JPS6224385B2 - - Google Patents

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JPS6224385B2
JPS6224385B2 JP58056366A JP5636683A JPS6224385B2 JP S6224385 B2 JPS6224385 B2 JP S6224385B2 JP 58056366 A JP58056366 A JP 58056366A JP 5636683 A JP5636683 A JP 5636683A JP S6224385 B2 JPS6224385 B2 JP S6224385B2
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mol
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sio
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temperature
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JP58056366A
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JPS59182273A (ja
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Masami Fukui
Takeshi Wada
Nobutate Yamaoka
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP58056366A priority Critical patent/JPS59182273A/ja
Publication of JPS59182273A publication Critical patent/JPS59182273A/ja
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、積層型磁器コンデンサに好適な誘電
体磁器組成物に関し、更に詳細には、非酸化性雰
囲気中で焼結させた後に酸化性雰囲気中で焼結温
度よりも低い温度で熱処理することにより得られ
る誘電体磁器組成物に関する。 従来技術 従来、積層磁器コンデンサを製造する際には、
誘電体生シート(グリーンシート)に白金、パラ
ジウム等の貴金属の導電性ペーストを印刷し、こ
れを複数枚積み重ねて圧着し、酸化性雰囲気中で
高温焼成した。このように貴金属を使用すれば、
酸化性雰囲気中で高温焼成しても目的とする内部
電極を得ることが出来る。しかし、白金、パラジ
ウム等の貴金属は高価であるため、必然的に積層
磁器コンデンサがコスト高になつた。 この種の問題を解決するために、ニツケル等の
卑金属を主成分とする導電性ペーストを生シート
に塗布し、非酸化性雰囲気中で焼結させることが
考えられる。しかし、非酸化性雰囲気による焼成
であつても、焼結温度が1300℃以上になると、良
質な内部電極が得ることが困難になつたり、良質
な磁器を得ることが困難になる。即ち、(BaCa)
(TiZr)O3系磁器、及び(BaCaSr)(TiZr)O3
磁器の場合には、非酸化性雰囲気に於ける1300℃
以上の温度での焼成でニツケル等の卑金属の溶融
凝集が生じ、一方(BaCa)(TiSn)O3系磁器、
(BaCaSr)(TiSn)O3系磁器、(BaCa)
(TiSnZr)O3系磁器、(BaCaSr)(TiSnZr)O3
磁器のようにSnO2を含む場合には、非酸化性雰
囲気に於ける1200℃を越える温度での焼成によ
り、ニツケル等の卑金属の溶融凝集の問題が生じ
る他に、SnO2の一部が還元し、金属となつて磁
器の表面に析出したり、昇華し、目的とする焼結
