JPS6223662B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、レトルト殺菌可能なプラスチツク罐
胴及びその製造方法に関する。 熱可塑性樹脂の熱成形により形成されたプラス
チツク製無継目罐胴の外側面に金属箔含有積層体
層を巻き付け貼着した構造の容器は、軽量で、ガ
スバリヤー性がありしかも不透明な容器として注
目されている（例えば特開昭52−39489号公報）。 しかしながら、このタイプの複合プラスチツク
容器の製造に際しては未だ解決すべき多くの問題
がある。即ち、この容器においては、積層体とプ
ラスチツク製胴部外側面との密着が完全でなけれ
ば、この隙間を通してガスの透過が無視し得ない
ものとなる。また、プラスチツク製胴部の内でも
衛生的特性に優れているオレフイン系樹脂は、接
着性に乏しいため、用い得る接着剤はイソシアネ
ート系接着剤のように極く限られたものとなる。
しかしながら、ガスバリヤー性のある金属箔より
も内側にイソシアネート系接着剤層が位置し、し
かもこの罐胴がレトルト殺菌のような苛酷な処理
を受ける場合には、接着剤層中の未反応物や分解
生成物更に残留溶剤等がプラスチツク胴部を通し
て内容物側に透過する恐れがあり、衛生的特性や
フレーバー（香味）保持性の点で望ましくない。 従つて、本発明の目的は、プラスチツク製無継
目罐胴とその外側面に巻き付けられた金属箔含有
積層体層とから成る複合容器において、胴部外側
面と積層体層とが強固に密着され、しかもガスバ
リヤー性、香味保持性及び衛生的特性に優れたレ
トルト殺菌可能なプラスチツク罐胴を提供するに
ある。 本発明の他の目的は、プラスチツク胴部に対し
て積層体層が熱融着により密着している構造のプ
ラスチツク罐胴を提供するにある。 本発明の更に他の目的は、上記構造のプラスチ
ツク罐胴を、プラスチツク胴部の熱変形を生じさ
せることなく、しかも能率的に製造し得る方法を
提供するにある。 本発明によれば、オレフイン系樹脂から成る無
継目胴部と該胴部の外側面に施された金属箔含有
積層体層とから成るプラスチツク罐胴において、
該積層体層は金属箔、金属箔外側の樹脂保護層及
び金属箔内側の熱封緘性オレフイン系樹脂層の積
層体から成り、該熱封緘性オレフイン系樹脂層の
少なくとも金属箔と接する部分は酸変性オレフイ
ン樹脂から構成され、該積層体層は、熱封緘性オ
レフイン系樹脂層による融着により、胴部外側面
に接着されると共にその両端部において重ね合わ
せ接合されていることを特徴とするレトルト殺菌
可能なプラスチツク罐胴が提供される。 本発明によれば更に、金属箔、金属箔の一方の
側の樹脂保護層及び他方の側の熱封緘性オレフイ
ン系樹脂層から成り且つ該熱封緘性オレフイン系
樹脂層の少なくとも金属箔と接する部分が酸変性
オレフイン樹脂から構成された積層体を、オレフ
イン系樹脂から成る無継目胴部の外側面に、熱封
緘性オレフイン系樹脂層が前記外側面と接するよ
うに施こし、前記積層体の金属箔を高周波誘導加
熱し、熱封緘性オレフイン系樹脂を溶融させて、
積層体を胴部外側面に接着させると共に、積層体
の両端部を重ね合わせ接合させることを特徴とす
るプラスチツク罐胴の製法が提供される。 本発明を以下に、添付図面に示す具体例に基づ
いて詳細に説明する。 第１及び２図において、本発明のプラスチツク
罐胴１は、オレフイン系樹脂から成る無継目の胴
部２とこの胴部の外側面に施された金属箔含有積
層体層３とから成つている。この無継目胴部２
は、オレフイン系樹脂の熱成形、例えば射出成
形、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形
等により形成される。この第１及び２図に示す具
体例の容器では、この胴部２はオレフイン系樹脂
を筒状乃至はパイプ状に押出成形し、この筒乃至
はパイプを一定寸法に切断することにより形成さ
れたものであり、その両端が開口端４，５となつ
