JPS62243847A - 変り織物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は独立した袋部によってマルチエアーゾーンを形
成させた保温性に冨む変り織物に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

袋状畝部を持った織物としては畝織物や風道織物が古く
からあることは良（知られている。

畝織物にはピンテ、ベッドフォードコード、ひだ織など
があり、経または緯方向に畝もしくはひだを現わした織
物である。風通織物は表裏織物の交換により模様を出す
紋織物の一種で、一対の布帛により構成された袋部を有
する織物といえる。しかし、これらの織物は軽度な凹凸
表面による柄模様と色彩効果、いわば織物としての意匠
、装、飾が主たる目的で、保温性向上を狙ったものでな
いことは周知するところである。

一方、衣料用素材における保温の研究は、防風性を基本
に素材自体の熱伝導率の低減と、輻射熱の反射によるも
のとに大きく２分化できる。

前者は衣料を形成する繊維の間隙に熱伝導率の低い空気
を多く含ませ、その空気が体熱で暖められた時、対流で
流動もしくは流出しない構造が良いとされるものであり
、後者は衣料の内面を金属蒸着や金属粉を樹脂コーティ
ングして鏡面化させ、人体からの輻射放熱を反射して衣
服外への熱放散を押さえる技術である。これらの設計思
想は冬季スポーツ衣料、一般防寒衣料、防寒肌着に至る
まで幅広く実用化されている。

衣料用素材を対象とした時、機能レベルと同時に着心地
やシルエットも開発のポイントとなり、素材の厚さにも
限界がある。可能な限り薄く、柔らかく、適度のドレー
プがあり高い保温を得る必要がある。また、近年カジュ
アルマインドなスポーツ衣料の侵入も目を見はるものが
あり、衣料用素材はソフトでナチュラル、そしてより洗
練されたものへと移行しつつある。しかしながら、上述
した従来の織物ではこのような要求を十分に満たすに至
っていない。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、カジュアルやスポーツなどの衣料用素
材としても十分な感性を具備し、かつ保温性に冨む衣料
用繊維構造体としての変り織物を提供することにある。

〔発明の構成〕 上記目的を達成するための本発明は、一重織組織部と該
一重織組織部を構成する繊維糸を使用して形成された複
数層からなる袋状部とが交互にかつ間歇的に存在し、前
記袋状部の一面が相対する他の面に対し弛んだ状態で膨
出している変り織物を特徴とするものである。

本発明の変り織物は、−重織物を基本型とした織物であ
って、その中に空気を含有しうる袋状部を間歇的に形成
したものである。一重織組織部と袋状部とは、経糸方向
或いは緯糸方向に平行に敵状に形成されたものであって
もよく、また、経糸方向或いは緯糸方向に波状、ジグザ
ク状、連続湾曲状などの形をとるものであってもよい、
一重織組織部は、当該織物に使用される全ての繊維糸が
、−重織組織の下で織成されている部分であり、経糸又
は緯糸の一方は一種類の繊維糸が使用され、他方の緯糸
又は経糸には少なくとも二種の異なる繊維糸が使用され
ている。一方、袋状部は、空気を含有しうる空間が形成
されていればよく、少なくとも二層構成を有する組織を
有している必要がある。少なくともその一層は、前記一
重織組織部において使用されたものと同種の経糸及び緯
糸から選択された繊維糸からなる一重織組織部を有して
おり、かつこの一重織組織部は相対する他の面に対し弛
んだ状態で膨出しているものである。他の面は必ずしも
経糸と緯糸とから織成された織組織を有するものである
必要はなく、経糸又は緯糸の少なくとも一方の糸が配列
されたものであってもよく、織物基布とほぼ平行に緊張
され直行状に配列されているものであればよい。

この様な織物構造をうるために使用される繊維糸として
は、２種以上の繊維を使用し、少なくとも１種は熱収縮
性繊維糸または熱捲縮発現系繊維糸およびこれらを主と
するカバーリング、合撚、交絡および引揃糸からなる収
縮可能性をもつ繊維糸であり、他の１種である非収縮性
繊維糸とともに一定の布帛組織図に従って上記繊維糸を
配列して製織し、その後、熱処理を行′ない両繊維糸の
熱収縮率の差や熱捲縮発現率の差によって袋状部と一重
織部とを得るのである。

袋状部の表面は非収縮性繊維糸で構成される織物構造体
であって、大きくふくらんだ形状となり、その相対する
面は織物の面に平行かつ直行した収縮性繊維糸か、もし
くはこの収縮性繊維糸とループ状の非収縮繊維で構成さ
れたパイル糸からなっている。非袋部である一重織組織
部は、本発明の変り織物を形成せしめるために使用した
非収縮性繊維糸および収縮性繊維糸のすべてによって組
織構成をした布帛であり、袋状部を完全に独立させた構
造となっている。