体を得ることが困難になるという問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、非酸化性雰囲気におけ
る1200℃以下の温度で焼結させることによつて上
述の如き問題点を解決することが可能であり、且
つ比誘電率εが2000以上、誘電体損失tan δが
2.5%以下、抵抗率ρが2×106MΩ・cm以上、耐
電圧BDVが50V/μm以上の磁器コンデンサを得
ることが可能である誘電体磁器組成物を提供する
ことにある。 発明の構成 上記目的を達成するための本発明は、
(Ba1-w-xCawSrxk(Ti1-y-zSnyZrz)O2+k(但し
w,x,k,y,zは、0.02≦w≦0.27、0≦x
≦0.37、1.00≦k≦1.04、0.003≦y≦0.17、0≦
z≦0.26、0.54≦1−w−x≦0.98、0.73≦1−
y−z≦0.997を満足する数値)から成る100重量
部の基本成分と、0.2〜10.0重量部のガラス成分
と、から成り、前記ガラス成分がLi2OとM(但
し前記MはBaO、CaO及びSrOの少なくとも1種
の金属酸化物)とSiO2とされ、且つ前記Li2Oと
前記Mと前記SiO2との組成範囲が、これ等の組
成をモル%で示す三角図に於ける前記Li2Oが0
モル%、前記Mが35モル%、前記SiO2が65モル
%の組成を示す第1の点Aと、前記Li2Oが0モ
ル%、前記Mが40モル%、前記SiO2が60モル%
の組成を示す第2の点Bと、前記Li2Oが5モル
%、前記Mが45モル%、前記SiO2が50モル%の
組成を示す第3の点Cと、前記Li2Oが50モル
%、前記Mが0モル%、前記SiO2が50モル%の
組成を示す第4の点Dと、前記Li2Oが25モル
%、前記Mが0モル%、前記SiO2が75モル%の
組成を示す第5の点Eと、前記第1の点Aとを順
に結ぶ5本の直線で囲まれた領域内とされている
ことを特徴とする誘電体磁器組成物に係わるもの
である。尚上記基本成分を別の形式で表わすと、 (Ba1-wCawk(Ti1-ySny)O2+k (Ba1-w-xCawSrxk (Ti1-ySny)O2+k (Ba1-wCawk (Ti1-y-zSnyZrz)O2+k (Ba1-w-xCawSrxk (Ti1-y-zSnyZrz)O2+k となり、本願発明の基本成分は上記4つの式から
選択された1つである。また、本願発明に係わる
基本成分は、 (Ba1-eMAek (Ti1-fMBf)O2+k (但し、MAはCa又はCa+Srから選択された金
属、MBはSn又はSn+Zrから選択された金属、e
は0.02〜0.46、kは1〜1.04、fは0.003〜0.27で
ある)で示すこともできる。 発明の効果 上記発明によれば、非酸化性雰囲気中に於いて
1200℃以下の温度で焼結させ、酸化性雰囲気中に
於いて1000℃以下、好ましくは600〜1000℃の温
度で熱処理することによつて誘電体磁器組成物を
得ることが出来る。従つて、ニツケル等の卑金属
を内部電極とする積層磁器コンデンサ等のための
誘電体磁器組成物を提供することが出来る。また
1200℃以下の低温焼結が可能になるので、Snを
含む磁器組成物を非酸化性雰囲気で焼結させても
Snの磁器表面への析出、又は昇華等が殆んど発
生しなくなる。またTiの一部をSnに置換した磁
器組成物とするので、磁器の結晶粒径を小さくす
ることが可能になり、30μm未満のような薄い磁
器層を形成しても例えば50V/μm以上の耐電圧
を得ることが可能になる。この結果、比誘電率ε
が2000以上、誘電体損失tan δが2.5%以下、抵
抗率ρが2×106MΩ・cm以上、耐電圧BDVが
50V/μm以上の磁器コンデンサを提供すること
が可能になる。 実施例 次に本発明に関係する実施例1〜154について
述べる。但し、本発明を明確にするために本発明
の範囲外の実施例も含まれている。 実施例1に於いては、第1表に示す如くw=
0.08、k=1.02、y=0.12即ち(Ba0.92Ca0.081.02
(Ti0.88Sn0.12)O3.02の基本成分を得るために、
