JPS6224378Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ターンテーブルをプレーヤキヤビ
ネツトに対して前後方向に移動可能に支持したレ
コードプレーヤの前扉開閉装置に関するものであ
り、その特徴とするところは、前扉を、プレーヤ
キヤビネツトの前面を覆う垂直位置とプレーヤキ
ヤビネツト内部の水平位置との間で移動可能に支
持し、前扉を開けるとき、まず、前扉の上端が後
方に傾斜し、次いで、前扉全体が回動しながら上
昇して水平位置に移動するようにしたことによ
り、狭いスペースであるにもかかわらずプレーヤ
キヤビネツトの天板にぶつかることなく容易に開
閉することができる点である。

従来、レコードプレーヤの必要とするスペース
（特に上方の空間）を小さくするために、ターン
テーブルをプレーヤキヤビネツトに対して前後方
向に移動可能に支持し、使用時、前扉を上方に回
動させ、ターンテーブルを前方に引き出すように
したものが知られている。

ところが、そのようなものに於ては、使用時、
前扉がターンテーブルの上方前方に突出している
ため、レコード盤の交換やトーンアームの操作な
どのじやまになり操作しにくいものであつた。

この考案の目的は、そのようなレコードプレー
ヤに於て、前扉を開いたときプレーヤ操作のじや
まにならない位置に移動させることであり、その
ために、狭いスペース内でプレーヤキヤビネツト
の天板にぶつかることなく確実に動作する機構を
得ることである。

この考案の実施例について図面を参照しながら
説明する。

ターンテーブル１を載置したスライドベース２
がプレーヤキヤビネツト３に対して前後方向（図
に於て左右方向）に移動可能に支持されている。

スライドベース２の上方の開口を覆う位置に前
扉４が設けられ、その両側に突設された支軸５に
より、プレーヤキヤビネツトの両側壁に基端を枢
支された回動腕６の先端に枢支されている。

支軸５より上方に設けられたガイドピン７が、
プレーヤキヤビネツトの両側壁にほぼ水平に設け
られたガイド溝８に係合し、回動および摺動可能
に支持されている。

ガイド溝８は、長い水平部分の前方端より少し
後方に下側に突出する屈曲部を有している。

プレーヤキヤビネツトの一方の側壁に、スライ
ドレバー９が前後方向に移動可能に支持され、ス
プリング１０により常に前方へ付勢されている。

スライドレバー９の前方端に上下方向に設けら
れた長孔１１に、前扉のガイドピン７が係合し、
また、その後方端に回動レバー１２の上端が枢支
されている。

回動レバー１２はく字状に曲がつていて、第２
図に示されるように、スライドベース２が収納位
置より前方にあるとき、回動レバー１２の下側が
スライドベースに設けられたローラー１３に当接
して同図に示された位置に保持されるようになつ
ている。

次に、その動作について説明する。

第１図に示された収納状態に於て、スライドベ
ース２を手動またはスライドベース駆動機構（図
示されていない）により前方（図に於て左方）へ
少し移動させると、ローラー１３が回動レバー１
２に当接して時計方向に回動させ、スライドレバ
ー９をスプリング１０に抗して後方に移動させ
る。

すると、まず、前扉４のガイドピン７が、第２
図に矢印Ａで示されるように、ガイド溝８に沿つ
て屈曲部までスライドし、前扉４が後方に傾斜し
てその上端部がプレーヤキヤビネツトの天板から
離れる。

次いで、ガイドピン７が屈曲部から上昇してい
くと、回動腕６が矢印Ｂで示されるように回動
し、前扉４は回動しながら上昇し、第２図に示さ
れた水平位置まで移動する。

スライドベース２をさらに前方に移動させる
と、ローラー１３は回動レバー１２の下側に当接
したまま移動し、前扉４は同図の状態に保持され
る。

第２図に示された使用状態に於ては、ターンテ
ーブル１がプレーヤキヤビネツトから前方に突出
し、前扉４はプレーヤキヤビネツト内部に引込ん
でいてじやまにならないから、レコード盤の交換
やトーンアームの操作などがやり易い。

演奏が終了し、スライドベース２を後方に移動
させると、収納位置の直前に於て回動レバー１２
が反時計方向に回動し、スライドレバー９が前方
に移動して、前扉４は第１図に示された閉位置
（垂直位置）に移動する。

最後に、ローラー１３が回動レバー１２から離
れ、前扉４はスプリング１０の付勢力により閉位
置に正確に位置決めされる。

以上説明したように、この考案のレコードプレ
ーヤの前扉開閉装置は、前扉を、プレーヤキヤビ
ネツトの前面を覆う垂直位置とプレーヤキヤビネ
ツト内部の水平位置との間で移動可能に支持し、
前扉を開けるとき、まず、前扉の上端が後方に傾
斜し、次いで、前扉全体が回動しながら上昇して
水平位置に移動するようにしたことにより、狭い
スペースであるにもかかわらずプレーヤキヤビネ
ツトの天板にぶつかることなく容易に開閉するこ
とができるものである。

なお、上記実施例に於ては、スライドレバーの
移動をスライドベースに連動させて行なつている
が、必ずしもその必要はなく、両者を連動させな
い場合には、スライドレバーにプレーヤキヤビネ
ツトの外側から操作することのできる（例えば把
手などの）手段を設け、スライドレバーを移動さ
せるようにすればよい。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、この考案の一実施例の
内部機構を示す側面図であり、それぞれ、前扉が
垂直位置および水平位置にある状態を示したもの
である。 １……ターンテーブル、２……スライドベー
ス、４……前扉、５……支軸、６……回動腕、７
……ガイドピン、８……ガイド溝、９……スライ
ドレバー、１１……長孔、１２……回動レバー、
１３……ローラー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1)(イ) ターンテーブルを載置し、プレーヤキヤビ
   ネツトに対して前後方向に移動可能に支持さ
   れたスライドベースと、 (ロ) 左右両側にガイドピンを、また、ガイドピ
   ンより下側に支軸をそれぞれ有する前扉と、 (ハ) 基端をプレーヤキヤビネツトの両側壁に枢
   支され、先端に前扉の支軸を枢支する２本の
   回動腕と、 (ニ) プレーヤキヤビネツトの両側壁にほぼ水平
   に設けられ、前方端より少し後方に下側に突
   出する屈曲部を有し、前扉のガイドピンを回
   動および摺動可能に支持するガイド溝と、 (ホ) プレーヤキヤビネツトに対して前後方向に
   移動可能に支持され、前扉の上端付近に連結
   されたスライドレバー とを備え、スライドレバーを前後方向に移動さ
   せることにより、前扉を、プレーヤキヤビネツ
   トの前面を覆う垂直位置とプレーヤキヤビネツ
   トの内部の水平位置との間を移動させることを
   特徴とするレコードプレーヤの前扉開閉装置。 (2) 前扉の上端付近に設けられたピンが、スライ
   ドレバー前端に垂直方向に設けられた長孔に係
   合していることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のレコードプレーヤの前扉開
   閉装置。 (3) スライドレバーが、スプリングにより常に前
   方へ付勢されていることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項または第２項記載のレコ
   ードプレーヤの前扉開閉装置。