JPS62246813A - 球状黒鉛体の製造方法 - Google Patents

球状黒鉛体の製造方法

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JPS62246813A
JPS62246813A JP61089769A JP8976986A JPS62246813A JP S62246813 A JPS62246813 A JP S62246813A JP 61089769 A JP61089769 A JP 61089769A JP 8976986 A JP8976986 A JP 8976986A JP S62246813 A JPS62246813 A JP S62246813A
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泰弘 山田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は球状を呈する黒鉛体の製造方法に関するもので
ある。
〈従来の技術及びその問題点〉 従来から炭素類にホウ素化合物を加えて熱処理を行なえ
ば黒鉛化が促進される事、即ちホウ素は炭素に対し黒鉛
化触媒としての作用を奏するという事はよく知られてい
る。これはホウ素が、六角網面の炭素と固溶体を形成し
、該網面内を移動することにより、網面の持つ歪みを解
消する為であると考えられている。
このホウ素の触媒作用を利用して黒鉛結晶を著しく発達
せしめた黒鉛体を造る方法や、ホウ素の触媒作用と炭素
の構造変化時に生じる焼結促進性を利用して黒鉛結晶が
発達した高密度炭素材料を造る方法は既に公知である。
即ち前者の例としては、特開昭47−562号公報で示
されるポリアクリロニド+Jル繊維から得られた無定形
炭素繊維を2000℃以上で加熱し、これにガス化した
アルキルホウ酸塩を導入して黒鉛化する方法や、特開昭
52−106395号公報で示されるピッチコークス、
石油コークス粉末にホウ素化合物を5〜25重量%添加
し、約2000℃以上に加熱して天然黒鉛類似構造を持
つ黒鉛粉末を製造する方法がある。又後者の例としては
特公昭53−31978号公報で示される炭素繊維にホ
ウ酸を添加し、約100〜500kg/c+/の圧力下
、 1000℃以上で加圧加熱処理して成型体を得る方
法、特開昭53−91920号公報で示される熱分解黒
鉛粉末に酸化ホウ素を添加し、100〜400kg/e
+/の一方向加圧下で1800〜2200℃で処理し熱
分解黒鉛成形体を得る方法、特公昭54−3681号公
報で示される無定形炭素粉末あるいは人造黒鉛粉末にホ
ウ酸を添加し加圧下で、直流あるいは交流電流を通電す
ることで高密度黒鉛成形体を得る方法、更には特公昭5
4−3682号公報で示される無定形炭素粉末あるいは
人造黒鉛粉末にホウ酸を添加し、数100kg/cjの
加圧下、 2000℃以上で焼成して高密度黒鉛成形体
を得る方法等がある。
しかるにこれら従来の方法は、そのいずれもが炭素にホ
ウ素化合物を添加して熱処理をなすものであり、ホウ素
の働きにより黒鉛結晶が発達した炭素は出来るものの、
原料炭素の持つ形状を特に大きく変えるものではなくそ
の原形を保持した状態である。
〈問題点を解決する為の手段〉 本発明は黒鉛体を球状となす事で流動性や充填性に優れ
た黒鉛体を得ようとするものであり、その要旨は微細球
状炭素あるいは多孔質炭素に、ホウ素化合物をホウ素量
にして3重量%以上添加し、不活性ガス中、2200℃
以上の温度で加熱することを特徴とする球状黒鉛体の製
造方法である。
本発明で用いる原料の微細球状炭素とは具体的にはカー
ボンブラック又はフリーカーボンである。
カーボンブラックは周知の如く直径約10〜1100n
の球形で、その構造は基本的には球の表面に対して炭素
のab面が平行に配列している。ab面の拡がりは微細
球状であるためコークスや天然黒鉛等と比較して、はる
かに小さい。そのため、これを黒鉛化処理しても球形を
保持するために、炭素層面の発達は小さべ、いわゆる難
黒鉛化性炭素である。なおサーマルブラックは球径が大
きいため、球の表面近傍の炭素のab面の発達およびそ
のC軸の積重なりの程度が大きくなることが知られてい
るが、黒鉛の単結晶といえろ程度までには達しない。フ