純度99%以上のBaCO3、CaCO3、TiO2及びSnO2
を出発原料として用意し、BaCO393.84モル部、
CaCO38.16モル部、TiO388モル部、SnO212モル
部の割合になるように秤量した。尚不純物を目方
に入れないで秤量した。次に、この原料を15時間
湿式撹拌した後、1200℃の大気中で2時間仮焼成
を行つた。 次に、この仮焼材料(基本成分)100重量部に
対して3重量部の割合で平均粒径約1μmのガラ
ス粉末から成るガラス成分を添加した。尚このガ
ラス成分は第1表に示す如くM35モル%とSiO265
モル%とから成り、Mの内容はBaO40モル%、
CaO30モル%、SrO30モル%である。従つて、実
施例1ではBaO14モル%、CaO10.5モル%、
SrO10.5モル%、及びSiO265モル%から成るガラ
ス成分を添加したことになる。更に、基本成分と
ガラス成分との合計重量に対して15重量%となる
ように、バインダとしてのアクリル酸エステルポ
リマー、グリセリン、縮合リン酸塩の水溶液を加
え、更に50重量%の水を加えてボールミルで粉砕
混合してスラリーとし、ドクターブレード法によ
り厚さ25μmの生シートを作成した。次に、この
生シートを第1図に示す如く約7mm角の4枚の生
シート1,2,3,4に打ち抜き生シート1,2
の片面に第2図に示す如く1つの辺に達し、他の
3辺には端と間隔をもつようNiを主成分とした
導電ペースト(例えばNi91重量%、MnO1重量
%、PbO―BaO―SiO2ガラス8重量%、ビヒクル
から成るペースト)を6μmの厚さに塗布して導
電ペースト層5,6を形成した。そして、導電ペ
ーストを塗布した2枚の生シート1,2を、端部
まで導電ペーストを塗布した辺が互に反対方向に
向き、導電ペースト層5,6が生シート1枚を介
して対向するよう積み重ね、更に導電ペーストを
塗布しない生シート3,4を重ねて熱圧着させて
一体化した積層体を作成した。 次に、この積層体を加熱炉に入れ、大気雰囲気
中で100℃/hの速度で600℃まで昇温して、第2
表に示す水素0.3体積%を含む窒素ガス雰囲気
(H20.3体積%+N299.7体積%)に切替え更に100
℃/hの速度で第2表に示す1120℃に昇温してこ
の1120℃を3時間保持した後100℃/hの速度で
600℃まで降温し、水素0.3体積%を含む窒素ガス
雰囲気を空気雰囲気におきかえて、600℃で30分
間保持して酸化処理を行いその後室温まで冷却し
て積層焼結体を作製した。 これにより、第3図に示す如く、生シート1,
2,3,4に対応した誘電体磁器層1a,2a,
3a,4aと、ペースト層5,6に対応した内部
電極5a,6aとから成る焼結体7が得られる。
尚磁器層2aの厚さは約0.02mm、電極5a,6a
の対向面積は5mm×5mm=25mm2である。また、焼
結磁器層1a〜4aは複合プロブスカイト型構造
の基本成分(Ba0.92Ca0.081.02(Ti0.88Sn0.12)O
0.32とガラス成成分BaO―CaO―SrO―SiO2とか
ら成る。 次に、電極5a,6aが露出する焼結体7の側
面にZn(亜鉛)とガラスフリツトとビヒクルと
から成る導電性ペーストを塗布して乾燥し、これ
を大気中で550℃の温度で15分間焼付け、第4図
に示す如くZn電極層8を形成し、更にこの上に
銅(Cu)を無電解メツキで被着させてCu層9を
形成し、更にこの上に電気メツキ法でPb―Sn半
田層10を設けて、一対の外部電極11,12を
形成した。 次に、完成した積層磁器コンデンサの比誘電率
ε、誘電体損失tan δ、抵抗率ρ、耐電圧BDV
(kV)を測定したところ、第2表に示す結果が得
られた。尚電気的特性は次の条件で測定した。 (A) 比誘電率εは、温度20℃、周波数1kHz、電
圧〔実効値〕0.5Vの条件で静電容量を測定
し、この測定値と電極5a,6aの対向面積25
mm2と電極5a,6a間の磁器層2aの厚さ0.02
