JPH0551122B2 - - Google Patents

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JPH0551122B2
JPH0551122B2 JP61232820A JP23282086A JPH0551122B2 JP H0551122 B2 JPH0551122 B2 JP H0551122B2 JP 61232820 A JP61232820 A JP 61232820A JP 23282086 A JP23282086 A JP 23282086A JP H0551122 B2 JPH0551122 B2 JP H0551122B2
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Koichi Chasono
Shunji Murai
Hiroshi Kishi
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、ニツケル等の卑金属を内容電極とす
る温度補償用積層磁器コンデンサの誘電体として
好適な誘電体磁器組成物に関する。 [従来の技術] 特開昭59−227769号公報に、{Sr1-xCax)O}k
TiO2から成る基本成分と、Li2OとSiO2とMO(但
し、MOはBaO、CaO及びSrOの内の少なくとも
1種の金属酸化物)から成る添加成分とを含む誘
電体磁器組成物が開示されている。この磁器組成
物は非酸化性雰囲気中で焼結可能であるので、こ
れを使用してニツケル等の卑金属を内容電極とす
る温度補償用積層磁器コンデンサを提供すること
が出来る。ところで、温度補償用磁器コンデンサ
を高性能化及び小型化するために、高いQ及び抵
抗率ρを有する誘電体磁器組成物が要求される
が、上記公開公報に開示されている誘導体磁器組
成物では、誘電率の温度係数(TC)が+350〜−
1000(ppm/℃)の範囲に於いて、Qが4400以下
であり、必ずしも十分なQが得られない。そこで
本件出願人は、特願昭60−298004号明細書におい
て、 {(Sr1-x-yCaxMy)O}k(Ti1-zZrz)O2 (但しMはMgは又はZn)からなる基本成分と、
B2O3とSiO2とMO(BaO、MgO、ZnO、SrO及び
CaOの少なくとも1種)とから成る添加成分とか
ら成る新しい誘電体磁器組成物を開示した。この
新しい誘電体磁器組成物によれば、温度係数
(TC)が+350〜−1000(ppm/℃)の範囲内及び
外において、4500以上のQと20℃で1.0×
107MΩ・cm以上の抵抗率ρとを得ることができ
る。 [発明が解決しようとする問題点] 上記明細書に図示されている誘電体磁器組成物
は、通常の環境条件(例えば−25℃〜+85℃)で
使用されるコンデンサの誘電体基体として十分に
使用可能であるが、苛酷な環境条件(例えば125
℃)で使用される可能性のあるコンデンサの誘電
体基体としては十分でないことが分かつた。即
ち、上記明細書に開示されている誘電体磁器組成
物ではQは5000以上に保つようにして高温(例え
ば125℃)での抵抗率ρを1.0×105MΩ・cm以上に
することは不可能又は困難である。従つて、本発
明の目的は非酸化性雰囲気、1200℃以下の焼成で
得ることができるものであり、Qが5000以上、
125℃における抵抗率ρが1.0×105MΩ・cm以上で
ある誘電体磁器組成物を提供することにある。 [問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決し、上記目的を達成するため
の本発明は、100重量部の基本成分と、0.2〜15.0
重量部の添加成分とから成り、前記基本成分が、
{(Ma1-y-zMbyMnz)O}k(Ti1-wZrw)O2(但し、
MaはSr(ストロンチウム)とCa(カルシウム)と
の内の少なくとも1種の金属、MbはMg(マグネ
シウム)とZn(亜鉛)との内の少なくとも1種の
金属、y、z、k、wは、0.005≦y≦0.100、
0.001≦z≦0.100、1.00≦k≦1.200、0.005≦w≦
0.100の範囲の数値)であり、前記添加成分が、
B2O3とSiO2とMO(但し、MOはBaO、MgO、