ている。 この筒状胴部２の外側面に施された積層体層３
は、その断面図から明らかな通り、金属箔６、金
属箔外側の樹脂保護層７及び金属箔内側の熱封緘
性（ヒートシール性）オレフイン系樹脂層８の積
層体から成つている。この積層体においては、レ
トルト殺菌後の保存性の見地から熱封緘性オレフ
イン系樹脂層８の内少なくとも金属箔６と接する
部分が酸変性オレフイン樹脂から成つていること
が重要であり、例えば第３図の断面図に示す通
り、熱封緘性オレフイン系樹脂層８全体が酸変性
オレフイン樹脂単独から成るか、或いは第４図の
断面図に示す通り、熱封緘性樹脂層８の内、金属
箔６に接する部分が酸変性オレフイン樹脂層８
ａ、最内面部が未変性のオレフイン樹脂層８ｂか
ら成るかの何れかである。 積層体層３は、筒状胴部２の展開寸法よりもや
や横方向に大きい寸法を有するシートの形の筒状
胴部２の外側面に施され、その両端部が重ね合わ
されることにより継目９を形成している。 本発明によれば、積層体層３を筒状胴部２の外
側面に巻付け、これを貼着させる際、熱封緘性オ
レフイン系樹脂層８の融着により、積層体層３の
筒状胴部外側面への接着を行い、しかもこのオレ
フイン系樹脂層８の融着により積層体層の両端部
の重ね合わせ接合を行わせる。 本発明においては、接合すべき筒状胴部２の外
側面及び積層体３の最内面が同じオレフイン系樹
脂で構成され、しかも積層体３のオレフイン系樹
脂層８が溶融した状態で熱接着が行われるため、
筒状胴部２と積層体３とは完全に密着した状態で
強固な接合が可能となる。このような完全な密着
と強固な接合は、積層体３の両端部での重ね合わ
せ接合部においても当然可能となる。 かくして、本発明においては、積層体３を、隙
間のない状態で筒状胴部２の外周に完全に密着さ
せ得るから、積層体３に含まれる金属箔の優れた
ガスバリヤー性を胴部全周にわたつて与えること
が可能となる。更に、積層体３と胴部２とが同系
の樹脂で熱接着されているため、この罐胴がレト
ルト殺菌のような苛酷な熱水処理を受けた場合に
も、この接着部が熱劣化や加水分解劣化等を受け
ることがなく、レトルト殺菌後においても、完全
な密着性が維持されることになる。 金属箔と内面樹脂層との積層体をレトルト殺菌
する場合における重要な問題の一つは、レトルト
殺菌時に金属箔と内面樹脂層との間にブリスター
（小さい泡状脹）が発生し、その外観が不良にな
ると共に、この脹内に酸等の腐食成分が浸透して
金属箔の腐食とバリヤー性低下が生じることであ
る。本発明においては、金属箔層と隣接するオレ
フイン系樹脂層を金属及びオレフイン系樹脂に対
する密着性に極めて優れている酸変性オレフイン
系樹脂で構成したため、レトルト殺菌時における
ブリスターの発生も有効に解消されることにな
る。 更に最も重要なことには、本発明の複合プラス
チツク容器においては、金属箔６よりも内側に
は、低分子量物や未反応物等を殆んど含有せず、
しかも熱的にも化学的にも安定なオレフイン系樹
脂や酸変性オレフイン系樹脂が存在するのみであ
るから、従来のイソシアネート系接着剤を使用し
た場合に比して、内容物の衛生的特性や香味保存
性を顕著に向上させることができる。 オレフイン系樹脂から成る筒状胴部２に積層体
層３を、オレフイン系樹脂の溶融によつて接合す
る際に生じる最も大きな問題点は、筒状胴部２の
熱変形を防止しつつ如何にして強固な接合を行う
かということである。 本発明においては、積層体の金属箔が良導体で
あるという特性を巧みに利用し、この金属箔を高
周波誘導加熱し、金属箔に隣接する熱封緘性オレ
フイン系樹脂層８或いは更に筒状胴部のオレフイ
ン系樹脂表面層のみをその溶融状態とすることに
より、前記の問題点が有効に解消されるのであ
る。 この製造工程を説明するための第５図におい
て、筒状胴部２はプラグ１０により支持された矢
印方向に駆動回転されている。この筒状胴部２に
対して圧接される関係で加熱用ロール１１が設け
られ、このロール１１内には高周波誘導加熱コイ