mmから計算で求めた。 (B) 誘電体損失tan δは比誘電率と同一条件で
測定し、第2表には%で示した。即ち第2表に
は実際のtan δの値の100倍の値を示した。従
つて、実際のtan δの値は第2表の値の10-2
倍である。 (C) 抵抗率ρ(MΩ・cm)は、温度20℃に於いて
DC50Vを1分間印加した後に電極12,13
間の抵抗値を測定し、この測定値と寸法とに基
づいて計算で求めた。 (D) 耐電圧(BDV)は20℃において、直流電圧
を100V/秒の速さで昇圧させ破壊する点の電
圧を測定することによつて決定した。 以上、実施例1について述べたが、実施例2〜
154についても、磁器組成及び/又は焼結条件を
第1表及び第2表に示すように変えた他は、実施
例1と全く同一条件で積層磁器コンデンサを作製
し、同一方法で電気的特性を測定した。 尚、第1表に於ける基本成分の欄には、
(Ba1-w-xCawSrxk(Ti1-y-zSnyZrz)O2+kのw,
x,k,y,zの値を示した。またガラス成分の
欄には、100重量部の基本成分に対するガラス成
分の割合を重量部で示した。また、ガラス組成の
欄には、Li2O―M―SiO2の割合をモル%で示し
た。またMの内容の欄には、BaO,CaO,SrOの
割合をモル%で示した。また第2表の焼結条件の
H2の割合の欄には、焼結時の非酸化性雰囲気に
於けるH2とN2との体積比に於けるH2(水素)の
体積%を示した。また焼結条件の温度の欄には、
非酸化性雰囲気に於ける焼結温度を示した。第1
表及び第2表中の″の印は同上を示す。酸化性雰
囲気に於ける熱処理温度は実施例1〜154に於い
て総て600℃であるので表に掲載されていない。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 第1表及び第2表から明らかなように、基本成
分が、実施例1〜22の (Ba0.92Ca0.081.02(Ti0.88Sn0.12)O3.02の場
合、 実施例23〜31の Ba0.66Ca0.05Sr0.291.02(Ti0.98Sn0.02)O3.02
場合、 実施例32〜40の (Ba0.92Ca0.081.02(Ti0.84Sn0.01Zr0.15)O3.02
の場合、 実施例41〜49の (Ba0.85Ca0.08Sr0.071.02(Ti0.86Sn0.01Zr0.13
3.02の場合、 実施例50〜56の (Ba0.92Ca0.081.02(Ti0.88Sn0.12)O3.02の場
合、 実施例57〜60の (Ba0.66Ca0.05Sr0.291.02(Ti0.98Sn0.02)O3.02
の場合、 実施例61〜64の (Ba0.92Ca0.081.02(Ti0.84Sn0.01Zr0.15)O3.02
の場合 実施例65〜68の (Ba0.85Ca0.08Sr0.011.02(Ti0.86Sn0.01Zr0.13
3.02の場合、 実施例69〜71及び81〜84の (Ba0.92Ca0.08k(Ti0.88Sn0.12)O2+kの場合、 実施例72〜74及び85〜88の (Ba0.66Ca0.05Sr0.29k(Ti0.98Sn0.02)O2+k
場合、 実施例75〜77及び89〜92の (Ba0.92Ca0.08k(Ti0.84Sn0.01Zr0.15)O2+k
場合、 実施例78〜80及び93〜96の (Ba0.85Ca0.08Sr0.07k(Ti0.86Sn0.01Zr0.13)O2
+kの場合、 実施例98〜102及び104〜108の (Ba1-wCawk(Ti1-ySny)O2+kの場合、 実施例110〜114及び116〜123の (Ba1-w-xCawSrxk(Ti1-ySny)O2+kの場合、 実施例125〜134及び136〜138の (Ba1-wCawk(Ti1-y-zSnyZrz)O2+kの場合、 実施例140〜142及び144〜154の (Ba1-w-xCawSrxk(Ti1-y-zSnyZrz)O2+kの場
合のいずれに於いても、基本成分のw,x,k,