ZnO、SrO、及びCaOの内の少なくとも1種の金
属酸化物)との組成を示す三角図における、前記
B2O3が1モル%、前記SiO2が80モル%、前記
MOが19モル%の点Aと、前記B2O3が1モル%、
前記SiO2が39モル%、前記MOが60モル%の点B
と、前記B2O3が30モル%、前記SiO2が0モル%、
前記MOが70モル%の点Cと、前記B2O3が90モ
ル%、前記SiO2が0モル%、前記MOが10モル%
の点Dと、前記B2O3が90モル%、前記SiO2が10
モル%、前記MOが0モル%の点Eと、前記
B2O3が20モル%、前記SiO2が80モル%、前記
MOが0モル%の点Fとを順に結ぶ6本の直線で
囲まれた領域内のものである誘電体磁器組成物に
係わるものである。 [発明の作用効果] 上記発明の誘電体磁器組成物は、非酸化性雰囲
気、1200℃以下の焼成で得られるので、ニツケル
等の卑金属を内部電極とする温度補償用積層磁器
コンデンサの誘電体として好適なものである。こ
の誘電体磁器組成物によれば、比誘電率εsが151
〜323、Qが5000以上、誘電率の温度係数TCが−
600〜−3400ppm/℃、抵抗率ρが20℃で1×
107MΩ・cm以上、125℃で1.0×105MΩ・cm以上
の温度補償用磁器コンデンサを得ることができ
る。前述の特願昭60−298004号明細書に開示され
ている誘電体磁器組成物と本願発明の誘電体磁器
組成物との大きな相違点は5000以上のQを維持し
て125℃の抵抗率ρを1.0×105MΩ・cm以上にする
ことができることである。この様に高いQを維持
しながら高温での抵抗率ρの低下を抑制すること
ができるのは基本成分にMn(マンガン)を含め
たためである。基本成分におけるマンガンの量を
増加させるに従つて高温での抵抗率ρが高くなる
が、多くなり過ぎるとQが低下し、所望の特性を
得ることができない。本発明に従う高温での抵抗
率ρの大きい誘電体磁気組成物を使用すれば、コ
ンデンサの電極間距離を短くすることができるの
で、高温条件下で使用する温度補償用磁器コンデ
ンサを小型化することができる。また、抵抗率ρ
が大きいのに拘らず、高いQを有する磁器コンデ
ンサを提供することができるので、磁器コンデン
サを使用する電子回路の高性能化が可能になる。 [実施例] 次に、本発明の実施例(比較例も含む)につい
て説明する。第1表の試料No.1のk=1.00、x=
0.28、y=0.01、z=0.02、w=0.05に従つて決
定される組成式 (Ma0.97Mb0.01Mn0.02)O(Ti0.95Zr0.05)O2 より具体的には、Ma0.97=Sr0.69Ca0.28、Mb0.01
Zn0.01であるので (Sr0.69Ca0.28Zn0.01Mn0.02)O(Ti0.95Zr0.05)O2 から成る基本成分を得るために、純度99.0%以上
のSrCO3(炭酸ストロンチウム)、CaCO3(炭酸カ
ルシウム)、ZnO(酸化亜鉛)、MnO(酸化マンガ
ン)、TiO2(酸化チタン)nZrO2(酸化ジルコニウ
ム)を出発原料として用意し、不純物を目方に入
れないで、
【表】 をそれぞれ秤量し、これ等と原料に水を2.5加
えて15時間湿式混合した。 次に、この原料混合物を150℃で4時間乾燥し、
しかる後粉砕した。次に、この粉砕物を、1100℃
で、2時間大気中で仮焼し、上記組成式の基本成
分の粉末を得た。一方、第2表の試料No.1の添加
成分を得るために、
【表】 を秤量し、これ等にアルコールを300c.c.加え、ポ
リエチレンポツトにてアルミナボールを用いて10
時間攪拌した後、大気中1000℃で2時間仮焼成
し、これを300c.c.の水と共にアルミナポツトに入
れ、アルミナボールで15時間粉砕し、しかる後、
150℃で4時間乾燥させてB2O3が1モル%、SiO2
が80モル%、MOが19モル%、(BaO3.8モル%+
MgO3.8モル%+ZnO3.8モル%+SrO3.8モル%+
CaO3.8モル%)の組成の添加成分の粉末を得た。 次に、基本成分の粉末1000g(100重量部)に
対して上記添加成分の粉末30g(3重量部)を加
え、更に、アクリル酸エステルポリマー、グリセ
リン、縮合リン酸塩の水溶液から成る有機バイン