ル１２が収容され、高周波電源（図示せず）に接
続されている。 このロール１１と筒状胴部２との間に、積層体
３が、積層体３の熱封緘性樹脂層が胴部２の外側
面と接触する位置関係で供給される。かくして、
積層体３の金属箔は加熱用ロール１１と筒状胴部
２とのニツプ点で高周波誘導加熱され、先ず、積
層体３が胴部２に対して仮接着され、加熱用ロー
ル１１とのニツプ点を何回か通過する間に本接着
が行われる。胴部支持用プラグ１０には筒状胴部
２の熱変形を防止するための冷却媒体を通し、胴
部２の内面側を冷却させることもできる。 本発明において、胴部２を形成するオレフイン
系樹脂としては、結晶性ポリプロピレン、低−、
中−或いは高−密度ポリエチレン、結晶性プロピ
レンエチレン共重合体、結晶性エチレン−ブテン
−１共重合体或いはこれら２種以上のブレンド物
等を挙げることができる。胴部２は最終罐胴に十
分な形態保持性を与えるに十分な厚みを有するべ
きであり、その厚みは一般的に言つて、0.1乃至
2.0mm、特に0.15乃至1.0mmの範囲にあることが望
ましい。 筒状胴部の断面形状は、円形、楕円形、正方
形、矩形、三角形、六角形等の任意の形状であつ
てよい。その径方向寸法及び軸方向寸法は、特に
制限はないが、一般に20乃至250mm、及び20乃至
400mmの範囲とすることができる。また、筒状と
する代りに、所望によりテーパ状胴部とすること
もでき、そのテーパ角度は１乃至30度の範囲とし
てもよい。 積層体中の金属箔としては、アルミ箔が最適で
あるが、所望によりブリキ箔、鋼箔、鉄箔等を用
いることもできる。金属箔の厚みは、十分なガス
バリヤー性を付与できるものであり、一般に７乃
至100ミクロン、特に９乃至30ミクロンの範囲に
あることが望ましい。 熱封緘性オレフイン系樹脂層の少なくとも一部
を構成する酸変性オレフイン樹脂としては、前に
例示したオレフイン系樹脂を幹ポリマーとし、こ
の幹ポリマーに、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸等のエチレン系
不飽和カルボン酸や、無水マレイン酸や無水イタ
コン酸等の酸無水物をグラフト変性したものが使
用される。これらの酸変性オレフイン樹脂は単独
でも、或いは未変性のオレフイン樹脂とのブレン
ド物の形でも使用でき、全体として酸乃至は酸無
水物に基ずく

【式】基濃度は１乃至600ミリイ クイバレント／100ｇ樹脂の範囲にあることが望
ましい。 酸変性オレフイン樹脂との組合せで熱封緘性層
として未変性のオレフイン系樹脂としては、胴部
を形成するオレフイン系樹脂と同種のものが使用
される。 積層体の外面保護樹脂層としては、金属箔にク
ラツク或いはピンホールが発生するのを保護する
各種樹脂フイルムや各種樹脂塗膜が使用される。
継目の重ね合わせ接合性の点では、この外面保護
樹脂層は、２軸延伸ポリプロピレンフイルム層や
ポリエチレンフイルム等のポリオレフイン層であ
ることが好ましい。また、積層体外面層への印刷
性や熱接着の作業性の点では、２軸延伸ポリエス
テルフイルムを用いることが望ましい。 この後者の場合、特に重ね合わせ接合部の接着
強度を十分高める場合には、第６図に示す通り、
積層体の重ね合わすべき一方の端部１３から、ラ
ツプ巾に見合つたポリエステルフイルム層の切欠
き部分１４を設け、この積層体を、第７図に示す
通り重ね合わせて継目の熱融着を行えばよい。 本発明の複合罐胴において、この罐胴の両開口
端部には天地蓋を被蓋させ、それ自体公知のヒー
トシール方式、接着方式、巻締方式等により密封
して最終罐体とする。 本発明を次の例で説明する。 実施例 １ 融点が160℃、密度が0.90ｇ／c.c.、MIが0.7ｇ／
10minのエチレン−プロピレンブロツク共重合体
を用いて押出成形法により内径が52.3mm、肉厚
600μのパイプを成形した。 次に、融点が159℃、密度が0.90ｇ／cm³、M.I.