y,z及びガラス成分を本発明で特定する範囲と
することにより、非酸化性雰囲気に於ける1200℃
以下の焼結処理し、600℃の空気中に於ける酸化
処理とによつて、本実施例の良品基準であるεが
2000以上、tan δが2.5%以下、ρが2×106M
Ω・cm以上、BDVが1kV以上(50V/μm以上)
の積層磁器コンデンサを得ることが出来る。 尚、第1表及び第2表に於ける実施例6〜10、
50,56,57,60,61,64,65,68,71,74,77,
80,81,84,85,88,89,92,93,96,97,
103,105,108,109,115,120,121,123,
124,131,132,135,138,139,143,149〜
151,154は本発明の範囲外のものである。 第5図はガラス成分Li2O―M―SiO2の組成比
を示す三角図である。この三角図に於ける第1の
点Aは実施例1,23,及び43のLi2O零モル%、
M35モル%、SiO265%を示し、第2の点Bは実施
例2,28,33,及び46のLi2O零モル%、M40モル
%、SiO260モル%を示し、第3の点Cは実施例
3,24,32,及び45のLi2O5モル%、M45モル
%、SiO250モル%を示し、第4の点Dは実施例
4,25,37,及び44のLi2O50モル%、M零モル
%、SiO250モル%を示し、第5の点Eは実施例
5,27,34,及び42のLi2O25モル%、M零モル
%、SiO275モル%を示す。そして、この5つの
点A〜Eを順に結ぶ5本の直線で囲まれた領域内
にガラス成分の組成があれば、本発明で目的とし
ている誘電体磁器を得ることが出来る。尚、M成
分は、例えば、実施例12〜14に示す如くBaO,
CaO,SrOいずれか一つであつてもよいし、又は
実施例15〜20で示すように適当な比率でこれ等を
混合したものであつてもよい。要するに、M成分
はBaO,CaO,SrOの少なくとも1種でよい。 次に、実施例を更に詳しく検討する。 実施例1〜22は主としてガラス成分の組成を
種々変化させたものである。この内、実施例1,
2、及び8はガラス成分中のLi2Oがない場合
で、実施例1及び2に見る如く、M成分が35〜40
モル%、SiO2が残部であれば1120℃で焼結さ
れ、εが12920〜12940、tan δが1.2〜1.4%、
ρが約2.7×106MΩ・cm、BDVが1.37〜1.38kV
(68.5〜69V/μm)と良好であるが、実施例8
の如くM成分が50モル%、残部がSiO2から成る
本発明の範囲外の組成では1200℃以下で焼結され
ず、1200℃を越える温度(1250℃)で焼成する
と、Snが析出し、緻密な焼結体が得られない。
SiO2成分が50モル%であつても、実施例3,
4、及び19に見る如く、M成分が0〜45モル%の
範囲で残部がLi2Oならば1120℃で焼結し、εが
約12900、tan δが1.2〜1.3%、ρが(2.2〜
2.6)×106MΩ・cm、BDVが1.32〜1.37kV(66〜
68.5V/μm)となり、満足な特性が得られる。
SiO2が50モル%未満の場合は実施例9,10に見
る如く1200℃以下で焼結されない。SiO2が50モ
ル%以上の場合においては、M成分が含まれず残
部がLi2Oのみの場合実施例4,5,及び21に見
る如く、SiO2が75モル以下の範囲で1120℃で焼
結し、εが約12800〜12900、tan δが1.2〜1.3
%、ρが(2.2〜2.3)×106MΩ・cm、BDVが1.32
〜1.34kV(66〜67V/μm)と良好である。M成
分が含まれると実施例7の如くSiO2が75モル%
では1200℃以下で焼結せず、実施例1及び22に見
る如く、M成分が35モル%でSiO265モル%及び
M成分が15モル%でSiO2が70モル%、残部が
Li2Oのとき、1120℃で焼結し、良好な電気的特
質が得られた。実施例1〜5、及び11〜22のガラ
ス組成は第5図の三角図上の点A,B,C,D、