ダを基本成分と添加成分との合計重量に対して15
重量%添加し、更に、50重量%の水を加え、これ
等をボールミルに入れて粉砕及び混合して磁器原
料のスラリーを作製した。 次に、上記スラリーを真空脱泡機に入れて脱泡
し、このスラリーをリバースロールコーターに入
れ、これを使用してポリエステルフイルム上にス
ラリーに基づく薄膜を形成し、この薄膜をフイル
ム上で100℃に加熱して乾燥させ、厚さ約25μm
のグリーンシート(未焼結磁器シート)を得た。
このシートは、長尺なものであるが、これを10cm
角の正方形に打ち抜いて使用する。 一方、内部電極用の導電ペーストは、粒径平均
1.5μmのニツケル粉末10gと、エチルセルローズ
0.9gをブチルカルビトール9.1gに溶解させたも
のとを攪拌機に入れ、10時間攪拌することにより
得た。この導電ペーストを長さ14mm、幅7mmのパ
ターンを50個有するスクリーンを介して上記グリ
ーンシートの片面に印刷した後、これを乾燥させ
た。 次に、上記印刷面を上にしてグリーンシートを
2枚積層した。この際、隣接する上下のシートに
おいて、その印刷面がパターンの長手方向に約半
分程ずれるように配置した。更に、この積層物の
上下両面にそれぞれ4枚ずつ厚さ60μmのグリー
ンシートを積層した。次いで、この積層物を約50
℃の温度で厚さ方向に約40トンの圧力に加えて圧
着させた。しかる後、この積層物を格子状に裁断
し、約く50個の積層チツプを得た。 次に、この積層体チツプを雰囲気焼成が可能な
炉に入れ、大気雰囲気中で100℃/hの速度で600
℃まで昇温して、有機バインダを燃焼させた。 しかる後、炉の雰囲気を大気からH22体積%+
N298体積%の雰囲気に変えた。そして、炉を上
の如き還元性雰囲気とした状態を保つて、積層体
チツプの加熱温度を600℃から焼結温度の1190℃
まで100℃/hの速度で昇温して1190℃(最高温
度)3時間保持した後、100℃/hの速度で600℃
まで降温し、雰囲気を大気雰囲気(酸化性雰囲
気)におきかえて、600℃を30分間保持して酸化
処理を行い、その後、室温まで冷却して、焼結体
チツプを得た。 次に、電極が露出する焼結体チツプの側面に亜
鉛とガラスフリツトとビヒクルとから成る導電性
ペーストを塗布して乾燥し、これを大気中で550
℃の温度で15分間焼付け、亜鉛電極層を形成し、
更にこの上に銅を無電解メツキで被着させて、更
にこの上に電気メツキ法でPb−Sh半田層を設け
て、一対の外部電極を形成した。 これにより、第1図に示す如く、誘電体磁器層
1,2,3と、内部電極4,5と、外部電極6,
7から成る積層磁器コンデンサ10が得られた。
なお、このコンデンサ10の誘電体磁器層2の厚
さは0.02mm、内部電極4,5の対向面積は、5mm
×5mm=25mm2である。また、焼結後の磁器層1,
2,3の組成は、焼結前の基本成分と添加成分と
の混合組成と実質的に同じであり、複合プロブス
カイト(perovskite)型構造の基本成分 (Sr0.69Ca0.28Zn0.01Mn0.02)O(Ti0.95Zr0.05)O2 の結晶粒子間にB2O31モル%とSiO280モル%と
BaO3.8モル%のMgO3.8モル%とZnO3.8モル%
とSrO3.8モル%とCaO3.8モル%とから成る添加
成分が均一に分布したものが得られる。 次に、完成した積層磁器コンデンサの日誘電率
εs、温度係数TC、Q、抵抗率ρを測定したとこ
ろ第3表の試料No.1に示す如く、εsは279、TCは
−1420ppm/℃、Qは9600、ρは20℃で3.3×
107MΩ・cm、125℃で1.8×105MΩ・cmであつた。
なお、上記電気的特性は次の要領で測定した。 (A) 比較電率εsは、温度20℃、周波数1MHz、交
流電圧(実効値)0.5Vの条件で静電容量を測
定し、この測定値と磁器層2の厚さ0.02mmから
計算で求めた。 (B) 温度係数(TC)は、85℃の静電容量(C85
と20℃の静電容量(C20)とを測定し、 C85−C20/C20×1/65×106(ppm/℃) で算出した。 (C) Qは温度20℃において、周波数1MHz、電圧
[実行値]0.5Vの交流でのQメータにより測定
した。 (D) 抵抗率ρ(MΩ・cm)は、温度20℃及び125℃