が7.0ｇ／10min、エチレン含有量が４モル％の
エチレン−プロピレン−ブロツク共重合体のＴダ
イ法によつて製膜された厚さ50μのフイルムと厚
さ９μのアルミニウム箔との間に、アイソタクチ
ツク・ポリプロピレンに無水マレイン酸がグラフ
トされた平均カルボニル基濃度が140meq／100ｇ
重合体、融点が163℃、M.I.が50ｇ／10minの変
性ポリプロピレンを直径が50mmφのスクリユーを
有する第１押出機を用い、また融点が156℃、密
度が0.90ｇ／cm³、M.I.が20ｇ／10min、エチレン
含有量が５モル％のエチレン−プロピレン・ラン
ダム共重合体93重量％と融点が109℃、密度が
0.919ｇ／cm³、M.I.が12.0ｇ／10minの低密度ポリ
エチレン７重量％のブレンド物を直径が65mmφの
スクリユーを有する第２押出機によつてダイ部分
における樹脂温度が230℃の条件下で巾650mmのコ
ートハンガータイプの２層Ｔ型ダイから変性ポリ
プロピレンがアルミニウム箔と接する位置関係で
共押出しを行い、直径が400mmφのチルロールと
直径が200mmφのシリコーンロールで圧着するこ
とにより仮接着を行つた。次にこの仮接着された
積層体を温度が200℃に保持された直径が400mmφ
の熱処理ロールと直径が200mmφのシリコーンロ
ールで熱圧着を行い、直径が400mmφのチルロー
ルと直径が200mmφのシリコーンロールで冷却す
ることにより、構成が９μアルミニウム箔／２μ
変性ポリプロピレン層／８μエチレン−プロピレ
ン・ランダム共重合体ブレンド層／50μエチレン
−プロピレン・ブロツク共重合体層の積層体を得
た。 次に得られた積層体のアルミニウム箔面に印刷
が施された厚さ20μの２軸延伸ポリプロピレン・
フイルムをウレタン系接着剤を用いて積層した。 次いで、前記エチレン−プロピレンブロツク共
重合体のパイプを135mmの長さに切断した。この
パイプを第５図に示すプラグに挿入し、このパイ
プに170mm×135mmの大きさに切り出した前記積層
体を高周波誘導加熱コイルが組込まれた加熱用ロ
ールを用いて加熱圧着することにより、パイプの
外面と積層体のエチレン−プロピレン−ブロツク
共重合体とが接する位置関係で熱融着させた。 かくして得られたプラスチツク罐胴の一方の開
口端に、エポキシフエノール系塗料／100μアル
ミ箔／50μポリプロピレンの積層体から成る図
８，９に示すようなリキツドポータイプのスコア
とタブを有する蓋体を被蓋し、ロールによつてス
カート部を罐口部にクリンチすると同時に高周波
誘導加熱することにより蓋の内面ポリプロピレン
を罐胴の外面ポリプロピレン層に熱融着させた。
この蓋体が設けられたプラスチツク罐にコーヒー
を250c.c.充填し、プラスチツク罐の開口部に前記
蓋体と同じ構成の積層体から成る図１０，１１に
示す形状の蓋体を被蓋し、ロールによつてスカー
ト部を罐口部にクリンチすると同時に高周波誘導
加熱することにより蓋の内面ポリプロピレンを罐
胴の外面ポリプロピレン層に熱融着させた。 かくして得られた密封罐を120℃で30分間熱水
式レトルト加熱殺菌処理した。この場合、プラス
チツク罐胴の変形及びアルミニウム箔と外面２軸
延伸ポリプロピレン層とのデラミネーシヨンさら
にサイドラツプ部のデラミネーシヨン等の欠陥は
全く認められなかつた。また密封性も完全で、コ
ーヒーの漏れは全く認められなかつた。次に、タ
ブ部から開口し、内容品のコーヒーを試飲したと
ころ、フレーバーは非常に良好で、異味、異臭は
全く認められなかつた。 実施例 ２ アイソタクチツク−ポリプロピレンに無水マレ
イン酸がグラフトされた平均カルボニル基濃度が
180meq／100ｇ重合体、融点が164℃、M.I.が60
ｇ／10minの変性ポリプロピレン80重量％、融点
が156℃、密度が0.90ｇ／cm³、M.I.が20ｇ／
10min、エチレン含有量が５モル％のエチレン−
プロピレン・ランダム共重合体19重量％及び水酸
化アルミニウム１重量％のブレンド物を直径が50
