JPS6222754Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は可燃性廃材就中木造家屋解体によつて
生じた廃材を焼却する廃材焼却装置に関し、特に
大廃材と小廃材の燃焼室への供給口が別個に設け
られるものに関する。

従来の廃材焼却装置は、その燃焼室への廃材供
給口は１つであり、小型の廃材焼却装置にあつて
は廃材供給口も小さいため、大きな廃材を短く切
断する等して小廃材にした上で廃材供給口に投入
したり、また大型の廃材焼却装置にあつては大き
な廃材供給口から大廃材と小廃材をいつしよに投
入している。

ところで、木造家屋の解体では太く、かつ長い
大廃材や短い小廃材が生じるが、多く生じる小廃
材を焼却するために１つの大小廃材兼用の投入口
の蓋を頻繁に開けて小廃材を投入することは、作
業が大変であり、しかも大きな廃材投入口を開け
る度に燃焼室内の温度が下がつて不完全燃焼が起
つたりあるいは燃焼室内に投入される小廃材が部
分的に集中する等して燃焼効率が落ち、有毒ガス
の発生要因ともなる。

本考案はこのような従来技術の欠点を解決する
ものであり、大廃材と小廃材の投入口を別個に設
け、かつ小廃材の燃焼室への投入に際し、小廃材
が燃焼室内に広く散らばるようにして小廃材の燃
焼室への投入作業を容易にするとともに燃焼効率
を向上することができる廃材焼却装置を提供する
ことを目的とする。

以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。

添付図面において１は匣体であり、該匣体１の
一側部に空気取入部２が設けられ、他側部に排煙
部３が設けられ、一側部を除いた上方に大廃材投
入口４が設けられ、内部に廃材燃焼室５が設けら
れる。空気取入部２は匣体１の下方一側部に形成
される開口部６と、この開口部６の外側に配設さ
れる前面に開口を有する小匣７と、この小匣７の
前面開口部に配設される有孔の通気基板８と、こ
の通気基板８に外面に回転自在に設けた有孔の通
気調整板９とからなる。また排煙部３は、匣体１
の他側部に形成される開口部１０と、この開口部
１０の外側に配設される煙突１１等から構成され
る。また匣体１内の廃材燃焼室５の下部には受部
１２が設けられ、その上にロストル１３が配設さ
れる。１４は灰取出用扉である。

また匣体１の一側部を除いた上方に設けられる
大廃材投入口４には蝶番１５，１５によつて匣体
１の他側部に蝶着された大廃材投入口蓋１６が開
閉蓋自在に設けられる。この廃材焼却装置に於て
は、太くかつ長い廃材は、もつぱらこの大廃材投
入口蓋１６を開閉して大廃材投入口４から廃材燃
焼室５内に投入するものである。１７は大廃材投
入蓋１６の開放側端部外面に設けた把手である。

また匣体１の上方の一側部は支持蓋１８によつ
て閉蓋される。この支持蓋１８には巾が下記小廃
材供給筒２０の横巾と略同一で長さが下記小廃材
供給筒２０の縦巾より大きい矩形状で、その長さ
方向を大廃材投入口蓋１６に向けた切欠部１９が
形成される。

２０は矩形筒状の小廃材供給筒であり、その下
端部が支持蓋１８の切欠部１９に挿入されて廃材
燃焼室５に臨み、上端部には漏斗状の材料投入部
２１が設けられ、その小廃材投入口２２に小廃材
投入口蓋２３が蝶番２４で蝶着されて設けられ、
かつ下端部の一側が支持蓋１８の切欠部１９の大
廃材投入口蓋１６側に位置する長さ方向の一端部
に蝶番２５，２５で蝶着されて匣体１の上部で起
倒可能に設けられる。すなわち、小廃材供給筒２
０と支持蓋１８の切欠部１９とは前述のような寸
法関係にあり、かつ小廃材供給筒２０の下端部の
一側が支持蓋１８に蝶着されているため、小廃材
供給筒２０はこの蝶着部を中心にしてその下端部
が切欠部１９内に嵌まり込んだ状態で起倒可能に
設けられるものである。この小廃材供給筒２０は
小廃材を廃材燃焼室５に供給するためのものであ
り、小廃材は小廃材投入口蓋２３を開けると開口
する小廃材投入口２２より投入され、小廃材供給
筒２０内を通つて廃材燃焼室５内へ落下する。ま
た小廃材の投入に際し、小廃材供給筒２０で起倒
することでその下端部は廃材燃焼室５内の端部か
ら中央部に向う範囲で小廃材の投入角度が可変さ
れ、小廃材の投入の度毎に小廃材供給筒２０の角
度を適宜に変えてやれば、小廃材を廃材燃焼室５
内の一箇所に集中させずに散らばらせて投入する
ことが可能になる。