リーカーボンはコールタール中に存在する直径約1μm
以下の球形であり、通常数%から約10重量%程度含有
し、ろ過あるいはキノリンやアントラセン油等の芳香族
系軽油の不溶性成分として分離することが出来る。この
フリーカーボンは炭素含有量97−99%、水素含有量
約1%程度のもので構造はあまり明確ではないが、黒鉛
化処理してもカーボンブラックと同様に炭素層面の発達
しない難黒鉛化性である。一方本発明で用いろ多孔質炭
素は活性炭であり、活性炭は原料から大別して木質系と
石炭系があるが、本発明で用いられる活性炭は木質系は
あまり好ましくなく、石炭系が好ましい。そして77に
での窒素ガスの吸着量から求めた比表面積は約500m
/g以上のものが望ましい。又形状は粒状でも粉状でも
よい。これらの活性炭はいずれも難黒鉛化性炭素に属し
、アモルファスまたはそれに近い構造を持つものである
ホウ素化合物はホウ酸あるいはそのアルカリ金属塩又は
酸化ホウ素で、具体的にはホウ酸、四ホウ酸ナトリウム
、四ホウ酸カリウム、酸化ホウ素等である。これらのホ
ウ素化合物は粉末状あるいは水溶液として、上記炭素と
混合あるいは炭素に含浸させる。その量はホウ素として
3重量%以上が必要である。この量以下であると、球状
黒鉛体が全く生成しないか、あるいは少量生成するに過
ぎない。また多量に、例えば10重量%添加した場合、
特に生成量が増加することはない。従って3〜7重量%
程度が好ましい。
炭素とホウ素化合物の混合物は黒鉛製容器に入れ、不活
性ガス中、 2200℃以上の温度で熱処理する。この
温度が2100℃以下では、長時間この温度に保持して
も球状黒鉛体は生成しないが、2200℃では、時間が
短いと生成しないが、長時間保持すると生成する。しか
し、2200℃以上の高温になると、生成量に与える保
持時間の影響は小さくなる。
不活性ガスはアルゴン、ヘリウム、窒素ガスが用いられ
る。窒素ガスの場合、ホウ素と反応して窒化ホウ素が生
成する恐れがあるが、実験の結果生成しないことが分か
った。
〈実施例及び作用〉 以下本発明をその実施例及び比較例を述べ乍ら詳述する
ス」1倒」− 第1表に示した性状を持つ市販のカーボンブラシりであ
るチャンネルブラック (商品名ネオスペクトラA G
 (Neospectra  A G ) 7 /リカ
、コロンビア社)、ファーネスブラックのFF及びFE
Fを用いた。それぞれのカーボンブラック14gをホウ
酸6g(ホウ酸添加量30重量%)を加熱溶解させた水
溶成約100m1に加え、攪拌した後加熱して、水を蒸
発乾固した。これを黒鉛ルツボに入れ、タンマン炉によ
って、アルゴン気m中、 2000〜3000℃(昇温
速度400℃/、in)に加熱し、各温度で30分間保
持した。この熱処理物を走査型電子顕微鏡で観察した所
、2800℃処理の場合の例を示す第1図に示したよう
に、カーボンブラックとは明らかに異なる多角球状体の
存在が認められた。この多角球状体は熱処理温度が22
00℃までは生成していないが、2400℃以上ではい
ずれのカーボンブラックの場合にも生成していた。なお
第2図は同じく2800℃処理の場合の球状黒鉛体が集
中している部分の写真を示す。
そこで、ホウ酸の添加量を10.20.40重量%と変
え、上記同様にして処理した。その結果、ホウ酸添加量
10重量%では3000℃で処理しても多角球状体の生
成は認められないが、20重量%では30重量%と同様
に2400℃以上で生成した。なお、ホウ酸20重量%
はホウ素として3.5重量%となる。
この多角球状体は灰色を呈しており、黒色であるカーボ
ンブラックとは明確に識別することが出来る。
実施例1と同様のカーボンブラックを用い、これらの1
0区に対して、ホウ素化合物として、四ホウ酸ナトリウ
ム10水塩(ホウ砂)を10g(添加量50重量%、ホ
ウ素量5.67wt%)を溶解した水溶液に加え、攪拌
した後、加熱して水を蒸発させ、最終的には乾固した。
このカーボンブラックとホウ素化合物の混合物を黒鉛ル
ツボに入れ、アルゴン気流中、2800℃まで加熱し、
この温度で30分間保持した。この処理物中に灰色のも
のが約50%程度含まれており、走査型電子顕微鏡観察
では第1図と同様の多角形球状物が多く存在しているの
が認められた。