においてそれぞれDC50Vを1分間印加した後
に一対の外部電極6,7間の抵抗値を測定し、
この測定値と寸法とに基づいて計算でもとめ
た。 以上、試料No.1の作製方法及びその特性につい
て述べたが、その他の試料No.2〜93についても、
基本成分及び添加成分の組成、これ等の割合、及
び還元性雰囲気(非酸化性雰囲気)での焼成温度
を第1表、第2表及び第3表に示すように変えた
他は、試料No.1と全く同一の方法で積層磁器コン
デンサを作製し、同一方法で電気的特性を測定し
た。第1表は、それぞれの試料の基本成分の組成
式 {(Sr1-x-y-zCaxMbyMnz)O}k(Ti1-wZrw)O2 を決定するための各数値k、x、y、z、w、即
ち各元素の原子数の割合を示す数値と、Mbの内
容とを示す。第2表は各試料の100重量部の基本
成分に対する添加成分の添加量(重量部)と、添
加成分の組成を示す。この第2表のMOの内容の
欄には、BaO、MgO、ZnO、SrO、CaOの割合
がモル%で示されている。第3票はそれぞれの試
料の還元性雰囲気における焼結のための焼成温度
(最高温度)、及び電気的特性を示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 第1表〜第3表から明らかな如く、本発明に従
う試料では、非酸化性雰囲気、1200℃以下の焼成
で、比較電率εsが151〜323、Qが5000以上、誘電
率の温度係数TCが−600から−3400ppm/℃の範
囲となる。また抵抗率ρは20℃で1.0×107MΩ・
cm以上、125℃で1.0×105MΩ・cm以上となる。 一方、試料No.7、8、9、10、29、33、34、
38、43、48、49、53、54、58、63、64、69、70、
76、77、83では本発明の目的を達成することがで
きない。従つて、これ等は本発明の範囲外のもの
である。 次に、組成の限定理由について述べる。 添加成分の添加量が零に場合には試料No.77から
明らかな如く焼成温度が1300℃であつても緻密な
焼結体が得られないが、試料No.78に示す如く添加
量が100重量部の基本成分に対して0.2重量部の場
合には1190℃の焼成で所望の電気的特性を有する
焼結体が得られる。従つて、添加成分の下限は
0.2重量部である。一方、試料No.83に示す如く添
加量が18重量部の場合にはQが5000未満となり、
所望特性よりも悪くなるが、試料No.82に示す如く
添加量が15重量部の場合には、所望の特性を得る
ことができる。従つて、添加量の上限は15重量部
である。 xの値は、例えば試料No.24、25、26、27に示す
如く、0から0.994までのいずれの値であつても、
所望の電気的特性を得ることができる。従つてx
の値は0から0.994までの全ての値を含む。なお
試料No.28に示す如くxが0.994の場合には、x+
y+z=1となり、結局Srが零である。従つて、
本発明に従う一般式のMaの内容は、Sr、Ca、Sr
+Caのいずれか1つである。 yの値が試料No.29、34に示す如く0.002の場合
は、Mb(Mb及び/又はZn)を添加した効果が見
られないが試料No.30、35に示す如くyの値が
0.005の場合には、所望の電気的特性が得られる。
従つてyの値の下限は、0.005である。一方yの
値が試料No.33、38、43に示す如く0.12の場合には
緻密な焼結体が得られないが、試料No.32、37、42
に示す如く、yの値が0.10の場合には所望の電気
的特性が得られる。従つてyの値の上限は0.10で
ある。 zの値が試料No.49、54に示す如く、0.005の場
合は125℃でのρが1.0×105MΩ・cmを下回つてし
まいMnOを添加した効果は見られないが、試料
No.50、55に示す如く、zの値が0.001の場合には
所望の電気的特性が得られる。従つてzの下限は
0.001である。一方、zの値が、0.12の場合には
試料No.48、53、58、63に示す如くたとえρが満足
な値であつてもQが5000未満となつてしまうが、
試料No.47、52、57、62に示す如くzの値が0.10の
場合には所望の電気的特性が得られる。従つてz
の値の上限は0.10である。なお、例えば、試料No.