本発明に使用する収縮性繊維糸゛としては、ポリアミド
系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩
化ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリ
デン系などの合成糊。

維であって、熱収縮率もしくは熱捲縮発現率が８％以上
を有する繊維糸であることが好ましい。

非収縮性繊維糸としては、上記合成繊維の他に、再生、
半合成、無機の化学繊維、植物、動物などの天然繊維お
よびこれらの複合繊維からなる糸も適用可能であり、熱
収縮率が７％以下、好ましくは３％以下のものが好まし
い。

第１図は本発明の袋部を有する変り織物の構造ならびに
繊維配列の一例を示すものであり、袋部ａと非袋部の一
重織組織部すとからなっている。

袋部ａは空間Ｃを形成し、繊維よりも熱伝導率の低い空
気を含むことにより、織物の断熱性を向上させるように
している。この袋部ａの表面を形成している布帛１は経
および緯糸ともに非収縮性繊維糸３で構成された緻密な
構造をなし、通気を遮断している。すなわち、衣服に使
用した時、人体で暖められた衣服内の空気が流出放熱す
るのと逆に、戸外の冷気が侵入するのを防いでいる。こ
の袋部ａの相対する面には収縮性繊維糸２が配置されて
いる。袋部ａの形成はこの収縮性繊維糸２の熱収縮や熱
捲縮発現を利用したものであるが、最大限にそれらの効
果を出すためには織物組織による収縮性繊維糸の拘束の
まったくないようにすることが最もよい。

また、裏面の暖か味や肌触り、そして衣服内の袋部の空
気対流防止を図って空気による熱伝導を極力おさえる働
きをするものがよい。

一重織組織部すは袋部ａを形成している非収縮性繊維糸
３と収縮性繊維糸２の両繊維で組織構成をなした布帛で
ある。この一重織組織部すは袋部ａの細分化を図り、完
全に独立した一つ一つの空気層、すなわちマルチエアー
ゾーンを繊維構造体内に作る役割をしている。また、袋
部ａ、ａ相互のつながりを断ち、空気対流を防いで出来
るだけ熱ロスを少なくする働きをする。

袋部ａの形態、大きさは布帛組織図によって種々アレン
ジでき、これによって保温性も大きく左右されることに
なる。

第２図は本発明の他の実施例を示し、第１図の変り織物
を基本としたものに、さらに暖か味、肌触り、汗のふき
取り性を一層良くするため、収縮性繊維糸の配列ポジシ
ョンの一部に非収縮性繊維糸である化学繊維か天然繊維
、もしくは双方を一定もしくは不規則に配列してパイル
状部４を織物の裏面に形成させた変り織物である。

また、上述した変り織物の収縮性繊維糸２として熱捲縮
発現繊維を用いた時は、伸長率２０〜４０％の高ストレ
ッチ性が加味された変り織物が得られるようになる。

〔発明の効果〕

本発明の変り織物によると、袋部に空気を含気させた新
規な繊維構造体によって高保温性を達成することができ
る。同時に衣料用繊維構造体として柔らかく適度の厚さ
とドレープを有し、かつ袋部の凹凸感によってカジュア
ルおよびスポーツマインドな感性の高い意匠効果を出す
ことができる。

〔実施例〕 実施例１ 沸収率２．０％の７５ｄ、７２ｆの非収縮性ポリエステ
ル繊維糸を経糸に、そして経糸と同種の繊維糸と、沸収
率２４．５％の７５ｄ、３６ｆの高収縮性ポリエステル
繊維糸とを緯糸にし、一定の布帛組織図に従って経９６
本／インチ、緯１０２本／インチの設計密度で２種の緯
糸を２：ｌに配列して製織した。その後、通常のポリエ
ステル１００％合成繊維織物の仕上加工に　、従い、９
８℃、２０分の精練リラックス工程で７５ｄ、３６ｆの
高収縮性ポリエステル繊維糸の収縮を図り、７５ｄ、７
２ｆの非収縮性ポリエステル繊維糸のみで組織形成され
た布帛と糸から成る袋部を形成させた。乾燥後、１６０
℃。

２秒の有幅中間セントに続き染色、乾燥を行ない、１８
０℃、２秒の仕上セットにより本発明の袋部を有する変
り織物を得た。第１表に示すごと＜ＣＬＯｌ、２０１と
いう結果を得た。すなわち、良好な保温性を有し、通気
度が小さくて防風性に優れ、かつ織物表面がリレーフ調
で柔らかく、カジュアル、スポーツなどの衣料用素材と
しても十分な意匠感覚を具備しており、機能および感性
とも価値の高いものであった。