止翌透 約1400℃で処理された石油コークス(黒鉛電極用針
状コークス)の150タイラーメツシユ(104μm)
以下のものを用いた。この7gをホウ酸3gを溶解した
水溶液に入れ、加熱して水を蒸発させ、乾固した。これ
を黒鉛ルツボに入れ、アルゴン気流中、2800℃まで
加熱し、30分間保持した。また、これと同様の石油コ
ークスを35g採取し、らいかい機に入れ、これに15
gのホウ酸を溶解した水溶液を少量ずつ加えながら50
時間磨砕した。ついで、−加熱して水を蒸発させた。こ
のようにして磨砕し1−h石油コークスの粒度は1μm
以下のものが83%であった。これを上記と同様にして
熱処理した。
このようにして処理したものを走査型電子顕微鏡で観察
した所、その形状はホウ酸添加の有無および粒度に拘ら
ず、両者共同様であり、第1図及び第2図に示した様な
多角球状体の生成物は認められず、わずかに後記実施例
3の場合の例である第4図に示したのと同様のリボン状
物の生成が認められた。
ス」【健」工 第2表に示した性状の市販の活性炭7gをホウ酸3gを
含む水溶液に入れ、これを加熱して水を蒸発させ乾固し
た。この活性炭とホウ酸の混合物(ホウ素含有量 3.
5重量%)を黒鉛ルツボに入れ、アルゴン気流中、13
00〜2800℃の各温度で熱処理した。また、上記と
同様の活性炭50gを四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂、ホ
ウ素含有量5.67wt%)50を含む水溶液に加え、
加熱、乾固した。この活性炭を上記と同様にして130
0〜2800℃の各温度で熱処理した。これらを走査型
電子顕微鏡で観察しも。その結果をまとめて第3表に示
す。この表かられかる様に、活性炭表面にリボン状、柱
状物が生成する温度は1350℃以上であるが、この温
度では多角球状体の生成は認められない。この多角球状
体の生成が認められるのは2200℃以上である。
しかもこの温度での保持時間が30分間では生成せず、
3時間では少量生成し、5時間では活性炭全体が多角球
状体となった。しかし、生成した活性炭はこの条件では
第3表の活性炭Bだけであった。
2400℃以上ではいずれの活性炭の場合でも多角球状
体が生成し、その生成状況は2800℃処理の例である
第3図に示したように、活性炭全体が多角球状体となり
、わずかに微細粉状物が存在するに過ぎない。炭化ホウ
素であると考えられるリボン状、柱状物は熱処理温度が
2400〜2600℃で最も多く生成し、2800℃で
は少なくなった。
なお第4図及び第5図はそれぞれ活性炭にホウ砂を添加
し、2400℃で処理した場合に活性炭表面に生成した
リボン状物及び柱状物の走査型電子顕微鏡写真である。
第2表 以上の実施例から判る如く、カーボンブラックあるいは
活性炭に適量のホウ素化合物を添加し、2200℃以上
の温度に加熱処理すれば、カーボンブラックあるいは活
性炭が多角球状体となる。カーボンブラックを用いる場
合は、生成される多角球状体もカーボンブラックも微細
である為に互いに分離する事は容易ではないが、活性炭
を用いる場合はその殆んど全てが多角球状体に変わるの
で特に分離する必要はない。この多角球状体が黒鉛結晶
の集合体であるということは次ぎの如くして確かめた。
即ち大部分が多角球状体である実施例3の活性炭Bの2
800℃処理物(第3図参照)の粉末X線回折図形を測
定した所、回折角2θ=90〜10°の範囲で回折線強
度の大きいものは、1) 19.8°、2)23.8°
、3)26.5°、4)35.1°。
5) 35.8°、6)37.9°、7)42.4°、
8)45.0°。
9) 54.8°、 10)60.0°、 11)77
.4°、 12)83.5°。
13)87.1°であった。この中、3)、 7)、 
8)、 9)。
11)、 12)、 13)の回折線は炭素に帰属され
、1)。
2)、 4)、 6)の回折線は炭化ホウ素に帰属され
るが、5)、 10)は不明である。この結果、炭素以
外に炭化ホウ素が副生じていることが分かる。炭化ホウ
素はよく知られているように、黒色で、融点約2350
℃の硬質(モース硬度約9)で熱的、化学的に安定な物
質である。一方、炭素は融点約4500℃以上で、化学
的に安定な物質であるが、酸化に対しては弱く、空気中