なお、小廃材供給筒２０の倒れた状態での傾斜
角度は小廃材供給筒２０の縦巾と切欠部１９の長
さで決まり、小廃材供給筒２０を倒した状態では
支持蓋１８の切欠部１９は小廃材供給筒２０によ
つて塞がれ、さらに小廃材供給筒２０の小廃材投
入口２２は小廃材投入口蓋２３によつて閉塞され
るので開口部は閉止されることになる。したがつ
て常時はこの状態で使用し、小廃材を散らばらせ
て投入する目的で必要に応じて起立せしめると、
当然に切欠部１９と小廃材投入筒２０との間に隙
間が生じることになるが、それは小廃材投入時の
一時的なものであり、かつ隙間も小さなものであ
るため、特に燃焼効率を落すような悪影響はな
い。

また２６は小廃材供給筒２０の起倒操作手段で
あり、小廃材供給筒２０の上方に設けられた滑車
２７と、該滑車２７に懸架され一端部が小廃材供
給筒２０の上部に連結された鎖２８とからなる。
そして、この鎖２８の他端部側を引くことにより
小廃材供給筒２０を起立せしめ、また戻すことに
より小廃材供給筒２０をその自重で倒すことがで
きる。

以上述べたように、本考案の廃材焼却装置で
は、大廃材投入口と小廃材投入口とを別個に設け
たことにより、焼却中に度々小廃材を投入するに
際して大きな大廃材投入口蓋を開閉することなく
小さな小廃材投入口蓋を開閉すればよいため、作
業が容易になり大きな廃材投入口蓋を開閉するこ
とによる燃焼の妨げを防止できて燃焼効率が良く
なる。

特に、本考案装置では小廃材の投入にあたつて
は小廃材供給筒を適当な角度で起倒せしめて匣体
内の廃材燃焼室への小廃材の投入角度を調整でき
る結果、小廃材を廃材燃焼室内の一箇所に集中さ
せずに散らばらせて投入できるため、投入された
小廃材への火の回りがよく燃焼中の火勢を大きく
削ぐこともなく、この点で大きく燃焼効率を向上
させることができる。

さらに滑車と鎖とからなる小廃材供給筒の起倒
操作手段で、小廃材供給筒の起倒操作を容易に実
行できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る廃材焼却装置の
平面図、第２図は第１図のａ−ａ線断面図であ
る。 １……匣体、２……空気取入部、３……排煙
部、４……大廃材投入口、５……廃材燃焼室、１
６……大廃材投入口蓋、１８……支持蓋、１９…
…切欠部、２０……小廃材供給筒、２２……小廃
材投入口、２３……小廃材投入口蓋、２６……起
倒操作手段、２７……滑車、２８……鎖。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空気取入部及び排煙部を備え、一側部を除いた
   上方に大廃材投入口が設けられ、内部に廃材燃焼
   室が設けられる匣体と、該匣体の大廃材投入口に
   開閉蓋自在に設けられる大廃材投入口蓋と、巾が
   下記小廃材供給筒の横巾と略同一で長さが下記小
   廃材供給筒の縦巾より大きい矩形状で、その長さ
   方向を前記大廃材投入口蓋に向けた切欠部が形成
   され、前記匣体の上方の一側部に配設される支持
   蓋と、下端部が前記支持蓋の切欠部に挿入されて
   前記廃材燃焼室に臨み、上端部に小廃材投入口が
   設けられ、該小廃材投入口に開閉自在の小廃材投
   入口蓋が配設され、かつ下端部の一側が前記支持
   蓋の切欠部の前記大廃材投入口蓋側に位置する長
   さ方向の一端部に蝶着されて起倒可能に設けられ
   る矩形筒状の小廃材供給筒と、該小廃材供給筒の
   上方に設けられる滑車と該滑車に懸架され一端が
   前記小廃材供給筒の上部に連結された鎖とからな
   る小廃材供給筒の起倒操作手段と、からなること
   を特徴とする廃材焼却装置。