mmφのスクリユーを有する第１押出機を用い、ま
た融点が158℃、密度が0.90ｇ／cm³、M.I.が25
ｇ／10min、エチレン含有量が５モル％のエチレ
ン−プロピレン・ブロツク共重合体94重量％と融
点が109℃、密度が0.919ｇ／cm³、M.I.が12ｇ／
10minの低密度ポリエチレン６重量％のブレンド
物を直径が65mmφのスクリユーを有する第２押出
機によつてダイ部分における樹脂温度が230℃の
条件下で巾650mmのコートハンガータイプの２層
Ｔ型ダイから共押出しを行い、この溶融２層積層
体と15μのアルミニウム箔とを変性ポリプロピレ
ン・ブレンド層がアルミニウム箔と接する位置関
係で直径が400mmφのチルロールと直径が200mmφ
のシリコーンロールで圧着することにより仮接着
を行つた。次にこの仮接着された積層体を高周波
誘導加熱装置により熱接着を行い、チルロールに
よつて冷却することにより、構成が15μアルミニ
ウム箔／５μ変性ポリプロピレン・ブレンド層／
10μエチレン−プロピレン共重合体層の積層体を
得た。 次に得られた積層体のアルミニウム箔面に印刷
が施された厚さ12μの２軸延伸ポリエチレンテレ
フタレート・フイルムをウレタン系接着剤を用い
て積層した。この場合２軸延伸ポリエチレンテレ
フタレート・フイルムの原反巾をアルミニウム箔
の巾より８mm狭いものを使用することにより、積
層体の両端部に４mm巾でアルミニウム箔が露出し
ている部分を設けた。 このようにして得られた積層体から大きさが
172mm×125mmで、135mmの端部が第６図に示すよ
うな４mmの巾でポリエステルフイルム層の欠如部
を有するブランクを切り出し、実施例１と同様の
方法で長さ135mmのエチレン−プロピレンブロツ
ク共重合体のパイプに熱融着させた。この場合プ
ラスチツク罐胴の両端に巾５mmでパイプのエチレ
ン−プロピレンブロツク共重合体が露出している
位置関係で、積層体を融着させた。 かくして得られたプラスチツク罐胴を実施例１
と同様に蓋体を被蓋することにより250c.c.のコー
ヒーを充填密封し、120℃30分のレトルト殺菌処
理を行つた。この場合も実施例１と同様にプラス
チツク罐の損傷は全く認められず、内容品のコー
ヒーのフレーバーも良好で美味であつた。 実施例 ３ 融点が160℃、密度が0.90ｇ／c.c.、M.I.が0.7
ｇ／10minのエチレン−プロピレンブロツク共重
合体を用いて押出成形法により内径が92.5mm×
46.3mmでコーナー部が５mmＲであり、肉厚が600
μである角柱状パイプを成形した。 次に、外面にエポキシフエノール系塗料を塗装
した厚さ30μの軟質アルミ箔の内表面に、アイソ
タクチツク・ポリプロピレンに無水マレイン酸が
グラフトされた平均カルボニル基濃度が
140meq／100ｇ重合体、融点が163℃、M.I.が50
ｇ／10minの変性ポリプロピレンを直径が65mmφ
のスクリユーを有する押出機によつてダイ部分に
おける樹脂温度が230℃の条件下で巾650mmのコー
トハンガータイプのＴ型ダイから押出し、直径が
400mmφのチルロールと直径が200mmφのシリコー
ンロールで圧着することにより仮接着を行つた。
次にこの仮接着された積層体を温度が200℃に保
持された直径が400mmφの熱処理ロールと直径が
200mmφのシリコーンロールで熱圧着を行い、直
径が400mmφのチルロールと直径が200mmφのシリ
コーンロールで冷却することにより、構成がエポ
キシフエノール系塗料／30μアルミ箔／10μ変性
ポリプロピレン層の積層体を得た。 次いで、前記エチレン−プロピレンブロツク共
重合体の角型パイプを95mmの長さに切断した。こ
のパイプを角型のプラグに挿入し、このパイプに
272mm×89mmの大きさに切り出した前記積層体を
高周波誘導加熱コイルが組込まれた加熱用ロール
を用いて加熱圧着することにより、パイプの外面
と積層体の変性ポリプロピレン層とが接する位置
関係で熱融着させた。この場合プラスチツク罐胴
