JPS622365Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回弁式方向切換弁の回弁と回弁座の
摺動面で、一方のポートから他方のポートへの圧
力空気の漏れ込みを防止する機構に関する。

従来の回弁式方向切換弁Ｖは、第１図イ、第１
図ロ（第１図イのニ−ニ′断面を示す）に示すも
のがあつた。

第１図イ，ロにおいて、回弁式切換弁Ｖは、回
弁座１の上部に回弁２を収納する弁体３を固定
し、この弁体３の上部に設けてあり回弁２を第２
図に示すように操作するハンドル４とを備えた構
成である。

回弁座１は、供給ポート５と排気ポート６及び
負荷ポート７Ｍ，７Ｓが設けてあり、これらの各
ポート５，６，７Ｍ，７Ｓは、回弁座１の摺動面
８ａの開口部５′，６′，７M′，７S′（第２図に
示す。）に接続する。

回弁２は、弁体３の室９に摺動自在に嵌入され
その下面に前記回弁座１の摺動面８ａに当接する
摺動面８ｂを備え、この摺動面８ｂには、端部１
０ａ，１０ｂ，１０ｃを有する溝１０（第２図に
示すＴ字型の溝）が設けてありその上面は、弁体
３を貫通しハンドル４が固定してある、ロツド１
１と連結する。

この回弁式方向切換弁Ｖは、中立位置Ａ、第１
切換位置Ｂ、第２切換位置Ｃを有するもので、第
２図において、ハンドル４を中立位置Ａにする
と、供給ポート５と負荷ポート７Ｍとが回弁２に
よつて閉柵され、負荷ポート７Ｓが排気ポート６
へ回弁２の溝１０によつて接続される。次に、ハ
ンドル４で、回弁２が、第１切換位置Ｂに操作さ
れると、供給ポート５と排気ポート６とが回弁２
によつて閉鎖され、負荷ポート７Ｓと７Ｍとが回
弁２の溝１０で接続される。さらにハンドル４に
よつて回弁２が第２切換位置Ｃに操作されると、
負荷ポート７Ｍと排気ポート６とが回弁２によつ
て閉鎖され、負荷ポート７Ｓと供給ポート５とが
回弁２の溝１０によつて接続されるように作動す
るものである。

この回弁式切換弁Ｖにおいて、供給ポート５、
排気ポート６及び負荷ポート７Ｍ，７Ｓの各々の
間のシールは、第１図ロに示すように、供給ポー
ト５から通路５ａ及び回弁座１と回弁２との隙間
を介して室９へ導入される圧力空気と、ロツド１
１と回弁２との間に設けたばね１２の各々の回弁
２に作用する押圧力で、摺動面８ｂを８ａに押圧
することにより、シールするものである。しか
し、摺動面８ａと８ｂとの間には隙間を有するも
のであり、長時間の間には、室９又は供給ポート
５の圧力空気が摺動面８ａと８ｂとの間を介して
負荷ポート７Ｍ，７Ｓに流入する。このため、摺
動面８ａ，８ｂは、さらに平滑で一様な平面に加
工する必要がある。摺動面８ａ，８ｂの仕上精度
を高精度にすることにより達成することは、極め
て困難であつた。このため、回弁式方向切換弁Ｖ
を、いずれかの切換位置あるいは中立位置で長時
間放置する場合は、摺動面８ａ，８ｂとの間より
漏れ、例えば室９の圧力空気が、負荷ポート７
Ｓ、７Ｍへ漏れ込む等の問題点を有するものであ
つた。

本考案は、回弁式方向切換弁の摺動面を介して
圧力空気の負荷ポートへの漏れ込みを防止するこ
とをその技術的課題とするものである。

この技術的課題を達成するための技術的手段
は、回弁座に開口する、２つの負荷ポート及び供
給ポート、排気ポートの開口部と、回弁に設けた
溝を囲み大気又は排気ポートに接続する第１細溝
を回弁又は回弁座の一方又は双方に設け、前記負
荷ポートを回弁の溝が接続するとき、供給ポート
の開口部を囲み大気又は排気ポートに接続する第
２細溝を回弁に設けたものである。

この技術的手段は、回弁と、回弁座の摺動面へ
回弁の外部から漏れ込む圧力空気は、第１細溝で
捕捉され大気又は排気ポートへ排気され、２つの
負荷ポートが接続されると、供給ポートの開口部
から負荷ポートへの漏れは、第２細溝で捕捉され
て大気又は排気ポートへ排気されるので、負荷ポ
ートへの圧力空気の漏れ込みを防止するものであ
る。

このような技術的手段を有する本考案は、次の
ような特有の効果を有する。

本考案の技術的課題は、回弁と回弁座の摺動面
の間にシール用の油（グリース。）を給油させる
手段、あるいは、回弁又は回弁座の一方の摺動面
に弾性材を使用することによつても達成し得るも
のである。しかし、グリースを給油する手段で
は、グリースによるポートの閉鎖、あるいは使用
中のグリースの枯渇等に対する保守点検を行なう
必要があり、また弾性材を使用する手段では、回
弁と回弁座との摺動抵抗が大きく、かつ摺動面あ
るいは、負荷ポート、供給ポート、或は排気ポー
トの開口部にかじりを生じ、いずれの手段も、回
弁式方向切換弁の機能を満足し得ないものであ
る。本考案は、この点、摺動面間を漏れる圧力空
気を細溝で捕捉し大気へ放出する構成としたの
で、回弁式方向切換弁の機能に何んら影響を与え
ない効果を有するものである。