及びEを結ぶ線上又はこの線に囲まれた範囲にあ
る。一方、実施例6〜10のガラス組成は三角図の
A〜Eの範囲外となる。 実施例23〜49は、基本成分を変化させてもガラ
ス成分の好ましい組成比が第5図の三角図のA〜
E点で囲まれる範囲であることを示すものであ
る。この内実施例23〜31の基本成分の内、Baの
1部をCa及びSrで置換した(Ba Ca Sr)(Ti
Sn)O3系磁器の場合においてもガラス成分が第
5図のA,B,C,D及びEに囲まれた範囲であ
れば、1200℃以下で焼結し、電気的にもε、tan
δ、ρ及びBDVが共に満足した値になること
を示す。 実施例32〜40は基本成分の内Tiの1部をSnと
Zrとに置換した(Ba Ca)(Ti Sn Zr)O3系磁器
の場合においてもガラス成分が三角図のA,B,
C,D及びEに囲まれた範囲であれば、1200以下
で焼結し、電気的にもε、tan δ、ρ及びBDV
が共に満足する値になることを示す。 実施例41〜49は基本成分のBaの1部をCaとSr
に置換し、且つTiの1部をSnとZrとに置換した
(Ba Ca Sr)(Ti Sn Zr)O3系磁器の場合におい
ても、ガラス成分が三角図のA,B,C,D及び
Eに囲まれる範囲であれば、1200℃以下で焼結さ
れ、ε、tan δ、ρ及びBDVが共に満足する値
になることを示す。 実施例50〜68はガラス成分の添加量を種々変え
たものである。実施例50,57,61,65のようにガ
ラス成分を添加しない場合には、焼結温度が1200
℃より高く、緻密な焼結体が得られない。一方、
実施例51,58,62,66に示す如く、ガラス成分を
0.2重量部添加すると、1200℃以下で焼結し、電
気的特性も、εが7260〜14640、tan δが1.2〜
1.8%、ρが2.1〜3.3×106MΩ・cm、BDVが1.12
〜1.28kV(56〜64V/μm)と良好になる。実施
例52,55,59,63,67に示す如く、ガラス成分を
10重量部まで漸次増加しても、焼結温度、電気的
特性共に充分満足する値であるが、実施例56,
60,64,68に示す如くガラス成分が12重量部にな
ると、tan δが2.5%以上になる。従つて、種々
の基本成分100重量部に対してガラス成分を0.2〜
10重量部添加することが好ましい。 実施例69〜80は焼成の際のガス雰囲気と焼結体
との関係を示すものである。実施例69,72,75,
78の水素濃度が零の中性雰囲気の場合、及び実施
例70,73,76,79の水素濃度が1体積%の還元雰
囲気の場合には目的の磁器が得られる。しかし、
実施例71,74,77,80で示す水素濃度2体積%に
なると、Sn成分が金属化して析出し、目的の焼
結体とならない。 実施例81〜96は基本成分におけるTi,Sn,Zr
などのTi群と、Ba,Ca,SrなどのBa群との比k
を0.98〜105まで変化させた場合を示す。実施例
82,83,86,87,90,91,94,95はk=1.0又は
k=1.04の場合を示し、焼結性及び電気的特性共
に満足できる値であつた。一方、実施例81,85,
89,93の如くk=0.98ではtan δが9%以上、
ρが103MΩ・cm台、BDVが0.1kV(5V/μm)
となり、満足な電気的特性を得ることが出来な
い。また実施例84,88,92,96に示す如くk=
1.05では目的の焼結体が得られなかつた。従つ
て、kの好ましい範囲は1〜1.04である。 実施例97〜154は基本成分の組成を種々変えた
ものである。この内実施例97,109,124,139は
基本成分にSnを含有しない例である。このよう
に基本成分にSnが含有されない場合にはBDVが
0.52〜0.86kV(26〜43V/μm)となり、目標と
する1kV(50V/μm)を得ることが出来ない。
一方、実施例98,110,125,140に示す如くy=
0.003となるようにSnを含有させると、BDVが
1kV(50V/μm)以上となり、更にSn含有量が