の両端に巾３mmでパイプのエチレン−プロピレン
ブロツク共重合体が露出している位置関係で積層
体を融着させた。 かくして得られたプラスチツク罐胴の一方の開
口端に、エポキシフエノール系塗料／100μアル
ミ箔／50μポリプロピレンの積層体から成り、図
９に示すものと類似の成形形状を有し、フルオー
プンタイプのスコアとタブを有する角型蓋体を被
蓋し、ロールによつてスカート部を罐口部にクリ
ンチすると同時に高周波誘導加熱することにより
蓋の内面ポリプロピレンを罐胴のエチレン−プロ
ピレンブロツク共重合体に熱融着させた。この蓋
体が設けられたプラスチツク罐にポタージユスー
プを350c.c.充填し、プラスチツク罐の開口部に前
記蓋体と同じ構成の積層体から成り、図１１に示
すものと類似の成形形状を有する角型蓋体を被蓋
し、ロールによつてスカート部を罐口部にクリン
チすると同時に高周波誘導加熱することにより蓋
の内面ポリプロピレンを罐胴のエチレンプロピレ
ンブロツク共重合体に熱融着させた。 この密封罐を120℃で30分間熱水式レトルト加
熱殺菌処理した。この場合、プラスチツク罐の変
形及びアルミニウム箔とのデラミネーシヨン及び
サイドラツプ部のデラミネーシヨン等の欠陥は全
く認められなかつた。また密封性も完全で、スー
プの漏れは全く認められなかつた。次にタブ部か
ら開口し、内容品のスープを試食したところ、フ
レーバーは非常に良好で、異味異臭は全く認めら
れず美味であつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明のプラスチツク罐胴を示す斜
視図であり、第２図は、第１図のプラスチツク罐
胴の一部拡大図であり、第３図は、本発明のプラ
スチツク罐胴の一部拡大断面図であり、第４図
は、本発明の他の態様のプラスチツク罐胴の一部
拡大断面図であり、第５図は、本発明方法の一態
様の工程を説明するための説明図であり、第６図
は、本発明の無継目胴部に施される一態様の金属
箔含有積層体の一部拡大図であり、第７図は、第
６図の金属箔含有積層体が施されたプラスチツク
罐胴の一部拡大断面図であり、第８図及び第１０
図は本発明のプラスチツク罐胴に用いられる一態
様の金属箔含有積層体から成る蓋体を示す斜視図
であり、第９図及び第１１図は第８図及び第１０
図の蓋体の断面図であつて、 引照数字１はプラスチツク罐胴、２は無継目胴
部、３は金属箔含有積層体層、４及び５は開口
端、６は金属箔、７は樹脂保護層、８は熱封緘性
オレフイン系樹脂層、９は継目、１０はプラグ、
１１は加熱用ロール、１２は高周波誘導加熱コイ
ルを夫々示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ オレフイン系樹脂から成る無継目胴部と該胴
   部の外側面に施された金属箔含有積層体層とから
   成るプラスチツク罐胴において、 該積層体層は金属箔、金属箔外側の樹脂保護層
   及び金属箔内側の熱封緘性オレフイン系樹脂層の
   積層体から成り、該熱封緘性オレフイン系樹脂層
   の少なくとも金属箔と接する部分は酸変性オレフ
   イン樹脂から構成され、該積層体層は、熱封緘性
   オレフイン系樹脂層による融着により、胴部外側
   面に接着されると共にその両端部において重ね合
   わせ接合されていることを特徴とするレトルト殺
   菌可能なプラスチツク罐胴。 ２ 金属箔、金属箔の一方の側の樹脂保護層及び
   他方の側の熱封緘性オレフイン系樹脂層から成り
   且つ該熱封緘性オレフイン系樹脂層の少なくとも
   金属箔と接する部分が酸変性オレフイン樹脂から
   構成された積層体を、オレフイン系樹脂から成る
   無継目胴部の外側面に、熱封緘性オレフイン系樹
   脂層が前記外側面と接するように施こし、 前記積層体の金属箔を高周波誘導加熱し、熱封
   緘性オレフイン系樹脂を溶融させて、 積層体を胴部外側面に接着させると共に、積層
   体の両端部を重ね合わせ接合させることを特徴と
   するプラスチツク罐胴の製法。