実施例２ 沸収率３．４％の７５ｄ、３６ｆの非収縮性ポリエステ
ル繊維糸を経糸に、経糸と同種の繊維と伸縮復元率４２
％の７５ｄ、３６ｆのポリエステル潜在捲縮性繊維糸、
そして裏面パイル形成繊維としてメートル番手１／１６
のウール繊維糸を緯糸にし、一定の布帛組織図に従って
経９０本／インチ、緯１２０本／インチの密度で３種の
緯糸を２：１：１に配列して製織し、通常のポリエステ
ル／ウール混繊物の仕上加工を実施した。９８℃、２０
分の精練リラックス工程で緯糸に配置した収縮性繊維糸
である７５ｄ、３６ｆのポリエステル潜在捲縮性繊維糸
の捲縮発現によって織物は大きく縮み、織物表面に７５
ｄ、３６ｆの非収縮性ポリエステル繊維のみで組織形成
された布帛と糸から成る袋部を形成させ、裏面にウール
繊維のループパイル糸をそれぞれ形成させた。乾燥後、
１５０℃の有幅セット後、染色、仕上セットを行なった
。この様にして得た袋部を有する変り織物はＣＬＯｌ、
５３６と非常に良好な保温性を示した。特に裏面がウー
ルパイルという点で着用時のウオーム感、ソフトな肌触
り、吸汗・吸湿性が付与された。

また、収縮繊維糸に潜在捲縮繊維を用いたことで実施例
１では得られなかった高ストレッチな変り織物で、カジ
ュアル、スポーツ用素材に最適なものであった。

比較例１ 実施例１で製織した生機に１６０℃、２秒のプレセット
を実施して７５ｄ、３６ｆの高収縮性ポリエステル繊維
糸の熱固定を図り、その後、実施例１と同様な仕上加工
を行ない袋部を有しない織物を得た。この織物はＣＬＯ
ｏ、４８３と保温性が低く、従来の合成繊維１００％の
タフタ感覚であり、保温機能および感性ともに満足され
るものでなかった。

比較例２ 実施例２で製織した生機に１５０℃、２秒のプレセット
を実施して７５ｄ、３６ｆポリエステル潜在捲縮性繊維
糸の熱固定を図った後、実施例２と同様な仕上加工を行
ない袋部を有しない織物を得た。この織物はＣＬＯｏ、
７０９で、太番手ウール使いで幾分かは保温性の向上は
認められ、軽度な凹凸感は表現されているものの、袋部
を有するものに比較して保温機能、表面窓ともに満足さ
れるものでなかった。

前述した実施例１，２と比較例１．２および秋冬用衣料
の代表素材であるウールフラノ織物の市中品（Ａ）、そ
して防風性に優れる合成繊維高密度タフタ織物の市中品
（Ｂ）について、それぞれの厚さ、重さ、剛軟度、通気
度をＪＩＳ−Ｌ１０９６の試験法により、また保温性を
ＡＳＴＭ０１５１８−１９６４に準じて比較テストをし
た結果を第１表に示す。

（本頁以下余白） 実施例１．２の本発明は比較例１，２および市中品（Ａ
）（Ｂ）よりもＣＬＯが高く、保温効果は顕著である。

また本発明の袋部を有する変り織物をアウタートフブス
およびポトムス衣料に実際に縫製して実用した限り、寒
冷地の環境にも十分な防風効果と保温効果が認められ、
ファツショナブルな美しいシルエットで感性の高いもの
であった。厚さ、重さは袋部の形成により当然のこと大
きくなるが、薄地から中厚地の筒中に入り衣料用として
も中心素材であることも分る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の袋部を有する変り織物の一実施例を示
す図、第２図は本発明の他の実施例を示す図である。 ｌ・・・表面形成の布帛、２・・・収縮性繊維糸、３・
・・非収縮性繊維糸、４・・・パイル状部、ａ・・・袋
状部、ｂ・・・一重織組織部、Ｃ・・・空間。 第１図 第２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、一重織組織部と該一重織組織部を構成する繊維糸を
   使用して形成された複数層からなる袋状部とが交互にか
   つ間歇的に存在し、前記袋状部の一面が相対する他の面
   に対し弛んだ状態で膨出していることを特徴とする変り
   織物。 ２、前記織組織を構成する経糸または緯糸のいづれか一
   方または双方の一部に、捲縮を有する繊維糸または収縮
   された繊維糸を含有する特許請求の範囲第１項記載の変
   り織物。