増加するに従いBDVは1.5kV(75V/μm)以上
に上昇する傾向にある。しかし、実施例107,
122,137,153に示すy=0.17が限度であり、実
施例108,123,138,154に示す如くy=0.19にな
ると、εが1500以下に低下してしまう。尚、実施
例97,98,104の磁器の結晶粒径を測定したとこ
ろ、約10μm、約6μm、約4μmであつた。従
つて、yが0.003〜0.17の範囲となるようにSnを
含ませることが望ましい。 実施例103,115,135,143は基本成分にCaを
含有しない例である。このように基本成分にCa
が含有されない場合は、tan δが6.8〜18.2%、
ρが103MΩ・cm台、BDVが0.1kV(5V/μm)
以下と電気的特性が悪い。一方、実施例99,
107,112,125,153に示す如くw=0.02となるよ
うにCaが含まれれば電気的に満足し得る磁器と
なる。また実施例102,119,134,146に示すw=
0.27までは電気的特性を満足するが、実施例
105,121,132,151に示す如くw=0.29になる
と、εが1500以下となり、中でも実施例132では
tan δが3.6%に上昇する。従つて、wが0.02〜
0.27の範囲となるようにCaを含ませることが望
ましい。 実施例100〜114,116〜119,122,140〜142,
144〜148,152,153に示す如く、xが0.37以下の
範囲でSrを基本成分に含有させると、tan δが
0.6〜1.5%となり、tan δを安定させる効果が
生じる。しかし、x=0.37が限度であり、実施例
120に示す如くxが0.39になるとεが960となり、
目標とする磁器を得ることが出来ない。従つて、
xの好ましい範囲は0.37以下である。 実施例125〜130,133,134,136,137,140〜
142、144〜148,152,153に示す如く、zが0.26
以下の範囲でZrを基本成分に含有させると、tan
δを0.5〜1.4%、ρを3×106MΩ・cm以上にす
ることが出来る。しかし、実施例131,150に示す
如くzが0.28になるとεが1260及び1060となる。
従つて、zが0.26以下の範囲でZrを含有させるこ
とが望ましい。 第1表には、Ba原子の割合、及びTi原子の割
合が示されていない。しかし、Baの割合は1−
w−xにより、又Tiの割合は1−y−zにより
必然的に決定される。 今、w及びxの好ましい範囲に基づいて1−w
−xを決定すると0.36〜0.98になる。しかし、実
施例120,121から明らかなように、w+xが0.49
となり、この結果、1−w−xが0.51になると、
本発明で目標としている磁器を得ることが出来な
い。これに対し、実施例110に示す如く、w+x
が0.46であつて、1−w−xが0.54の場合には目
標とする磁器を得ることが出来る。従つて、Ba
の割合を示す1−w−xの好ましい範囲は、0.54
〜0.98である。換言すれば、w+xの好ましい範
囲は0.02〜0.46である。 一方、y及びzの好ましい範囲に基づいて1−
y−zを決定すると、0.57〜0.997になる。しか
し、実施例131,138,150,151,154に示す如
く、y+zが0.34,0.33,0.37,0.30,0.29にな
り、この結果、夫々の1−y−zが0.66,0.67,
0.63,0.70,0.71になると、本発明で目標とする
磁器を得ることが出来ない。これに対して、実施
例141に示すy+zが0.27であつて、1−y−z
が0.73の場合には目標とする磁器を得ることが出
来る。従つて、Tiの割合を示す1−y−zの好
ましい範囲は0.73〜0.997である。換言すれば、
y+zの好ましい範囲は0.003〜0.27である。 本発明に係わる誘電体磁器組成物が実用上問題
ないことを確かめるために、実施例104,117,
128,140の磁器コンデンサを、恒温槽中で温度を
−30℃から+85℃まで変化させて静電容量を測定