54、55、56、57、58に示す如く、zの値を、徐々
に大きくすると、125℃におけるρも徐々大きく
なり、Mnが高温における抵抗率ρの増大寄与し
ていることが分かる。 wの値が試料No.64に示す如く0.002の場合には
125℃でのρが1.0×105を下回つてしまいZrO2
添加した効果が見られないが、試料No.65に示す如
くwの値が0.005と場合には所望の電気的特性が
得られる。従つてwの値は下限は0.005である。
一方、試料No.69に示すwの値が0.12の場合には緻
密な焼結体が得られないが、試料No.68に示す如く
wの値が0.10の場合には所望の電気的特性が得ら
れる。従つてwの値の上限は0.10である。 kの値が試料No.70に示す如く0.99の場合には、
ρが20℃、125℃でそれぞれ4.1×104、1.0×
101MΩ・cmとなり更にQも400と大幅に低くなる
が、試料No.71に示す所くkの値が1.00の場合には
所望の電気的特性が得られる。従つてkの値の下
限は1.00である。一方、kの値が試料No.76に示す
如く1.25の場合には緻密な焼結体が得られない
が、試料No.75に示す如くkの値が1.20の場合には
所望の電気的が得られる。従つてkの値の上限は
1.20である。 添加成分の好ましい組成は第2図のB2O3
SiO2−MOの組成比を示す三角図に基づいて決定
することができる。三角図の点Aは試料No.1の
B2O31モル%、SiO280モル%、MO19モル%の組
成を示し、点Bは、試料No.2のB2O31モル%、
SiO239モル%、MO60モル%の組成を示し、点C
は試料No.3のB2O330モル%、SiO2Oモル%、
MO70モル%の組成を示し、点Dは試料No.4と
B2O390モル%、SiO2Oモル%、MO10モル%の組
成を示し、点Eは試料No.5のB2O390モル%、
SiO210モル%、MO10モ%の組成を示し、点Fは
試料No.6のB2O320モル%、SiO80モル%、MO0
モル%の組成を示す。 本発明の範囲に属する試料の添加成分の組成
は、三角図の第1〜第6の点A〜Fを順に結ぶ6
本の直線で囲まれた領域内の組成になつている。
この領域内の組成とすれば、所望の電気的特性を
得ることができる。なお三角図で試料No.87〜93等
から明らかな如く、SiO2とMOとのいずれか一方
が省いても本発明で目標としている特性が得られ
る。 一方、試料No.7、8、9、10のように、添加成
分の組成が本発明で特定した範囲外となれば、緻
密な焼結体を得ることができない。なお、MO成
分は、例えば試料No.11、12、13、14、15に示す如
くBaO、MgO、ZnO、SrO、CaOのいずれか一
であつてもよいし、又は他の試料に示すように適
当な比率としてもよい。 [実施例] 以上本発明の実施例について述べたが、本発明
はこれに限定されるものではなく、例えば次の変
形例が可能なものである。 (a) 基本成分を得るための出発原料であるMnO
を本発明の目的を阻害しない範囲でその一部を
MnO2あるいはMn3O4等のもので置き換えるこ
ともできる。また基本成分及び添加成分にその
他の物質を必要に応じて適量添加してもよい。 (b) 基本成分を得るための出発原料を、実施例で
示したもの以外の例えば、SrO、CaO等の酸化
物又は水酸化物又はその他の化合物としてもよ
い。また、添加成分の出発原料を酸化物、水酸
化物等の他の化合物としてもよい。 (c) 酸化温度を600℃以外の焼結温度よりも低い
温度(好ましくは1000℃以下)としてもよい。
即ち、ニツケル等の電極と磁器の変化とを考慮
して種々変更することが可能である。 (d) 非酸化性雰囲気中の焼成温度を、電極材料を
考慮して種々変えることが出来る。 (e) 焼結を中性雰囲気で行つてもよい。 (f) 積層磁器コンデンサ以外の一般的な磁器コン
デンサにも勿論適用可能である。
【図面の簡単な説明】
1図は第は本発明の実施例に係わる積層型磁器
コンデンサを示す断面図である。第2図は添加成
分の組成範囲を示す三角図である。 1,2,3……誘電体磁器層、4,5……内部
電極、6,7……外部電極。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 100重量部の基本成分と、0.2〜15.0重量部の
    添加成分とから成り、前記基本成分が、 {(Ma1-y-zMbyMnz)O}k(Ti1-wZrw)O2 (但し、MaはSrとCaとの内の少なくとも1種の
    金属、MbはMgとZnとの内の少なくとも1種の
    金属、y、z、k、wは、0.005≦y≦0.100、
    0.001≦z≦0.100、1.00≦k≦1.20、0.005≦w≦
    0.100の範囲の数値)であり、 前記添加成分が、B2O3とSiO2とMO (但し、MOはBaO、MgO、ZnO、SrO、及び
    CaOの内の少なくとも1種の金属酸化物)との組
    成を示す三角図における、 前記B2O3が1モル%、前記SiO2が80モル%、
    前記MOが19モル%の点Aと、 前記B2O3が1モル%、前記SiO2が39モル%、
    前記MOが60モル%の点Bと、 前記B2O3が30モル%、前記SiO2が0モル%、
    前記MOが70モル%の点Cと、 前記B2O3が90モル%、前記SiO2が0モル%、
    前記MOが10モル%の点Dと、 前記B2O3が90モル%、前記SiO2が10モル%、
    前記MOが0モル%の点Eと、 前記B2O3が20モル%、前記SiO2が80モル%、
    前記MOが0モル%の点Fとを順に結ぶ6本の直
    線で囲まれた領域内のものである電導体磁器組成
    物。
JP61232820A 1986-09-30 1986-09-30 誘電体磁器組成物 Granted JPS6386314A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000018701A1 (fr) 1998-09-30 2000-04-06 Tdk Corporation Matiere ceramique dielectrique non reduite, procede de production de ladite matiere et condensateur ceramique a couches

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