以下、本考案の一実施例を示す第３図及び第４
図イ，ロ，ハについて述べる。

なお説明に当つて第１図に示す従来の回弁式方
向切換弁と同一部品には同一符号を使用しその説
明を省略する。

第３図に示す回弁式方向切換弁V′は、回弁座
１の摺動面８ａに開口する開口部１５を有し、供
給ポート５、排気ポート６及び負荷ポート７Ｓ，
７Ｍの各々の開口部５′，６′，７S′，７M′全体
を囲む第１細溝１４を設け、この第１細溝１４
は、通路１６を介して大気に開放してある。また
回弁２の摺動面８ｂには、Ｔ字型の溝１０と、前
記第１細溝１４に一端が接続した溝１８，１９及
び第１細溝１４と同様の断面形状を有する第２細
溝１７を設けてある。この第２細溝１７は、回弁
２が第２切換位置Ｂ（第４図ロ）にハンドル４で
操作されたとき、開口部５′を囲む位置に達する
と共に通路２２の開口部２１に接続する。さらに
溝１８は、回弁２が中立位置Ａ（第４図イ）にあ
るとき、開口部７M′に重なり、溝１９は、回弁
２が第２切換位置Ｃ（第４図ハ）にあるとき、開
口部７M′に重なり、開口部７M′を第１細溝１４
に接続する。

次にこの実施例の作動を第４図イ，ロ，ハによ
つて述べるが、第４図イ，ロ，ハは、第３図に示
した回弁式切換弁V′の回弁２をハンドル４によ
り中立位置Ａ、第１切換位置Ｂ、第２切換位置Ｃ
の各々に操作したとき、回弁２の溝１０，１８，
１９の第２細溝１７と回弁座１の開口部５′，
６′，７S′，７M′通路１６，２２との接続関係を
示すものである。なお、この作動説明に当つて開
口部５′，６′，７S′，７M′と、溝１０との接続
の関係は、第２図によつて説明した従来の回弁式
方向切換弁Ｖの関係と同一であるので説明を省
く。

第４図イに示す中立位置Ａにおいて、負荷ポー
ト７Ｍの開口部７M′は、溝１８に接続してお
り、室９の圧力空気が摺動面８ａ，８ｂの間を介
して漏れ込みを起しても第１細溝１４で捕捉さ
れ、通路１６から大気へ放出され、また、供給ポ
ート５の開口部５′から摺動面８ａ，８ｂの間を
介して開口部７M′に達する圧力空気も、溝１８
で捕捉され、通路１６から大気へ放出されるの
で、負荷ポート７Ｍへの漏れ込みが防止される。

次に第４図ロに示すように、ハンドル４で回弁
２が第１切換位置Ｂに操作されると、供給ポート
５′の開口部５′が第２細溝１７で囲まれ、この第
２細溝１７が通路２２の開口部２１に接続するの
で、開口部５′から摺動面８ａ，８ｂ間に漏れ出
す圧力空気が、第２細溝１７で捕捉され通路２２
より大気へ放出され、また室９から摺動面８ａ，
８ｂ間に漏れ込もうとする圧力空気は、第１細溝
１４で捕捉され通路１６より大気に放出されるの
で負荷ポート７Ｍ，７Ｓの開口部７M′，７S′へ
の圧力空気の漏れ込みを防止する。

さらに、第４図ハに示すように、ハンドル４で
回弁２が第２切換位置に操作されると、負荷ポー
ト７Ｍの開口部７M′は、溝１９によつて第１細
溝１４に接続されるので、第４図イに示す中立位
置Ａの場合と同様に負荷ポート７Ｍへの漏れ込み
は防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図イは、従来の回弁式方向切換弁の断面
図。第１図ロは、第１図イのニ−ニ′断面図。第
２図は、第１図イの回弁と回弁座の溝と開口部の
接続関係を示す図。第３図は、本考案の一実施例
の回弁式方向切換弁の断面図。第４図イ，ロ，ハ
は、第３図の回弁と回弁座の溝と開口部及び第
１、第２細溝の接続関係を示す図。 １……回弁座、２……回弁、３……弁体、５…
…供給ポート、６……排出ポート、７Ｓ，７Ｍ…
…負荷ポート、８ａ，８ｂ……摺動面、１０……
溝、１４……第１細溝、１７……第２細溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 供給ポートと２つの負荷ポート及び排気ポート
   を設けてありこれらの各ポートの開口部を摺動面
   に備えた回弁座と、この回弁座の摺動面に摺動自
   在に当接させてあり前記各ポートの接続を切換え
   る溝を有しハンドルによつて操作される回弁を備
   えた回弁式方向切換弁において、回弁座と回弁の
   いずれか一方又は、双方に前記溝及び開口部を囲
   み大気又は排気ポートに接続する第１細溝と、前
   記負荷ポートが前記溝によつて接続されるとき供
   給ポートの開口部を囲み大気又は排気ポートに接
   続する第２細溝を回弁に設けた回弁式方向切換弁
   の漏れ防止装置。