し、20℃を基準にした静電容量の変化率を求めた
ところ、第6図の結果が得られた。また、静電容
量と同時にtan δを測定したところ、第7図の
結果が得られた。また、実施例104,117,128,
140の磁器コンデンサの温度を−50〜+150℃まで
変化させ、絶縁抵抗を測定し、これに基づいて抵
抗率ρを求めたところ、第8図の結果が得られ
た。尚第6図,第7図及び第8図に於いて、2点
鎖線により実施例104の特性を示し、実線により
実施例117の特性を示し、1点鎖線で実施例128の
特性を示し、点線で実施例140の特性を示す。 変形例 以上、本発明の実施例について述べたが、本発
明はこれに限定されるものではなく、例えば基本
成分の中に、本発明の目的を阻害しない範囲で微
量のMnO2(好ましくは0.05〜0.1重量%)等の鉱
化剤を添加し、焼結性を向上させてもよい。 また基本成分を得るための出発原料を、実施例
で示したもの以外の例えばBa,Ca,Sr,Ti,
Sn,Zrの化合物、例えばBaO,CaO,SrO,
SnO2、ZnO2等の酸化物、又は水酸化物等として
もよい。 また、酸化温度を600℃以外の焼結温度よりも
低い温度(好ましくは1000℃以下)としてもよ
い。即ち、ニツケル等の電極と磁器の酸化とを考
慮して種々変更することが可能である。 また、非酸化性雰囲気中の焼成温度も、電極材
料を考慮して変えることが出来る。 また、積層磁器コンデンサ以外の一般的な磁器
コンデンサも勿論提供可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1〜154に従う生シートを示す
斜視図、第2図は第1図の生シートにニツケルペ
ーストを印刷した状態を示す斜視図、第3図は第
2図の生シートを一体化して焼結した物を示す断
面図、第4図は第3図の焼結体に外部電極を設け
た状態を示す断面図である。第5図はガラス成分
の組成を示す三角図である。第6図は実施例
104,117,128,140の磁器コンデンサの温度対静
電容量変化率を示す特性図である。第7図は実施
例104,117,128,140の磁器コンデンサの温度対
tan δを示す特性図である。第8図は実施例
104,117,128,140の磁器コンデンサの温度対抵
抗率を示す特性図である。 1,2,3,4…生シート、1a,2a,3
a,4a…磁器層、5,6…ペースト層、5a,
6a…電極、7…焼結体、12,13…外部電
極。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (Ba1-eMAek(Ti1-fMBf)O2+k (但し、MAはCa又はCa+Srから選択された金
    属、MBはSn又はSn+Zrから選択された金属、e
    は0.02〜0.46、kは1〜1.04、fは0.003〜0.27で
    ある) から成る100重量部の基本成分と、 0.2〜10.0重量部のガラス成分と、 から成り、前記ガラス成分がLi2OとM(但し
    MはBaO、CaO及びSrOの少なくとも1種の金属
    酸化物)とSiO2と の組成をモル%で示す三角図に於ける 前記Li2Oが0モル%、前記Mが35モル%、前
    記SiO2が65モル%の組成を示す第1の点Aと、 前記Li2Oが0モル%、前記Mが40モル%、前
    記SiO2が60モル%の組成を示す第2の点Bと、 前記Li2Oが5モル%、前記Mが45モル%、前
    記SiO2が50モル%の組成を示す第3の点Cと、 前記Li2Oが50モル%、前記Mが0モル%、前
    記SiO2が50モル%の組成を示す第4の点Dと、 前記Li2Oが25モル%、前記Mが0モル%、前
    記SiO2が75モル%の組成を示す第5の点Eと、 前記第1の点Aと、 を順に結ぶ5本の直線で囲まれた領域内のもので
    あることを特徴とする誘電体磁器組成物。
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