では容易に燃焼する。そこで、この熱処理物を空気中、
900℃で減量が認められなくなるまで加熱した所、殆
んど全量消失し、少量の黒色硬質残分があるに過ぎなか
った。さらに透過型電子類ffi鏡を用いて、上記の熱
処理物を破壊し、約5μmの多角球状体に対して、制限
視野電子線回折を行った所、その回折線はリング状スポ
ットであり、中心からリングまでの距離から炭素の(0
02)、 (004)、 (110)、 (112)、
 (006)、 (008)回折線に相当するものであ
った。
以上の結果から、この多角球状体は単結晶に近い黒鉛結
晶を持つものより構成されていることが分る。なお、熱
処理物を空気中で処理した黒色残分は粉末X線回折法に
より調べた所、炭化ホウ素であった。走査型電子顕微鏡
による観察では大部分無定形塊状であるが、その中にリ
ボン状、柱状のものも存在した。この炭化ホウ素“は約
1400℃以上で生成し、その形状はカーボンブラック
を用いた場合は塊状微粒であるが、粒状活性炭の場合は
その表面に主にリボン状、柱状及び板状としても生成す
る。この形状は活性炭の種類や熱処理条件等によって変
化する。熱処理温度が1350℃以下ではこれらは生成
せず、粉末X線回折においても炭化ホウ素の回折線は観
測されないが、1400℃以上において、これらが生成
した場合は炭化ホウ素の回折線が観測されるようになる
。従ってこのリボン状及び柱状物は炭化ホウ素であると
考えられる。
さて上述の如くカーボンブラックあるいは活性炭にホウ
素化合物を添加し、熱処理することにより単結晶と考え
られる黒鉛結晶から成る多角球状体が生成する理由につ
いてはあまり明確ではないが、従来の研究結果をも踏ま
えると次の様に推察出来る。
即ち、カーボンブラックや活性炭をそのまま約2600
℃以上で熱処理したとき、黒鉛ホイスカーが生成する。
この本イスカーの生成は、カーボンブラックや活性炭中
の極微細炭素が高温での熱エネルギーにより蒸発し、そ
れが沈積して行くためと推定されている。本発明での原
料炭素もこの黒鉛ホイスカーを生成する炭素と同じであ
ることから、高温においてホイスカーを生成させる極微
細炭素が蒸発し、それが沈積する際、ホウ素との固溶体
の形成による黒鉛層面が大きく発達して沈積するため、
ホイスカーとはならず、球状黒鉛体になったと推定され
る。従って原料炭素としては、黒鉛ホイスカーを生成さ
せる極微細炭素より構成されていることが1つの要件と
して必要であり、その極微細炭素をより黒鉛層面を発達
させるためにホウ素の存在が他の要件として必要である
と考えられる。
〈発明の効果〉 以上述べて来た如く、本発明方法によれば、炭素原料を
黒鉛単結晶の球状黒鉛体とする事が出来、この方法で得
られる黒鉛体はそれが球状を呈しているが為に、従来の
鱗片状の物と比べた場合にその流動性が良く、ゴム等へ
の導電性付与添加材やダイカスト用離型材として用いろ
場合一層の効果を発揮するし、又成型体として使用する
場合にあっても充填密度を上げろ事が容易である為によ
)l 一層の高密度成型体を得ろ事が出来ろものである
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は共に本発明実施例1に於いて280
0℃で処理した場合に得られた製品の粉末粒子構造を示
す走査型電子顕微鏡写真、第3図は同実施例3に於いて
2800℃で処理した場合に得られた製品の粉末粒子構
造を示す走査型電子顕微鏡写真、第4図及び第5図は共
に同実施例3に於いて2400℃で処理した場合に得ら
れた製品の粉末粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、微細球状炭素あるいは多孔質炭素に、ホウ素化合物
    をホウ素量にして3重量%以上添加し、不活性ガス中、
    2200℃以上の温度で加熱することを特徴とする球状
    黒鉛体の製造方法。 2、ホウ素化合物が、ホウ酸あるいはホウ酸のアルカリ
    金属塩又は酸化ホウ素であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の球状黒鉛体の製造方法。
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