ブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室内冷房用蒸発器とエンジンの出力によつて
   駆動されるコンプレツサと、コンデンサとリキツ
   ドタンクを冷媒が循環する車載用冷房装置の閉回
   路の配管から車室内冷房用蒸発器と並列に分岐配
   管が設けられ、該分岐配管中に冷却用蒸発器が独
   立して設けられ、該冷却用蒸発器はラジエータの
   エンジン冷却水系内に配設されていると共に、前
   記分岐配管中であつて前記冷却用蒸発器より上流
   側に、エンジンの回転が所定の回転数以上に上昇
   し、かつ、エンジン冷却水の水温が所定の温度以
   上に上昇したときに開くソレノイドバルブが設け
   られ、さらに、該ソレノイドバルブと前記冷却用
   蒸発器の間にはエクスパンシヨンバルブが配設さ
   れていることを特徴とする車輌用エンジンの冷却
   装置。